ようかいさん 2018-07-31 20:21:27 |
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… お前のような人間も居るのだな。否、寧ろこの寝床は気に入った。それで、お前名は。
( 心配だとかよかっただとか、先程からこの人間は自分のことも考えてくれているような言葉を発し。人間とはずっと自分自身のことしか考えない身勝手な生き物とばかり思っていたので、妖の狐を助けて心配までする変わった人間もいるのだと関心。安土枕のような物と薄っぺらだが暖かみがある薄い蒲団のような物があるし、何よりも自分か目覚めた場所なので寝床だろうと推測。ふわりふわりと己の身体を包み込み、思わず安堵の息が零れそうになるほどにこの寝床は気持ちがいい。この体の芯がぼんやり光るように甘美にうずく心地良さを人間の身体でも体感してみたく、尻尾で身体を包み込んで人間に化け。狐の時は自慢の毛皮もあったが、人間の姿になり毛皮が無くなるとその分の心地良さが増し。あまりの心地良さにここが憎んで仕方ない人間の住処ということを忘れ、人間の姿をしていてもしっかりと狐なのでキュルリと落ち着いたように喉を鳴らして。ふと我に返ったように、リラックスして少し崩れた姿勢を再び元に戻す。何か例でもしてから孤独な森の中に帰ろうと思い、その前にずっと 〝お前〟なんて呼んでいては人間とはいえ失礼で雅に欠けると感じ、名前を尋ね。 )
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