黒い礁湖/nl

…(相手の目線を送ってきた合図に相槌を打つように振り向かないまま小さく頷いたかのような普段を見ている相手にしか解らないほどの動作で反応すると、まるで今までやっていたかのようなスムーズな動作で銃を構えて周囲を見渡すようにしながら相手の背中に手を当てて、足音がこれでもかというほどしないゆっくりとした動作で下がりながら発砲することなく停泊させた辺りまで隠れながら追従し、エンジンをかけた瞬間が一番危険になるだろうかなどと思いながら音を立てないように十分に気を配ってリロードを済ませておくと、小さな密林とも取れる茂みや木々からの鳥や他の音に耳を済ませて足音が混じっていないかを逐一チェックして少しの音に合わせてそこに銃口を向けていき

(ガヴさんの場合は日常の取捨選択が殆ど生命維持に向いていて、かなり死に対する恐怖心が大きいですねw/主は体だけは丈夫なのでもう10年近く風邪は引いておりませんwジルPL様も、どうかお体にはお気をつけ下さいw/)

前に2隻、後ろからも来てるｯ！(自分の背中は相棒に預けたと言わんばかりに茂みから飛び出し船と島を繋いでいたロープを時間が無いため袖に仕込んであったナイフを素早く取り出してロープを切り落とせば飛び乗ってすぐにエンジンをかけると後ろから乾いた銃声が三発、恐らく船を狙って隠れていた刺客を相棒が仕留めたんだろうと疑うことなく、また足音はしなくとも人一人分の重みによる船の揺れを感じ取るとこんな器用な足取りはほかの誰にも真似できるはずないと口端を少し吊り上げ乍も後ろを振り返ることなく、また行き先や方角がどうのなんて考えることなく兎に角孤島から離れることに神経を集中させ出せるだけの速度で船を動かしていくと、少し進んだところで前からぼんやりとまたレーダーに反応しない怪しい船の姿を捉え、戦闘準備をしているであろう相手にそう伝え

(戦場を生き抜いて来た人間はそうなると思いますね。ジルは死ぬよりもガヴさんがいなくなるほうが怖いとおもいますが←/ それを聞いて安心しました！すっごい丈夫ですね！私なんて年に3回くらいはひいてますよww/)

…右舷、追尾弾頭二発…先行一発は撃ち落とす…(爆音のエンジン音が海底にまで鳴り響くであろうと慮る事吝かでないような中、声に出さないまでも風を切るように走り出した船の上で銃声を聴きながら銃声だけで積載されているであろう銃器類や一隻ごとの兵装を判断していきつつ、ここで改めて気付いたことはこの海上戦闘に関わっているのは自分たちの他に二団体居り、前方二隻は先ほども強襲してきたような何でもないカルテルの荒くれだけであろうことは相手も近づけば分かろうものだが、問題は後方の一隻であるだろうと考えていたところで予感的中と言わんばかりの勢いで飛んで来た二つの燃料の燃焼の匂いで飛んで来ているものを判断し、リロードがまだ済んでいないハンドガンの最後の一発の弾薬で相手ならば聞こえるであろうボソッとした声で、相手ならばギリギリまで引きつけてからの旋回で前方の一隻を弾薬を使用せずに沈められるだろうと思いつつ、前方の敵と後方の輩が撃ち合ってくれることは望まなくとも取り敢えず正体不明の後方の輩のやり方には覚えがあるような気がして、その嫌な推測が的中していれば自分たちのような仮にも運送業者の立ち入るところではないだろうと考えて、仮に沈められたとしたら前方のなかった一隻を無視して振り切って、兎に角、件の一隻から離れるのが先決だと思いながらも、そもそもの話高速で3次元移動する二点間を重力と空気抵抗の影響を受ける弾丸で結ぶという技法、更にはその中で倒された刺客の数と自分の銃の弾倉をなにかしらの手段で把握した上での保険として二発の追尾弾頭を撃ってきていることは明確、だとすれば相手が予測し得ないのはシルヴィという存在だと思い、相変わらず、相手を信頼している様子で撃ち落とした追尾弾頭の煙の中から飛び出して追いかけて来る死の体現された「それ」を表情一つ変えずに見据え

(おっそくなりやしたぁ…
ジル、意外と寂しがり屋さんです？…w/)

このまま逃げ切れるぞ…！つかまれ！！(１発は撃ち落とすとは聞こえたが激しい爆撃音と共に撃ち出されたもう１発はどうすんだよなんて考える暇はなくまた相棒がこうなると予想していたなんて知るはずもなく、長年の経験とずば抜けたセンスと鋭い勘をフル活用して飛んできた弾をギリギリまでひきつけてからドリフトかけながらの急な右カーブで弾をかわし、敵船からすればこんな荒業はたまたま運が良かったとしか思えないだろうという考えが頭を過ぎると、またこちらに向かって飛んできた弾を同じように躱して船の真横で大きな水柱を立たせなるべく船に海水が入らないようカーブからの旋回で素早くその場から距離を取るという腕を敵船に見せつければ得意げに鼻で笑ってやり、バンダナを締め直して気合を入れ直すと改めて目の前の状況を冷静に分析してここはやはり逃げ切るほうが無難ではあるが挟まれるようにして敵が立ち塞がっているため隙があるとすれば前の敵船の左か右かどっちかしかないが、陸から遠い北の方角のほうがいいと判断し、来る時のような反則猛スピードを出すと立ちっぱなしの相棒に軽く警告すれば、徐々に速度をあげて

(お、おそくなりやしたぁ…汗
そんくらいガヴさんが大事ってことですよ！w/)

…助かった…(今回ばかりはあと数秒で死ぬところだと思えなくもなかったものの相手の機転によってなんとか行きている現在を実感し、ひとまずは相手の技量に任せるしか無いと言う現状に変わりはないが頭を巡らせ始め、先程のまるで見通されたような戦法の策略に覚えのある節を記憶の中で探しながら暫く停止したように爆速の滑走邸の中にこもって考えていると、数ある記憶の中でももう済んだ事柄の中に関与していた団体に心覚があるような気がして、しかしながら今更その連中が絡んでくることなどあろうかと思いながらも当の輩以外に先程のようなことが可能な連中がいるかと言われればそういうわけもなく、もし仮に自分の創造が的中しているとすれば敵としてや味方として以前にもっと面倒なことになりかねない故、想像している輩でないことを願いつつハッチから顔を出して先程の連中の所属が少しでも解ればと、スコープの両側のキャップを外してスコープレンズを覗き込んで、揺れに合わせて上下差を埋めるように動かしながら先程の発射元の一点を捉えて煙の中を少しだけ見ると、スコープレンズから目を離してから珍しくも唖然とした表情になってハッチを閉じて下の操舵席近くまで戻って行き

(両思いだといいんですけどねw/)

どうしたんだよ…?(もう追っては来れないだろう、かなり距離を引き離したところで相手の様子が気になって視線をやればいつ見ても機械のようにただただ無表情な相手が表情を作っていて、それもどこか呆気にとられるような驚いたような表情をしていて珍しいと思いつつ脳内でスクリーンショットを撮り、眉にシワを寄せながらこちらに近付いてくる相手に声をかけてみて、なにか考え込んでいるのかいつもの事ながら中々返事は返ってくることないが、相手の話したいタイミングで言いたい事は伝えてくるという信頼もあってこちらからは深追いすることなく、とりあえず来た道を戻る形で、ハワイでまた給油し一休みしてからゆっくり太平洋を渡ればいいかだけ確認して、すっかり任務を終えた気でいるのか髪をまとめているバンダナを外して折角綺麗に折り畳んだのを短パンのポケットにぐしゃりと突っ込んで台無しにしては帰ったら事務所でゆっくり飲みたいとか考えていて

(ガヴさんは時間かかりそうですねw/咄嗟に考えついたものですが、豪華客船だか上流階級パーティでの任務で男女同伴で参加しないといけなくて潜入するために嫌がるジルがお洒落する羽目になるってのが思い浮かびました。←)

…面倒なことになった…多分…(全てを把握しているわけではない自己の判断だけで全てを決めつけてしまうのは良くないと思った上で、相手ならばきっとその辺りも無為に散策してくるようなことなく察してくれることを願いながらも、その傍らでもしも自分の創造通りの輩に手出しされたこととなれば、元々まともな仕事など一件も受けたことなどはないが一般界隈でいう所謂運送業者として手出しする部分としてはあまりに過激な部分に片足を突っ込んでいることになり、今回の件もきっと彼らなりに自分が生きていることを確認したのだろうなどと思いつつ近いうちに話をつけることにはなるのだろうが個人的にはあまり思うことではないが、ぶっちゃけて思ってしまうと凄く面倒臭いので出来る限り考えない、ないし関わらないようにしていたなどとは業務上口が裂けても言えるわけはなく、その上で話をつける段階でシルヴィを保護対象と説明するには余りに面倒な連中との会談になるだろうが、かと言ってこの機会に普通の運転手などに任せようものなら即刻射殺されて終わりだろうなどと思い、何れにしてもなんらかの形でシルヴィを同行させなければならないことに変わりはないが果たしてどうやって連れて行こうかなどと考えつつ、一先ずは相手の意見もあるだろうと一言だけ「…次の仕事は国外になりそうだ…恐らくUK…。」と、国外になりそうであることを仄めかして相手がどう反応するだろうかと内心で思いながら、その一方で食事はとても食べられたものじゃないだろうということと着いてくるのはいいがスペイン語さえどこで覚えたのかも解らないシルヴィが、果たしてイギリス人の御高尚な連中と会話など成り立つのだろうかという考えが頭の中でグルグル渦を巻いていて

(お、いいですねぇ…今回自分が張った伏線も兼ねて面白い回に出来そうな気がしますw/)

ゆないてっど、きんぐだむ！どんな仕事だ？(さっきから普段とあまり変わらない様子を見せてはいても長年相棒していればわかってしまうような些細な変化には気付くが相手の言う面倒なこととは次の仕事のことを指してるんだろうと勝手に納得して勝手に結論付けるとキャパの少ない頭は既に次の任務の話題でいっぱいになり、今回ほど長距離でないにしてもまた海を、今度は大西洋を渡って行けるのかとワクワクを隠せない様子を見せながら相変わらずの通じるし下手とは言えないアジア訛りの英語で、仕事に関しては自分が何か発言することはないと思い込んでるのか「アタシが付いててやるからどんな任務もへっちゃらだぜー」と心配している相棒とは裏腹に今回の逃避行も自分の操舵技術が優秀だったからといって調子に乗って得意げに親指を立てながら詳細を求めるように促し

(あれ。設定上、ガヴさんとジルが話してるのはスペイン語ですか？英語ですか？/
ちなみに素でわかっていないんですが(←w)ガヴさんが心配している船はなんですか？

…仕事…というか…今後のために、PMCの会談に行く…(正確にはまぁ個人的に一番面倒だと思っていた連中とのエンカウントもあったので当たり前と言って仕舞えばそれまでだが、今回の仕事の上がりがかなり大きかったこともあって今のうちに先決に話を進めてしまいたいという本心が大きく、加えて今回の件の襲撃があったということは自分が知っている連中が今まで通りに活動していることを指し示していると同時に、当時恒例であった会合が今まで通りに開かれている故にそちらでいい加減に話をつけようという、招待状としてはあまりに荒っぽい方法は矢張り過去に覚えのある通りで、そんな過去の思い出回想はさて置いて様子を見る限り特に嫌そうでもない相手の様子から察するに問題ないだろうと思い、折れ曲がったタバコを咥え直すとオイルライターで火をつけて煙を一息吐き出してから「…因みに運転はない…UKは上陸許可の方が空港より遥かに厳重だ…弾痕と硝煙反応で却下されるのがオチだ…。…それと、PMCが一同に会す正規会合だ…服装や立ち振る舞い…多少は気遣ってもらうことになる…」と、今回においては小さな島国の辺境の孤島だったから良かったものを本国に入るともなれば銃器類の過剰な持ち込みや、明らかな戦績の見られる船などがそう易々と入れる訳もなく知り合いのツテで航空手段を手配しようなどと思いながら、付け加えるようにして相手にとって一番の問題であろう内容をさらっと流すように伝えて、事務所に帰ってから多少準備しなければならないだろうなどと考えつつ再びタバコを蒸し始め

(あ、説明不足でしたね…二人が住んでいるのは一応中南米のホンジュラス港町(プエルトコルテス、サン=ペドロ=スーラ)郊外という設定でして、この近隣は学校に行けない貧民などが多いのでテロや強盗、略奪や殺人などが絶えず、殆どの市民は公用語を知らないので基本的にスペイン語が基盤になってます。まぁ、二人ともある程度の英語、スペイン語は話せるという設定で良いのではないでしょうか？ガヴさんが心配している船は過去の柵の一端なので、後々話の中で説明することにはなると思いますwあ、あと、移動などの類は今回の回は結構飛ばして行くつもりでいますw/)

ぴーえむしー…あ、ああ。そうだよな。りょーかい。(なんか聞いたことあるようなないような、聞いたら聞いたで冷ややかな視線が答えてくれない代わりに来そうだと思って取り敢えずは知った振りでもしておいて、運転はないのかと少し残念そうにするも離島や孤島、自分たちが住んでいる所ならともかく厳しそうな所では賄賂がどうのという問題ではないなと納得していてウンウンと頷きながら話を聞きいれ、聞いた時はあまり深く考えていなかったもの、来た道を戻るように同じ港町で同じところで給油しがてら船で休憩し乍先程の話を考えはじめるが、運転し、相手の落とした煙草の灰の掃除をし、翌日の夕方運河をまた来た時と同じように越えたため頭の中で消化するのに時間が掛かったのか、日が暮れて事務所に帰りついてから嫌な予感がして冷や汗を垂らすと「なあ…アタシ…もしかして…これじゃダメてことか…？」と船から飛び降りて鎖を縛ると自分の服と短パンを指で摘んでおそるおそる確認し

(遅れました、ごめんなさい。汗/おっけーです！楽しみにしてますね！PMCってググると民間軍事会社がトップに出てきましたがそれであってますか？あ、勝手ながら帰りも飛ばしましたﾍﾟｺ/ ちなみに今日のお昼はドミノピザでしたｹﾞﾌ←/)

…あぁ…会合とは銘打ってるが…表向きは食事会と舞踏会を含めた金持ち同士の道楽だ…(一般の民間軍事企業が企業同士で大きな会合を行えば国際的な問題になったり面倒な処理が想像を絶する頻度で多発することは、彼らの参入している取引の中を掻い潜って生業としている自分たちの差にとっても至極当たり前の話で、自分達の住んでいるような銃撃とサイレンと悲鳴と罵声が鳴り止まないような秘境の無法地帯であるならばともかくロンドンの中でそんな地区があるはずもなく、大手武器メーカーなどを含むスポンサー同士の顔合わせと親睦会を銘打った密売なども含む今後の戦略を練るための会合であることは明らかで、その点に関しては腹の探り合いで相手のライバル企業にしか目がいっておらず、自分達のような個人営業の運送業者には目もくれないと言うのは好都合でもあったりする状況において、先にも触れた面倒ごとを解消しておくにはうってつけであるものの建前上そこに物騒な連中として自分達が混ざっていることは非常にまずい事に当たり、自分はともかくとして相手がいないのは自分のことをこの上なく知っている人間を相手取った修羅場になる可能性がある以上、相手には絶対にいてもらわなければならないと思いつつ「…丁度いい…スーツの新調の序でに…服も用意するか…」と流石に現場で着ているボロボロのスーツで行くのはまずいだろうと新品のストックがあったかと少し頭で思い返すも、時期的に丁度替えが切れている時期であることもあって相手の現場で着るドレス類なども買ってしまおうと仄めかしつつ、相手の方を向かないまま悟られまいとした無表情と無機質な足音を立てて階段を上りながら事務所の中へと入って行き

(いえいえ！まさにそれです、有難う御座います！油ものばっかり食べてると太ってしまいますよー？…まぁ、主は後5キロ減ったら羸痩なんですけどね…！/)

な、なな、なな…おい！アタシはいかねーぞ！！(新調するという所からやはり嫌な予感は的中してしまい、こちらを向くことなくそそくさと事務所の中へと入っていく相手の背中に向かってキャンキャン吠えながら手ぶらだったように見えたため荷物は下ろしとけという事なんだろうと一旦船の中へ戻って荷物を担いで事務所に入っていき「第一きれるわけねーだろ…！舞踏会つっても踊れるわけねーし、金持ちの集まりなんかごめんだっ！」肩の上の荷物を下ろすと覚えている限りではドレスなんて着たことなければヒールやパンプス等の靴も履いたことない、ボーイッシュな髪にガサツな言動でパーティドレスを着ても似合うはずがないし食事会と言っても金持ちが集まるようなところでいつものような食べっぷりを発揮するわけにもいかないんだろうと抗議し乍こっちの話なんて聞いちゃいないようにソファの上で寛いでいる相手の後頭部に向かって冷蔵庫から出したキンキンに冷えた缶ビールを勢い良く投げつけ

(た、たまにならいいんですよ、たまにならw私も痩せてるほうですけど、、主様の方が絶対すらっとしてますね…:(´◦ω◦｀):ｶﾞｸﾌﾞﾙ←/ジル、めっちゃ嫌がってますよw/)

…選択の権利はある…が、来なければ…ロンドンで俺の葬式に…お前も参列することになる…(前回相手も見てわかったとは思うが追尾弾頭の軌道を二発重ねて保険をかけるような技巧を持った連中でありながら現行PMCということもあって武装も自分達とは比にならない、加えて自分のことを相手よりもよく知っていて戦闘能力も過剰ともなれば理由はどうあれ勝ち目はない、冷静にそう分析しながら無表情で衝撃を肘に流すようにして炭酸が逃げないようにラガービールを受け取って開封し、一口飲んでから相手が来なければ大した武装も出来ない場所であることもあって警戒もなく相手に屠られることは避けられないであろうことを口走り、加えて「…時間はある、コーディネートアシスタントもいる…あとは、自分で決めろ…」と仕事の上で必要な食事作法やマナー、言葉遣いや基本的な立ち回りなどを指導、その他必要な準備やオーダーが出来る人間は既に用意出来ている旨を伝えると共に、いつも通りのビジネスライクな人柄には変わりないのか、何れにせよ自分は向かうと言わんばかりの様相が変わる様子はなく、オイルの匂いを漂わせながら胸元から出したライターの鈍い金属音を響かせて、いつの間にやら口元に咥え込んでいた一般のタバコに火をつけると静かにライターを胸元のポケットに戻して煙を吐き出し

(すらっと、くらいだったら丁度良かったんですけどねぇ…/今回はガヴさんの出生やら経歴が分かったり分からなかったり…したりしなかったりしちゃったりします/←)

そっ！？……アンタ、どうせアタシなら着いてくると思ったんだろ、…勝手に殺されてんなよ…！(自分がしぬ程恥をかくか相手が命を落としてしぬかなんて究極の選択に迫られてそこまで大変な会合なのかとようやっと認知すれば相手を失うかもしれないなんて想像もしたくないような恐怖を払うように相手に少しずつ近付いて来たかと思えばソファの後ろから相手の首の左右に腕を通し胸の前で手を組ませればコーディネートアシスタントも既に手配してあるという発言からもう何もかも手筈は整えられた上で選択を与えるフリをしただけだと訴え乍丁度自分の目の前にある相手のふさふさな灰色に額をくっつけしばらくすると「ば、晩飯…！ビールに合うもんがいいよな、？」大きな音を立てて鳴ってしまった腹の虫と熱くなった身体を隠すように慌てて相手から離れると聞いておいて答えは聞くつもりないのか逃げるようにキッチンに入り

(が、がりがりっすか( ºωº )/どっちなんだー！byジル←)

…なんでも構わない…(個人的に好き嫌いはないということと相手が自分の特徴を把握していることを前提において問題のある食事が出て来た試しは、考えて思い返しても出会った当初から一度もなかったことは今更な話ではあるが、明日からは少し準備期間でごたつくことになることは互いに想像に難くない故に図らずして深い晩酌をするつもりもなく、適度に食事を済ませて明日の朝に備えておこうなどと考えつつも今回用意した身内アシスタントにインストラクターも兼任してもらうつもりではあるが、相手の学習能力や体を動かすことに関しての習得の速さなどは高く評価しているが、耐えられることは前提として習得出来るだろうかなどと思う反面、今回で期待以上の技能を身につけられれば今後の仕事の上でも何かとやりやすいことは増えていくのではないかなどと考え、なんとか気を紛らわそうとするも古傷が疼くとはこういうことかと言わんばかりに前回の死の淵のギリギリを渡った記憶が蘇って来て、無表情を保ったまま考えないようにと目を閉じるとため息混じりに煙を吐き出して再度明日以降のことに考えを向け始め

(それはガヴさん次第ですねw結構ガンガン飛ばして行っちゃっても…いいかなー！？/)

…本当に、これ…着んのか…?(翌朝、寝坊して相手に起こされて朝食という日常が戻って来たかと思いきや襟首引っ張られての強制拉致で連れられて来れば目の前に数え切れないほどの自分とは縁が遠すぎる煌びやかで華やかパーティドレスやイブニングドレスに圧倒され上記を呟きながらきょろきょろ辺りを見回し、相棒と何やら相談していた恐らく昨日言っていたコーディネートアシスタントらしき麗しい婦人と目が合うとそのまま奥に連れ込まれアシスタントの納得いくまで着せ替え人形になり、人生で１度たりとも伸ばしたことない髪にエクステンションやらウィッグやら被せられお目化しをすると鏡を見る勇気もないまま終わったかと思えば今度はまた奥へと連れられ立ち振る舞いやテーブルマナーや社交界マナーをくどくど頭に叩き込まれやっぱり引き受けるんじゃなかったと後悔する反面引き受けなければ相棒がしぬんだとスーツを買いに行っているはずの相棒の姿を想像して自分へのご褒美を与えつつ教えられたことを必死で覚え

(ガンガン飛ばしましょうw いいともー!/)

…黒だな…(自分の準備の類を終えて身内ということもあって件のアシスタントの性格や人格などは把握しているつもりだが、腕は確かであるものの漏れ無く着せ替え人形にされているであろう相手の元へと足を運んでいて、どうして予測していたのか出入り口付近で待機していたアシスタントと今回のコーディネートなどについて話を進めつつ、その中で状況などに合わせてどういったものを用意すればいいかという話になり、今回に関しては単純に気に入られるために粧し込んでいけばいいというものではなく、煤や暗闇での緊急時と出血やその他の状況も考えた結果黒をと伝え、ここから数日間は監禁レベルで相手が束縛されて面倒ごとを叩き込まれるのだから自分も期待以上のレベルで準備を進めねばと考え、自分の性格もあってか基本的に莫大な報酬の仕事に対して大分発展途上な物価の極端に安い犯罪国家で質素な生活をしていたこともあり、それ以外の事情もありと言った具合で有り余っている資金から惜しげなく注ぎ込んでいるようで、当日自分は先に行って手続きなどをしなければならないこともあって国際線と会場までの送迎をプライベートな線で用意するようにだけ頼むと、当日現地集合で相手と合流するということを前提に最後に追加のオーダーで、相手の両足につける緊急時用の特殊な拳銃のホルスターを衣類の下に見えないようにつけて貰うように頼み、それだけ伝えると何か用事を思い出したように天井を見上げて考え込んでから相手とは顔合わせしないまま来ていたことだけを伝えるように行って足早に外へと去っていき

(考えてみればガヴさんとジルの事務所ってありえないくらい金余ってるんですよね…当日はプライベートジェットやらリムジン送迎でシルヴィお嬢をお迎((←/)

……あい、たい…(缶詰め状態で家にも帰してもらえない一日中常に身動きを監視されて少しでも崩そうものなら正座でどやされるというこの上なく鬼のような指導を受けて見てくれだけはお淑やかにはなったものの限られた時間の中で言葉だけはどうにもならなかったのか話し出すと流暢な英語が出てこないのはさておき口が悪いためいっそ無口キャラで通しなさいときつく言い聞かされ、漸く解放されたところで相棒はもう既に出発したとやっと数日ぶりに相手の消息を聞いて安心し、こんなに何日も声も聞かず顔も合わさないことなんて久しぶりすぎてぽつりと声に出してしまい、もうすぐ会える喜びの一心で身だしなみの最終チェックを済ますといつもに比べて格段に少なくはあるがドレスのあちこちにナイフを仕込んでいると相棒からの伝達でホルスターを仕込むことになったが自分は銃持たせてもらえないのにと眉を顰めつつ大人しくホルスターをつけてもらい、そう簡単には落ちないようにしっかりとメイクをした上で空港まで連れられると本当にこれに乗るのかと目の前の客の乗っていないプライベートジェットを見据え乍ここから先はどこから誰に言動を盗聴され盗撮されるかわかったものではないため、言い聞かされた通り余計な事は一切口にしないようにと気を引き締めるといつもならバンダナを締める代わりに拳をキツく握りしめ、送ってくれたアシスタントに微笑みを向けると両手をへその前に持ってきて軽く会釈をしてジェット機に乗り込み

(かかるのはお酒、タバコと武器代ですよね。あとは…交通費?w/ ジル姫マッハで用意しました←/スーツは割といつも通りなのはさておきふさふさヘアーをしっかりセットしたガヴ王子が楽しみです←←/なんかもうUKで襲撃されるflg立ちまくっているような←/)

…はぁ…(準備期間に入ってからいく日が経っただろうか定かではないくらいに目紛しい準備期間、というのも普段国際機関でもない個人経営の運送業者が護身用とはいえ他国の軍事兵器を凡ゆる手段を持って手に入れている以上、かなりのルートで入国許可をとらなければならないことはどうあがいても避けて通れない道ではあったが、何とか最低限の準備だけはして来られたと安心しつつも数日、乃至数週間の間とはいえ、毎日のように見ていた顔を見なくなったというのは慣習を失ったような妙な気分になるのも無理はなく、無駄に長い車の扉を開けて降りると同時にチップを置いてドアを閉めると、背後で乗り慣れていなかった快適な高級車が御高尚なエンジン音を響かせながら走り去るのを耳に捉えつつ、目の前に聳え立つこれまた巨大で高尚さが目に見えて際立つ今回の会場になるであろう巨大な門の向こう側に見える豪邸と呼んでいい規模なのかも分からない様な邸宅を前に、口にしないまでもタバコを咥えずとも吐き出す息が白くなるのを目の前で痛感しながら、ほとんど赤道直下に位置する常夏の中南米から出て来て思うのも当たり前といえばそれまでだが、こちらの空気は何年経っても冷たいなどと思いながら改めて少なくとも季節感というものを体感し直し、背中に大きな何かの文様の入った黒いフォーマルコートのポケットから手を出して被り慣れない帽子を風で飛ばされないように抑えながら、雪の舞う寒空の下で職業病かいつもは汗の塩で傷口が痛むがこれだけ寒ければ麻痺して多少出血してもいつも肌は痛くないだろうか何て下らないことを頭の片隅で思いつつ、今回は態々説明するのも面倒なので護衛の目を光らせることも兼ねて予め通して置いた話で一緒に入ってしまおうと考えて待機し

(残念ガヴさんは帽子でしたー！最早ここまで来るとマフィアと相違ない気がして来ますねw/どうせだったらということで、部隊が万年常夏なこともあって冬場設定にしてみました←/)

ガヴ、…(プライベートジェットの次はリムジンによる送迎でこんなに金を掛けてもいいのかと軽く目眩がするのを感じながら大人しく乗って窓から外の景色を眺めていて1時間もかからない内にリムジンが停まったと思えば目的の場所に着いたのか運転手が降りてドアを開け、大分慣れたとはいえやはり普段履いているものとは勝手の違うヒールで雪が降っているため少し滑りやすくなっているであろう地面に足をつけるとコケないようにとゆっくりと車から降り、会場だろうか、大きな門の前にしてこれはまた豪華なところだと口にしそうになるのを抑え、先に出発したと連絡を受けているため相手の姿を探すと門の前の長身で帽子から少しはみ出ている見慣れた灰色とやはり雰囲気で相棒だと一瞬で見抜き、飛び付きたくなる気持ちを抑えゆっくりとした足取りで相手に近付くと相手にも聞こえるくらいの声で小さく名前を呼び相手がこちらに振り向くとドレスを軽く摘んで片膝を少し曲げてお辞儀をし、顔を上げると微笑みかけて

(ようやく再会ですね、本人たちからすればご無沙汰w/おっけいです！私は寒いの苦手ですけど、たぶんジルは平気です←)