ようかいさん 2018-07-31 20:21:27 |
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–––…ッ!、 … 美しいな、 君は …、
( しめ縄に触れた瞬間、辺り一面自分とこの社を囲うように立ち込めていた霧が晴れる。 一瞬何が起こったか理解ができずぱっと顔をあげ辺りを見回すと、目に入ったのは美しい毛並みを持った、大きな狐。風に靡く白い毛並みと、凛と立つその姿は見惚れるに値して、思わず目が丸くなり息を呑んでその大きな狐を見つめて。 するとその美しい狐と目が合い、近付いてきたかと思うとふわりと尾に包まれ身動きは取れなくなり。 頬や手擽ぐる風に靡いた毛並みは心地よく、目の前にした瞳は吸い込まれそうで、すっかり狐に心を奪われてしまう。 心を奪われたまま無意識に口を開くと、思わず美しいと呟いていて。美しさへの驚きの方が大きく、狐が人の言葉を喋っていることに何も不思議に思わずにいて。 美しい狐が人間を憎んでいるなんぞ露知らず、その毛並みに触れて見たいとゆっくり手を伸ばし。 )
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