(笑われてしまえばむすっと唇を尖らせるものの、相手に当て嵌まる言葉が少なくとも“彼女”ではないという事を自分でも納得してしまっているために、それ以上は何も言う事無く口を噤み。先導して扉を開けてもらったばかりか足元への注意を促され、あまりに紳士的な立ち振る舞いに先程から胸が高鳴ったままなのを実感しつつ、ついに女性的な扱いへの反発をやめると諦めを含んだ声で礼を呟き)……ん、ありがと…。