〖 非募集 〗砂糖と昼寝。

…ん。っは、どしたの。すげぇ積極的じゃん。(唇が重なれば、抵抗する事なくそれに応じて。程無くして離せば背へと回している手で相手の背中を子供をあやすようにぽんぽんと撫でて)

…寝起きの綾すげえ色っぽいなあと思って。(唇が離れると再び相手の首元に顔を埋め、頬を擦り寄せながらぽつりと呟き)

んえー、どこがよ。(くはり、と息を吐き出すのと共に笑い声漏らせば首元へと擦り寄ってくる相手の髪へと口付け落とし。眠りの淵から引き戻されたとは言え、すぐに目が覚めるわけでも無く未だうつらうつら舟を漕ぎつつ)

声とか顔とか雰囲気とか…色々。キスしたくなっちゃう感じだった。(何処か気怠げな先程の相手の様子を思い浮かべながらぽつりぽつりと答え。顔を上げれば未だ眠たげにしているのが分かり、クスクス笑いながら頬をつついて)綾ー、まだ眠い？

…晴からキスしてくれんのレアだなぁって思ってた。(ぽつりぽつりと溢す相手の言葉を耳にすれば柔らかい笑みを浮かべ。頬に小さな刺激が伝わってくれば、殆ど同じ高さにある相手の瞳をじっと見て。問い掛けられたものには小さく首を左右に振るものの言葉を紡ぎだす声やその反応は眠たさを隠しきれてはおらず)…んー、晴にくっ付いてっと温けぇんだもん。

たまにすんじゃーん。(微笑みながら言葉を返すも、見るからに未だ眠気を引き摺っている様子に小さく吹き出し。見詰められると鼻先に口付けを落としながら告げ)ん、俺もまだ寝てたいんだけどさあ…どうしても今日欲しいもんがあって。

んでも俺にしてって言う方が多いじゃん？(鼻先へとキス落とされれば満足気に頬緩ませ。相手の言葉を聞き、そう言えば寝る前に話していた事を思い出せば頷き。名案を思いついた、とばかりに顔に笑み浮かべれば己の唇とんとん、と人差し指で指し示し)晴がココにちゅーしてくれたら起きれるんだけどなぁ。

…そうだけど。(反論のしようもなく少々不貞腐れたように認めたが、相手の言葉にほんの少し目を見開くとすぐに頬を緩めさせ。再び体を起こして覆い被さるような体勢になると、何度か角度を変えて啄むように唇を触れ合わせ。一度動きを止めると笑いながら揶揄い)…綾ってばお強請り上手ー。

…お強請りしねぇとしてくんねぇだろ？(角度を変えて何度か降ってくるキスの雨に此方も角度を変えて応じて。相手の動きが止まれば、ぎゅっと抱き締め己の方へと引き寄せ。言葉とは裏腹にその体制のまま相手の事離すつもりは無く)あー、このままイチャイチャしてたいけど早く出掛けるか。

たまにはするよ、さっきみてえに。(引き寄せられるとクスクス笑いながら相手の肩口に頭をのせ、目を伏せて答え。言動の矛盾を可笑しく思いながらも、それを指摘するどころか此方も動く気にはなれず、相手の耳元に唇を寄せて囁き)…じゃああとちょっとだけイチャイチャしてからにしよ。

ほんと、たまぁにじゃん。(ケタリと笑い声上げつつ、肩口へと乗った相手の頭を優しい手つきで撫で。先程の己の矛盾には気付いているものの、相手に抵抗する気がないと分かればそれを訂正するつもりも無く。耳元を擽る相手の言葉に破顔すれば頬にキス落としてからベッドの上に胡座をかいて座り)…ん、イチャイチャしよっか。

する。…綾もキスして。(頬に触れる感触に口元を綻ばせた時、相手が起き上がると同様に体を起こして隣に座り。体を相手の方へ向けて頬に口付けを返すと、笑みを含んだ声色で強請り)

仕方ねぇなぁ。(頬へと触れた柔らかい感触にゆるい弧を口元へ浮かべていれば可愛らしいお強請りが聞こえてきて。口振りはやれやれ、とでも言いたげだがその表情は満更でも無さそうであり。相手の顎へと手を持っていき指でクイ、とほんの少し上を向かせれば唇重ね合わせ)

ん、(言葉ばかり渋々といった様子が感じられ小さく笑いながらされるがまま顎を上げると、唇が触れるのと同時に目を伏せて。一度離れれば舌先で相手の唇の輪郭をなぞり)

ん、…なぁに、晴クン大胆じゃん。(一度唇が離れればその輪郭をなぞるように感じる温かい感覚。とん、と相手と額を合わせれば、ニッと笑みを浮かべて見せて。ふと思い出したように相手から少し離れ、己の膝を軽く叩けば小さく首を傾げ)…晴、膝おいで。

今はそういう気分なんですー。(額が合わさると視線を上げて相手の方を見やり、その笑みにつられるように口元を綻ばせながらぐりぐりと額を押し付け。不意に互いの間に距離が生じたかと思えば膝に乗るよう促され、頬を緩ませながら相手の正面へ移動すると向かい合うようにして膝の上へ腰を下ろし、相手の首元に緩く手を回して)

んー、そうじゃ無くて。……今は晴の事、後ろから抱き締めたい気分。(向かい合うようにして己の膝の上へと座り、首へと腕を回してくる相手も愛おしいのだが今の願望とは違った態勢で。首へと回る相手の腕に手掛けてするりと外して仕舞えば多少強引にでも相手の向きを変え、背後から抱き締める形へと変えて)

うぉっ、…ふは、良いよ。俺もこれ好き。(相手の言葉にきょとんと目を瞬かせている間に体の向き変えさせられると驚いて声を上げるも、体勢が落ち着けば笑いながら背後の相手へと凭れ。体の前に回った相手の手を取ると指を絡ませて握り)

っは、すげぇ声。(己の急な行動に驚き出したのであろう声に笑い声漏らし。抱き締めるように回した腕、指を絡まされれば応じ。相手の肩へと顎を乗せれば表情伺うように顔覗き込み)

綾が驚かせるからだろー。(笑われると不貞腐れたように唇尖らせ、然程怒っていないにも関わらず視界に相手の顔が映り込むとふいっと顔を逸らし)

驚かすつもりは無かったんだけどさ。(顔覗き込めばふい、と逸らされる顔。顔を見せてくれない相手の対応にほんの少し唇尖らせつつ、ふにふにと相手の頬つついたり軽く唇触れさせてみたりして)なぁーあ、晴クンこっち向いて？

…ん、…ふふ、なーんだよ。(暫く怒ったふりをしていようと思ったのだが、頬に触れる擽ったい感覚や相手の声、ちらりと見えた表情に簡単に絆されてしまい程無く破顔して。相手の方を向くと額を合わせながら問い掛け)

折角のイチャイチャタイムなんだから晴の顔も見てぇじゃん。(程なくすれば緩んだ表情のままこちらを向いてくれる相手、額が合わされば触れている部分を少しでも感じようと擦り寄っていき。小さなリップ音立て瞼へとキス落とせば思い出したかのように口を開き)…そう言えばさ、どこ行きたいの？

……まだ内緒。(額を擦り寄せられると擽ったそうに肩を竦めて笑い、瞼へ唇が触れれば目を伏せて。しかし行き先を問われると答えてしまおうかと悩み一時口を噤んだ後、ゆるゆると首を左右に振り)

えー、んな事言われたら気になんじゃん。(行き先は簡単に教えて貰えるであろうと考えていたものの、相手がその事に関して口を開いてくれず拗ねたような、むすりとした表情を顔に浮かべ。最後に相手の事抱き締め、首筋に口付け落とし)…んじゃあそろそろ出掛けっか。

でもだーめ。楽しみにしといて。(声色からして相手の表情は容易に想像でき、クスクスと笑いながら後ろ手にぽんぽんと頭を撫でて宥め。ふと体に回った腕に力が込められたかと思えば首筋に擽ったい感触があり笑みを零すも、同時に聞こえた言葉に頷くと漸く相手の腕の中から離れベッドから降り)ん、これ以上イチャイチャしてたら家から出たくなくなるな。

晴のケチ。(頭撫でられれば頬を緩ませるものの尖らせた唇は元に戻さずそのままで。腕の力を緩まれば必然的に離れて行く相手の体温、仕方の無い事だと分かっていてもそれが妙に物悲しく感じてしまう。ベッドから降りた相手の手首を掴み此方側へと引き戻そうかと考えるも、相手が己を誘ってまでも出掛けたい、という場所にも興味があるのは事実。途中まで伸ばしかけた腕を押しとどめ、何事も無かったかのように立ち上がって)俺としてはこのままイチャイチャして一日が終わるのも良いんだけどな。

どんな反応すんのかなーって見てみてえの。(相手の不満も理解できるが、どうしても先に行き先を明かすのは惜しまれ笑いながら宥めて。未だ外出を渋っている様子の相手の手首を掴むとリビングへと引っ張っていき)だぁーめ、今日絶対行く。

んな引っ張んなくても晴の行きたいとこ連れてってくれるんだったらちゃんと歩くってー。(立ち上がるなり手首を掴まれ、そのまま向かう先はリビング。ゆっくりとした足取りでしかし確りと自分の意思で歩みを続けられるのだが、相手が触れていてくれるのであればこんな状態も悪くは無いか、と。冗談めかした駄々っ子のような口振りで言葉を紡ぎつつもその視線は穏やかなもので)

ん、じゃあ行く準備してくださーい。(リビングの真ん中で立ち止まると振り返って外出の支度を促すも、言葉とは裏腹に徐に互いの両手を繋ぐとゆらゆらと左右に揺らして)

っは、これじゃ用意出来ねぇんだけどなぁ？(リビングの中心にて立ち止まったかと思えば、両の手を繋ぎゆらゆらと左右に揺らす相手。くはり、と吹き出せば揺らす片手を意図的に持ち上げて手の甲へと唇触れさせ)

んん…外出たら全然綾に触れねぇんだなって思って。(持ち上げられた手の行方を目で追っていればそこへ触れる唇に僅かに頬を緩めるものの、すぐに表情は些か浮かないものへと変わり。互いの関係に後ろめたさは無いにしても堂々と街中で手を繋げる程度胸は無く、ぎゅっと握った手に力を込めては小さく呟いて)

なぁんだ、んな事なら早く言えよ。(何とも可愛らしい事を言う相手に破顔すれば、少し身体近付け目元へとキスを。そっと繋がれている手を離せば寝室へと逆戻り。小物入れの中へと雑多に入れているレザーのブレスレットを見つけ、それを後ろ手に持ち相手の元へと戻って)…ほら、腕出して。

ん、…え、綾？(相手の顔が目前に来れば最早条件反射で目を閉じてしまいながら、目尻に触れる唇の感触に目元緩め。しかし指先が解けると同時に寝室へ消えて行く姿に戸惑いつつも言われた通りその場に佇んで相手が戻ってくるのを待ち。戻ってきた相手の言葉に脳内に疑問符を浮かべながら、言われるまま両手を相手の方へと差し出して)

外にいる間の俺の代わり。ほんとは手繋いでても良いんだけど見られんの嫌だろ？(素直に差し出された手、真逆両手を差し出されるとは思っておらず小さく笑い声を上げてしまうも、その片手に持って来たレザーブレスを巻き付けて。ぽんと片手を頭の上へと乗せればわしゃわしゃと撫で始め)

…え、これ…くれんの？(言われた通りにしたというのに笑い出す相手に益々疑問を募らせるが、片手に巻かれたブレスレットを見ると大きく目を見開いて。続けられた相手の言葉は届いているのかいないのか、一心にそれを見詰めた後ぱっと顔を上げて問い掛け。頭を撫でられると頬を緩めながら瞼を下ろし)

そ、頑張ってる晴にプレゼント。…つっても俺のお下がりなんだけどな。(くるくると表情の変わる相手を見ていればふつふつと愛おしさが湧いて出てきて。投げ掛けた質問への返答は返ってこなくても良い、寧ろ肯定された時のダメージの事を考えれば返ってこない方が良い。暫く相手の様子眺めた後にふう、と満足気に息吐き出し)ほら、早く用意して出掛けんだろ？

…お下がりすげえ嬉しい。ありがと、大事にする(感極まった様子で微かに頬を上気させながら礼の言葉を告げると、頬を緩ませながら手首にあるブレスレットに触れ。しかし外出の準備を促されると思い出したように頷き、一先ず洗面所へ向かい)あ、…うん、取り敢えず準備してくる。

んな喜んでくれんだったら、もうちょい早く渡しても良かったかもなぁ。(微かに赤く染まった頬を見せる相手の様子に柔らかな笑み浮かべ。外出の用意を促せば思い出したかのように洗面所へと向かう相手とは反対に着替える為に寝室へと再び足を運ばせ。どこに向かうのかも分からない為、白シャツに黒の薄めのカーディガン、スキニージーンズと場所を問わない服装に身を包み。リビングへと戻り先刻テーブルの上へと置いた眼鏡を掛ければ、そのまま相手が用意を終えるのを待ち)…ん、焦んなくて良いからな。

ん、ありがと。(貰ったブレスレットを濡らしてしまわないよう気を付けながら顔を洗い乱れた髪を整えると、歯を磨いてからリビングへ戻り。既に着替えを終えている相手の服装を頬を緩めて眺めつつ眼鏡を掛けている事に気が付くと、ふらりと歩み寄り声を掛け)眼鏡掛けてくの？

(一先ず洗面所での用意が終わったのかリビングへと戻って来るなり此方へと歩を進めてくる相手。ちらりとその姿を見れば僅かに頬が緩んでいるのが確認出来、出したままにしていた本を片付けたり戸締りの確認をしつつ)んー。コンタクト入れんのも面倒だから眼鏡で行くつもりだけど、どうかした？

別にぃ。俺の彼氏は相変わらずかっこいいなと思って。(頬を緩ませたまま首を左右に振って答えると、一言付け加えながら踵を返して歩き始め。背後の相手へ間延びした声を掛けながら着替えるために寝室へ向かい)じゃ、俺も着替えてくるー。

こーら、そんな褒めても何も出てこねぇぞ。(他人からかっこいい、なんて言われても軽く受け流すことが出来るのだが、相手からの言葉にはゆるりと頬をだらし無く緩め。間延びした声投げかけながら寝室へと向かって行く相手の後ろ姿を見送るも、財布を忘れた事に気付けば後を追うようにして歩を進め)

んー…。(果たして指輪を買いに行く時はどんな格好をすべきなのかと思案しながら寝室へ来るも、結局ラフすぎなければ問題無いと言う結論に至りクローゼットから薄手の七分丈のニットと黒のパンツを取り出しベッドに並べ。早々に部屋着を脱いで着替え始め)

かぁいい格好してんじゃん。(引き出しの中から愛用している長財布取り出し、それをズボンの後ろポケットへと捩じ込んでいれば横目に映る服を選ぶ相手の姿。じっとその姿を壁へと背を預けつつ眺めていれば程なくして決まったようで。着替え終わった相手へと背後から近付き後から抱き締めて)

うわっ、びっくりした…。いつから居たんだよ。(着替えを終えて振り返ろうとした瞬間聞こえた声と共に動きを封じられると、びくりと肩を揺らして感嘆の声を漏らし。体の前に回る相手の腕に手を添えながら不満を訴える顔を背後へと向けると、口を尖らせて問い掛け)

服選びだした辺りから？(此方へと向く表情や紡ぎ出される不満の訴えの割に、回す腕には相手の手が添えられている事に気付けば口元綻ばせ。首元へと小さなリップ音立てて口付けをした後相手の元から離れればじぃ、と相手の姿眺め。何か思い付いたように口の端上げて笑作れば近くにあった椅子指差し)晴、そこ座ってちょっとじっとしてて？

それ最初っからじゃん…、(大した事はしていなかったにも関わらず一部始終を見られていたと知ると謎の羞恥が込み上げ、僅かに眉間に皺を寄せて訂正するも首元に唇が触れると思わず口を閉じ。そのまま離れて行った相手から何やら視線を向けられると不思議そうに瞬きを繰り返し、程なくして出された指示の意味もよく分からないながら言われるまま椅子に座り)え、うん…。

一緒に出掛ける為に服選んでくれてんの見るのって優越感あったわ。(ふはり、と呼気とともに笑い声漏らせば悪戯っ子のような表情で。促すままに椅子に座った相手に満足気に頷けば、手際良く左側サイドの髪で編み込みを作っていき。戸棚から取り出したピンで耳の後ろ辺りで止まるようにしてから上の方にある束をほんの少し緩め。完成したなら、相手の目の前に目線を合わせるようにしてしゃがみ込んで)…ん、可愛い。流石俺の晴。

うるせえなあ、俺だって服装くらい少しは気い使いますー。(身も蓋もないはっきりとした物言いに益々気恥しさが募ると、不貞腐れたような口調で告げてふいっと顔を逸らし。椅子に座れば視界の端へ消えていった相手の姿を追おうとするも、その前に髪に触れられる慣れない感触があるとぴたりと動きを止め。何やら髪型を変えられているらしいことはわかるもののどうなっているのかはまるで見当が付かず、少しして目の前にやって来た相手に髪に触れながら問い掛け)え、なになに、どんななってんの？

んな怒んなって。俺の為に選んでくれてんかなって思ったらすげぇ嬉しかったんだからさ。(顔を逸らした相手の頬を人差し指でつんつんと突き。だらしの無い頬はそのままで目元に優しい笑み浮かべたならこちらを向いてくれるまで見詰めたままで。結い上げた髪を触る相手の手首を掴めばそこから離し、空いている方の手でスマホ操作すればカメラアプリを起動し内カメへと変更すれば相手の方へと画面向け)あー、んな触ったら崩れっから。…編み込みっての？あんま目立たねぇからこのまま外出ても大丈夫でしょ？

…じゃあ許す。(相手の口から素直な気持ちを聞くと怒ろうにも怒れるはずがなく、其方を向けば目の前で緩んだままの頬に口付けを落とし。抵抗しないまま手を離し代わりに向けられたスマホを両手で持ち色々な角度から自らの髪型を見ると、大きく目を見開いて歓声を上げ)うわぁ、すげえ…。俺の髪こんなんできんの？器用なんだなあ綾。

ん、ありがおうな。(頬へと柔らかい感触を感じれば、予期していなかったことにほんの少し目を見開くものの直ぐに笑み浮かべ直せば相手の頭を軽く撫で。スマホが相手の手へと渡ればにこやかな笑み浮かべ相手の新鮮なリアクションを見ていて。編み込んでいない方のサイドの髪へと指通しつつ)これくらいなら何とかな。手先は器用な方が良いじゃん？

(頭を撫でられる感触に頬を緩めて目を伏せ。借りたスマホ越しに何度も同じ場所を眺めて漸く満足すると、スマホを相手に差し出して頬を緩ませて。生れて初めての編み込みがどうにも気になってしまい時々軽く触れながら問い掛けに考え込むように首を傾げ悩まし気に小さく呻くと、眉を下げて複雑そうな笑みを浮かべて答え)んん…そうだけど、あんま綾が何でもできたらすげぇモテちまいそう。

(返されたスマホをポケットへと滑り込ませてから視線を上げれば何やら複雑そうな表情を見せる相手。小さく首傾げつつその様子を見ていれば不安要素が吐露されて。手で相手の頬を包み込む様にした後、軽く摘み痛みを伴わない程度に引っ張って)晴からモテたいって思ってしてるだけなんだけど、それでも不安？

んむ、…んーん。不安じゃない(頬を摘ままれるときょとんとして目を瞬かせるも、相手の言葉にだらしなく頬を緩ませ。特に抵抗もせずされるがままになりながらへらりと笑みを浮かべると、お互いの準備ができたところで外出を促し)じゃあそろそろ出かけるかぁ。

ん、良い子。(相手の否定の言葉と共に頬が緩んでいくのを見れば、摘んでいた手を離し代わりに親指で先程まで摘んでいた場所を撫で。外出を促されれば頷いてから立ち上がり。手を差し出せば相手が立ち上がるのを手伝うつもりで)…はい、お手をどうぞお姫様。

…ふは、お姫様って…俺は男なんですけどぉ。(子供扱いされているような気がしないでもないものの、それよりも甘ったるさの残る褒め言葉と頬を撫でられる感触に心地良さそうに目を細め。相手に続き立ち上がろうとした時目の前に手を差し出されるときょとんとして相手を見るも、告げられた気障な台詞には何処か照れ臭そうに笑い。相手の手に手を重ねて立ち上がるとぽつりと呟き)こんな事しても様になんだなぁ…。

知ってっけどさ。晴は可愛い可愛い俺のお姫様だろ？(一泊遅れて重ねられた相手の手。立ち上がる前、照れ臭そうな笑と共に告げられた言葉にはへらりとした笑みを浮かべて返事をしようか。相手が立ち上がればぐい、と己の方に手を引くと共に此方も相手へと顔近付け目論見が叶ったのならば相手の唇に触れるだけのキスを落とし)…んな気障な事して様になんのも晴がちゃんとノってくれるからだかんな。

なら綾は俺の王子様だな。…ん、(重ねられる甘い言葉に僅かに頬を染めて言葉を返すも、突然腕を引かれると前のめりになり相手の方へ一歩近寄り。驚いたように視線を上げた時唇が重なると目を見開くも、すぐに目を伏せると此方からも一度唇を重ね)違うって、綾がかっこいいからー。

ふは、俺は王子様って柄じゃねぇだろ。(微かに上気した頬のまま返された言葉には苦笑混じりに応え。唇を重ね合わせれば素直に従ってくれる相手の様に優しげな笑み浮かべていれば再び重なった唇。満足気に離れたなら今度こそ外出を促し)晴が思ってる程格好良くねぇけどな。…ほら、外行くぞ。

まぁナイトでも良いけど。けどそこは結ばれねぇ感じすんじゃん。(何が腑に落ちないのか分からないものの、以前相手が言っていた事を思い出しては笑いながら告げ。唇が離れた時言われた相手の言葉はどうにも納得が行かず、文句を言いながらも促されるまま玄関先へ向かい)かっこいいよ、誰が見てもそうだって。

良いじゃん、お姫様と騎士の恋。身分違いの恋っての俺は結構燃えるけどな。(ケタリと笑い声あげた後、にっと口角を上げどこか悪戯地味たような笑を浮かべればほんの少し目にかかっている前髪を軽く掻き上げて。文句を言いながらも促すまま素直に玄関へと向かって行く相手の背を追いかけつつ。玄関へと辿り着いたなら黒のスリッポンへと足を入れ扉開けて)それは言い過ぎだって。それに、俺は晴から格好良いって思われてたらそれで良いんだからさ。

…ん、綾相手なら何でも良い。(相手の笑みと仕草に目を奪われ、一瞬惚けたように見詰めてしまうも我に返るとだらしなく頬を緩ませながら頷き。玄関先へしゃがみ込みスニーカーを履きながら相手の声に耳を傾けているも、付け足された一言にぎゅうっと胸を締め付けられると立ち上がり首元に抱き着き)いっつも思ってる。そういうとこもかっこい。

ん、俺も晴となら何でもいい。身分違いだろうが反対されようが守るつもりだし。(緩みきった頬に熱を帯びたように見えた瞳、何処を取っても愛おしさが溢れてきて。相手の片手を持ち上げれば恭しく手の甲へと口付けを。何の前触れもなく首元へと回ってきた腕に加え急にかかった己以外の体重に少しバランスを崩すものの片手を壁へと付き転けるのを防ぎ。ちら、と相手の表情伺い目元へとキスを)晴から「綾かっこいいー！」ってオーラ駄々漏れだから知ってる。

…うぅ、綾好きー…(相手からの言葉は何度も胸を擽り、鼓動が一層速まるのを感じると堪らないと言った様子で小さく呻き。手の甲に唇の感触があれば相手の肩に額を押し付け、すりすりと擦り寄りながら呟いて。目元に触れた唇に笑みを漏らすも、告げられた言葉は些か気恥ずかしさを煽るもので。それを誤魔化すように話題を変えると、早々に扉に手を掛け)…え、そんなに？うわ、なんかすげえ恥ずい…。…もう行こ、早くしないと遅くなるし。

ふは、急にどうした。俺も晴の事好きだよ。(肩に擦り寄るようにして頭を押し付けられる相手の頭をぽんぽんと軽く撫でつつ、相手に見られる恐れの無い口元は緩みきっていて。玄関の扉へと相手が手を掛ければすんなりと開き、外の光が室内にも差し込んでくる。それを見て、二人だけの世界が割かれたような、そんな気がしてしまうのだから余程重症であろう。ただ、二度寝に入る前から言われていた外出を今更取り止める気も起こらず、素直に外へと足を踏み出せば相手の方へと手を指し出し)そんなに。俺と居る時、すげぇ可愛い表情してんよ。……晴クン、手。

綾が無駄にかっこいい事してくるからー…。(同じ言葉を交わせる幸福感を噛み締めつつ、肩口に顔を埋めたままぽつりと呟き。返された自分の知らなかった事実に益々羞恥が込み上げるのを感じながらも、扉が開いてしまえばそれ以上言い返す事はせずに口を噤み。此処から先は相手と友人のような距離感で歩かなけらばならないが、一体どの程度が近すぎない距離というのかが分からなくなってしまっており。心配と寂しさにあれだけ楽しみにしていた目的が憂鬱なものになりかけた時、横から聞こえた声と差し出された手に目を見開き。何度か手と相手の顔とに視線を行き来させていたが、程無くしてゆっくりと其方へ手を伸ばせば指先を軽く絡めて)

(ん、と差し出した手に戸惑う様子を見せる相手。繋いでくれる気になるまではこの場を動くつもりは無い、という意思表示をしようかと思っていれば程無くして相手の体温がそこから伝わってきて。指を絡められれば此方も応じるように、解くつもりは無い事を相手に伝える為にもほんの少し力を込めて絡め直してから、こめかみへと軽く唇を寄せ。隣に居る相手の顔覗き込めば道を問う声色は普段、家で二人きりの時とりか幾分明るいものを心掛けて)……俺はどこ行くか知らねぇんだから案内よろしくな？

(触れてしまっても尚蟠る迷いを掻き消すように強く繋がれた手、その意思を感じ取れば思わず頬が緩み。互いの関係が世間的にイレギュラーであっても堂々としている相手の様子に憧れもあり、同時に強く惹かれると此方からも手を握り返し。こめかみに触れる唇や声色さえ普段よりも甘ったるく感じてしまい、自らを律するべく軽く頭を振るとできる限り平然と言葉を返し)おう、任せろ。あんまり遠くねえから。

(握り返された手に先程までの弱弱しさは無く意思は過不足なく伝わったのだと安堵の息を。平然を装いつつも平素の調子を取り戻したのであろう相手の様子を見れば、歩を進めだし)んじゃあ早速行こうぜ。

ん。(促されるまま頷いて歩き出し、相手の手を引いて目的の場所へ向かい。視界に人影がある度鼓動が跳ねるが平然と歩き続け、ただ握った手に僅かに力を込め。十数分程歩いたところでふと足を止めて振り返ると、笑みを浮かべて相手を見据え)…はい、目閉じてー。

(相手に手を引かれつつ目的地への道を歩み始め。視界の隅に人影が映る度に僅かに握る手に力が込められれば、それに応えるように力を込め返し。陽の射す中、十数分程度歩いた辺りでほんの少し前を行く相手が足を止め振り返れば、その顔には笑みが浮かんでおり。小さく首を傾げつつ言われたままに目瞑り)…ん？分かった…。

(相手が目を閉じたのを確認すると両手を取ってゆっくりと歩き、角を曲がった小さな店の前に立ち。ジュエリーショップだが煌びやかでなく、落ち着いた雰囲気のある場所なお陰で一目見ただけでは気付かないかもしれないと考えつつ声を掛け)…開けて良いよ。

(瞳閉じたまま、相手に両手を引かれつつゆっくりとした足取りで着いて行き。暫くして歩みを止めた相手に半ばぶつかるようにして立ち止まれば、指示通り目を開いて。そこに見えたのは落ち着いた雰囲気のある一軒の店で。状況を飲み込めないために苦笑混じりの笑みを浮かべつつ小さく首を傾げ)…っと、ココに来たかった、って事であってる？

ん、あってる。ほら、入って入って(どんな反応をするだろうかと若干緊張しながら相手の様子を見詰めていたものの、此方を向いた表情からは一体此処が何処であるのか分かっていないらしい事は一目瞭然で。思わず頬を緩めてしまいながら相手の背後に回ると、背中をぐいぐい押しながら店に入る事を促し)

こらこら、そんな押さなくてもちゃんと入るから。(何時の間にか横に立っていた相手は己の背後へと回り、店の中へと入るのを促すとともに背中を押してくる。その力に半ば負けるようにして店内へと足を踏み入れれば視界に入ってきたのは、控えめながらきちんと主張をしているアクセサリーの数々。この場所に連れて来た、という事は何かしら欲しい物があるのだろうがその真意は未だ掴めずに居て、ちらりと後ろを見遣ればそのまま首を傾げ)…んで、どした？何か欲しいモンでもあんの？

……もー、前言ってただろ指輪欲しいって。(店内に入れば勘付くだろうと思っていたものの、予想に反し未だ目的を理解していない様子に不服気に眉間に皺を寄せ。唇を尖らせながら最終的には自ら目的を明かすと、相手の後ろを離れてディスプレイされている指輪を見詰め)

ああ、そういえばそうだったな。(瞳をぱちくりと瞬かせ、相手の言葉にて思い出せばすぐに思い出したように両手をぱん、と叩いて。背後を離れて指輪の類がディスプレイされている棚へと進んでいくのを見ればその後を追いかけて。相手の背後に立てばそこから覗き込むようにして)…んで、晴はどれが良いとかある？

…俺シンプルなのが良いんだよなぁ…。なんも模様無いのか一本線入ってるやつ。…あ、あれ。(思っていたよりも種類が豊富な指輪の一体何が違うのか分からないが、それらを幾ら比べてみてもやはりどれが良いのかはよく分からず。相手と同じ物であれば良いのだから余計な装飾は要らないだろうと考えながら、自分が言った物に該当する指輪を指し)

んー、シンプルなやつか…。ん？ああ、晴が言ってるのにぴったりだな。(顎に手を当てケースの中に並ぶ物を品定めするように眺めていれば、ピンと来たものを見つけたのか聞こえてくる相手の声。指さされた方へと視線を向ければ目立つ装飾のついていない、相手の要望にぴたりと当て嵌るものがあり。辺りをキョロキョロと見回し男性の店員を見付ければ、相手の頭くしゃりと撫でてからそちらへと歩を進め)…ちょっと待っててな。

ん、あれ──…えぇー…何それ……。(並ぶ指輪の中指した物を見つけたらしい相手からの言葉に頬を緩ませて頷くも、早速何か行動に移すらしい相手に頭を撫でられると返事もできないまま動きを止め。頭を撫でられた事など幾らでもあるのに外出先で何気なくされると一際鼓動が跳ね、一瞬で頬が熱くなるのを感じると思わずずるずるとその場にしゃがみ込み、あまりにも情けない自らを辟易しながらぽつりと呟き)

(しゃがみ込んでいく相手の姿を背中に、店員の元へと歩を進め。落ち着いた雰囲気に合った静かな店内、あまり大きな声を出せば考えている事が相手にもバレてしまうか、と少々小声でする相談は指輪に文字を入れられるか、という事。可能だ、という返答を受ければ思わず頬を緩め。先程相手が指さしたものの特徴と掘る文字を伝えた後に相手の元へと戻り。そこで始めて相手がしゃがみ込んでいる事を見れば眉尻下げた笑みを浮かべつつ)…どしたの、晴。

えっ、あっ、いや、何でもないです…。(一刻も早く熱を冷まそうと奮闘していた時頭上から相手の声が聞こえると、パッと顔を上げぎこちない笑みを浮かべながら立ち上がり。しかしてっきり指輪を見せてもらいにでも行ったのかと思った相手の傍に店員の姿が無いのを見ると、目を瞬きながら首を傾げ)…あれ、何の話してきたの？

ん、なら良いんだけど。(ぎこちない笑みと出てきた敬語口調には気が付かない振りをして。ただし、納得のいっていない返答なのには変わりなく、少し首を傾げてみて。次いで投げかけられた質問には自身の唇の前へとピンと立てた人差し指を当て悪戯を思いついた子のような笑みを浮かべ)んー？ナーイショ。

…此処では教えなーい。(相手が自分の返事に納得していないらしい事は十分すぎる程伝わって来て、視線を泳がせた後に暗に後程教える事を小声で伝え。相手の仕草にまたも鼓動が高鳴るのを感じながらも隠された秘密の方が気になってしまい、不服気に眉間に皺を寄せると唇を尖らせて)何だよー、気になる。

ふは、じゃあ家帰ったら教えてな。(小声でそっと伝えられた事を素直に受け取るならば、家に帰れば教えてくれるという事であろうか。無論、そうでなくとも家に帰った後には多少無理矢理にでも聞き出そうと考えつつ。皺のよった眉間を人差し指でツン、とつつけば相手の反応を楽しみに)んな顔しなくてもすぐ分かるからさ。

…ん。(頷きはするもののこんな事を説明しなければならないのかと思うと途端に気恥ずかしさが押し寄せ、帰宅した頃には忘れてくれている事を願い。すぐに分かる事とは一体何なのかを考えてみても見当さえつかず、暫し考え込むものの程無くして諦めたように一つ息を吐き。ふと指輪はどうなったのだろうかと首を傾げて)……そういえば指輪…どうする事になった？

(嫌がること無く頷いてくれる相手に少し吃驚しつつも口角を少し上げて笑みを作るだけに留め。暫く考えを巡らせていたのであろうが、程なくしてそれを諦めるかのように息を吐く相手。その後思い出したかのように指輪の事を聞かれれば、先程話を付けた店員の姿を横目に見て。未だ動いている様子を見れば準備は整っていないのであろうか。視線を斜め上へと持っていき、はぐらかすにはどうすれば良いかと思考を巡らせつつ)んー…。さっき晴が言ってたヤツが良いかなって俺も思ってる。

だよなぁ！じゃあ見せてもらお。(指輪のデザインに対し相手の意見を聞いていなかったために、賛同の言葉が返ってくると嬉々として頷き。嬉しそうに笑みながら相手の手を掴むと、近くの店員にそれを伝えようと何処か弾んだ足取りで歩き出し)

え、あ、ちょっと待って。(腕を掴み嬉々とした様子で歩み始める相手に驚きの表情を隠す事が出来ず発する声は思っていたよりも少し大きいものとなり。幸いにも近くに居た店員は先程声を掛け話を付けた人らしく。安心したように腕を掴んでいた相手の手を握れば隣に並び。例の指輪が並ぶガラスケースの方指差しつつその店員に再び声を掛け)…すいません、あの指輪見せてもらっても良いですか？

っ、…え、どうした？(突然背後から聞こえた店内に居るにしては大きな制止の声にびくっと肩を揺らすと、反射的に足を止めつつ驚いたように目を見開いて振り返り。目を瞬かせながら相手を見るも既に視線は近くに居た店員に向いており、脳内に疑問符を浮かべながら其方を見るもふと手を握られると再び驚いて動きを止め。二人で指輪を買いに来た理由が応対してくれた店員に伝わってしまう事は分かっていたが、こんなにも堂々と手を繋ぐ事になるとは想定外で、謎の緊張も相俟っておろおろと視線を彷徨わせており)

(繋いでいる手を見て一瞬驚きの表情を浮かべる店員もこういう事は儘あるのだろうか、すぐににこやかな笑みへと戻れば「それじゃあ取ってきます」と言ってバックヤードの方へと姿を消し。先程声をかけてからそんなに時間も経っていない為にまだ出来上がっていないだろう、という予想は見事に裏切られたようで。そう言えば相手が気に入ったのであろうデザインのもので頼んだが許可を得ていない事に気付き、眉尻下げつつ視線を相手の方へと戻せば、ちろりと舌をのぞかせて)…ごめんな晴、勝手に頼んじゃった。

…頼んだ…って、さっきの？(店員から向けられる視線に気付くと、自分でも一体何をこんなにも恥ずかしがっているのか分からないまま頬を赤く染め。しかしすぐに平素の様子で振る舞ってくれた事に救われ、店員が何処かへ歩いて行ったのを見ると此方からも緩く手を握り。しかし二人の間で交わされた言葉の意味はすぐには理解できず、不思議そうに店員の背を見守っていたところ横から掛けられた言葉に目を見開いて首を傾げ)

そ、しかも晴が喜んでくれねぇと結構ヘコむ仕込みもしてもらったからさ。(流石に先程の会話と相手に投げ掛けた言葉で気付くようで。にへら、とした笑み浮かべ柔らかく握り返してくれた手へと指絡め件の店員が戻ってくるのを待って。暫くすれば指輪の入ったケースを手に此方へと向かって来る人影。相手に見られないように入れてもらった文字の確認をすれば満足気に軽く頷き)…ん、大丈夫です。

仕込み？指輪に？(相手の口から飛び出す言葉には先程から疑問ばかりで、あまり状況を把握できていないまま続けられる言葉に更に問いを重ね。指輪にできる仕込みというのが一向に分からず、きょとんとして首を傾げている間に戻って来た店員の手には恐らく指輪が入っているのであろうケースがあり。何はともあれどんな物なのかは気になり身を乗り出すも、相手に阻まれてしまうと焦れったそうに眉間に皺を寄せながら相手の服の袖を引っ張り)…なぁ、俺も見たいー。

そ、仕込み。(きょとんとした表情を浮かべる相手の頭をぽん、と軽く撫で。背後で動く相手をある程度カバーしつつ確認を終えればそのまま支払いに移ろうかと。然し、くいと着ている服の裾を引っ張る相手に気付けば、額に軽くキス落とし。視線合わせれば言い聞かせるような口調で)だーめ、晴が見るのは家帰ってからな。

…お、まえ、…ちょっとは場所考えろよ…。(明らかに意思を持って視線を阻まれているのを感じ不服気に相手を見るも、ふと額に唇の感触があると一気に頬が熱くなってしまい。告げられた言葉にも文句はあるのだが何一つ出て来る事は無く、額に手を当てながら向けられているかも分からない周囲の視線から逃れるように相手の背後へ移動し。相手の背に思いの外強く額をぶつけながらぽつりと呟いて)

場所考えた上だし、皆周りの事なんて気にしてないと思うけどな。(トンと、背中から思いの外強く感じる相手の額をぶつけたのであろう感覚にふはりと吹き出して。辺り見渡せばガラスケースの中を眺めていたり談笑していたりと思い思いの時間を楽しみ、周囲の様子には注意を払っていないように思え。支払いを終えれば代わりに渡された小さな紙袋を片手に背後を向き直り相手へと笑見せて)…ほら、晴、帰ろう。

そ、だけど…。(確かに相手の言う事は一理あるのであろうが、何処と無く腑に落ちない声色でぼそぼそと答え。そうしているうちにいつの間に支払いを済ませたのか、未だ指輪も見ていないままに帰宅を促されるとその場に踏み止まり)…帰るって、俺何も払ってねぇんだけど…？

ココは彼氏に花持たせてよ。(出入口の方へと数歩、歩みを進めるものの相手が立ち止まっている事に気づけば目尻を下げ困ったような笑みを浮かべ。空いてる方の手を相手へと差し出し、握る事に成功したならそのまま指絡めるつもりで)…ほら、帰んないの？

……俺も彼氏なんですけどー。(相手の表情を見れば困らせている事は分かるのだが、時々目にするそんな表情に惹かれてしまうのも確かで。差し出された手を然程躊躇う事無く取ると、指を絡めて緩く握り。相手の言葉に不服気に呟くものの漸く歩き出し)

…なぁに言ってんの。晴は俺の可愛い彼女クンでしょ？(差し出した手は躊躇いの色が見られぬ相手によって柔らかく握られれば、緩く口角上げて。不満気に呟かれた相手の言葉が耳に入れば小さく首を傾げ。漸く足を運び出したのにつられるように再び歩みを進め、出入り口付近へと近付けば振り返り対応をしてくれた店員へと笑を向け小さく会釈を)

彼女クン…。…いや、彼氏だって。(一瞬相手の言葉に納得してしまいかけるも、復唱すると湧き上がる違和感に苦々しく表情を歪め。譲る訳にはいかないとばかりに食い下がったが、その時相手が会釈していた方を見遣ると先程ほんの少し顔を合わせた店員がにこやかに笑みながら立っているのが見え。そこで彼の目の前で平然と手を繋いでしまっている事に僅かに頬を染めるが、相手に倣い小さく頭を下げ)

えー、晴は彼氏って言うより彼女って方がしっくりくんだけどな。(苦い表情を浮かべる相手を視界の隅に捉えれば、けたりと小さく声を上げて。此方を見ている店員の視線に気が付いたのであろうか、小さく会釈をする頬はほんの少し赤く染まっているような気がする。片手繋いだまま、扉を開ければ先に出るように促し)…足元気をつけてね。

(笑われてしまえばむすっと唇を尖らせるものの、相手に当て嵌まる言葉が少なくとも“彼女”ではないという事を自分でも納得してしまっているために、それ以上は何も言う事無く口を噤み。先導して扉を開けてもらったばかりか足元への注意を促され、あまりに紳士的な立ち振る舞いに先程から胸が高鳴ったままなのを実感しつつ、ついに女性的な扱いへの反発をやめると諦めを含んだ声で礼を呟き)……ん、ありがと…。

…どういたしまして？(普段通りの声色、とは言えないものの素直に礼を述べる相手の様子に柔らかく表情崩して。店から出ればジリジリと日差しが遠慮なく照りつけてくる。過ごし易かった店内と比べれば多少の暑さは感じるものの、時折吹く風が程良くその熱を吹き飛ばしてくれる。さり気無く車道側へと回ればそのまま家までの道を辿るはずで)

…なんか今日、いつもより格好良い。(相手の笑顔にすっかり毒気を抜かれてしまい、気付けば車道側に居る相手の気遣いにも文句を口にする事は無く。ただ何となくもやもやとした不満は残り、微妙に眉間に皺を寄せてぽつりと呟き)

最近忙しさに託けて晴の事全然可愛がってあげられなかったからさ、格好良いとこ見せて惚れ直させなきゃじゃん。(不平を垂れることは無くなったものの未だに眉根に残る皺を見ればくすり、と小さく笑零し。帰路の途中、周囲に誰もいないとは言え出先、相手の唇にキス落としたいと考えるものの流石にそれは憚れる。悩んだ末に然程位置の変わらない耳辺りに髪の上からキスを)

…早く家帰ろ。(相手の言葉に胸元を擽るような熱は募るばかりで、そんな時耳元に柔らかく触れた感触に相手を見遣り。つい物足りなさを感じずには居られず繋いだ手を僅かに引き寄せるものの、寸でのところで思い留まると小さく息を吐き。相手から視線を外したかと思えばぽつりと呟き、一歩先を歩き始め)

…ふは、そうだな。(微かに相手の方へと引き寄せられるような力がかかるも、直ぐにそれは無くなり。視線を外されればやり過ぎたか、と目尻下げ反省の色を滲ませ。しかし、小さく聞こえてきた相手の声に普段通りの表情を戻せば残りの帰路は小走り気味に足を運ばせようか)ほら晴、早く早く。

そんな焦んなくて良いって。(帰りを急かしたのは自分なのだが、小走りの相手に手を引かれると思わず破顔し。それでも相手と同じく小走りに足を進め、漸く家に着くと僅かに上がった息を整えながら扉を開き)…あー、疲れた…。ただーいま。

(手を引く形で家まで帰ることになるのかと思っていたのだが、己が歩みを早めた後すぐに相手も小走りになり。家へと到着する頃には微かに息が上がり、口を小さく開いて呼吸を整え。扉が開かれれば相手の後に身を滑り込ませつつ)すげぇ久々に走った気がするわ…。たーだいま。

綾、ちょっとごめん。レス後で返させて。先に報告しときたい事があってさ。

実は少し前から、俺が前好きだった人と少しやり取りしてた。半年ぶりくらいに急に戻って来て、俺が偶然それに気付いちまって。で、まぁ色々話はしたんだけど…ちゃんと別れてきた。彼奴も色んな事腹割って話してくれて、前と変わらない良い奴だったよ。それは安心した。俺に今大事な人が居るって事も伝えたら分かってくれた。…泣かないで、別れられたよ。綾が居てくれたお陰。
事後報告みたいになってごめんな。

ん、わかった。

そっか、良かった。…正直言うと一言言って欲しかったけど、そんな事言われたら意地でも引き止めてただろうし結果的には良かったのかな。
と言うか、晴はホントに俺で良かったの？晴が俺の事好きでいてくれてるのは分かってんだけど、それでもやっぱソイツの方が良いんじゃないか、とか不安になる。…なんか女々しいな、俺。ごめんな。晴の事疑ってる訳じゃ無いのは分かって。

言ったら綾の事不安にさせるかと思った…けど、今言っても不安になるよな。ごめん…俺の考えが足りなかった。
ん、良かったよ。綾で良かった。ていうより、綾じゃなきゃダメだったよ、俺。今すげえ幸せだしさ。…全然不安になんねえんだ。辛かった事も、綾に会ったから良い思い出になったし。あの時の事があって、今綾と一緒に居られてんだなって思える。俺は何一つ後悔してない。だから、綾もあんま不安拗らせねえで。
女々しくねえよ。それに、綾にも俺が必要なんだなあって思える。疑われてるとも全然思ってねえから。綾が不安になったら、俺が無くす。これからも、そうさせてほしい。

不安にはなったけど、晴が前好きだったヤツと話してたっての知らない方が嫌だから。言ってくれてありがとうな。
ふは、可愛い事言ってくれんじゃん。ありがとう、俺も晴と出会ってからの事に後悔してないし晴に出会えて心の底から良かったって思ってる。実を言うと、チャット形式のとこでこんな続くのも、恋人が出来てこんな不安になんのも、こんな誰かを必要とすんのも初めての事だから自分でもちょっと戸惑ってる。そこは嘘でも、もう不安にさせねぇって言うとこじゃねぇのかよ…。

晴も言いにくい事言ってくれたし、俺も隠し事すんの嫌だから俺からの報告も聞いて。

俺が前に好きだったヤツとは、掲示板形式のとこじゃなくてメールでやり取りしててさ。アイツとの思い出が入ってるアドレス開くのが嫌で昨日まで触ってなかったんだけど、いつまでも思い出にしがみ付いてんの辞めようって思って開いたらアイツからメール来てて。気付かないフリしてようか迷ってまだ返事して無かったんだけど、俺もちゃんとアイツと話し付けてこようと思う。晴と違って半年空いてるとかそんなんじゃ無いから、最低だって思われるかも知んないけど、今の俺には晴が居るからってちゃんと言ってくる。

…そっか。良かった。綾怒るんじゃねえかなって…ちょっと心配してた。
可愛い事なんか言ってねえよ、俺は真面目な話をしたんですー。…ふは、良かった。結構たくさん初めてがあって。…ごめん、嘘は言わない。できれば不安にはさせたくねえけど、いつどんな事で綾が不安になるのか、俺だって全部分かってるわけじゃねえし…今回みたいに、考えて決めた事でも綾を不安にさせるかもしれねえからさ。だからせめて、綾の不安は無くしてやりたい。…そういう考え方じゃだめ？

…ん、分かった。それが綾のため、なんだよな。

そんな事で怒んねぇよ。だって晴は俺の事思って言ってくれたんだろ？
真面目な話でも晴は可愛いって事なんだから素直に受け取れよー。晴が思ってるより俺の中で晴が初めてな事多いんだからな。ふは、真面目に考えすぎ。晴の口から「大丈夫だ」とか「綾が一番」とか聞けたら不安とか吹き飛んでくチョロいヤツなんだから、そんな深く考えなくていーの。俺も大分考え方浅いんだから、晴にだけそんな深く考えさせてる俺にムカつく。

俺だけの為、って言うよりかは晴とアイツの為でもある、かな。
ごめんな、やっぱ嫌だよな。でも今の俺には晴が一番だし、アイツんとこ戻るつもりもねぇし。それに浮気なんていう器用な真似もできねぇから。不安にさせちまうかも知んねぇけどちゃんと話付いたら晴にも報告するから。

そうなんだけど…後から言うのも嫌だよなあって言ってから気付いたからさ。
どういう意味だよー…そんなん言うの綾だけだぞ。そうだなあ、すげえ嬉しい。…ちょっとそれはチョロすぎて俺心配になる…。それに、俺が綾の事たくさん考えんのなんて当たり前じゃん？それをしなくて良いって言われたって結構難しい…。

…嫌じゃない、俺の綾の事信じてるし…。綾がそう決めたんだったら、気い済むまで話したら良い、と思う…。…ん、待ってる。

嫌だったけど、晴がソイツの事じゃなくて俺の事選んでくれた、って事実だけで十分だから。
どんな晴も可愛いって意味。ふは、俺だけで十分だよ。これから先誰にも晴の可愛いとこ見せねぇつもりなんだから。俺がそんなにチョロいのは晴限定だから。考えるなって訳じゃ無くて、これから先不安にさせる事があったら、とか今考えても分んねぇじゃん。だから、見えない先の事考えるより今の俺の事を見てて欲しいし、俺が見てるのも”未来”の晴じゃなくて”今”の晴なんだから。

そーそー、俺は晴のなんだから安心して。話付かねぇみたいだったらアドレスごと思い出全部消しても良いか、とか考えるくらいにはアイツに未練なんて無いし。

…ん、そっか。良かった。
…もー、そんなん言ったら俺が何でも許すと思ってんだろー…。俺にはそんなチョロいんだあ。へぇー…綾可愛い。……分かった。ごめん。今の綾だけ見とく…。

…それは…できればやんないで、欲しい…。

えー、許してくんねぇの？そ、あんなチョロい思考するくらい晴にベタ惚れなんだからな。ふは、俺は可愛くねぇよ。んーん、謝んなって。そんだけ俺の事考えてくれてんのも嬉しいんだからさ。

極端な例だからな。出来る限り話付けてからサヨナラするつもりだし。

……許す。ベタ惚れかあ。ふは、俺も綾大好きー。えー、今のすげえ可愛かったけど？しっかりしてて頭良さそうなのにちょっとあほっぽくて。ん、ありがと。…考えるよ、綾の事だし。

そっか。…良かった。…ごめんな。

ふは、晴なら許してくれるって思ってた。そー、ベタ惚れ。んー、知ってるー。可愛くねぇし、割といつもあほっぽいじゃん？あーもう、ホントいい子捕まえたなって思うわ。

謝んなって、晴に悪いとかねぇだろ。ほら、一旦湿っぽい話終わり！そろそろ晴とイチャイチャしねぇと晴不足で倒れそう。

なんか…負けた気がする…。いつもじゃねえよ、普段は結構余裕ある感じで…イケメンな感じがすげえもん。ふは、捕まったー。俺だって、すげえ良い男捕まえたよ。

ん、じゃあおーわり。聞いてくれてありがと。せっかく指輪買って来たし、またレス再開させてもらうな。



(扉を閉め施錠を終えると靴を脱ぐ間も無く相手の方へ向き直り、これまで中途半端に開いていた距離を埋めるように相手の方へ身を寄せ。くい、と相手の服の裾を引っ張りながら直接キスを強請る言葉の代わりに相手の名前を呼び)……綾、

晴相手にして余裕な時なんかねぇんだけどな、割といつもいっぱいいっぱい。イケメンって思ってくれてんなら良かった。晴に捕まえられて良かったよ、俺の事好きになってくれてありがとうな。

ん、了解。それじゃあこっちの会話は蹴り推奨な。


(靴を脱いでリビングの方へと向かおうかと思っていれば、こちらを向き僅かな距離を縮めてくる相手。服の裾を引き、自身の名を呼ぶ相手が何を求めているのか大体の予測は付くが、それに気付かない振りをすれば視線合わせつつ白々しい程に取り繕った声色で)…んー？どうした？

…分かってんだろ。(此方を向いた相手の表情や声色から気付かないふりをしているらしい事は容易に察する事ができ、思わず不服げに眉間に皺を寄せて苦言を呈し。しかし此処で問答している程の余裕は無く、相手の肩を掴んで引き寄せると幾分か乱暴に唇を重ね)

(眉間に皺を寄せる相手に笑みを覗かせた後、触れるだけのキスをしようとすれば不意に肩を掴まれ、次の瞬間には普段より幾分か乱暴に重ねあわされた柔らかい感覚が。意地悪をしすぎたか、と思えば何フォか角度を変えつつそれに応じ。相手から離れれば先程まで皺の寄っていた眉間に口付け落としてから眉尻下げた笑みを見せ)…もう、晴からキスして欲しいって言って欲しかったのに。

(焦れったさと微かな苛立ちに任せたキスの後それを上塗りするように優しく唇が重なれば、直ぐに気持ちは満たされ先程まで感じていた不満はいつの間にか消えており。程無くして互いの間に距離が生じれば、眉間への柔らかな感触に瞼を伏せ。視線を上げると胸を高鳴らせる困ったような笑みがあり、思わず頬を緩めてしまいながら肩から下ろした手で相手の指を絡め取り)そんな余裕ねえよ。手繋ぐくらいしかできないし…暫くデートは良いや。

手繋ぐだけじゃ足りねぇんだ。(相手の頬の緩んだ表情を見れば思わず此方も破顔させ。肩から降りた手がそのまま指絡めるように再び手取られれば此方も緩く手を握り返し。手を使わずに器用に靴脱げばリビングへと続く廊下へと降り立ち。握った手を軽く己の方へと引っ張りつつ)…早くリビング行こ。指輪見るんだろ？

…あ、見る！(相手の言葉が耳に入ってもそれに何らかの反応を示すのは何となく気恥ずかしく、視線を手元に落として絡んだ相手の指を指先で撫で。しかしその手を軽く引かれると顔を上げて相手を見遣り、告げられた言葉にパッと表情を明るくし。頷きながら身を屈めて片手で靴を脱ぐと、相手と共にリビングへ向かい)

(幅があるとは言えども二人で並んで歩くには狭い廊下、半歩程先に進み相手を誘導するように手を引きつつリビングへと足を踏み入れ。ソファがある辺りまで足を進めれば端のほうへと腰下ろし、そのすぐ隣をトントンと叩いて)…隣おーいで？

ん、(手を引かれるままリビングへ来ると、柔らかく隣へ座ることを促す言葉に頬を緩ませながら頷き。隣に腰を下ろすと待ちきれないとばかりに相手の方へ身を乗り出し、弾んだ声で急かし)なぁ、早く見して見して。

(素直に隣に座った相手に頬を緩ませ。此方へと身を乗り出しつつ弾んだ声で急かしてくる相手がこの上なく可愛らしく感じる。頬緩ませつつ付近に置いていた紙袋へと手を伸ばし、それを掴めば相手へと指し出し)…はい、どーぞ。

ん、ありがと。…開けて良い？(嬉々として紙袋を受け取ると、中を覗き込んで目を輝かせ。早々に小箱を取り出しては一応許可を得ようと問い掛けるも、結局返答を聞く前に我慢できず丁寧に包装を解き始め)

いいよ…って言う前に開けてんじゃん。(許可を得るために投げ掛けたのであろう言葉の返答を待つこと無く包装に手をかける相手を見れば小さく笑み零し。己の方に近い相手の髪を片手で弄びつつ直ぐに出てくるであろう指輪を見た時の反応をじっと見詰め)

ふは、擽ったいって。(髪に触れられると笑いながら肩を竦めるも、特に振り払う事も無く直ぐに意識は包装を解く手元へと向けられ。指輪そのものは店で先程見たのだが、相手が言っていた“仕込み”というのが気になってしまい逸る気持ちを抑えながらそっと小さな箱を開き。二つ並んだ指輪に「うわぁ……」と小さく息を漏らして微かに頬を紅潮させると、恐る恐るといった手付きでそのうち一つを摘み上げ。まじまじと見詰めれば直ぐに刻印された小さな文字に気が付き、目を瞬かせながらじっと見詰め)……ん、あれ、何か書いてある…。

(擽ったいと言いつつも嫌がっている気配の無い相手の髪をくるくると人差し指で回し。感嘆の声とともに小さく息を吐き出す相手の頬は微かに赤みがかったもので。現れた二つ並んだ指輪は先程店頭で見たものと同じ、然し頼んだ"仕込み"に関しては己が勝手に決めて行っただけのもの。相手ならば喜んでくれるであろうが一歩間違えれば只の重たい男であろう。微かな緊張を覚えつつ様子を伺っていれば刻印された小さな文字を見つけた様。出来るだけ柔らかい笑みを心掛けつつ相手の顔を覗き込んで)…晴と俺の名前、ローマ字で掘ってもらった…んだけど、気に入った？

……気に入った。すげえ嬉しい…。(相手の言葉を聞きながら視線は何度も刻まれた文字列をなぞっており、暫し無言で指輪の方にばかり意識を傾けていて。漸く相手の方を見ればそれと同時に嬉しさが溢れ出すように破顔し、互いの額を合わせては小さく頷いて呟き)

レス返じゃなくてごめんな。
もしかしたら来週一週間だけサイト自体に入れる時間が無くなるかも知んねぇっていう連絡。昨日も時間無くて返信出来なかったのにこんな話でごめんな。不安かも知んねぇけどちゃんと、時間見つけたら返信するようにするしいい子で待っててくれたら嬉しい。

一先ず連絡だけ。また後でレス返もしっかりするからな。

…ふは、良かった。(ドキドキと煩いほどに音を立てていた心臓も相手の綻んだ表情を見れば漸く落ち着き、意図的に緩ませていた顔は思わず締まりの無い程のものへと変わり。額を合わされれば、ぐりと軽く押し付けるようにしつつ。暫くは額を合わせたまま緩んだ表情を浮かべているも、ふと思い出したかのように額を離せば相手が手に持っている指輪を乗せてもらうために掌を上へ向け、相手の方へと差し出し)…晴、それ頂戴。

…ん、そっか。忙しいなら仕方ねえよ。俺は大丈夫。…一週間だけ、だもんな。…待ってるよ。体調には気を付けて。

…名前入ってたら、いっつも一緒に居れるな。(刻まれた名前を見る度に相手からの独占欲が伝わってくるようで思わず頬を緩ませてしまい、額を押し付けられる感触に笑いながらぽつりと呟いて。視線を上に向けて窺った相手の表情も普段に増して緩んでいるように見え、心が満たされる幸福感に浸っていた時掛けられた声に顔を上げ。目を瞬きながらも言われるまま指輪を相手の掌にのせ)

晴、お待たせ。一週間も空けてごめんな。
ちょっとレス返す時間今日は取れないんだけど、少しでいいから晴に会いたくて顔出してみた。

！綾っ(目を見開いて振り返ると相手に駆け寄り抱き着き)長かったー…すげぇ久し振り(肩口に顔を埋めるとすりすりと擦り寄り)

おー、良かった。待っててくれたんだ。(抱き着かれた拍子に、その勢いで若干ふらつくものの受け止め) はは、ごめんな。これからは出来るだけこんな空けねぇようにすっから。(腕を背中に回せば、ぽんぽんと軽くリズム刻み)

待ってたよ、一週間って言ってたから明日かなーと思いながらここ覗いてたら綾来てびっくりした(嬉しそうに頬を緩めながら一息に告げ)忙しい時は仕方ねえし、別に良いよ。お疲れ様(片手で相手の頭ぽんぽんと撫で)

ふは、ありがとうな。んー、ホントは明日の予定だったんだけどちょっと時間空いたからさ。晴どうしてるかなーって覗いてみて正解だわ。(頬を緩める相手の表情見れば、思わず此方も頬緩ませ) ん、ありがと。でも俺も晴に会えねぇの結構キツいからさ…。(頭撫でられれば、ぐりと相手の首筋に鼻先埋め)

明日からは毎日会える？(相手の顔をじっと見詰めて問い掛け)そっか。…俺も寂しかった。一週間すげえ長くて、ずっと此処来てたし…だから会えて嬉しい。(相手の髪に頬を擦り寄せ)

うん、会えるし会う時間作る。(じっと視線が交われば、柔らかい笑み浮かべ) ふは、かぁいいこと言ってくれんね。晴のことぎゅーってしていい？充電して後ちょっと頑張ってくる。(軽く顔上げれば、口元付近にあった耳を柔らかく噛み)

…ありがと。待ってる。けど無理はすんなよ。(相手の笑みに胸を高鳴らせながら頷き)ん、良いよ。俺も充電ー。(相手に向かって両手を広げ)

無理はしねぇし、それに晴に会ったら多少の疲れなんて飛んでくから大丈夫。(頷く相手の頭、ぽんと撫で) ぎゅーう。(腕を広げる相手に抱きつけば、その肩口に頭ぐりぐりと押し付け)

俺が綾の疲れ少しでも癒せてるなら良かった。…なぁ、俺ちゃんと良い子で待ってたからご褒美ちょうだい。(一歩歩み寄り相手の顔を覗き込むと頬を緩めて)ふは、ぎゅー。(笑いながら相手の髪に擦り寄り)

少し、じゃねぇよ。いっつも晴に癒されてる。…ん？ご褒美か、何が欲しいの？(顔を覗きこまれ緩んだ頬が視界に入れば柔らかな笑み浮かべつつ首傾げ) あー、久々の晴の匂い。(ぴたりと押し付けていた頭の動きを止め、すんと鼻を小さく動かし)

良かった。俺も綾と居ると元気になれるよ。このために頑張ってるーって思う。…んー…キスして欲しい。あと頭撫でて、たくさん甘やかして。(優しい笑みに引き寄せられるように顔を寄せると、額を合わせながら強請り)俺の匂いって…なんかちょっと照れんだけど。(照れ臭そうに笑いながらぽんぽんと相手の頭撫で)

ふは、なら良かった。…ん、俺の可愛いお姫様の仰せのままに。(額を合わせられればゆっくりと瞳細め。一度顔離してから額、瞼、鼻先、唇の順にキスの雨降らし) んな事で照れんなよー。(くはり、と笑い声上げれば相手の顔覗き込み)

あ、そうだ。俺が帰ってきた日からイチャイチャし始めたけど、前の指輪の件も生きてんだよな。このまま前までのレスは一回流してイチャイチャし続けるか、指輪の件に戻るか。晴はどっちがいい？

ん、(相手の返答に嬉しそうに目を細めると、瞼を下ろして肌に触れる柔らかい感触に意識を傾け。唇が重なると薄く目を開けて此方からも唇を食み)だって俺の匂いってさぁ…嫌じゃないなら良いけど。(顔を覗き込まれると視線から逃れるように相手の肩に顔を埋めながら呟き)

俺は指輪もうちょいちゃんとしときてぇな。あと少しイチャイチャしたら戻ろ。

…ん、満足した？(唇を食まれれば、閉じていた瞳を薄らと開き笑み浮かべ。その後何度か角度を変えつつ重ね合わせた後に離れて) …嫌じゃねぇよ。すげぇ落ち着くし好き。(肩に顔を埋める相手の頬を人差し指で突き)

ん、了解。それじゃあ、また戻したくなったら声掛けて。それまでは存分にイチャイチャしよっか。

んん…もっとして。(目を伏せて唇が重なる感触を楽しんでいたが、相手が離れていくと同時に目を開き。問い掛けに首元に腕を回して抱き着くと笑みを浮かべて強請り)…俺も綾の匂い好きだよ。(頬を突かれると擽ったそうに肩を竦めた後顔を上げて相手の耳元へ鼻先寄せ)

わかった、ありがと。

ふは、すげぇ甘えたじゃん。(可愛く強請られてしまえばそれを拒否する、なんていう選択肢は頭から抜け落ち。笑みを浮かべる頬を親指の腹でゆるゆると撫でつつ再び唇を重ね合わせ) …ありがとな。(耳元で紡がれる言葉に、ぴくりと小さな反応を見せ。相手の背中へと回している手を頭へと持っていけば、くしゃりと撫で)

…だって一週間も会えなかったし。(頬を撫でられると擽ったさに肩を竦めながらも嬉しそうに笑い、再び唇が重なる感触を堪能した後額を合わせるとぽつりと呟き)だって俺綾の彼氏だしー。全部好きだよ。(頭を撫でられるとへらっと笑いおどけたような口調で告げ、相手の首元に腕を回して抱き着き)

…寂しい思いさせてごめんな。(再び重なった唇は相手が満足するまで離すことはなく。その後に額同士が合わされば、軽く押し付けるようにしつつ、相手の腰へと腕を回し) ふは、晴が俺の事だぁーい好きなのは知ってるよ。(首元へと腕を回されれば、ほんの少し近づいた距離、頬へと口付けを落とし。ゆるりと緩めた頬に思わず緩んでしまった声はどう頑張っても相手にはバレてしまうだろう)

良いよ、我慢したら綾がたくさん褒めてくれるし。(腰に腕が回されると相手の首元へ擦り寄り、嬉しそうに目を細め)でも言ってあげないと綾君不安になっちゃわない？(頬への口付けに擽ったそうに笑うと相手から感じるふわりと緩んだ雰囲気につられて頬を緩ませ、徐に相手の頬を両手で包むと親指で撫でながらおどけたように問い掛け)

我慢しなくてもたくさん褒めてるし、たくさん甘やかしてんだろー？(軽いリズムを刻むように相手の背中をぽんぽんと叩き。首元へと擦り寄られれば、そこに顎を乗せて) …言われても言われなくても綾クンは不安になっちゃうからさ。だから、偶にでいいから、綾クンは晴クンの一番だっつって？(頬を両手で包まれ親指で撫でられれば、気持ち良さそうに双眸閉じて。そのままコツンと相手の額と合わせるように己のそれを持っていけば至近距離で相手の瞳覗き込み)

そうだけど、頑張った後のデザートって格別だし。(相手の体温に包まれる安心感に小さく息を吐きながら呟くと、耳元に柔く唇触れさせ)…それ言うの結構照れんだからな。…けど偶によりは多めに言う。(心地良さげな表情につい頬を弛緩させてしまうも、額を合わされると手を下ろして相手の腰の辺りに腕を回し照れ臭そうに笑いながら告げ)

んな事言う晴クンはもっと甘やかさねぇとダメかもな。(耳元に柔らかく触れた唇の感触に擽ったさから、ぴくりと小さな反応を見せ) …だあって、俺から言って？って言わねぇと晴言ってくれねぇんだもん。(少し唇を尖らせて見せるものの、腰の辺りに相手の腕が巻き付く感覚を感じれば、ゆるりと頬緩ませ)

ごめん綾、ちょっと立て込んでるから返事明日するな。遅くなってごめん。もう少し待ってて。落ち着いたら直ぐ来るからさ。

ん、りょーかい。俺もちょくちょく待たせてるし気にしなくて良いからな。晴が落ち着くのいい子で待ってっからさ。

おはよ、って時間でもないか。昨日はごめん。待っててくれてありがとな。えらいなぁ綾ー。(ゆるゆると頬を緩ませると相手の頭を撫で)今までやり取りしてたやつも返すな。


ん、たくさん甘やかして。俺も綾のことたーくさん甘やかしてやるから。(触れ合う距離に居れば相手の体が微かに跳ねたのが分かり、笑みを漏らすと耳朶を柔く食み)ごめんって。言われなくても言うからー。(拗ねたように唇を尖らせたのが視界に入ると、微かに肩を揺らして笑いながら機嫌を取るように額に唇を触れさせ)

ごめん、遅くなった。
ふは、待ってたの褒められたわ。(頭撫でられればゆるりと頬緩ませ) 晴の用事落ち着いた？俺はいつまででも待てるからあんま無理だけはすんなよ？

もちろん、すげぇ甘やかすよ。ん、甘やかされんの苦手だけど、晴から甘やかされんのは好き。(耳朶を軽く食まれれば擽ったそうに少し身動ぎを) 今言ってくれんなら許す。(額へと唇宛てがわれれば、拗ねたような表情をとっているのも限界に近く。むすり、と頬を膨らませ相手から軽く視線外せばぼそりと)

気にしなくて良いよ、俺も昨日は少し忙しかったし。
だってほら、良い子にしてたんだろ？ならちゃんと褒めてやんないとさ。(相手につられて口元を綻ばせつつ首元に頬すり寄せ)ん、こっちは平気。ちょっとこの時期は普段より忙しいけど…こうやって来れるくらいだから気にしなくて大丈夫。

…そういえば前も言ってたよなぁ。何で甘やかされんの苦手なの？(相手の言葉は随分と前に聞いた覚えがあり、ふと顔を離すと不思議そうに目を瞬きながら首を傾げ)…俺が一番大事なのも一番好きなのも綾だよ。俺には綾だけ。(頬を膨らませる姿に胸が高鳴るものの、それに対する“可愛い”と言う言葉は飲み込み外された視線を追うように顔を覗き込むと囁くような声色で伝え)

んなら良かった。
晴に褒められんの悪い気しねぇな。よしよし、晴もおつかれさん。(首元に擦り寄られればその頭を撫で) 晴が大丈夫なら良いんだけど。あんま無理はすんなよ？倒れて長期間会えねぇ、とかなったら晴不足で俺が倒れるから。

んー、なんかなぁ。普段甘やかす側だから甘やかされた時どうしていいのか分かんなくなんだよな。(片手で首の後ろ押さえつつ、小首傾げ) でも、晴相手だと割と素直に甘えれるってか俺の方から甘やかされに行ってる節あるな。(眉尻下げ、照れ笑い浮かべつつ頬ぽりと) …ん、俺も。一番晴の事好きだし、一番晴の事が大切。(視線合わされれば、それ以上逸らすことはせず。囁くように伝えられた言葉は予想以上に甘く、意地を張って膨らませていた頬を緩めさせるには十分過ぎる程で。ゆるりと口元綻ばせた後、相手の頬に軽く口付けを)

下がってたから上げとくな。気付いてないだけなら良いんだけど無理すんなよ。

ごめん、やっと落ち着いたと思ったら熱出しちまってさぁ…。今日返事しようと思ってたんだけど頭働かないし途中で寝落ちたりしてて返事できなかった。心配かけてごめん…。

熱出したって、もう大丈夫か？体調崩したら元も子もねぇんだからしっかりと休めよ？待っててって一言貰えたら何時まででも待てるし、晴の負担にはなりたくねぇんだからな。俺が心配したくてしてんだから謝んなくていーの。

ん、さっき起きたらちょっと楽になってた。熱も微熱くらいまで下がってるし、良くなってるよ。体調だけは崩さないように気を付けてたんだけどなー…。だめだったわ。
綾が俺の負担になる事なんか全然ねぇよ。ていうか、待っててって言ったら暫く会えなくなる気がしてさぁ…早く来たかったんだけど結局綾の事待たせる事になっちまったな。やっぱり一言言っとけばよかった。

ほらー、やっぱり無理すんのダメだ、つったじゃんかよー。熱下がってきたんならちょっと安心だけど、これからは無理せず休むこと！
んでも、無理させてる原因に俺の事もあんのかな、とか思っちゃうからさ。晴に待っててって言われんだったら一週間でも一ヶ月でも待ってるよ、他の人んとこ行く事もねぇし。だから、忙しいんだったら無理せずいつでも言え。んで、帰ってきたら思う存分甘やかしてやるんだからさ。

だってまだ無理してないつもりだったし…。…ん、でもこれからはもっと気を付ける。綾に心配掛けられねぇし。
…もー、綾ってばイケメンー。…ありがと。俺もそんなに綾と離れてはられないけど、無理はしねえから。来れなくなりそうな時はちゃんと言うな。黙って来れなくなったら綾も不安だろうしさ。…で、取りあえず今帰って来てるからぎゅってだけして(へらっと頬を緩ませると相手に向かって両手を広げ)

無理してねぇつもりでも倒れたって事はむりしてたんだろー。俺が心配する云々の前に自分の体調の為に気を付けろよ。
ふは、知ってるー。ん、ちゃんと無理する前に言うんだぞ。不安ってより心配が勝つかもなー、だって晴は俺から離れねぇって自信あるからさ。仕方ねぇなあ。お疲れ様、よく頑張ったな。(腕広げられればそのまま抱き竦め。とんとんと、背中を優しく叩き)

…俺綾より自分の事考えるとか無理。(何処か不服気に唇を尖らせるとぼそぼそと呟き)
ん、そうする。ありがと。ふは、すっげえ自信。…けど全然間違ってねえよ。俺は綾から離れられないからなぁ。ん、ありがと…。…あー、俺この時のために頑張ってたぁ。(ゆるゆると頬を緩ませて相手の肩に頭をのせると、身体の力を抜いて凭れかかりながら呟き)

無理とか言わねぇの。俺は晴クンが出来る子だって知ってんだからなー。(不満気に唇を尖らす相手の頬を指でするりと撫で)
間違ってねぇから良いじゃん。知ってるー、晴は俺にベタ惚れだもんな。ふは、それは大袈裟だろーよ。こんなの言われたら何時でもやってやるから、頑張らなくても疲れたら甘やかしてーって言えよ？(身体を預けるように力を抜かれれば、支える為にぐっと踏ん張り。耳近くの髪の毛を一束掬い上げるように梳いて)

…俺褒められて伸びるタイプだからたくさん褒めてくれなきゃ無理。(むすっと口を噤んでいたが頬を撫でられると幾分か表情を緩め、駄々を捏ねるように先程と同じ口調で告げ)
ベタ惚れで骨抜きで虜にされてる、って感じ。えぇ、大袈裟じゃねぇよぉ。そりゃたくさん甘やかしてもらうけど、こうしてる時が俺の一番の癒しだし…。(耳元の髪を撫でられると微かな擽ったさに笑みを漏らし、すりすりと首元に頬を擦り寄せながら呟き)

ふは、何だそれ。晴は出来る子なんだから自分の事第一に考えるのだって出来るよな？じゃなきゃ晴クンの事嫌いになんぞー。(駄々を捏ねるように言葉を紡ぎ出す相手の唇にそっと触れるだけのキス落とし。念を押すように声に出した言葉は思ってもいない事だが相手にはどう伝わるか不明である)
なんか、もう、こんな好かれてると今までの事とかどうでも良くなるな。だってハグすんのもキスすんのも晴に強請られたら断わんねぇんだから大袈裟だっての。(相手の言葉が耳に入れば擽ったそうに目を細め。首元へと擦り寄る反対側の頬を手の甲で撫で)

…俺出来る子じゃねえもん。…でもやだ、嫌いになんのやだー…。(唇が重なると簡単に絆されてしまい声の調子を落としてぽつりと呟くも、続けられた言葉に眉を下げると両腕を相手に首元に回して抱き着きながら首を左右に振り)
…今までの事って？でもさ、ほら、綾が俺の傍に居てくれる事が俺にとっては贅沢だから。綾があの時俺に声掛けてくれなかったら、俺まだ一人でうじうじしてたかもしんねえし(頬を撫でられると顔を上げて相手を見遣り、照れ臭そうに笑うと互いの額を合わせ)

晴は出来る子だよ。…ふは、それじゃあ嫌いになんねぇように頑張んなきゃなあ？(はったりを含ませた言葉は相手には効果覿面であったようで、腕が首元へと回ってくれば視線が交わる中で左右に振られる首。それを離す気など更々無く、腰へと腕を回しホールドした後に額へと唇寄せて)
んー、今まであった色んなこと。悲しかった事とか辛かった事とか。それ言ったら俺も晴と居れんの贅沢だよ？傷の舐め合いみたいな出会いだったけど、それでもこんな好きになれる相手に出会えたんだからさ。(額合わせられれば、ぐりと己のそれを相手のそれに押し付け)

…出来る子だから嫌いになんなよ(不安げに眉を下げたまま額に柔らかな感触があると目を伏せるも、相手の口からはっきりと聞かなければ安堵する事ができず念を押すように告げ)
…そっか。どうでも良くなるんなら良かった。…なぁ、そういうのもう悲しくない？(頬を緩めて頷くものの、ふと僅かに眉を下げると相手を見詰めて問い掛け)ふは、そうだな。傷の舐め合いからだったなぁ。…なんか今は全然そんな出会いだった事信じらんねえわ(額を押し付けられる感覚に目を伏せると、くすくす笑いながら呟き)

…なんねぇよ。もし晴が出来ない子だったとしても嫌いになんてなれねぇよ。(念押しされるように紡ぎ出された言葉に苦笑浮かべれば相手の瞳じっと見つめ)
そうだな、晴と出会って話すようになってからあんま思い出さねぇし、多分俺自身忘れてる事もあるから悲しくねぇよ。(眉下げ此方を見てくる相手の眉間にキス落とし) な、俺も全然そんな気しねぇ。それに晴とはちょっと会えない期間があってもまた会える気がするんだよな。(額合わせたまま、相手と視線を合わせるように薄く双眸開き)

好きって言って(告げられた言葉に漸く安心し頬を緩ませるも、一つ希望が叶えられると余計欲張りになってしまい視線を合わせながら強請り)
…嬉しい、って思って良いのかな(眉間に唇が触れれば目を伏せて頬を緩めるものの、何処か躊躇いを含んだ声で問い掛け)んん、確かに。…まぁ会えない期間なんて全然無い方が良いんだけど(小さく頷くものの頬緩ませると相手の頬に唇触れさせ)

好きだよ、晴の事大好き。(強請られれば、目を細め笑みを浮かべつつ相手と視線を合わせ。強請られるままに言葉に出したそれは柔らかく先程意地悪をした代わりにはなっているであろうか)
…そこは素直に喜んでくれたら嬉しいんだけどな。(何処か躊躇いを含む声色に苦笑浮かべ) ふは、確かにな。会えねぇ期間とか無い方が良いけどな。それでもなんかの事情で会えなくなったとしても晴とは絶対にまた会えるってくらいには運命感じてるよ。(頬へと唇の感触が触れれば、口元ゆるりと緩め)

…ん、俺も大好き。一番好き。すっげえ好き。(じっと相手と目を合わせているも優しい声で告げられる言葉に次第に気恥ずかしさが込み上げると一度視線を落とし、嬉しさに笑みを漏らしつつ相手の首元に顔を埋めてはすりすりと擦り寄り)
すげえ嬉しいけど、…俺嫌な奴じゃねえかなって。(ほんの少し眉を下げて困ったような笑みを浮かべるとぽつりと告げ)運命かぁ…。俺と綾が運命ってすげえ幸せ。(思わず相手の言葉を復唱するうちに頬が緩んでしまうと、抑えきれない笑みを漏らしながら呟き)

ごめん、連絡せずにすげぇ遅くなった。ちょっとリアルの方がバタついてるから、もしかしたら少しの間返信が遅れる事が多くなるかも知んねぇ。

ふは、知ってる。(不意に視線を逸らさられば首元を擽る相手の髪。己と同じくスキンシップの多い相手の行動に慣れてはきているのだが、同時に甘い言葉も吐かれて仕舞えば嬉しさは倍増。相手の前髪で隠れた額に、それを退ける事もせずに軽いキス落とし)
晴がそんな事思う必要ねぇよ。(ほんの少し眉の下がった、困ったような表情浮かべる相手の目元を親指でゆるゆるとなぞり) 俺も、すげぇ幸せ。(相手の笑みにつられるように己も頬緩ませ)

平気。もうちょい遅かったら綾ーって泣いてたかもしんねえけど。忙しいなら仕方ないな。無理しなくて良いから、来れる時に顔見せに来て。待ってるからさ。

…もう一回。(前髪越しでは相手の唇が触れる感触を殆ど感じられず、自ら片手で前髪を分けると満面の笑みを浮かべながら強請り)
…ありがと。ごめんな変な事言って。(目元に触れる指の感触が心地良く、笑みを浮かべながら目を伏せて)これからもずっと俺の傍に居てな。(はにかんで告げると、相手の頬に口付けを落とし)

ふは、泣いて呼ばれるのも良いけど晴には笑顔でいて欲しいからな。ん、ごめんな。落ち着いたらいつものペースで顔出せるようにするからもうちょい待っててな。

…かぁわい。(前髪を分け、満面の笑みを浮かべつつ強請る相手の様子を見れば頬を緩ませ。するりと相手の頬を一撫でしてから、再び相手の額へと唇寄せ)
もー、謝んなって。(相手の表情に笑みが浮かべられたなら、此方も思わず頬緩ませ) 当たり前。離れねぇし離してやんねぇよ。(頬へと相手の唇の感触が当たったなら目を細め。相手が離れた後、その目元へと己から唇を寄せ)

んーん、俺も最近忙しいし、お互い様。…けど、ちょっと色々あってさ、綾に会いたい…寂しー…。でも綾が頑張ってるし、俺も頑張るな。落ち着いたらたくさん甘やかして。良い子で待ってるから。

…可愛い可愛い言うけど、俺の事可愛くしちまったのは綾なんだからなー…。(頬を撫でられるほんの少しの擽ったさに肩を竦め、次いで降って来た唇の感触に嬉しそうに頬を緩めつつ、口先だけの不満をぶつぶつ呟いて)
ん、分かった。謝んない。嬉しいとだけ思っとくわ。(へらっと弛緩した笑み浮かべては相手の頬に口付け落とし)嬉し。…俺ほんとに、綾に会えて良かった。(目元に唇が触れると軽く目を瞑り、それが離れて行くのと同時に目を開けると頬を緩めて)

どーしたよ、甘えたい時期？話ならいつでも聞くからあんま溜め込み過ぎないようにしろよー？もちろん、落ち着いたら真っ先に晴の事甘やかしに来るから。いい子じゃ無くても、我儘言ってもいいんだからな。

満更でも無いくせにー。…まあ、晴の事可愛くさせた責任は取るから安心しろよ、な？(耳に届いた不満の声とは裏腹に緩む頬を親指と人差し指で柔らかく摘み。目を細め相手の様子をじとりと見るものの、そんな視線が長く持つはずも無く直ぐに小さく吐き出せば笑み浮かべ) ん、よろしい。(相手の表情が緩んだかと思えば頬に触れる柔らかな感触に軽く目瞑り) …なぁに、晴クン甘えたデー？(相手の目元から唇離し、その表情を一瞥すれば満面の笑みが咲いており。キョトンとし小さく首傾げるものの、つられるようにこちらも笑み浮かべつつ相手の髪に指通し)

んん…なんかほんとに色々良くない事が重なってさぁ…。ちょっとへこんでるだけ。けど綾と話してたら少し楽になる。…って、こんなのあんまりこういうとこで言う事じゃないよなぁ。

だぁって、可愛いって言われんのもう全然嫌じゃねぇんだもんー…すげえ複雑。…けど責任取ってくれんなら良いや。綾にしか言われねえしー。(頬を摘ままれると眉を寄せて拗ねたような表情で応じるも、結局此方もいつまでもそんな表情では居られずゆるゆると緩んだ笑みを浮かべ)俺はオールシーズン年中無休で甘えたデーじゃん。綾もたまには甘えてくれて居んだぞー。(心地良さそうに目元を緩ませて述べるも、不意に相手の頬をつんつんと突いて)

そっか。そういう事あんま溜め込みすぎんなよ。んん、直接言うのはご法度だろうけど、暈し入れてっつーんなら俺はあんま気にしねぇし話してくれて良いから。世界観設定決まってねぇ分そこら辺は自由にいこうぜ。

へーえ、良い事聞いた。そんじゃあ、これからはもっと可愛いつっても良いんだよな？…当たり前、俺以外に晴の可愛いトコとか見せねぇし言わせねぇ。(満足気な表情浮かべれば、相手の頰を摘んでいた指を離し) んー、そだけどさ。最近すげぇ甘えてきてくれんじゃん？俺は甘えるより甘やかす方が好きなのー。(頰突かれれば、へらりと表情緩ませ。軽く前髪を搔き上げるようにしつつ相手の頭を撫でて)

うぅ、ありがと…。けどほんとに小さい悪い事が最近多くってさー…。何年かぶりに転んで膝擦りむいたーとか、色々失敗して怒られたーとか…最近怒られっぱなしなんだよ、俺…。

え、んん、…そういう事、には…なるけどさ…。(決して否定はできないものの、やはり何処か複雑そうな表情で)何それ、すげえ殺し文句ー…。綾ってばそういう事さらっと言うよなあ。(相手の言葉に微かに頬を染めてへらっと頬を緩ませ)…そりゃ、前より綾に会える事減ったし…。会える時にたーくさん甘えとかねえとさ。知ってるけど、綾が甘えて来るとこ定期的に見てえんだもん。(頭を撫でられると気持ち良さそうに目を閉じつつ述べ)

なるほどな、俺もたまにそういう時あるよ。すげぇ嫌なことばっかりが重なるとき。怒られるのって案外精神的にも疲れるからな。「もう疲れたー、しんどいー」って時はいつでもトピ上げてよ。すぐには来れないかも知んないけど、晴がしんどい時は出来るだけ駆けつけるからさ。

ふは、ごめんごめん。意地悪しすぎた。(複雑そうな表情見せる相手の頭撫でれば破顔させ) んー？こんな事さらっと言う俺は嫌い？(相手の表情から嫌がっているわけでは無いと理解しつつも、小さく首傾げ) 晴から甘えられるの好きだから、いっぱい会ってるときももっと甘えてくれて良いんだけどな。えー、これでも晴には割と甘えてる方なんだけどなあ。(気持ちよさそうに瞳閉じる相手の事眺めつつ。届いた言葉には、ほんの少しむすっとしたような表情で)

もしかしたら、もう晴は他の人見つけちゃったかな。返事無くて苦しいって思ったの初めてだわ。長い間放ったらかしててごめん、晴の優しさに甘えてた。まだ俺の事が好きって言ってくれるなら、晴と一緒に居たい。居なかった期間長かったから、もう俺の事なんかどうでも良いかも知んないけど…。まだここに居て、これを見たんなら声かけて欲しい。