и 2017-05-21 21:01:45 |
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( >>5 )
( 都会の都心部から少し離れた郊外の、しんと静かな森の奥に静寂とその重厚な木の門に囲まれた一軒屋、という日本家屋の屋敷。四季折々の草花を取り揃えた立派な日本庭園、小さな池には錦鯉、古びた倉庫が時代の流れを感じさせ、迷子になるのではと感じる広さの屋敷なのにさらに中庭、離の部屋など門の入口から全体を眺めることができないほどに広いここは開放感と喉の奥が詰まるような息苦しい雰囲気。屋敷の中の奥、厨房や女中などの使用人の部屋等を通り過ぎてさらに奥、薄暗くなる廊下は次第に足元にぼんやりと灯が付くようになり、薄暗い廊下の角を右に曲がった先にあるひとつの部屋。壁に『鬼の間』と書かれたその部屋は、襖の向こうから重い空気が流れてくるようで。暗い部屋には低床のベッドに壁一面に本棚があり、部屋の真ん中にはテーブルと座布団と、至ってシンプル。そんな座布団に胡座をかいて座り、本を読み耽っていれば襖の向こうから小さな声で夕食が出来たとこを伝えられるも見向きも、返事もせずに次の頁を捲り。気配が遠ざかっていくのを確認したのは暫くして本を読み終えてからで、表紙を閉じれば置き所がなくなったこの本は床に積み重ね、この部屋に置いてある本は全て読み終えてしまい何度も繰り返していてそろそろ飽きがきていて、本を買いに行くことなど赦されていないので、庭にある書庫にも行ったがそこも読み終えてしまったので飽きていて仕方ない。腰を持ち上げて着ていた黒いYシャツの皺を少し伸ばしながら入口に近づき、襖を開ければ足元に置かれたお盆には蓋の閉まった小鉢やらたくさんの皿が置かれており、それを少しばかり冷たい目で見下ろすとその上を跨いで部屋を出ていき。遠くに厨房からの音を耳に聞きながら無駄に発達しているこの鼓膜には聞きたくない会話も聞こえてきて、眉間へ少し皺を寄せて。邸の裏、小さいながらも水を循環させた滝壺のある滝があり、落ち着けるその場所に行くためには中庭か庭を横切らなければならないが、中庭に行くのには厨房などを通り過ぎないと行けないし正直、邸の人間に会いたくない。庭に出れば少しは避けられるだろうかと、神経を集中させて人間の移動に縁側の方へと向かい。玄関から出れば引き戸の音が聞かれてしまうと考えて、縁側から出ることにしたが、次第に近づくにつれて鼓膜へ届く小さな鼓動の音、息遣い、肌に感じる気配は初めてのもので、微かに聞こえた声は幼いもの。間違いか、あの当主の客人だろうかしかしあの女の気配は近くにはない。小さく舌打ちをするも、そのまま向かい、靴はと探すが大体あるはずのそれが無く、下を向いていた視線は風が吹き、鼻腔に擽る花の香と初めてのそれに顔を上げると小さな背中を捉えて。驚きと何か別の感情、不安と苛立ちと様々なものが混ざりあって一瞬動きが止まり。鋭い視線を向けるも気付かれる前にと裸足のまま庭に降りて )
( / 遅くなりました。ブランクありまくりで、駄文ですがよろしくお願い致します。洋服の方は把握致しました。 )
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