業 に 火 は つ け る / N L 悲 恋

業 に 火 は つ け る / N L 悲 恋

и  2017-05-21 21:01:45 
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「綺麗」
その一言は寂しさ
「邪魔だ」
その一言は強がり

ただ
「寂しかった」
ただ
「孤独だった」

『化け物』と『幼子』は
ただただ、不器用だった

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拾われた『幼子』
住まうは『化け物』

不器用で心に傷のある二人に
災難は見逃してくれない。

「来てくれるって、思ってた」
揺らめく炎のなか泣いているようにも
見える貴方の顔
「もう…ひとりにしない」
小さな小さな体を抱きしめて
崩れゆく視界のなかで

ふたりは笑っていた。


〈暫しお待ちを〉



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  • No.3 by 匿名  2017-05-21 22:06:08 



(/遅くなりました、トピ立てありがとうございます!先程募集板の方でお声を掛けさせて頂いた者です。改めましてこれからよろしくお願いします…!
大まかな設定とpfについては把握致しました。pfも提出したいと思っているのですが、恐らく明日の夕方頃になるかと…大丈夫でしょうか?)

  • No.4 by и  2017-05-21 22:42:01 




( / お早いご移動の方ありがとうございました。
これからよろしくお願い致します。
pf提出の件につきましては把握致しましたのでごゆっくり練ってください。
それではお待ちする前に簡単に大まかな流れと関係性等についてご説明致します。

幼子に関しまして、跡取りとして連れてこられておりますのでそれなりの厳しい教育の中での生活になりますので年相応の子供っぽさを忘れないながらも、ませている訳ではなくとも背伸びしているようなそんな子供でもあまり子供らしくない、そんなイメージで作成して頂けたら幸いです。
また、お互い接点はまだありません。pf作成後に開始のロルを失礼ながらロルテも兼ねまして回して貰いたいのですが、始まりとしては引き取られて数ヶ月~約半年ぐらい経過しているのを背景に始めたいと思います。まだまだ、好奇心も残る頃、それでも跡取りとしての勉強や作法に周りの使用人(女中が多いです)からは恭しく扱われる…そんな中での葛藤の日々の中での一コマから始め、こちらが接点を取れるように調節してロルを回して行きたいと思います。
しかしながら、1度会ったからと言って元々出会うことすら禁忌ですのでその後は少し各々の生活となるロルを回し周りのサブキャラ(女中や現当主付護衛官など)を各自で使いながらゆっくりと更なる接点を持たせていけたらなと思っております。
後にまた疑問があれば何度でも説明は致しますが、まずサブにして核とも言えるキャラが当キャラの実祖母にして現当主を務める女当主(名前は薫あたりでいいでしょう。以下、薫)である薫ですが、当キャラの鬼の血を少しずつ自分自身に蓄える(後々その方法などはロルで回していきます。)ことにより実年齢よりは若作り(歳は50後半~60前半をイメージ)しています。当主となる者は当キャラが暴走した時やまた、力を奪えるようになど様々な術式を持つことになります。後に近くなれば再度説明しますが、儀式(後に説明)によって術式の伝授は行われますが引換に当主となるものの寿命は短くなります。
何らかの形(薫の策で食事会などで…等考えてます。)でその術式を目の当たりにする幼子は、少し勘違いをして当キャラを救うものだと思い、その伝授に積極的に参加しようとします。それが後に色々と…ここらは後々に相談出来たらなと。

最後に、このトピックはメアリーバッドエンドとなります。ネタばらししますと最後は燃え盛る炎の中にいる幼子助けるために飛び込んだ当キャラですが、その時既に最期だと二人共感じ取り炎に包まれて、トピックの最初にありました、笑顔で最期を迎えることになります。もしも、合わないと感じましたら先にお申し付けください。
他何か質問等ありましたらいつでも仰って下さい。
)

  • No.5 by 匿名  2017-05-22 17:03:18 



名前:黒崎 小毬
読み: くろさき こまり
年齢:十才
身長: 136㎝
容姿: 墨汁のように澄んだ黒髪は大体臍までの長さ。額の前髪は眉上にぱっつんと整えられ、顎を伝う左右の前髪はやや横長。双眸は子供らしくぱっちりとしているが、少しばかり大人しい雰囲気が漂う。肌は色白。
性格: 同級生に比べ頭の回転が速い為、無自覚にも現実的なことを呟いたりと年に似合わずやや冷めた性格の持ち主。ただ素直な性格は簡単に隠すことはできず、時折出し抜けに顔を出す。皆と同じように遊びたいと思うことや欲しい物もあるようだが、そんなことを他人に言うのが気恥ずかしく、何より周りからはしたないと注意されることを考えているようで、日々葛藤を抱えている模様。
備考:気が付くと孤児院で暮らしており、それより以前の記憶はほとんど無い。孤児院近辺の公立小学校で普通の一生徒として生活していた。ただ黒崎家に引き取られ、私立小学校に転校したりと突然訪れた環境の変化に戸惑っていたが、最近になりようやく慣れつつある。平均よりやや背丈が低いことを気にして、嫌々ながらに牛乳を飲んだりとどうにか改善しようと努力しているが、それが結果に出るかは分からないところ。案の定、友達も少ないので一人で植物や動物など自然物を観察して過ごすことが多い。

(/お待たせしました、pfの方が完成しましたのでお知らせします。当キャラが黒崎家に引き取られるまでのあらすじですが、薫本人が跡取り探しで孤児院を尋ねたところ、少し同級生と逸脱した雰囲気の娘を見つけたことから当キャラを引き取るかどうかの話が生まれた、といったような流れを考えております。このように色々と想像で作ってしまった設定もあるので、ご要望等がありましたら何なりとお申し付けください。

遅くなりましたが、大まかな流れ等々把握致しました。最期のメアリーバッドエンドについても了解です、儚くも素敵な終わり方だと思います。詳細な設定がとても真摯で、背後様の熱心なお気持ちが伝わってきます。これからが楽しみです!
ちなみに、当キャラは普段から和服を着衣していると認識すればよろしいでしょうか?些細なことではありますがご返答よろしくお願いします。
ええと、長文で見にくいかと思いますが、開始ロルの方も一緒にできたので此方の方もご確認をお願いします…!)


……今日も、綺麗だな…。
(普段通りの時刻に学校から帰宅した自分を恭謹に出迎える女中には未だ慣れない気持ちがあって、ぎこちなく只今戻りましたと挨拶を交わした後、自室に入り、此方はいつもと変わらぬように宿題に取り組むも、一時間足らずで終わり。今日使った教科書と、明日学校で使う教科書とを鞄に詰め替えている最中、部屋の扉を挟み、廊下から夕食の支度ができたと女中に伝えられると、支度を途中で切り上げ食事を摂る部屋へと向かう女中の後を追って。食事の最中、四角机を向かい合わせに同席している薫から学校生活の事や勉学についてなど、いくつか質問を受けたが、慣れました、難しいですが頑張ります、など子供の声で子供らしさが欠けた言葉を返し。しかしながらやはり十歳の子供、大人に比べると食べる速度は断然に此方が遅く、今日も己より先に食事を終えた薫は静かにに部屋から出て行ってしまい。しんと音が聞こえそうなほど静穏となった一室に一抹の寂しさを感じながら箸を進め。やがて食事を終えると茶の間を後にし、廊下をひたひたと歩いていると、縁側に囲まれた和室の前を通りかかり。明日の支度がまだ残っているが、先の寂しさをどうにか解消したいが為に花を見ようと、こっそり和室に入ると戸を閉め、縁側へ。共用の木下駄を引っ掛け、花がよく咲き乱れている方へ向かうと、夜風に吹かれ静かに揺れる花々は地に埋められた灯りによって、ささやかに照らされており。今日も変わらず素敵な花を見詰め、ぽつりと溢すと小さく微笑み。綺麗なこの場所に住めることができることも、この場所を自分の家だと呼べることも嬉しい。けれど、此処に住み始めて少し前まで暮らしていた孤児院とは違うと感じた。孤児院は綺麗だと言える場所ではなかったけれど、こんな風に一人だと感じることはなかった。此処の人達は、自分を通して他の何かを見ているように思える。幻想的なまでに綺麗で閑散としたこの空間は己の孤独をより実感させるような場所のように映り、すっかり笑みが消え去った表情には影が差し、悄然とした瞳で咲き誇る花々をじっと見詰め)

  • No.6 by и  2017-05-22 20:06:21 




名前:黒崎臣
読み:くろさき じん
年齢:二十六歳
身長:百八六cm

容姿:指通りの良い黒髪は襟足が肩につく程度、横の髪は顎の辺りまであり前髪は目の下辺りまであるために右側から適当に左右へ分けている。その為左目は少し隠れがち。切れ長の僅かな二重の涼しい目元は睫毛が短め、色は日本人にしては色素が薄く少し鈍めの黄金色をしており瞳孔はやや細め。通った鼻筋に薄い唇、口を開くと尖った小さな犬歯が覗く。外にあまり出してもらえず邸に篭りがちな為に色白で着痩せをする方だが脱げば細マッチョ体型、男性的に全体的に骨張った体格。服装は基本としてシンプルな物が多く色も落ち着いた暗めのものが多い。

性格:思った事や感じた事は良くも悪くも口にしてしまう事が多く良く言えば素直だが悪く言えば無神経。しかしそこに上手く表情が付いていかず、物静か、また感情を表に出す事が殆どなくその為に誤解を生みやすい。だが感謝の言葉などは上手く伝える事も出来ずに空回りしてしまう不器用さ。それでも根っ子は意外と優しく面倒見も良かったりするがそれを殆ど発揮しない。忌み子として扱われてきた故に近寄る者を酷く拒む傾向にあり、その見た目からとして周りからは恐れられている。

備考:一人称「俺」二人称「お前、呼び捨て」
望まれなくして生まれ、その昔一族の始まりとされる鬼の血を引いているとその異常なまでの身体能力が忌み子として呼ばれるようになる。
強さも速さも、聴覚嗅覚ですら人間を越えたそれは一族が危機に晒された時の盾として、両親に家へと置いていくよう言われその生家で育つ。
外に出ることを禁じられ、中学を卒業してからは家から出ることもなく友人もいない。
怒らせては何をされるか分からないと皆、腫れものに触れる扱いをしている。
自室は邸の奥、薄暗い廊下の奥にある『鬼の間』と書かれた部屋。襖1枚だが重々しい雰囲気が漂っている。





( / 素敵なpfをありがとうございました。特に不備等見当たりません。引取りの背景もそちらで大丈夫です。考えてくださりありがとうございました。
衣類に関しては洋服でも和服でも構いません。正装は和服なので何か大切な行などがある時はそちらで普段は洋服でも全然大丈夫です。
素敵なロルの方もありがとうございます。後ほどお返事させていただきますね。 )



  • No.7 by 黒崎 小毬  2017-05-23 16:35:06 



(/其方の息子様もとても素敵です!pfありがとうございました。
お気に召されたようで良かったです…!衣類については承知しました。では普段着としては、桜色のカーディガンの下に白のワンピース、薄手のレギンスといったような、この年にしてはやや清楚で、清潔感のある服装が多いというイメージで把握して下されば。
はい、お返事の方も気長にお待ちしております!)

  • No.8 by 黒崎臣  2017-05-24 20:40:13 



( >>5 )


( 都会の都心部から少し離れた郊外の、しんと静かな森の奥に静寂とその重厚な木の門に囲まれた一軒屋、という日本家屋の屋敷。四季折々の草花を取り揃えた立派な日本庭園、小さな池には錦鯉、古びた倉庫が時代の流れを感じさせ、迷子になるのではと感じる広さの屋敷なのにさらに中庭、離の部屋など門の入口から全体を眺めることができないほどに広いここは開放感と喉の奥が詰まるような息苦しい雰囲気。屋敷の中の奥、厨房や女中などの使用人の部屋等を通り過ぎてさらに奥、薄暗くなる廊下は次第に足元にぼんやりと灯が付くようになり、薄暗い廊下の角を右に曲がった先にあるひとつの部屋。壁に『鬼の間』と書かれたその部屋は、襖の向こうから重い空気が流れてくるようで。暗い部屋には低床のベッドに壁一面に本棚があり、部屋の真ん中にはテーブルと座布団と、至ってシンプル。そんな座布団に胡座をかいて座り、本を読み耽っていれば襖の向こうから小さな声で夕食が出来たとこを伝えられるも見向きも、返事もせずに次の頁を捲り。気配が遠ざかっていくのを確認したのは暫くして本を読み終えてからで、表紙を閉じれば置き所がなくなったこの本は床に積み重ね、この部屋に置いてある本は全て読み終えてしまい何度も繰り返していてそろそろ飽きがきていて、本を買いに行くことなど赦されていないので、庭にある書庫にも行ったがそこも読み終えてしまったので飽きていて仕方ない。腰を持ち上げて着ていた黒いYシャツの皺を少し伸ばしながら入口に近づき、襖を開ければ足元に置かれたお盆には蓋の閉まった小鉢やらたくさんの皿が置かれており、それを少しばかり冷たい目で見下ろすとその上を跨いで部屋を出ていき。遠くに厨房からの音を耳に聞きながら無駄に発達しているこの鼓膜には聞きたくない会話も聞こえてきて、眉間へ少し皺を寄せて。邸の裏、小さいながらも水を循環させた滝壺のある滝があり、落ち着けるその場所に行くためには中庭か庭を横切らなければならないが、中庭に行くのには厨房などを通り過ぎないと行けないし正直、邸の人間に会いたくない。庭に出れば少しは避けられるだろうかと、神経を集中させて人間の移動に縁側の方へと向かい。玄関から出れば引き戸の音が聞かれてしまうと考えて、縁側から出ることにしたが、次第に近づくにつれて鼓膜へ届く小さな鼓動の音、息遣い、肌に感じる気配は初めてのもので、微かに聞こえた声は幼いもの。間違いか、あの当主の客人だろうかしかしあの女の気配は近くにはない。小さく舌打ちをするも、そのまま向かい、靴はと探すが大体あるはずのそれが無く、下を向いていた視線は風が吹き、鼻腔に擽る花の香と初めてのそれに顔を上げると小さな背中を捉えて。驚きと何か別の感情、不安と苛立ちと様々なものが混ざりあって一瞬動きが止まり。鋭い視線を向けるも気付かれる前にと裸足のまま庭に降りて )



( / 遅くなりました。ブランクありまくりで、駄文ですがよろしくお願い致します。洋服の方は把握致しました。 )


  • No.9 by 黒崎 小毬  2017-05-25 22:36:22 



…、え、と……。
(不自由なく暮らすことが許されているのに孤独を感じて、それがどうしようもなく切ない気持ちになってしまう、なんていうのは随分と傲慢な言い草だろうと、内心で先の自分を叱るも、何故だか余計に込み上げて来る物があって。情けなくも瞳が一瞬潤み、念の為に擦っておこうかと手の甲を上に上げようとした最中、途中でぴたりとその動きを止め。音も声もしなくとも何となく悟ることができる、人の気配と、誰かの視線があるような気がして、そろりと背後を振り返った途端、思わず瞳が見開いて小さな声ではあるもののぽつりと呟いてしまい。見覚えの無い、背の高い男の人だった。そもそも男の人を見ることが少なく、今日も精々学校の教師や街を往く男の人を見たぐらい。この屋敷内に仕えている男の人もいるのだろうが、ここ暫くは一人も見たことがなかった。ただ、一番に驚いたのは相手の双眸かもしれない。夜空によく似合いそうな黄金色の瞳はまるで月のようで、それでいて細く強い、まるで針のような視線で己を睨んでいた。綺麗過ぎて何だか人間味の無いような相手の両目に圧倒されるも、やがて意識が戻り「…どちらさま…ですか…?」とにかく名を聞こうと口を開いたが、自分より随分と背丈が高い点から間違いなく年上だと予測がついたこと、そして鋭く睨む相手に対して少なからず恐怖感があり、敬語でそんなことを尋ねるも何処となく尻すぼみな声になってしまい)

(/いえいえ、それは此方も言えることですから、お気になさらず。これから何卒よろしくお願いします!)

  • No.10 by 黒崎臣  2017-05-26 21:06:38 




…、教える義理はない。
( 物音を立てずに静かに縁側から庭へと降り立った所で、視界の隅で動く気配に気付くもそのまま邸の裏へと回ろうかと足を進めようとしたがその前に聞こえたか細い声に動きを止めて、相手の方へ視線を戻し。無駄に良い視力はその目元の潤みを見逃さず、聞こえてくる小さな鼓動は僅かに高鳴っているのは恐怖故か、細めた視線で相手の瞳を射抜くようなそれを向けるが、続いた問い掛けには僅かに眉間へ皺を寄せて。これ以上関わってはいけない、言葉を交わすのも、視界に捉えることもこれ以上は関わっては戻れなくなってしまう。赦されていないのだから、それを知っているはずなのになぜこうして留まる必要があるのか、さっさと立ち去ってしまえばいいものを、何故。お互いに関わる事は後々面倒事になってしまうと云うのに、もう一度鋭い視線を相手に向けると上記一言、突き放すように冷たい声色で微かに怒気を孕んで。視線を外した所で遠くから女中の声が聞こえてくるのを聞き取り、内容的にこの目の前の幼子の課題でも見るのか探している様子で、この状態を見られるのも面倒くさい「 部屋に戻れ。関わるな 」重い一言のそれを残すとそのまま素足で、草を踏む小さな音を響かせながら邸の裏へと回っていき )



( / こちらこそ、お願い致します。周りの伽羅達はお互いに少しずつ動かしながらストーリーを進めていければなと思います。
この後の返信は数日経ってからでもこのまま続きからでも構いません。 )



  • No.11 by 黒崎 小毬  2017-05-26 23:05:11 



(夕時。小学校の図書室の一角を陣取り、じっと本に目を走らせており。同級生の図書委員がカウンターにいるが、其方も己と同じく暇つぶしに本を読んでいるらしく、時折ページを捲る音が聞こえて来る。無人ではないが、大した音もしない静穏とした室内。そんな中、ふと昨晩の記憶が蘇り本から顔を上げ。あの男の人が去っていた後、すぐに二人の女中が自分を探しに訪れると、どうしてこんな所にいるのだとか夜風に体を晒すと風邪をひいてしまうなどといったような質問や説教を幾つか言い聞かせて。言い訳は溢さず、しかし男の人がいたなどといったような事実を述べることはなく、何とか二人を誤魔化すとその後はいつもの日々と何ら変わらないように一日が終わったが、頭の片隅ではあの男の人のことが忘れられないでいて。思えばどうしてこれほどあの人に興味を持っているのだろう。屋敷の畏まった女中とは異なり、自分を年下として扱い、荒い口調の言葉が返って来たからなのか。それに結局、昨日は相手の名前を聞くことはできず、かえって余計に嫌われてしまったようにも見えた。理由が何かあるのだろうか。分からないことばかりが募り、思わず嘆息を吐いて開いていた本をぱたんと閉じると、重厚なカバーのタイトルを指でなぞり。書庫で見つけた、動物の図鑑。あの男の人の瞳がどうしても忘れられず、目についての図鑑を探したが、表紙からして生々しく不気味な感じがする本しか見つからずそのままあった場所へ元に戻し、見なかったことにして。代わりに動物についての図鑑を読むことにし、瞳について調べようとしたのだが、何だか難しいことをずらずらと綴られていて、あまり知りたいことは分かりそうにもなく。何気なく窓の向こうへ視線をやり、今頃あの男の人は何をしているのだろう、なんてことをぼんやり考えつつ)

(/承知いたしました。既に何度か勝手に動かしてしまっておりますが、未だ慣れない点もありますので何かご要望等があれば気兼ねなく仰ってくだされば結構です。ではそろそろ背後は失礼します、何かあればご気軽に…!)

  • No.12 by 黒崎臣  2017-05-29 10:13:53 




( しん、と静かな自室はやけに自分の心臓の音や息遣いが無駄に大きく聞こえてしまい鼓膜に届く度に苛立ちが募ってくる。ベッドの上に寝転んで、薄暗い天井を真上に仰向けになり瞼を閉じて寝てしまおうとしていたのに、襖の向こうで先程から近付いてくる気配を感じ取っており嫌な予感がしたが、やはり。部屋の前で止まる足音の数と重さ、息遣いは男のもの。静かに瞼を持ち上げると低い男の声が聞こえ、暫くは天井を見上げていたが相も変わらずして引こうとしないその様子に小さな舌打ちを零すと起き上がり襖を開け。目の前に立っていたのは己と殆ど変わらぬ背丈と、しかし黒いスーツの上からでも分かる屈強な体つき。僅かに視線を落とした自分の手許には呪術の組み込まれた札が数枚出されており、目元を僅かに細めるもそのまま拳を握り両手を差し出すとその手首に札を貼られ、すると途端に鉛のように重くなる身体、徐々にではあるが気力を抜き取られる感覚に顔を顰め。これにだけは未だに慣れなくて、それでも連行されるような形で部屋から出されると自室より更に奥、足元から底冷えするようなその暗い廊下を進んでいきその先にはこの邸には到底似つかわしくない重厚な鉄製の扉が見えてきて。南京錠の掛けられた扉の鍵が外され鈍く低い音を立てながら開けば中は同様に暗く、所々頼りない蝋の光が薄ぼんやりと浮かび上がっているだけで、入るのを躊躇うが背中を押されては大人しく入って行き。背後越しに閉まる扉の音を聞くと小さく息を吐いて「 あの老婆も暇なもんだな。 」薄明かりの中でも分かる目の前には天井からぶら下がっている鉄製の手枷、鼻腔の奥を刺激するような重い血の匂い、思考を少しずつ奪うのは部屋の隅で焚かれている香の煙。僅かに口の端を持ち上げて歪んだ笑みを浮かべて皮肉を零せば頭に強い衝撃が加わり、思わず蹌踉めき。それから数発全身を強打させられるとこの部屋では抵抗も何もできなくて、崩れ落ちそうになる所を抱えられては手枷で両手を括りあげられ、百八十を超える体が足が付かない程度に浮かせられると腹に拳が飛んできて。この拷問とも呼ばれるこれは、血を奪うためのもの。当主である薫に鬼の血を与えるためのもの、男らは薫の付人でありボディーガードでもある。自分の身体に痛みを走らせるのは普通の人間には敵わないはずだが、何かしらで薫から呪術の一部や香などを伝授されているのだろう、1週間に何日か定期的に血を抜き取られ、また変な行動を見せた時も罰としてこの部屋へと連れてこられることになっており、幼い頃から何度も繰り返してきたがやはり慣れるものではない。強い衝撃が何度も何度も身体に降り注いで、どれ位経っただろうか、数分か数時間か、部屋を出る時には夕方だった、ふと何故か昨日出会ったあの幼子の顔が脳裏を過ぎり、僅かに眉間へ皺を寄せ。思い出す必要もないのにどうして思い出してしまうのか、視界が霞んでいく中でその思考に苛立ちを覚えて「 全員、消えれば良い…… 」か細い声で呟いた声は誰にも届くことなく顔に拳が飛んできては意識が飛んでいき。 どれ位の間飛んでいたかわからないが気がつけば手枷が丁度外される所で、冷たい床と素足の自分の足をぼんやりと見下ろしていれば外されたと同時に腕の痛みと脱力に襲われては蹌踉めくように倒れそうになるが脇から男らに抱えられては引き摺るようにして部屋を出て行き。遠くから聞こえるのは夕餉の支度の音だろうか、殆ど回らない思考の中でそれだけを考えながら大人しく自室まで引き摺られて行き )




( / 少し採血()についての描写を入れておきました。生々しいですね、ほんとに←
こちらも色々要望を聞き入れ素敵なものへと完成させたいのでよろしくお願い致します。
背後も失礼致します。 )


  • No.13 by 黒崎 小毬  2017-06-01 23:37:54 



(/すみません、私情によりバタバタしていましてお返事遅れております。必ずお返しいたしますが、明日までお時間頂けませんでしょうか…?)

  • No.14 by 黒崎臣  2017-06-02 00:37:59 




( / お返事の方はいつでも大丈夫です。亀レス大歓迎ですので、お時間がいい時にゆっくりお返事ください。 )


  • No.15 by 黒崎 小毬  2017-06-03 13:57:09 



(間も無く図書室も閉館時刻となり、持ち出していた本も元通りに戻し。結局自分の知りたかったことは分からなかった。学校の図書室では資料の数にも限度があるのだろう。街の図書館に出向いて調べる必要があるのかもしれない、なんてことを思いながらぼんやりと滲む夕暮れの空を見詰め、屋敷への歩を進め。ただ、いつもの日々と異なったのはそれだけで、帰宅してからは普段と何ら変わりはない予定で時間は進み。やがて夕食の時刻になり、女中の後を追うと、当然ながら昨夜あの人と出会った縁側に繋がる和室の目の前も通りがかり。と、もしかしたら今日も縁側に出ていればもう一度あの人と会うことができるかもしれない、なんて傍からすれば実に単純だと思われてしまうような考えが浮かび。しかし関わるなと言われてしまった手前、こんなことを思っていること自体が相手には迷惑かもしれないし、少しだけ、あの人の目は怖い。けれど、どうしてもあの目が頭から離れない。もう一度だけ、ほんのちょっとで構わないから、願いは叶わないだろうか。僅かな期待を込め、歩きながら右手をぎゅっと握ると一瞬鼓動が早まった気がした。少し早めに箸を動かしながらあくまで平常心を装いながら食事を進め、度々薫と対話し、やがて席を立ち。あと少しで、あの人と、もしかしたら。嬉しさと緊張で僅かに頬が赤く染まるが鏡もないので自身では気が付くことはなく。されど、茶の間の襖を開けた途端、紅潮は一気に冷めていき。廊下には女中が二人、まるで己を待っているかのような姿勢で立っていて、何も言わず見詰める自分に今日はこのままお勉強致しましょう、なんて情も感じられない声音で言葉を掛け。何も反論せずただこくりと頷いた己を女中は一瞥し、前を向いて歩き出す。己はといえば重い脚を引き上げながら相手を追い、もう一人の女中が自分の背後に立ち、同じように己の後について歩き。嫌だと言えば、必ずこの二人は理由を問いてくる。そうかといって本心を溢すことは考えなかった。何となく、あの人のことをこの二人には知られたくなかった。理由はわからない。ただ生まれたのは、冷めていく感情や動き出した脳を思えば、先の自分は随分と高揚していたのだなという感想だけで。その際、心の隅に浮かんだ正体不明の感情を抱きながら自室へ戻り。それから就寝時刻までは勉強や風呂に時間を使い、この日の内にやるべきことを済ませるともぞもぞとベッドにもぐり。しかしいつもの睡魔は何分待っても襲ってくることがなく、仕方なく時間潰しに眠りにつく直前まで閉ざした瞼の奥で未だ心に引っかかる感情の名を考えていたからか、真夜中唐突に目が覚めてしまい。枕元に置いてある時計に目をやれば、時刻は調度一時過ぎ。今までこんな時間に起きてしまうことはなく、聊か驚きながら体を起こし、カーテンに覆われた窓から外を覗いてみて。予想通りではあるが、やはり動くものは無く。こっそり部屋の外へ顔を出してみても、物音一つ無くまるで海底の如く静まり返っていて。誰もいない、訳では無いが、誰も見かけない屋敷というのが珍しく、無意識にも胸が高鳴り。思えば屋敷内にいると常にといって良いほど女中が後を追って来て、自分一人で行動したことがない。未だに出向いたことがない場所もあるだろう。今日だって悪く言えば女中に邪魔されたのも同義、少し不満がある。少しだけ屋敷を探検というのも悪くない、楽しげに笑みを零し、自分が起きていると誰かに知られないように出来るだけ足音を小さめに歩き始め。玄関や食事をする茶の間の方には行かず、いつもは行くことがない使用人の部屋や厨房の前を横切っていくと、何となく窓の数が少ないことで月明かりが少なく、廊下全体が暗くなっているのだと気が付き。やがて道は一本になり、何だか周りとは雰囲気が異なる道に緊張しながらも、恐る恐る歩を進め。と、突然床に備えられた灯りが蛍の光のようにぼんやりとした光を放ち始め、思わず驚きで声が漏れそうになったところを堪え。すると右に曲がる道があることに気が付き、そちらの方へ足を進めると角の奥は襖によって隔絶されていて。近くの壁に書いてある”鬼の間”という言葉の意味に思わず首を傾げながらその場で考え込み)

(/明日まで、なんて言っておきながら返信が一日遅れで申し訳ないです、ごめんなさい…!!色々と想像で書いている所もあるので確認お願いします…。
採血のシーンもご丁寧にありがとうございました。此方、生々しいのが大好き人間ですのでお気になさらず←)

  • No.16 by 黒崎臣  2017-06-03 23:51:09 



( 身体が重くて、全身痛いはずなのに今は既に感覚が鈍くなっていて痛みよりも気怠さの方が勝っていて酷く睡魔にも襲われている。遠くに聞こえていたはずの声や音は何時しか聞こえなくなっていて静かな空間には身体の引き摺られる鈍い音だけが響いており。夜更けだろうか、時間の間隔でさえ鈍っているのだからもしかしたら明け方かもしれない、分からないが寝ている時間帯だと言うことは容易に理解できて。こんな長い時間自由を奪われては、生きている意味を問われるかのような拷問を受け使えなくなった道具のようにして扱われ何がそんなに楽しいか。自室より少し手前の所で放り出されては床にうつ伏せで倒れ込み、男らの足音が遠くに消えたのを確認するとゆっくりと仰向けへと直り、動く度に鈍い痛みが走る身体は正しく“使い物にならない”とひしひし伝わってくるようで、深い溜息を零しては静かに立ち上がり壁に手を付きながらゆっくりと歩き出しては自室の方へ数本進んで立ち止まり。嫌な音を立てる心臓の音は警鐘か、怯える事など今まで無かったのに急に訪れるそれは霞んで揺れ動く視界の向こうに佇む小さな人影の所為か。自身の部屋の前、薄くても無駄に威圧感のある襖のその目の前で小首を傾げては何やら考えているその姿は、正しく好奇心の塊とも言えようか、何故この場所に居るのか、格好からして寝巻きに違いない。寝ている時刻だと言うのに何故自室を抜け出してこんな奥までやってきているのか、関わってはいけないと忠告をしてやったのに。あの老いぼれの指図か、何か意図を持ってこんな所にやって来ているのか、しかしその横顔の瞳に見えたのはきっと今の自身と同じ貪欲な探求心の目。それでも壁についている手に力を込めると眉間に皺を寄せて、ゆっくり近付き「---、失せろ。お前が来て良い場所じゃない、帰れ。」これ以上踏み込んではいけない、話してもいけない、その声を耳へと届けてはいけない、幼さとその中にある背伸びのような偽りの大人の瞳の色を捉えてはいけない。月明かりも届かない暗い廊下、それでも少しばかり眠る“力”を出せば重たい空気がさらに重くなり、僅かに寒気が出るのは殺気の所為か、鈍くなっていた瞳は煌めく金色の光を放ち、瞳は肉食のそれのように瞳孔が暗闇だと言うのに細められ。 )



( / お時間がある時で構いませんので気になさらず。想像も大切ですので大丈夫ですよ。
グロイシーンとなり少しばかり不安でしたが安心致しました。 )


  • No.17 by 黒崎 小毬  2017-06-04 12:59:20 



……私が、このお部屋に近付いたことで怒らせてしまったのなら…ごめんなさい。
…でも、帰りません。私、どうしても昨日聞いたお兄さんの言葉が忘れられなくて…、意味が知りたくて…それで……。
(何度も聞いた訳じゃない、されど強く聞き覚えがあると感じる声音。思わずびくりと肩が跳ね、ゆっくりと音源の方へ顔を向け。何となく悟っていたことだが、やはりそこに立っていたのは昨夜のあの人で。そして自然と目が行くのは、自分には備わっていない綺麗な瞳。暗所でも輝く金の両眼。願い通り、また会えた。望みが叶った。思いがけない出来事に一瞬気持ちが昂るも、すぐに目を伏せ視線は床へと向かい。どうやら確実に自分はこの人に嫌われているらしい。他を拒むように細められた目と、まるで室内の温度さえ冷やしてしまいそうなこの声音が証拠だ。ひょっとすると、この和室が彼の自室なのだろうか。それなら彼が怒るのも当然だ。見ず知らずの人間が立ち寄ればそれは誰でも嫌がるだろう。突然のことが重なり、少なからず混乱状態の頭からは先程見ていた”鬼の間”という部屋名についてはすっかり抜けてしまっていたが、幾らか間を置いた後、申し訳なさげにぽつりと溢し。ただ、何故だか意図していない言葉が口から滑り落ち続け。けれどそれも突然詰まってしまい、最後は何だか以前と同じような不甲斐無い声音になっていて「…教えてくれませんか、私に」帰れと言われているのに。嫌われてしまっているのに。嫌だと言って、意図を知ろうと頼み込んで。酷く欲深な子供だとは分かっている、それでも、もう少しだけこの人に近付いてみたいと願うのは、そんなにも許されないことなのだろうか。しかしながら相手の様子を見る限り、眠たいというよりも疲れている雰囲気がある。そんな中他人の相手をしなくてはいけないこの人の立場になってみれば、申し訳ない限りというもの。仮にもう一度断られた場合は大人しく引き下がろうと、決意もそこそこに俯いていた顔を上げ、両手を胸の前で握り締めると、最後に一言返答を乞えば)

(/色々とお気遣いありがとうございます。また何かあればお声掛け下さい…!)

  • No.18 by 黒崎臣  2017-06-04 22:47:51 




…意味?意味などない、例え理由があったとしても…、知る権利は---ない。
( 視界に捉えていなかったのか驚いたように肩を震わせた様子。こちらを向くその様子を眺めてはもう一度交えた視線、その幼い目に映るものは何か、好奇心と後ろめたさと少しばかりの悲しみか薄明かりの頼りない暗闇の中でもしかと捉えることのできるこの黄金色の眼は鬼の力を少しだけ引き出したお陰で月のように煌めいて、それを見てもあまり驚かないのだから子供と言うのは恐ろしいもので。その幼さ故に理解していないのか、向けられた言葉には僅かに眉を顰めながら、気怠さを交えた声色で返し。ゆっくり右肩を壁に凭れさせると立っているのがやっとだったのか、壁にかけた衝撃のせいで身体に痛みが走り吐息を零しては瞼を伏せて。僅かに上がる息を整えようと深く息を吸い込み、俯いた目の前の小さな頭を再び持ち上げた瞳で捉えては煌めきは無くなっており鈍いものへと戻っており、これで引き下がるかと思っていたが頼りなさそうな声色で付け足されたそれには嫌悪感を隠しきれずに壁から身体を離し一歩僅かに相手の方へ踏み込むと床が軋み、右手で作った拳を壁に叩き付けるとそこは皹が走り少し欠け「 お前に理解などできない。自分が可愛いなら、あの老いぼれの言う事を大人しく聞いていろ。興味など持つな。関わるな…、 」怒りに任せたそれだが口調はどこか優しさも少しだけ含んでいるようなものにも感じ、勢いよく言えないのも何故かきっともうボロボロだからだろうか、このまま押し切って部屋に入ろと片手で相手の肩を掴み、自室の前から退かせようとしたがその前にズルズルと壁に背中を預けるようにしては出血のせいか壁に血の跡を残し乍体勢が崩れていき床に座り込んでは肩に掴まっていた手をゆっくりと離して )


( / こちらこそ。もう少ししたら鬼に変化した姿の描写も入れられたらなと思っておりますのでよろしくお願い致します。 )



  • No.19 by 黒崎 小毬  2017-06-07 23:28:20 



(一言付け足した後、何だか相手の瞳から一瞬輝きが曇ったように感じた矢先、互いの距離が僅かに縮まり。呆けた様子で彼を見ていたところ、突然頬を掠め風が吹き抜け、耳のすぐそばから鈍く重量感のある音が聞こえて来て。思わず肩が跳ね上がると同時に瞼をぎゅっと閉じてしまったが、幾何も無くして目を開くと視界に入ったのは、先程までは無かった罅が入った壁。握られた拳、彼の剣幕。何故かふっと湧き出るは恐怖心。彼の顔は痛みに歪んでいるように、いや、他の感情を抱いているようにも見える。されど相手をそんな表情にさせてしまったのが自分だという事実が矢となって心に突き刺さり、咄嗟に弁論しようと頭を回転させたが彼から続けられた言葉に思考を移し。老いぼれ、とは誰のことを指しているのだろう。今思いつくのは、己をこの邸に呼んだ張本人である薫ぐらいだが、本心の所は分からない。自分はどうしたら、なんて困惑している最中、唐突に肩を掴まれるとその思考も中止してしまって。肩を掴むその手には聊か力が込められていて、ぐいと前に押し出されると思ったその直後。何の予兆も無くその手がするりと滑り落ち、続いて相手の体自体が床に崩れ始め「…お、にいさん…、お兄さん…っ!」自覚は無く、気が付くと必死になって相手を呼ぶ自分がいた。何だか凄く怖いと身体が訴えていた所為かもしれない。先程自分の肩を掴んでいた彼の手を握り直し、膝を着いて相手との距離を一段と縮め。そして目に入ったのは壁に付着した、赤い液のような物。それの正体は、その生々しさから幼子と言えど、容易に悟ることができる代物で、また一層ぞっと体が強張り。されど何故か心臓から込み上げて来る悲しみのような感情が心を満たし、潤んだ双眸で改めて彼の顔を見詰めれば)

(/了解です!)

  • No.20 by 黒崎臣  2017-06-09 19:46:26 




( 痛みには慣れているが、どうしても慣れないのは身体に直にかかる術の所為だろう、まだ抜けきっていないそれは重くて呼吸をするのですら嫌になるほどしんどくなっており。僅かの間、ほんの一瞬だけかもしれないが気を失っていたのか遠くから聞こえてくる声は何故だか今にも泣きそうな声。誰が自分の為何かに泣くのか、誰が自分の為何かに心配をするのか気が知れない、徐々に戻りつつある意識をその声の方へ向けながら瞼を持ち上げて見れば霞んで見える視界の先にまた、あの幼子。どうしてこうも関わってくるのか、霞んでいても分かる空気に伝わる感情のそれは今にも泣き出しそうなそれで、僅かに動く手を上げようとすれば握られているのに気付いて少しだけ強引にその手からすり抜け相手の頭に軽く触れようとするも我に返るようにして手を引っ込め「 黙れ…喚くな。さっさと戻れ……、二度と近付くな。 」苦痛と苛立ちと様々な感情を抱え込み、眉間へ深く皺を寄せれば衰弱していても伝う空気を冷やす程の殺気を放ち。拒絶の言葉はこれ以上関わって欲しくないためのもの、お互いの為にもこれ以上は危険だと本能の奥で警鐘が鳴り響いていて。この幼子が心配する必要も気にかける必要もない、無論それは自分自身だって同じ、声を掛けることもましてや触れる事さえ赦されていないと言うのに。何がこんなにも狂わせてしまったのか、あの日本を取りに部屋から出なければ良かったのかもしれない。途中から気付いていた、違う小さな気配があるという事、引き返して居なくなるのを待つのだって出来たというのにそうしなかったのは、心の何処かで眠る好奇心の所為か。もしも見つけたとしても声など掛けず気配を消して去れば良かった話なのに、何も無かった事に、無視を貫き通していれば良かったのに喉に引っ掛かった魚の骨みたいに頭の片隅で霏を掛ける。少し奥歯を噛めばゆっくりと立ち上がり「 夜明けだ---、自分の世界に帰れ。 」遠くから聞こえてくる鳥の囀り、きっと外は薄青い色に染まった夜明けだろうか。キロリ、と再び黄金色に瞳が一瞬輝くと獰猛な蛇のようなその眼で相手を一瞥しては部屋の襖を開けて中に入って行き )


  • No.21 by 黒崎 小毬  2017-06-16 23:13:53 



(休日の午後。ふと閉ざしていた瞼が開き、ゆっくりと意識が浮上する。あとしばらくすれば家庭教師が来る時刻になるその前に、一人ぼんやりと時を過ごそうとベッドでごろついていたら、いつの間にやら眠っていたらしい。外は生憎の雨。太陽は雲に隠されて一切の日差しは差し込まず、室内は暗い雰囲気に満ちていて。覚束ない意識の中、ごしごしと目を擦りながらベッドから体を起こし、記憶の断片を巡っていく。昨晩の出来事。今となれば夢のようにも感じられるが、そんなことはない。昨夜初めてあの人に触れた手に目を向ける。ほんの好奇心で一人屋敷の中を歩き回り、辿り着いた果てに出会ったのは紛れもなく己が望んでいたあの人。けれど再会の喜びに浸った一時もすぐに過ぎ去って、また自分があの人を苛立たせるようなことを口走って、怒らせて。何がそれほど癪に障ったのか今でもよく分からないけれど、自分が要因なのは明白だ。壁が砕ける音、付着した血、そして何より彼が倒れた瞬間は怖い程鮮明に思い出せる。相手に嫌われてしまっていることも忘れて駆け寄り、聊か冷たくなっていた彼の手を握って、何かを必死に懇願していた時は生きた心地がしなかった。それ故に、彼が目を開けてくれた時は何よりも心が安らいだ。だから、だろうか。彼が引き抜いたその手が、一瞬その行き先を迷っていたように見えたのは。いや、それだけではない。彼は自分に対し、屋敷の人々のように闇雲な期待や露骨な悪意の眼差しを向けている訳ではない。逆に己には何一つとして求めていないのかもしれない。だからこそあの人のことを知りたいと思って、欲してしまう。許されていないのに、願い続けている自分に嫌悪が差し、己の醜い性格を呪いそうになる。世界から逃れるようにもう一度目を閉ざす。昨夜の彼はどうなったのだろう。怪我の手当は、止血はしたのだろうか。どうしても心が落ち着かず、どうにか他の事を考えようとしていた時、ふと浮かんだのはあの人が去り際に溢した言葉。自分の世界に帰れと彼は言った。瞬間心に刺さる物があって、咄嗟に彼を引き留めようとした時には既に相手は部屋の向こうへ去ってしまった後で。彼の意図は分からない、ただ己の中には深く沁み込むような言葉だった。「自分の世界」に戻れと言われても、自分の居場所が、この屋敷に己が居ても良い場所があるのかどうかも分からないのに。倒れ込むように体を横にすると、視界一杯に無機質な天井が映り込み「……、そんなこと言われても、分かんないよ」声の宛先に届かない己の声はただ空に霧散し、彼のことで煩雑になってしまった心から背くように瞼を閉じ)

(/ご迷惑をお掛けしております…。驚くほどこの一週間が忙しく、なかなかお返事できずにおりました。何の連絡も無しにここまで引き延ばして本当に申し訳ないです……。
場面は取りあえず翌日、ということにしております。以前背後様が仰っていたように、臣さんが鬼に変化する場面はどのようにお考えでしょうか?ご希望の展開等があれば其方に沿えるようにしたいと思いました故、単調ではありますが上記のように比較的柔軟性のあるロルとなりました。お返事の方、お待ちしております…!)

  • No.22 by 黒崎臣  2017-06-19 13:25:22 



(鉛のように重くなった身体を引き摺って、血で汚れてしまった服は脱ぎ捨て、やっとの思いで寝間着の和服の袖へと腕を通し、緩く帯を結び終わるか終わらぬ内に意識が急に下へと引っ張られるような眠気に襲われるとベットにうつ伏せに倒れ込むようにして寝そべればそのまま意識を手放して。どれ位眠っていたのか分からないが、重い空間をさ迷っていた意識は少しずつ現実へと引き戻されていき、瞼は眠気と怠さを残しておりまだ重たいがゆっくりと持ち上げて霞んでいた視界も少しずつクリアなものへと戻っていき。ベットの傍らにある小さな置時計の針は夕方の時刻を示しているようだが逆に明け方かもしれないが、痛みの残る身体を叱咤して起き上がり壁にかけた時計に視線を向けると夕方のようで。時間にするとどれ位だろう、と時を刻む針を数えてみるが途中で飽きてしまって、吐息と共に視線を足元へと落とすと異様に喉が乾いていることに気付き、ゆっくりとした動作で部屋の隅にある小さな冷蔵庫へと向かい、扉を開けて見てみるが何時もは補充してある水もどうやら切れていたようで暫く開けっ放しのまま空っぽの冷蔵庫の中をぼんやりと見詰め。諦めたかのようにそれでいて少し落ち込んでいるかのようにゆっくり扉を閉めると襖の方へと向かっていき。さぁ、と静かな音を立てて襖を開くと足元には何時のか分からない食事が置いてあり、そのお盆を両手で持ち上げては部屋を出て行き。途中で、盛大に肌蹴ている和服を少しだけ直しては厨房へ。ゆっくり歩きながら遠くから聞こえてくる愚痴や世間話などの声は徐々に近く、はっきりとしたものへと変わっていく。井戸端会議が好きな女は話が尽きないもので、まるでたくさんの本を持っているかのように次よ次よと話題が飛び交っていく。床の軋む音と同時に足を止めると厨房へ辿り着き、存在を確かめるように一人の視線と交わった時、活気溢れ、夕餉の準備をしてたくさんの音をリズミカルに響かせていたのはしん、と静寂に包まれ。何処かの一人が畏怖と好奇に満ちた声色で用があるのかどうか問われては視線を、手元のお盆へ下ろし「……水。水が欲しい、---これは返す。」お盆に載った手付かずになってしまった料理、きっと昼食のものだったかもしれないが今はそんなに腹も減っていなくて、ついでに持ってきた訳で要件を伝えると少しだけ驚いたような顔色を浮かべるばかりでそれでも、差し出したお盆を受け取ってもらえれば次にコップに水が注がれ、それを受け取れば一気に飲み干し。近くにあったテーブルへ置きひとつ息を吐き出したところで視線に気付き。皆が皆、自分を見ている。恐怖に似た畏怖と、女ばかりのこの邸にいるほぼ唯一の男、異性としての厭らしいそれにも似た好奇の瞳。若い女中が多い所為もあるのかもしれないが、この視線は慣れたものでは無い。異様に気持ち悪さを覚えてしまうばかりで、幼い頃か酷く嫌っている。僅かに眉間へ皺を寄せると去ろうと踵を返した所で女中から声を掛けられ。“一応”自分の世話係としての任を受け持っている若い女。そちらへ視線を向けては『…夕餉は、正装をしておくように……とのことです…』伝えられたそれ。あの老いぼれからの指示だろうか、詳しく話さないようにも口封じされているのだろうが、こんな女少しでも色仕掛けでもちらつかせてやれば落ちそうな軽い女。口を割るまで嬲りつけるのは嫌という程体験したし、何度も行ってきた。しかし今はそんな気力も興味もない。それだけを聞けば厨房を後にして部屋へと戻り)




( / リアルを最優先でもちろん構いませんとも。お時間ある時にゆっくりと物語を綴って下さいませ。
さて、鬼への変化となるための接点を少し入れまして夕餉のシーンへと以降します。なんと、薫と小毬、そして臣の3人での食事です。もちろん邸で。そこで鬼へと変化する所を見せられればと思いますのでよろしくお願いします。 )


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