黒い礁湖/nl

…予想通りだ…(今回は分派のみであったものの彼らのシマであることを考えると、依頼の値段が相応だった故にもっと大掛かりな団体を相手に回すことになることを予想していたのだが、今回の被害を考えると個人的に考えていたよりも格段に少ない被害であった故にスピードを落とすこともなく切り抜けられたということもあって、このまま加速して行けば朝には現地につけるだろうと思いながらも、機械的に一定時間ごとに区切るようにして目を閉じるとバッテリーの節電モードもかくや、意識を持ちながらにしてエネルギー消費を極限まで抑えるという人間なのかも怪しい芸当で、運転をずっと継続している相手には少し申し訳ないなどと珍しく思いながらも効率を重視して継続し、しかしながら現状このまま現地に着いてからは明らかにすぐに出られる準備を進めるのが先決、ともなれば整備と給油時間を考えると最低一時間も寝られればいい方かと考えつつ、ある程度の休憩を終えると手元のセーフティを外してから、休憩しつつ咥えていたタバコを携帯灰皿に投げ込んで消して、トリガーに指を回しつつスコープと覗いていない目を両方使って周囲に再び危険がないか観察し始め

(いえいえ、お気になさらず！/)

おい、日の出だ…！(この速度についてこれる船はなかなかあるはずもなく上手く逃げ切ればもう周りには怪しい影等なくてほっと安堵の息を吐くと途端に睡魔が襲ってきて重くなってくる瞼を無理やり押し上げるように頬骨辺りに手を添えてをグイーッと母指球を押し当てパンパンと両頬を叩きながら目を覚ましていると段々と海の向こう側である東側から朝日が覗かせていて橙と紫と紺を混ぜ合わせた空と紅黄色の雲が作り出した美しい朝焼けを眺め、航海の楽しみはやっぱりこれだと少しはしゃぎ相手にも見るよう促すように声を掛ければ目は完全に覚め、朝焼けのせいか目を輝かせてよしっと小さくガッツポーズをすれば気を引き締め直すようにバンダナも締め直し、ラストスパートだと言わんばかりにもう1度舵を取り直せばもう水平線上にちょこっと顔を覗かせているハワイ島まで船のスピードを緩めることなく飛ばし

(そういえばよく右と左を間違え西と東を間違えます← 朝日夕日は天才バカボンの歌で覚えることにしたんです←/)

…解ってる…急ぐぞ…(どう考えてもこれ以上出るはずのスピードの中であるにも関わらず目を閉じたまま相手に言い放って、ラストスパートでこの時間ということはやはりギリギリであることに変わりはないようであることを察して、そんなスピードであるにもかかわらずに当たり前のように相手にこれ以上出ないスピードをさらにあげるように要求しながらも、これ以上の接近の上での狙撃は不要だと判断した様子でハッチの下に重火器類を持ったまま降りて来ると、爆撃用に持って来た追尾対空砲を着々とばらし始め、今回意外と襲撃の頻度自体が少なかったこともあってか購入したコストが馬鹿にならなかった故に心の中で惜しみつつもバラしてケースにしまい込んでいき、終えた辺りから今回活躍してくれた狙撃銃をこの上なく丁寧な扱いでかなり細かく分解しながらケースのスポンジの溝にはめ込んで行きつつ、あとどれくらいでつくのかと思いながら相手の前に見えるフロントガラスの奥に、かすかに見える気がしなくもない陸地を見ながら、いくら精密機器のような自分でもあれだけの集中力の中で寝ずに活動するのはきつかったと言わんばかりにフラついて、ケースを足で押し戻すと同時に前側の座席の方に歩いて行って、陸地が見えていることから急激な原則に備えて掴まっておこうと先ほどと同じように座席越しに相手にもたれかかる様にして掴まり

(申し訳ない、大変遅くなりました/
バカボンのは真逆でしたよね…←/)

陸だ！(ハワイ島がもうくっきりと水平線上に乗っかればやっと中間地点が見えただけにも関わらず被害は最小限に抑えれたとは言え爆撃に遭いながらぶっ通しの長時間高速運転をやっと終え、まるでゴールに着いたと言わんばかりに嬉しそうな様子を見せながら少しずつ速度を緩め港に向かうため見えてきたハワイ島から北へ船を動かした後に東へ進み、ヒロの港へ船を進めながら「着いたら任せていいか？…いや、やっぱアタシが…」と自分は少しでも寝たいため食料品やらの調達と給油を任せたいと伝えるがコミュ障ではないはずだが相手と仕事するようになってから自分以外の人間に話しかけるところなんてそういえば依頼の話以外見たことはなく、買い物もいつも自分が行ってるけど大丈夫なのかと言ってしまってから心配になってしまい首を振りながら左手の人差し指の関節を目に擦りつけ閉じそうになっている瞼を無理やり押し上げ、午前8時28分と表示された舵のすぐ横にあるデジタル時計を確認して桟橋の横に船をつけてエンジンを切り、船から飛び降りると係船索をビットにつなぎ

(そうです、逆です！/
こちらこそ遅れました、只今13連勤の真ん中です、遅番で少し前に家かえれました…しにはしないですけど、遅れてます。ごめんなさい。泣/
お互い自分のペースで時間のある時に無理なく絡めたらと思います(*´∀｀)/)

…まだ、何も言ってない…(別に行きたくて仕方がないというわけではないものの意見する間も無く気を変えられたのは少し気になったようで珍しく反応してみたものの、出てきたか細い声は気を変えた相手に届くようなものでは到底なく、虚しく空を切りながらもそんなことを気にするような繊細なメンタルはこちらも持ち合わせておらず、早々に繋がれた船から相変わらずの精密な足音を立てて甲板に出ると、ハワイのような観光名所も多い場所で盗難などは自分たちの拠点にしている犯罪大国ほどまではいかないだろうが、なくなっては困るものも多数積んだり持ってきたりしていた故に全てあるか一つずつ頭の中で確認し、鍵を占める寸前までは念頭において気を配っておこうなどと思いながら、観光地に持ってくるようなものでは到底ない金属製の重たげな金具が多数ついたアタッシュケースを持ち上げて、話は通してあった故に取り分け気を配ったりする様子もなく上陸してから一度置くと、馴染みのパッケージの箱を膝で叩いて一本タバコを咥えこむと、これまた重厚なデザインが目立つオイルライターからナフサ特有の香りを漂わせながら着火して、オイルライターを鈍い金属音を立てて閉めると胸ポケットにしまいながら、反対の手に持ち変えて持ち上げると共に歩きながら、取り敢えずは互いに給油や適当に買い物などを済ませてホテルにチェックインし、仮眠をとらなければいつ倒れるか解らないなどと考えつつ足早に街中に入ってしまおうと歩みを進め

(お忙しい中有難う御座います笑…！/)

おおー、こりゃぁしっかり寝れそうだな！(とりあえずは給油を済ませ、適当なスーパーで食料は日持ちするものを選び、相棒の水代わりである缶ビールも数本買い、今日の腹ごしらえ用にはハワイ名物の肉料理カルアピッグと海鮮サラダのようなポキを手に入れ必要なものは全て揃っている事を確認して清算すれば、相手と共に何も考えずホテルへ行き、シャワールームとベッドルームしかないシンプルでまさに寝るためだけの部屋に入ると、安い部屋をとったのかベッドがひとつしかないなんて事も考えることなくただ船の中で寝るつもりだったためちゃんとしたベッドで寝れるという事だけ考え任務中とはいえちょっとした旅みたいだとウキウキしながら上記を述べ缶ビールを相手に1本投げて渡し、相手がビールを1本飲みきる前に備え付けてあったフォークを使いそそくさと買ってきたものを胃の中に流し込むと睡魔の限界が来たのか「わり…もーむり…」とそのままベッドに倒れ込みぴくりとも動かなくなったかと思いきやスヤスヤと寝息を立て始め

…(船外に身を乗り出して狙撃をして居たこともあって、相手が食事云々をしている間に先にシャワーを浴びておこうとシャワールームに入っていて、出てきて適当に食事でも取ろうかと考えていたものの、時計を見て今後の予定との睡眠時間の兼ね合いを考えたところで時間が足りないことに気付き、溜息にもならない息をつくと今後の行動をスムーズにしたいこともあってか、製造機の如くスムーズな動作でスーツを畳んでスーツケースにしまい込むと、下をオリーブドラヴのミリタリーパンツに履き替えて、生乾きの頭を首にかかったタオルで適度に拭きながらその流れで銃創の目立つ体も少し拭きつつ、相手が気を使って買ってきてくれたのであろうラガービールを一気に喉に流し込んで、直につけることになるハーネスをいくつかスーツケースから出してスーツケースを閉じ、机の上にハーネスと空になったラガービールの缶を置いてタバコも吸わないまま、双方それなりにガタイがいい故に少し気を配る用にして身を縮こまらせながら、あとでどうせ脱ぐことになる服を着るのも面倒に思っての上裸のままで相手の横で仮眠を取り始め

……っっ！！！？(普段からのガサツな性格が生活態度にも出ているのか本人にはわからずとも寝相は悪く、傍に暖かい何かを感じ取ると正体も解らないまま腕を回して抱き締め脚でもしっかり固定するように抱き枕にしてしまい、仮眠だけのつもりが存外気持ち良く急速充電するように熟睡できたのか1時間くらいするとスッキリぱっちり目を覚まし、同時に視界に飛び込んで来た灰色に目を見開き思わず叫びそうになるのをグッと堪え声にもならない声をあげると起こさないようにそっとベッドから離れ両手を上に上げてグッと背中を伸ばせば寝顔なんてレアだななんて思いつつ痛々しい相手の身体に目が移り、痛々しくはあるがそれよりもやはりガタイが良く程よく筋肉質で自分からすれば美しくカッコイイ身体ではあると思いながらこの腕に抱きしめられた事と知らずにとはいえこの身体を抱き枕にしてしまっていた事を思い出し慌ててシャワールームに飛び込んで汗を流すついでに赤くなった頬と熱くなった身体を冷ます事だけで頭がいっぱいになり、着替えも鍵も忘れて洗面所の横にあるカゴに服を脱ぎ捨てれば頭から冷水を浴び

……？…(相手がシャワールームに入る音を聞いて事務所内では聴き慣れていない音であったが故か、目を開くとほぼ同時くらいの速度でいつから隠していたのか定かではないハンドガンをベッドの下から窓の外に向けて構えると、相手がシャワールームに入っていることに気付いて違和感の正体を自分の中で解消し、小一時間経った頃合いに目が覚めたのはちょうど良かったのか、寝る前にシャワーを浴びられていたこともあってそのまま起床すると、机の上に置いてあったハーネスを脇に拳銃と腹にナイフが来るように装着して固定し、その上から防弾性の高いミリタリージャケットを着込んでファスナーを閉めると、タバコを机で叩いて一本だけ出してから相手がシャワールームから出てくるまでに時間がある故か、タバコを机に何度かトントンと軽く打ち付けて中身を詰めてから、いつもの重厚なオイルライターで着火してタバコとオイルライターを一纏めにするとミリタリージャケットの内側にしまい込んで、咥えタバコのまま相手の準備が終わるまでは集中力を晒しておこうとベッドに腰掛けて、ローテーブルの上に置かれている灰皿を自分の方に引き寄せると灰を落としながら煙を吐き出して待機し

…やべ。(思いっきり身体を冷まして心を落ち着かせれば今度は温かいお湯でしっかり汗を流し、ぱたぱたと手で風呂上がりの顔の火照りを冷ますように扇ぎながらホテルのバスタオルを掴んで適当に水分を拭き取り、短いからどうせすぐ乾くとでも言わんばかりに頭はこれもまた適当にワシャワシャと拭き、いざ着替えようとすれば替えを準備しないでシャワールームに飛び込んでしまった事を今思い出し、眉間に皺を寄せながら大きくため息を吐いて頭の足りなさを今一度実感しつつ、否先程は慌てたからだと誰にでもなく言い訳を心の中で述べてから頭を横にブンブンと振り、どうしたらいいか考え、着替えを取りに行く間だけでも元着ていた服を羽織ればいいものの相手が起きる前に早くなんとかせねばと頭がいっぱいになり、また慌ててしまっていたのか思考力と判断力が鈍ってしまい、既に起きていたらなんて微塵も考えておらずとりあえずバスタオルを体に巻き付けて相手に気付かれぬようシャワールームをそっと出るがそこでベッドに腰掛けている相手と目が合ってしまい、状況に頭が追い付かずそこでピシッと固まってしまい

(なんか…ジルが頭に悪い子になってますwこんな馬鹿な子でしたっけ…w)

…ジル、ふざけてないで早く準備しろ…(先に準備を終えてタバコを吸いながら腰掛けてシャワーを浴びている相手を待っていると、何を考えたのかタオル姿で飛び出してきた相手をジト目で眺めながら口と肺に溜まった煙を吐き出して、これから本腰を入れて命懸けの駆け引きに向かうというのに呑気なものだと思いながらも、この切迫した状況では見た感じジョークにしか見えない相手の余興に付き合っている時間はないと淡々とした声で言い放って、一本めのタバコが消える前に吸いながらもう一本に点火して二本咥えると、灰を一度落としてから咥え直してミリタリーブーツの網目を指で引っ張ってきつく締め直し、ため息のようにもう一度煙を吐きながらも相手の余裕である姿を再認識してから、今回も自分の身の危険を含めて相手が一緒であれば心配する必要もないかと改めて信頼を寄せ、口にはしないものの硬直している相手の引き締まった体を無表情に虚ろな目で眺めながら、短くなった方のタバコを灰皿に投擲するように正確に吐き捨て

(まぁ、常識はありますけど頭脳自体はガヴさんが宛にされてる気がします…w/)

んの、あたしがどんな気持ちで…！……ちっ。…もういいっ！(ふざけていると吐き捨てられて気まずい雰囲気にならなかったことに安心をしつつもやはり女として意識してくれるわけがあるはずもないと改めて思い知らされて悔しさや虚しさが苛立ちとなり自分の抱いている気持ちと一緒に暴言でも吐いてしまいそうになり言いかけた言葉を唾と一緒に飲み込んでしまえば代わりに舌打ちをしてドキドキを返せと言わんばかりにタバコを灰皿に捨てる相手を睨みつけながら相手の前を横切って着替えだけ手に取り、もう色々と面倒になってしまいどうせ意識なんてされないと思いつつも一応は相手の視界に入らないよう部屋の隅で着替え、まだ少し湿っている髪を纏めるようにバンダナをキツく結ぶと自分の荷物を背負い上げ、今は触れたくないはずが既にそういう癖なのか相手の重そうなアタッシュケースを持つとそそくさと逃げるように部屋を後にして、チェックアウトや忘れ物確認とかは頭の良い相手が済ませるんだろうと自分は先に出発の準備でも整えようと頭の中の苛立ちをかき消すように船へ向かい

(ジルとガヴさんが事務所でお酒飲みながらポーカーでもしてジルが全敗するお話を想像しました←/)

……(何かまた相手にとって気に触るようなことを言ってしまったのか分からない上で行ってしまった相手の後を追いかけるようにチェックアウトなどを済ませると、外に出た瞬間に慣れない気候と汐風に機材が痛みそうだと考えている故に観光の類などは一切頭にないようで、相手の機嫌を損ねた理由はわからないが相手も業界の人間ではプロであることを自覚していると思い、取り敢えずその話は置いておいて先にクライアントの元へと向かうのが先決であろうと足早に前泊している港へと向かって歩みを進めつつ、歩きながらも全く揺れていない手元の短くなり過ぎたタバコを携帯の灰皿の中へと放り込むと、同じようにもう一本出して咥え込んで馴染みのオイルライターで火をつけて、少し虚空な目で相手と自分の関係性について深く考え込みながら一体どういった系統の関係なのだろうかと考え始めていて

(ガヴさんは自称運がいいみたいなので、強いかもしれないですねw/
亀レスごめんなさい…/)

畜生が……ふざけてんのはそっちだろうがぁ…っ!!(一足先に船の中に飛び込むと未だ収まらない苛立ちを発散するように相手の荷物を船の奥に乱暴に放り投げれば不機嫌左拳で壁を一度殴り、若干揺れたような感覚でハッとすればやってしまってから相手のアタッシュケースに傷がついていないかイソイソと確認しはじめ、壊してしまったらまたふざけていると言われそうだと一応ケースを開けて中身を確認し幸いにも無傷だった事を確認できれば安心して気持ちを切り替えるように何度も深呼吸を繰り返すと操縦室に入り、燃料の確認をしたりエンジンの点検したり出航に準備を整え始め、そうこうしているうちに相手が船に乗り込んで来たのを横目で見てやればべーっと舌を出して「おせーよっ！」と呆れ顔の相手にいつもの調子で声を掛けるとそのまま舵を手に握らせて船を出し

(運も強くて頭よかったらトランプ強いですねw/パイアってどこですか← あと、もし考えている展開とかあったら教えて頂きたいです！//
お気になさらずー！/)

…はぁ…解ってる…(どちらにしても指定された時間に着けば問題がない上にどれだけ早く着こうとそれよりも遥か前に下見も兼ねてクライアントが待機していることは仕事の危険上言うまでもなく、舌を出して何やら不機嫌そうな相手に口に溜まっていた煙を塊のような量で吐き出して吐き掛けると、再び咥えてタバコを唇で支えながら船内へゆっくりとした精密で無機質な歩幅の足音を立てて入って行って、流石にここからクライアントとの待ち合わせ場所の間で襲われるようなことはないだろうが、自分自身が相手側であったら身の危険を考えて狙撃手を伏兵として待機させておくことを考えると相手が同じことを考えていてもなんら不思議はなく、取り敢えずはクライアントとの待ち合わせ場所に上陸する前に少し周囲を見ておいても損はないだろうなどと考えながら船内の床にかがみこんで、今回はそこまでスピードを出さないであろうことを視野に入れてかクライアントと会う前の準備を進め

(パイアはマウイ島の北ですね！あ、この後はクライアントと会う予定ですが、取引後の襲撃からダッシュで逃げる予定ですw/)

まあ、ここからだったら近いもんなぁ。でも何が起きるかわかんないんだからゆっくりしていられねーだろ！(地図を手にして横目で相手の方に視線をやると昨晩のようなかなり無茶苦茶な超高速運転せずとも十分取引の時間には間に合うはずだが他社と比べて安価と相棒から聞いてはいるもののやはりそれなりの大金をもらっての運搬業を行っているため何が起きようとも遅刻の原因になるべきではないというのにと、人の事は言えないクセして心で責任感のようなものを感じ乍上記のように若干早口で述べるともう何も起きない事を祈りつつバンダナを締め直して指定された目的地に向かい、しばらく相手から返事も何もなければお互い無言だったのがマウイ島附近までやってきて突然思い出したように「…そういえば、孤島って言ってたよな…どこだ？」と振り向かずに後ろにいるであろう相手に地図を差し出せば正確な位置を求め

(すみません、ありがとうございます!取引はジルの専門外で護衛くらいにしかならないのでガヴさんに任せます←/実はクライアントは資料を確認した後にガヴたち運搬業者の殺害を計画していた…とかですか？/)

…北だ…一般に普及してる地図には載ってない…(パイアから先の方の沖合にずっといった辺りに冷戦時代の名残で多国が関与し過ぎた為に米政府が見放した無法地帯、元々の所有主も利権を争った末に下がり続ける時価を見かねて当の土地を売却するわけでもなく放棄、以降はカルテルや政治的な立場からの介入を回避するための避難経路として使われ続けている為に、政府を通して発行した公式な地図には一切載っていないという、ブラックマーケットの利権者には打って付けのロケーションに向かっていることは口に出さないまでも、大まかに必要なことだけを近年流行の人工知能のAIを更に無機質にしてテンションを下げたような声で言い放って、明確な位置どりは依頼者からもらっていない故に大まかな表現になってしまったことを少し悔いながらも上陸の準備を進め、中南米に住んでいる人間の中では随一と言っていいほどに時間に厳しいながらも少し寝坊癖などが見られる相手を不思議に思いつつ、内心では大して急ぐ意味などないのになどと考えながら、船内に落としたら相手に面倒なことを言われるだろうと溜まりきったタバコの灰ごと携帯用の灰皿に突っ込み

(まぁ、取引といっても物資の交換程度なものですが…/いえ、カルテルの裏庭近隣っていう伏線回収の追加の意味もあって、第三者の強襲っていうところから逃亡の流れでそのまま帰還しようかと思ってますw/)

…おう、そーか。(相手にも解らないのか、精密機器のような身振りや頭をしているくせに正確な場所を教えてくれなかったことからそう推測すると責めるまでとは行かなくても肝心な所だけ抜けている情報をもらうと北ってどこだよと言葉にはせずとも多少呆れを感じているのか眉をひそめながらとりあえずは頷いてみて、やはり何が起きるかわかったものじゃないという先程の自分の発言は正しかったと結論付ければとりあえずはマウイ島の北まで船を加速させて陸にはつけず自動操縦に切り替えると、グッと背伸びをしながらそうは見えるだけで実際の心の中までは読み取れるはずもないが悠長にタバコをふかしているいつもと変わらない相手の姿を暫く見つめると熱を持った頬を冷ます仕草を誤魔化すように「あ、あちぃ…」と手で仰ぎながらもう片手で額の汗を拭うふりをして、液晶に表示された地図と持ち前の土地勘と観察眼を頼りに地図に載っていない島を探し始めそれらしいものを見つけると船を島に近付け

(すみません、おくれました…/了解です！ガヴさんがお金かけて買ったセットが役に立つ時が来ますねw/)

…頼まれたものだ、中は見ていない…保証はしない、自分で確認しろ…(まさかあれだけの情報を頼りにこれだけの早さで現在地の陸の孤島に到着出来るとは思っていなかった様子で内心で感心しながら積荷を取り出し、対して大きくもない端の見える孤島の山道を進んでいくと黒塗りの高級車の前に佇む一人の初老で小太りな白髪の男性と、それを取り巻く様に突撃銃を持った黒づくめのビジネススーツ姿の白人が幾人か確認出来、茂みの中から銃を持っていないことを示す様に片手と依頼品の入ったアタッシュケース上げて出て行って、暫くの沈黙の間に周囲を確認して心の準備をするとともに声に乗せて相手の取引相手が誰かは知らないが、何れにしても自身らが請け負った契約内容は運送のみである故に頼まれたことは遂行したと言わんばかりの態度でアタッシュケースを開いて近くの砂地に投げ、それと同時に遠巻きにいた自分たちを狙っているであろう狙撃手の指を脇のホルスターに入れていたハンドガンで撃ち抜き、振り向きざまに相手の腹部に手を掛けて持ち上げると茂みに向かって走ってから飛び込み、クライアント共々茂みを隔てて観察しながらの冷戦状態に入り

(遅くなりました…ガヴさんは意外と心配性で臆病なので、買っちゃって無駄になるものも多そうですけどねw/)

ぉわあっ、な、なんだなんだぁ…！？(狙撃手の気配は感じ取って一応警戒はしていたもののあっさりと取引を終えた相棒がいきなり発砲したかと思えば急にペットのような扱いで持ち上げられれば照れるよりも驚きが上回ってしまい変な声を出しながら状況の説明を求めようとはするがそんな場合ではなさそうだと判断し返ってこない返事をそれ以上求める事はなくただ茂みの中で急接近することになってしまったためお互い触れ合ってしまっている手に変な汗を滲ませ、例え手を退けるだけの小さな動作でも状況を把握しきれていない今は迂闊に動くわけにはいかないと思い、声を押し殺して口から飛び出そうになる心臓の動悸を抑えるため、また冷静さを取り戻すため袖の下や裾の中に隠してあるナイフの位置頭で再確認し乍相手が敵の相手をしてくれる前提でここから船までの最短距離を考え始め、視線だけ相手にやって小さく頷き合図を出して

(お互い様ということでw/ ガヴさんが臆病ですとぅ！？意外すぎ…( ´ºωº` )いつも(?)大胆に銃撃戦入ってるのは…気のせい?wそれともジルのせいですかw/今日もお疲れ様でした！最近周りの人がみんな風邪でぶっ倒れるという現象が起きています…主様もくれぐれも体調にはお気をつけください。笑)