и 2017-05-21 21:01:45 |
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(休日の午後。ふと閉ざしていた瞼が開き、ゆっくりと意識が浮上する。あとしばらくすれば家庭教師が来る時刻になるその前に、一人ぼんやりと時を過ごそうとベッドでごろついていたら、いつの間にやら眠っていたらしい。外は生憎の雨。太陽は雲に隠されて一切の日差しは差し込まず、室内は暗い雰囲気に満ちていて。覚束ない意識の中、ごしごしと目を擦りながらベッドから体を起こし、記憶の断片を巡っていく。昨晩の出来事。今となれば夢のようにも感じられるが、そんなことはない。昨夜初めてあの人に触れた手に目を向ける。ほんの好奇心で一人屋敷の中を歩き回り、辿り着いた果てに出会ったのは紛れもなく己が望んでいたあの人。けれど再会の喜びに浸った一時もすぐに過ぎ去って、また自分があの人を苛立たせるようなことを口走って、怒らせて。何がそれほど癪に障ったのか今でもよく分からないけれど、自分が要因なのは明白だ。壁が砕ける音、付着した血、そして何より彼が倒れた瞬間は怖い程鮮明に思い出せる。相手に嫌われてしまっていることも忘れて駆け寄り、聊か冷たくなっていた彼の手を握って、何かを必死に懇願していた時は生きた心地がしなかった。それ故に、彼が目を開けてくれた時は何よりも心が安らいだ。だから、だろうか。彼が引き抜いたその手が、一瞬その行き先を迷っていたように見えたのは。いや、それだけではない。彼は自分に対し、屋敷の人々のように闇雲な期待や露骨な悪意の眼差しを向けている訳ではない。逆に己には何一つとして求めていないのかもしれない。だからこそあの人のことを知りたいと思って、欲してしまう。許されていないのに、願い続けている自分に嫌悪が差し、己の醜い性格を呪いそうになる。世界から逃れるようにもう一度目を閉ざす。昨夜の彼はどうなったのだろう。怪我の手当は、止血はしたのだろうか。どうしても心が落ち着かず、どうにか他の事を考えようとしていた時、ふと浮かんだのはあの人が去り際に溢した言葉。自分の世界に帰れと彼は言った。瞬間心に刺さる物があって、咄嗟に彼を引き留めようとした時には既に相手は部屋の向こうへ去ってしまった後で。彼の意図は分からない、ただ己の中には深く沁み込むような言葉だった。「自分の世界」に戻れと言われても、自分の居場所が、この屋敷に己が居ても良い場所があるのかどうかも分からないのに。倒れ込むように体を横にすると、視界一杯に無機質な天井が映り込み「……、そんなこと言われても、分かんないよ」声の宛先に届かない己の声はただ空に霧散し、彼のことで煩雑になってしまった心から背くように瞼を閉じ)
(/ご迷惑をお掛けしております…。驚くほどこの一週間が忙しく、なかなかお返事できずにおりました。何の連絡も無しにここまで引き延ばして本当に申し訳ないです……。
場面は取りあえず翌日、ということにしております。以前背後様が仰っていたように、臣さんが鬼に変化する場面はどのようにお考えでしょうか?ご希望の展開等があれば其方に沿えるようにしたいと思いました故、単調ではありますが上記のように比較的柔軟性のあるロルとなりました。お返事の方、お待ちしております…!)
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