ようかいさん 2018-07-31 20:21:27 |
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その質問に答えるのは、まずお前が私の質問に答えてから。
( 驚かせるつもりで人に化けたのにも関わらず、相手は寧ろ未知の世界への止みがたい歩みを続けるように関心や興味といった類の言葉を零し、また目線を送られ。これでは調子が狂う。若しかしたらこの男は人間ではなく同じ妖怪なのではないかという疑いすら生まれる。然し人間と妖怪の区別がつかなくなる程に自分の妖力は落魄れたとは思わない、否思いたくない。そんな事を考えていれば一つの問いかけが。未だに答えてもらっていない、何故こんな所に人間が一人で居るのかという問い、つまり自分の問いには答えていないのに自分に対して問いかけをしてくる無礼さに眉間に皺を寄せる。久しぶりに外の世界に出て一番妖力の使う人に化けることをしたからか三半規管がぐるりと動いたように眩暈が。視界に広がる霧を掻き分けるように首を横に振れば、まるで酒を飲んだように覚束無い足取りで一本後に下がり社の隣にある苔が一面に広がる大きな岩に腰掛け。さあ早く答えろと言わんばかりに相手の瞳を未だ疑いと不快さを含んだ瞳でじいっと体を突き通すほど鋭く見つめ。 )
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