業 に 火 は つ け る / N L 悲 恋

業 に 火 は つ け る / N L 悲 恋

и  2017-05-21 21:01:45 
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「綺麗」
その一言は寂しさ
「邪魔だ」
その一言は強がり

ただ
「寂しかった」
ただ
「孤独だった」

『化け物』と『幼子』は
ただただ、不器用だった

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拾われた『幼子』
住まうは『化け物』

不器用で心に傷のある二人に
災難は見逃してくれない。

「来てくれるって、思ってた」
揺らめく炎のなか泣いているようにも
見える貴方の顔
「もう…ひとりにしない」
小さな小さな体を抱きしめて
崩れゆく視界のなかで

ふたりは笑っていた。


〈暫しお待ちを〉



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  • No.19 by 黒崎 小毬  2017-06-07 23:28:20 



(一言付け足した後、何だか相手の瞳から一瞬輝きが曇ったように感じた矢先、互いの距離が僅かに縮まり。呆けた様子で彼を見ていたところ、突然頬を掠め風が吹き抜け、耳のすぐそばから鈍く重量感のある音が聞こえて来て。思わず肩が跳ね上がると同時に瞼をぎゅっと閉じてしまったが、幾何も無くして目を開くと視界に入ったのは、先程までは無かった罅が入った壁。握られた拳、彼の剣幕。何故かふっと湧き出るは恐怖心。彼の顔は痛みに歪んでいるように、いや、他の感情を抱いているようにも見える。されど相手をそんな表情にさせてしまったのが自分だという事実が矢となって心に突き刺さり、咄嗟に弁論しようと頭を回転させたが彼から続けられた言葉に思考を移し。老いぼれ、とは誰のことを指しているのだろう。今思いつくのは、己をこの邸に呼んだ張本人である薫ぐらいだが、本心の所は分からない。自分はどうしたら、なんて困惑している最中、唐突に肩を掴まれるとその思考も中止してしまって。肩を掴むその手には聊か力が込められていて、ぐいと前に押し出されると思ったその直後。何の予兆も無くその手がするりと滑り落ち、続いて相手の体自体が床に崩れ始め「…お、にいさん…、お兄さん…っ!」自覚は無く、気が付くと必死になって相手を呼ぶ自分がいた。何だか凄く怖いと身体が訴えていた所為かもしれない。先程自分の肩を掴んでいた彼の手を握り直し、膝を着いて相手との距離を一段と縮め。そして目に入ったのは壁に付着した、赤い液のような物。それの正体は、その生々しさから幼子と言えど、容易に悟ることができる代物で、また一層ぞっと体が強張り。されど何故か心臓から込み上げて来る悲しみのような感情が心を満たし、潤んだ双眸で改めて彼の顔を見詰めれば)

(/了解です!)

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