お願いお狐様  ( 〆 ) 

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ようかいさん  2018-07-31 20:21:27 
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迷い込んだ >23697 様専用











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  • No.10 by 狐  2018-08-02 18:13:55 








___ …何故人間がこんな所に?
( 誰かが封印してあるしめ縄に触れたのだろうか。辺り一面の霧が濃くなり、その霧が消えると社の前に大きな身体を据え。何百年、いや何千年振りに出た外の世界。久しく動かしていない身体を解すために首を高々と伸ばす。耳がひょこり、毛並みがさわわと風により優雅に靡き。少しずつ少しずつ目を開け、目覚めて一番に見た物は可憐な花でもなく、小さく可愛げのある小鳥でもなく、自分を勝手な事情で封印した憎くて堪らない人間。こんなに森の奥深くにこの人間は何の為に来たのだろうかと頭に浮かんだ疑問をそのまま問いかける。もし迷っている等なら自分の封印を解いてくれたこの人間にお礼をしてやってもいいと思ったが、自分は何よりも人間が嫌いだ。走り去ってもらう為に少し驚かさてやろうかと思い、顔を一気に相手の前まで近付け、自慢の大きな尻尾を相手の身体の後に回して擽るように背中を包み。人間の言葉を話す大きな狐を前にして逃げない強者は居ないだろうと、怖がらせることに畳み掛けるように鋭く睨んで。 )









  • No.11 by 早乙女 秀  2018-08-02 22:05:56 








–––…ッ!、 … 美しいな、 君は …、
( しめ縄に触れた瞬間、辺り一面自分とこの社を囲うように立ち込めていた霧が晴れる。 一瞬何が起こったか理解ができずぱっと顔をあげ辺りを見回すと、目に入ったのは美しい毛並みを持った、大きな狐。風に靡く白い毛並みと、凛と立つその姿は見惚れるに値して、思わず目が丸くなり息を呑んでその大きな狐を見つめて。 するとその美しい狐と目が合い、近付いてきたかと思うとふわりと尾に包まれ身動きは取れなくなり。 頬や手擽ぐる風に靡いた毛並みは心地よく、目の前にした瞳は吸い込まれそうで、すっかり狐に心を奪われてしまう。 心を奪われたまま無意識に口を開くと、思わず美しいと呟いていて。美しさへの驚きの方が大きく、狐が人の言葉を喋っていることに何も不思議に思わずにいて。 美しい狐が人間を憎んでいるなんぞ露知らず、その毛並みに触れて見たいとゆっくり手を伸ばし。 )








  • No.12 by 狐  2018-08-02 23:06:10 








… 汚らわしい手で触れないでくれないか。
( 今までの人間なら自分が少し睨んで尻尾で擽れば青白い顔をして逃げて行った。いや、自分が人の言葉を発した時点で虚を衝かれたように慌て逃げて行く。然しこの人間は驚いていたのは一瞬。そこからは驚くどころか物珍しくながめて魅入られたように茫然と恍惚と眺め入っていたように見え。妖怪である自分が言うのも変だが、その摩訶不思議で変わった男から発せられた言葉に驚かす側の自分が逆に驚かされ。人の言葉を話す大きな狐を前にして美しいなんて暢気な言葉を口にするのか。相手が驚かせてきたのはそれだけではなく、自ら自分に触れようと手を伸ばしてきて。先程まで雅趣に靡いていた尻尾で今度は厳しくその伸びてきた手を振り払う。人間なんて心の汚い者に触られては自分までもが汚れてしまう気がし。驚かす最終手段として霧を纏って人間の姿に化けて自分よりも背の高い相手に対して、冷たく鋭い瞳で憎悪と侮蔑に満ちた目線を送る。 )







  • No.13 by 早乙女 秀  2018-08-03 00:04:55 








っと…すまない、触れるのは好まな、いか、 … 君は人の姿にもなれるんだな、
( 視える体質であると色んなものを見てきていているが、流石にこれほど美しく気高い、人の言葉を喋る狐とは出会ったことはなく興味本位で触れようとしてしまったが、これまた美しい尾で遮られてしまう。 無慈悲に振り払われた手を見つめ、今まで視えてはいたが関わらないようにするために触れるなどはしてこなかったせいだろうか応じ方が分からず戸惑いが表情に出る。 手を見つめていた視線を美しい狐に戻そうとすると、先程まで輝いていた白い毛並みは霧に包まれ、自分を囲んでいた気配が消え、ふと瞬きをする間に目の前には人の姿が。 どこか艶めかしく、人間離れした雰囲気をもつ人の目を見ると、先程まで見ていた狐と同じ瞳をしていて、すぐにこの人の姿をしているのが狐だと気付き、ため息混じり呟く。 しかし、先程からこちらを見上げる目は鋭く突き刺さる視線で、それは生半可なものではないと感じると息を呑み。 )
––– 君は、この森の主なのか?、 何か不快な事をしてしまったなら謝ろう、
( しばらくその瞳に宿った憎悪から目が離せないままでいて、やっと絞り出した言葉は相手の気高い容姿を見て辿り着いた問いで。 ここまで憎悪の篭った瞳で見つめられてしまうとは、自分が何か気に障ることをしてしまったのだろう、ならば謝罪しなければとゆっくり言葉を紡ぎ。 )








  • No.14 by 狐  2018-08-03 15:21:21 








その質問に答えるのは、まずお前が私の質問に答えてから。
( 驚かせるつもりで人に化けたのにも関わらず、相手は寧ろ未知の世界への止みがたい歩みを続けるように関心や興味といった類の言葉を零し、また目線を送られ。これでは調子が狂う。若しかしたらこの男は人間ではなく同じ妖怪なのではないかという疑いすら生まれる。然し人間と妖怪の区別がつかなくなる程に自分の妖力は落魄れたとは思わない、否思いたくない。そんな事を考えていれば一つの問いかけが。未だに答えてもらっていない、何故こんな所に人間が一人で居るのかという問い、つまり自分の問いには答えていないのに自分に対して問いかけをしてくる無礼さに眉間に皺を寄せる。久しぶりに外の世界に出て一番妖力の使う人に化けることをしたからか三半規管がぐるりと動いたように眩暈が。視界に広がる霧を掻き分けるように首を横に振れば、まるで酒を飲んだように覚束無い足取りで一本後に下がり社の隣にある苔が一面に広がる大きな岩に腰掛け。さあ早く答えろと言わんばかりに相手の瞳を未だ疑いと不快さを含んだ瞳でじいっと体を突き通すほど鋭く見つめ。 )








  • No.15 by 早乙女 秀  2018-08-04 12:09:36 








質問…、 あ、ああ、俺はただこの森に迷い込んでしまって、
( 美しい狐、もとい大きな狐が姿を変えた美しい人のこちらを見る瞳の色は変わる事なくこちらを見据えていて、それに加え眉を顰められれば一層凄みが増し言葉を詰まらせる。 質問、と言われ相手の開口一番の自分への問いかけを思い出す。何故人間がここに、と言っていたことに迷い込んでしまった旨を話す。 が、話の途中で相手がふらりと覚束ない足で歩き出したかと思うと岩に腰をかけていて。 体調が優れないのだろうか、相手の前に膝をつき様子を窺おうとするが鋭い視線を向けられてしまえば、相手に向けて伸ばしかけた手は止まり。 )
… 本当に迷い込んでしまっただけなんだ、 そちら側に干渉する気もなかった。 …だから気を悪くしないでくれないだろうか、
( 未だに相手の視線は突き刺さり、自分は相手に危害を加えるつもりも人ではないものたちに干渉する気もないことを伝えたくて、声色を落とし、真っ直ぐと相手を見据え相手の問いに改めて応えて。ただ相手に干渉する気が本気でないのであれば相手に触れようともしなかったので、何故自分が今まで避けて来た人ではないものに触れようとしたのか自分の中に疑問が湧いていて。 )







  • No.16 by 狐  2018-08-04 14:28:59 








迷い込んだねぇ … なんとも人間らしい情けない理由だ。
( 人に化けることと人の言葉を喋ること以外に特出した能力はないが一応は妖怪。人間を脅かしたり怖がらせることが本能なので、言葉を詰まられている姿を見るのは本能が燻られて満更でもない。過去の経験から人間に対して酷い偏見がある故に迷い込んだと知ればこれだから人間は、と野卑と揶揄と嘲笑に満ちた文章で見下す。腕を口元へと運び袖で口元を隠して意地悪そうに目を細めてくつくつと侮辱の笑い声を針のように刺し。 )
まぁいい。封印を解いてもらった礼をしよう。森への抜け道を案内する。その時にでもお前の質問に答えよう。
( 人間は確かに大嫌いだ。然しこの人間には封印を解いてもらった大きな借りがある。座っていた岩の上に軽やかにジャンプをして飛び乗れば出口へと案内すると。相手に質問の答えを要求して自分は相手の質問に答えないなんてそこまで意地悪い性格ではない。ふうっと辺りに一息吹けば濃い霧が一気に晴れ。今まで見えなかった綺麗な小川、苔が一面に広がる大きな岩々、若葉の山腹が西日を受けて野の只中に金屏風を立てたように見える茜色の夕陽、不気味な程に冷たい風。早く人間と二人きりという状況から抜け出したくて、返事を聞く前に高い一本歯下駄にも関わらずまるでスキップをするような軽やかな足取りで岩から岩へと次々飛び進む。早く来いというように真っ白な手で手招きを。 )








  • No.17 by 早乙女 秀  2018-08-05 00:20:50 








情けない、か。 まぁ確かにこの歳で迷うのは、情けないな。
( 相手の刺々しい言葉の節々から、人間に対して並々ならない思いがあるように感じ。 何故こんなにも美しい人がここまで嫌うほどに人間を憎む必要があるのか。 自分は一目見て惚れ惚れしてしまったというのに。こちらを嘲笑う姿でさえもどこか様になっているとさえ思ってしまう。とはいえまさかこの年齢になって迷ってしまうとは情けない。 頭の後ろを手でかいては自分に呆れたように苦笑いを浮かべて。 )
封印…?、 俺は君の封印を解いたのか?、君は誰かに封印されていたのか?、
( 彼は確かに封印と言っていたし、どうやら自分がその封印とやらを解いたようであるが思い当たる節がなく首を傾け、興味津々に問いを繰り出して。 答えが返って来る前に相手は霧を晴らし、身軽にひょいと岩を飛び既に離れて言ってしまい。 霧に包まれていた辺り一帯の景色は美しく、その中を身軽に飛び跳ねる相手は一層煌めいて見え見惚れてしまう。手招きをされるとはっと我に帰り相手の後を追いかけ。








  • No.18 by 狐  2018-08-05 15:19:01 









しめ縄。あれが取れたことによって私の封印が解かれた。そして私を何百年も何千年も封印していたのはお前達人間だ。
( 相手の様子を見る限りあのしめ縄を取ったのは偶然だと思われる。どんな理由にせよ封印を解いてもらったことには人間とはいっても感謝をしているつもりで。先程相手に宣言したように質問には淡々と答え。真っ直ぐに前だけを見据えて歩いていたが、封印したのを人間だと言う時には一度立ち止まり振り返っては再び険悪の念を抑えきれない瞳で相手を鋭く睨みつける。それだけを告げると再び岩々を進み始め。やっと岩々を超えれば先程までの不思議とも何とも形容の出来ない神秘的且つすーっと神経が凝結したような気味悪さの気配は消えて、すっかり元通りの山に。超えた頃には既に星が降ってくるような、手を伸ばせば星に届いてしまいそうな圧巻の夜空が空一面に広がっていて。生い茂った木々は自分が通る道を導くように開いていき、一本歯下駄を気味悪く響かせながら只管に歩き。都会が近いことを示すように空の星々は歩くにつれて姿を消していく。星の姿が一つも見えなくなると同時に森を抜け、黙って自分は再び森へと戻ろうとした時、無理してずっと人間の姿でいたのが失敗だったのか重心を失ったかの如くその場に倒れて遠くなる意識に別れを告げ。 )








  • No.19 by 早乙女 秀  2018-08-06 15:07:00 








あれが封印だったのか…、…人間か、 そうか。 何千年も経った後では何の意味もないかもしれないが、すまない。
( 軽々しく身体を動かし進んでいく相手を見失わないように、背中を追いかけていると、振り返った相手の口からは、封印したのは自分と同じ人間だという。その嫌悪の含んだ視線を真っ向に受け、何故だか幼い頃に四方から視える力を持った自分の向けられた視線を思い出す。 もちろん意図が違うことはわかっているのだが、相手の視線の痛さがちくりと胸に残っていて。 封印していたのは自分と同じ人間で、ここまで嫌悪しているのはきっと人間の身勝手な理由でだからだろう、見つかった言葉は申し訳程度の小さな情。 どんどん進んでいってしまう背中を追いかけていると、森の雰囲気が変化しここを訪れた時のような感覚が戻ってきた気がし、自分がつい先程まで人間が入るようなところではなかったというのを思い知らされる。 ふと顔をあげると都会に住んでいたら絶対に見えないだろう美しい夜空が広がっていて、思わず、おお、と声を漏らしてしまう。 空を見上げていると当然足も遅くなり、すたすたと歩いて行ってしまう相手が遠くなってしまうと、駆け足で追いかけ。 だんだんと景色が見慣れたものに変わっていき、やっとの思いで森を抜け見知った道へ出ると振り返り、礼を一つ言おうかと思えば不意に相手がその場で倒れこむ。 )
おい、おい大丈夫か、… どうすりゃいいんだ、
( すぐに駆け寄り、半身を起こして身体を揺するが、何度呼びかけてもその瞼が開くことはなく、何故倒れたかも人ではないものをどう治したらいいかも分からず唇を噛みしめる。 どうにかしないと、と焦りはするも、手段がない。 だが思うより先に身体は動いていて、相手の身体を抱き上げると足は乗ってきた車の方へ。 しばらく公道を歩き見えてきた自分の車の後部席に相手を寝かせ、車を走らせる。着いた先は一人暮らしの自宅で、駐車場に車を停めるとまた抱き上げ、自宅へと運び。一人暮らしにしては広めの自宅に着くと、すぐにベッドルームへ行き、一人暮らしだが寛げるようにと買ったツインサイズほどのベッドに横たわらせて。 シーツをかけてやり、熱がないか、呼吸はちゃんとしているのかを確認し、どちらも確認はできたが妖の狐である相手に必要であろうかは分からず不安は拭えないまま。 どうしたものか、と頭をがしがし掻き、その場に座り込みため息をついて。 改めて相手の顔を見てみれば寝てるといえどその美しさは健在で、真っ白な肌に真っ赤な唇が良く映えるなぁ、なんて少し近付いて見つつも、山を登ったり降りたりで流石に疲れたのかうとうとし始め、その場で眠りに落ちてしまい。 )








  • No.20 by 狐  2018-08-06 19:33:52 








___ ん、ここは …… 。ッおい、お前っ !
( 目が覚めると見知らぬ天井。それに自分を包み込むような柔らかな地面。昨晩の事を思い出すが、倒れてしまってからの記憶は勿論ない。まさかあの後再び人間に見つかって封印されたのではないかと思うが、封印されていた時のような冷たく寂しい雰囲気は不思議とこの場所には漂っていない。眠っている間に元の姿に戻っていて狐の姿だが、柔らかな地面は自慢の尻尾とは違うもっと形容しがたい経験したことのないような柔らかさ。少し身体を動かせば地面が反発してきて、立ち上がろうにもその摩訶不思議な時空に足が縺れ。森の中とは違うギラギラとした光に目を細め、ここが何処なのかとこなれ切れない言葉や世界を前にして頭の中が発熱したようになる。ふと目線を下に向ければ昨日の人間の姿。キャパシティをとっくに超えた脳はフリーズ寸前。こんなにも不思議な状況下にいるのに、不思議と危機感は一切感じなかった。一先ずはこの何も分からない場所に居るという不安感を消したいがために、気持ちよさそうにの眠っているまだ名も知らぬ人間を呼び、更に大きな尻尾で相手の頬を擽って起こさせようと。 )









  • No.21 by 早乙女 秀  2018-08-06 22:38:19 








…んんー…?、 ッふふ、 くすぐったい、 …–––ん、?、 …ッ身体は、大丈夫か、?
( 普段より険しい道が多かったからか程よく疲れ、ぐっすりと眠っていて朝日が差し込んで来ていても心地よく感じすやすやと眠ったまま。 夢も見ず熟睡していると、不意に声が聞こえた気がして。 聞いたことがあるような、ないような、でもその声を聞いているのは悪くなく、身を捩り唸るだけで。 すると頬に何かが触れる感覚があり、この感覚は覚えている気がして、でも未だ何なのか思い出せず頬に触れる其れを手で触れ、毛布でもぬいぐるみでもないこの動くものは何だろうか、確かめようとやっとゆっくり目を覚ます。 触れているそれは動物の尻尾なようで、それにしても触り心地が良く、その尾の主をぼーっと見ては昨晩のことを思い出す。 迷い込んで、人に姿を変える美しい狐に出逢い、彼に連れられ神秘的な森を抜け、満天だった夜空の下で彼が倒れて…と思い出すと、はっと意識は覚醒し、原因不明に相手が倒れここまで運んできてなにもせず寝てしまい、焦りが表情に浮かぶ。 相手の体のところどころを見るが、獣医でもないので分からず相手の口からしか確認できず様子を窺って。 )








  • No.22 by 狐  2018-08-07 15:57:57 









久しぶりに身体を動かして無理しただけだ、心配ない。
( 気持ちよさそうに眠っていた身体を捩らせたと思えば呑気に尻尾を触り、かと思えば急に起きては忙しく身体をまじまじと見てきたので忙しい奴だと。何千年も封印されていたのに体を慣らす前に人間に化けるという消耗が激しいことをずっとしていたので、身体が限界を迎えて倒れただけ。致命的な傷を負わない限り病気で死ぬことも許されぬ妖狐など放っていても構わない。寧ろそうされた方が己の人間に対する増悪のプライドは守ることが出来た。狐だって溜息をつく。取り敢えずこの状況から抜け出そうと思い )
… それで、ここは ?
( 人間を前にして緊張感なく倒れるなんて羞恥を平手打ちのように感じて情けない。然しこの人間は何故得体も知れない妖の狐なんて助けたのだろうか。コツを掴んできた柔らかな地面の上に稲荷神のように気高く座り。下にいる相手を見下ろしては無意識に、と言うべきか癖で大きな尻尾をゆらゆらと優雅に揺らす。森のような綺麗な空気はなく、視覚的に五月蝿い光、見る物全てが初めて。自分を前にして動揺しない目の前の人間はやはり妖怪なのだろうか。だとしたらこの不思議な空間が理解出来る。すんすんと鼻を効かせるがやはり臭うのは人間の臭い。未だに疑いの目は変わることなく、じっと相手を見据え。 )








  • No.23 by 早乙女 秀  2018-08-07 21:55:09 








そうか、疲労か…よかった、何かあったらどうしようかと、
( 身体を見てもなにも変わらず、相手の言葉耳にすると顔見上げ相手の顔色を確認しようとするが、狐の顔色なんて分かるはずもなく不安は拭えないが、出逢った当初の気高さが目には宿っていて、無理をしているようには見えないので安堵のため息を長く吐き。 人の姿の時に目の前で倒れた時は驚いてしまったが、こうして狐の姿をしている相手をみると妖なのだと思い知らされる。 )
ここは俺の家。…です。 目の前で倒れたから心配で、なんだか体が勝手に動いて、勢いで連れてきてしまって…すまない、居心地悪いだろうか。
( 病院に連れて行くわけもいかず、当てもないため自分の家で寝かせるということしか頭に浮かばずにいて、今思うとあまりに愚直すぎな考えで。 自分の性格で目の前で倒れ意識を失った人を放っておける訳もなく、まして妖なんて尚更で、きっと心無い人間に見つかれば自分が受けてきた仕打ちよりもっと酷いことをされるかもしれないと思うと、今更になって背筋が凍る。 相手は優雅にその身を動かすと、まるでお稲荷神社の狐のように凛として佇むものだから、こちらも自然と姿勢を正し床に正座して。 休む時はとことん寛ぎたいが為にベッドにはこだわって購入したので寝心地は悪くないはずだが、それは人間にとっての寝心地の話で妖には不快ではないだろうかと恐る恐る様子を窺い。 )








  • No.24 by 狐  2018-08-08 11:31:34 








… お前のような人間も居るのだな。否、寧ろこの寝床は気に入った。それで、お前名は。
( 心配だとかよかっただとか、先程からこの人間は自分のことも考えてくれているような言葉を発し。人間とはずっと自分自身のことしか考えない身勝手な生き物とばかり思っていたので、妖の狐を助けて心配までする変わった人間もいるのだと関心。安土枕のような物と薄っぺらだが暖かみがある薄い蒲団のような物があるし、何よりも自分か目覚めた場所なので寝床だろうと推測。ふわりふわりと己の身体を包み込み、思わず安堵の息が零れそうになるほどにこの寝床は気持ちがいい。この体の芯がぼんやり光るように甘美にうずく心地良さを人間の身体でも体感してみたく、尻尾で身体を包み込んで人間に化け。狐の時は自慢の毛皮もあったが、人間の姿になり毛皮が無くなるとその分の心地良さが増し。あまりの心地良さにここが憎んで仕方ない人間の住処ということを忘れ、人間の姿をしていてもしっかりと狐なのでキュルリと落ち着いたように喉を鳴らして。ふと我に返ったように、リラックスして少し崩れた姿勢を再び元に戻す。何か例でもしてから孤独な森の中に帰ろうと思い、その前にずっと 〝お前〟なんて呼んでいては人間とはいえ失礼で雅に欠けると感じ、名前を尋ね。 )









  • No.25 by 早乙女 秀  2018-08-08 14:00:13 








気に入ってくれたならよかった。 あ、自己紹介がまだだったか、 名前は早乙女 秀。 そちらさんは…お名前を聞いても?、
( 自分のような人間、とは必要のないことにも首を突っ込み後先考えないお節介野郎のこと言うんだろうか、なんて口にはしないが相手の言葉の意図が分からずに小首傾げ。 どうやら妖である相手にもその寝床の良さが分かるようで、ふかふかしたベッドを確かめるように眺め、更には姿を変え落ち着いている様子を見ると本当に気に入ってくれたようでなんだか誇らしい。 きゅる、と聞こえた喉を鳴らす音は可愛らしく、気高さも持ちながら狐という動物の一面も持っていて、他にはどんな姿が見られるのだろうと興味を持ち始める。 何千年と封印されていたというし、まるで土地神といっても過言ではないような妖相手に、一人間である自分が個人的な興味関心を持ったところで相手にされないかもしれないが、それでも知りたいという欲は拭えず。 こちらに少しも興味がないであろうと考えていたが、相手は自分の名を聞いてきて、驚いて目を丸くする。そして名を告げると、自分のように軽く名を告げられる立場ではないかもしれないので表情を窺いながら問うと。 )








  • No.26 by 狐  2018-08-08 21:12:07 








…早乙女秀か、いい名前だ。ところで秀。私はただの化け狐だ、簡単に言えば…狐の妖怪。だからそこまで畏まる必要はない。それと名前か。名前なんてものは無い故、何と答えればいいのか…。
( ゆらり、ゆらり。余程寝床が気に入ったのか、人間の姿をしているが見えない尻尾が揺らいでいて。今すぐにでも森へと帰ろうと思っていたが相手の反応を見て気替わり。どれ、少し人間の文化を小馬鹿にしてから森へと帰ろうかと好奇心が生まれる。その為には少なからず目の前の人間にはお世話になることになるので、森へと帰る今日の日暮れまでは仲良しごっこでもしてやるかと相手を完全に下に見た考えを持ち。故に昨日の敵意剥き出しの相手を射抜くような鋭い眼光からガラッと変わり和気藹々たる、とまでではないが昨夜よりも何処と無く柔らかい表情で接する。自ら畏まる必要はないと崩すように伝えたのもそのため。続いた相手からの問いかけで今まで気にしていなかった名前についてを改めて考えさせられ。人間と唯一関わっていた頃も所詮は見世物だったので名を付けられることもなかった。答えに困ってうむと考え。 )








  • No.27 by 早乙女 秀  2018-08-09 21:44:10 







そう、か。 それは良かった、どう接していいか分からなかったもんで。 … 名前がないのか?、 ならせっかくだから今作ればいいじゃないか。 俺で良ければ手伝うけど…、
( 起きてから疑い深い目でこちらを見てくる様子があったが、昨日のような突き刺さるような眼光ではなく、どこか柔らかくなったように感じ、ほっと胸をなでおろす。 ようやく緊張感から解放され、安堵の息を吐き、敵意剥き出しの妖である相手とどう接したらいいのか分からずにいて力んでいた力を抜いて。 昨日に引き続き今日も休日でよかったという安心もあり。 相手に名前を聞くと無い、と答えが返ってきて目を丸くする。 名もなしに何千年も生きていたのか、と眉を寄せ、続いて顔を上げないなら今名付ければいい話ではないかと提案を。 相手は名前という文化自体に慣れていないのだろうか、人間とどれくらい関わったことがあるのだろうか。初めて関わった妖に聞きたいことは山ほどあって。 まだここに留まってくれることを祈りながら、相手に似合いそうな名をいくつか頭に思い浮かべ。 )







  • No.28 by 狐  2018-08-09 22:51:06 








作ればいい…ならば私に名前を付けてくれ。それと、今日の日暮れには森へと帰る。それまでの間に人間界を案内してくれないか?
( 少し自分が優しく接すればこの緩みである。これらの対応全てが演技だということを相手は知らないと思うと、悪戯が成功した子供のような優越感が。狐なんぞに遊ばれて腑抜けた人間だ。くつくつと意地の悪そうな薄笑いをしそうになるのを抑え。何千年と名前がないまま生きてきたので今更不便さ等は感じないが、相手に親近感を持たせるために名を付けてほしいと。名がないなら付けてしまえばいいなんて言われてみれば単純な考えではある。然し今更自分では浮かんでこなかった考え故に少し驚く部分はあり。助けて貰ったのに烏滸がましさはあるが、早速次の願いを。まるで人間の世界や文化に興味がありますと言うように好奇の目を瞠る。本来の目的である人間を小馬鹿にするために文化に触れたいだけなんて考えているのはお得意の騙しで心の奥底に隠し。どうだろうかと返事を求めるように小首を傾げ。 )









  • No.29 by 早乙女 秀  2018-08-14 00:45:36 







俺が…?、 そう、だな…、 すごく肌が白いから、雪、とか…って俺全然センスの欠片もないな…そうだ、なら案内するついでに考えよう。
( 人の名前をつけるのを手伝ったこともないのに思わず手伝うなんて言ってしまっていたにも関わらず、もっと無理難題を提示され困惑が表情に浮き出る。 視線を床に落とし左右に泳がせ困惑しながらもやっと絞り出した名は一文字。 しかし相手が気にいるなんてわからないため、人の世界を見たいと言っていたし、その先で気に入ったものを名に使えばいいのではないかと考え提案を。 どうやら人の生きる世界に興味があるようなのを目が語っている。 案内するぐらいなら自分にもできそうだし、名付けるよりはマシなので頷いて快諾して。 )



( / 申し訳ありません、引っ越しなどしておりましたら遅くなってしまいました…お待たせ致しました。 それと思いつく名前があまりないので、是非たくさんある人間界のものに触れ名前を決めていただければと思います…!、 )








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