†白線ﾓﾗﾄﾘｱﾑ†BML†

>宮原

悲しい…？
(悲しい、なんてそんな感情も記憶の何処かに置き忘れてしまっていてよく分からない。ただ、一つ言える事はこれまで忌み嫌い欺いてきた人間達も一様に己の事を悲しいやら可哀想やら、そう言った同情の気持ちで簡単に見ず知らずの男に金を渡すような馬鹿しか居なかったのを思えば相手もその一人なのではなかろうかと眉を寄せ。相手はどうやら己が名を名乗った事を理解していないようで、小さく頷くと「霧生弥尋」と姓名から名前までを告げ。折角教えてやったのだから呼ばれなければ教えてやった甲斐が無い。勝手にそう恩着せがましく考えると口角を上げて)
…呼べよ。


>神谷

…馬鹿な奴。
(互いに密着している所為で相手の身体が震えているのがダイレクトに伝わってくる。恐らくこんな人間は死の恐怖を間近に感じた事がないのだろう。お人好しで、自分に余裕がある事を誇示するかのように他人に良く振る舞って見せる。言うなれば己の一番嫌いなタイプで。ただ、相手が自らの腕の中で震えていると言う状況は優越感を見出だすのには十分で、そっと腕に込めていた力を抜くと両手を離し。相手の様子を見ているとこのまま倒れてしまいそうで手を離しても尚背後に立っておりその様子を窺っており)

>霧生さん
……ｯｹﾞﾎｯ……‼
(漸く緩んだ喉元の圧力に酸素を求めて思いっきり息を吸い込んだせいか盛大に咳込んでしまえば､乱れた呼吸を整えようと肩で息をして｡生きたい､怖い､生きたい､生きたい＿＿＿｡ただその一心で逃げ出そうとするも､初めて味わう"殺されるかもしれない"という死の恐怖に腰が抜けたようにへたり込んで､無駄と分かりつつもせめてもの抵抗と相手を振り返れば涙で滲む視界に映った優しそうな男をきつく睨み付け「なんで……」と掠れた声で問いを投げ)

>神谷

_______見てる此方が冷や冷やするな。あんたは大人しく案内すればいい
(今更自分の矛盾点に気付いたらしい相手に、本当何してるんだかと呆れた視線向け。だが顔を覆ったまま歩く相手の姿は危なっかしいことこの上なく。転ばれてもし己のせいだと言われても困るため顔を覆っている相手の手を掴めば再び顔を隠してしまわぬよう今度は此方から手を握り「これだとまるで弟の面倒を見てるみたいだ。」と相手には聞こえない様に小さな声でﾎﾟﾂﾘと呟き)

>霧生

…ああ、勘違いするなよ。俺はあんたに同情する気なんて毛頭無い。頼まれたってしてやらないから安心しろ
(眉寄せる相手の表情に何かを察したように口開けば、今のは同情ではなくどちらかと言えば頭が可哀想な奴というような若干悪口紛いのことで。それを勘違いされないよう絶対あり得ないというような表情で上記の様に否定し。こういうのを冷たいと時折言われるが直しようがなく、視線斜め下に向ければ誤解がなければ相手にどう思われようと興味がないためそのまま口を閉じ。ﾌﾙﾈ-ﾑで告げられた相手の名前を耳にし次ぐ呼べよとの言葉に一度呼べば満足するのか、とゆっくり相手の方へ歩み寄れば顔を近づけるものの一定の距離を保って足を止め「__霧生、弥尋。…これで満足か?」と薄く口元に笑み作ってお望み通り呼んでやり)

>宮原くん
……え?わｯ……‼
(相手の言葉に何事かと顔を覆う手を退けようとするも､それより先に手を掴まれてしまえば反射的にﾋﾞｸｯと身体が揺れてしまい｡ｷﾁﾝと聞き取れた最後の"大人しく案内"の件に「す､すみません……」と項垂れながら､迷惑を掛けてしまったかもしれない……と罪悪感から気まずそうに相手の横顔を盗み見て｡さっさと離せばいいのに繋がれたままの手に視線を落としてｸｽｯと笑ってしまえば妙に安心感のある手のひらに「なんか､お兄さんみたい｡」なんて思った事をそのまま口にしてしまってからﾊｯと我に返って「ごごご､ごめんなさいｯｯ‼」と何故か謝ってしまい｡)

>神谷

何でだと思う？
(案の定へたり込んでしまった相手を見下ろしては向けられる視線に笑みを返し。呟くような問い掛けの言葉にしゃがみ込み目線を合わせると、涙を浮かべる瞳を見詰め愛おしげに頬を撫で。他人を易々と信用し何の考えも無しに手を差し伸べる事がどんなに愚かな事か、相手にはそんな事は分からないだろう。嘲るような笑みを浮かべればゆるりと首を傾げて問いを返し)


>宮原

っ、…そうか。…それは有り難いな。
(相手の言葉に込み上げる笑みを収める事がままならず、声も無く喉奥で堪えきれなかったとばかりに笑みを漏らし。小さく頷いて目を伏せると何処か安堵したような面持ちで呟き。要求を口にするなり此方へ歩み寄って来る相手を無言で見詰めていたが、顔を寄せられ告げられた己の名に緩く口角を上げ。此方からも相手の方へ顔を寄せると唇が触れてしまい兼ねない距離で答え)
…嗚呼、満足だ。

>霧生さん
……わかり､ません……｡俺は……そんな器用な人間じゃないんで……他人(ﾋﾄ)の考えてる事なんか､わからない｡
(目の前にしゃがみ込んだ相手の仕草に､睨み付ける目にまた恐怖の色が浮かんで……ゆっくりと伸ばされた手には反射的にﾋﾞｸｯと身体を揺らして固く目を瞑ってしまえば､結果頬を撫でただけの手の感覚に恐る恐る相手を見遣り上記を細々と紡いで｡＿＿暫し黙り込んでいたが散らばった湿布や包帯をかき集めては「……足､出して下さい｡人並みには処置出来ると思いますんで｡」と相手の足に視線を落として呟くように述べ)

>神谷

(相手が自らの愚かさに気付かないのであれば無理に気付かせる理由も無く、その言葉を聞けば息を吐くように微かな笑みを漏らし。もう此奴では楽しめなさそうだと判断すれば立ち上がり掛けるものの、尚も足の治療をと言う相手を見据えると怪訝そうに眉を寄せ。相手の背後まで平気で歩いて来たと言うのに己の言葉が虚言だったと気付かないのだろうか。相当な馬鹿だと呆れすら感じるが何を思ったのか立ち上がると先程座っていた椅子に座り直し、沸き上がる苛立ちを押し殺しながらブーツを脱ぎ捨てパンツの裾を捲ると素足を晒し。終始無言でいれば其方へ足を差し出すように膝の上に足を掛ける程度の緩さで足を組み)

>霧生さん
……楽しいですか?
(相手の動作､表情……一つ一つに言ってやりたい事など山のようにある｡しかし､ただ黙々と差し出された左足に湿布を貼って､剥がれないように包帯を巻く……それだけの作業をこなしながら出てきた言葉はそれで｡問い掛けた言葉が相手にとってどんな意味を持つのかまでは考えていなかったが､出された足を見れば健常である事くらい素人目にだってわかった｡だからこそ､どうしても聞きたかったのだ｡＿＿平気で嘘を吐く､真意を｡)

>神谷

…俺がそれに答えた所で、お前には意味なんか理解出来ねェよ、多分。
(己の思考等誰に理解されるはずも無い。そう分かりきっている分、己の本音を出す行為が今までの所業を正当化しようとしているような気がしてしまい。それだけは御免だ。幾らなんでも自分がしてきた事がどれ程非道な事であるかは自分が一番分かっている。故に問いに対する答え等端から己の中には無く、無言で相手を見下ろしていたが背凭れに体重を掛けると何処か清々しくさえ感じる笑みを浮かべて天井を仰ぎ)

>霧生さん
そうかもしれないけど……でも､理解しようとする事くらいなら出来ます｡
(怖い｡その意も､喉元の違和感の名残も未だ残るものの……これから共に過ごす相手でもあるのだから､と少しでも知ろうとしたのに答えは至って簡潔で｡「貴方が嘘を吐いていても､俺には関係ありません｡……そろそろ物資が届くでしょうから俺､行ってきますね｡ここで待ってて下さい｡貴方の分も持ってきますから｡」と告げれば分厚い資料だけ持って背を向け)

>神谷

頼んでねェよ、ンな事。
(誰かに理解して欲しいなんて愚かな無い物強請りはしない。理解しようとするのは勝手だが己からしてみればそれは些か不愉快で、頼んでもいないのに知る必要も無い事を知ろうとしているように見えてならない相手の態度に顔を逸らし低い声で呟き。見れば視線の先に窓があり、そこから外の景色が窺えればぼんやりと眺めており。誰も人が居ないのに、何故こんなにも建物があるのかと考えても仕方の無い事へ思考を逸らすと相手に感じていた苛立ちも徐々に冷めて来て。そこへ相手の言葉が耳に入ると勝手にしろとばかりに窓へ向けた視線はそのまま、不意に口を突いて出た言葉に小さく息を吐き)
…馬鹿な奴。

>霧生さん
……､
(背後から聞こえた微かな声に振り返る事なく診療所を出れば､資料を開いて道順を確認しながら支給場所である"寮"と呼ばれる場所を目指して歩き出し｡暫く程も歩かず到着したその場所は､一般的なｱﾊﾟｰﾄに似た作りの建造物であり……各々名の書かれたﾌﾟﾚｰﾄと鍵が入口に設置された簡易ﾃｰﾌﾞﾙの上に置かれている｡とりあえずの荷物なのだろう､置かれた大きな鞄を二つ手に取れば"そういえば､名前聞くの忘れた……"と思い出して､ならば全員に鍵を割り振って歩けばいいと全部回収して相手の元に戻り)

>神谷

(まさか相手の言う通りこの場でじっとしているはずが無く、扉が閉まる音がした後暫くしてから診療所を出て。幾らこれから同じ場所で生活するとは言え、自分のような人間と無理に関わる必要は無い。どうせ今目の前から消えたところでこの島に隔離されている以上必ずまた何処かで会う事になるのだから、と物憂げに溜め息を吐くと遠く聞こえる波の音を追いゆったりとした足取りで歩き出し)

>神谷

___…そう何度も謝るな。俺が悪いみたいだろ
(身体が揺れる相手に嫌だったかと手を緩めるも、項垂れながら謝る相手に別に怒っているわけではないため訝しげに目細め。己の事を不意にお兄さん見たいと述べた相手に視線向け、己の言葉が聞こえていたのかと探るように様子窺うが再び耳へ届いた謝罪の言葉に表情曇らせながら上記呟くように告げ)

>霧生

…何が面白い。
(至って真面目に告げたはずが相手の様子からして笑われているような気がし、訝しげに眉寄せて相手見ればどこに笑う要素があったのかと疑問形ではない口調で問い。押し返されると予想はしていたがまさか相手の方からも近づけてくるとは思っておらず、ｷﾞﾘｷﾞﾘまで近づいた相手の顔にゆっくり瞬き繰り返せば「＿ｯ…近い。そこまで近くなくても聞こえる」と言いつつも自分から引き下がるのは何となく負けたような気がしてならず、変わらぬ表情で前記いつもの声音で述べ)

>霧生さん
……ｯ､いない……｡
(ｶﾞﾗﾝとした診療所に立ち竦みながら小さく呟けば､辺りを見回して見るもののやはり姿はなく｡とりあえず荷物を安っぽいﾍﾞｯﾄﾞ下ろしてから"どこに行ったんだろ……"と考察してみるものの､出逢ったばかりの相手の事など分かる訳がない｡せめて鍵だけでも渡さないといけないと荷物を再度担ぎ直して資料を広げ地図を見つつ､考えるよりまず行動と慌ただしく駆け出して)

>宮原くん
え……あ､ごめn……あ｡
(相手が表情を曇らせたのを見て更に罪悪感が増した挙げ句､聞こえた言葉にまた謝罪しかけて止まり｡……指摘された直後にまたやらかすという失態にｶﾞｯｸﾘと項垂れそうになるのを堪えて「いや……なんか出ちゃうんですよね……日本人の損な特性というか｡」等と苦笑混じりに返せば､ふと思い出したように「えっと……まだ自己紹介､してませんよね?俺､神谷幸樹って言います｡色々ご迷惑をお掛けするかもしれませんが宜しくお願いします｡」と笑顔で軽く会釈して見せ)

>宮原

説明したって分かんねェだろ。
(自分の何処が面白いかなんて本人に説明したところで分からないだろう。どうせ微妙な反応を返されて終わるなら言葉にするだけ無駄骨だと判断し、気分を害したような雰囲気の相手に平然と告げ。近いと思うなら離れれば良いものを、此方はこの距離感に何ら息苦しさを感じていないのだから相手が離れるまでは何も変わらないと言うのにと含みのある笑みを漏らし。その言葉には何を答える事も無く、目を伏せて徐に相手の腰に腕を回すと此方へ引き寄せ更に距離が縮まったのを良い事に耳元に唇を寄せ)
…お前の名前は？


>神谷

さっすが俺。
(潮の香りを頼りに気の向くまま道を歩いていたが、気付けば視線の先には海が広がっていて。特に理由も無く此処に来た為海が見たいとも思っておらず、わざわざ浜に下りるのも面倒で浜と地面の境界に座り込むと後方へ両手を突き背を逸らして空を眺め。こんな退屈な場所でこれからどうしようか。どうせ更正等不可能なのだから此処に居るだけでは生きている意味すら分からなくなってしまい。まぁ外の世界で生きていたって意味は無いか、と一人嘲笑を浮かべ)

>神谷

_____神谷?…よろしく
(言われたそばからすぐに謝罪しそうになった相手に呆れるというよりはある意味面白く感じ、ほんの少し口元緩めるもﾊﾞﾚないようにすぐ引き締め。人によってはそういう人もいるのだと自己完結すれば、自己紹介する相手に頷き。心の中で復唱して口に出せば「…俺は、みや…宮崎結賀だ。」と騙されるものなのかと試したくなったのか若干変えて名を名乗り)

>霧生

…勝手に決めつけるな。まあ、あんたがそう思うなら別にいい
(相手の言葉は間違ってはいないが、話す前から諦めているさまが納得いかず。だが別に聞いたところで何かがあるわけでもなく、それに相手の様子から言う気はないのだろうと察すれば上記の様に返し。含みのある笑みを漏らす相手に眉顰め顔を背けようとするが、不意に腰に回された腕に内心驚きつつ視線戻し。油断していたことから引き寄せられるままに相手へ近付けば、耳元で聞こえてきた声に擽ったさ感じ若干相手から耳を遠ざけ。やられっぱなしな状況から小さく息吐いて相手の耳へ唇寄せれば「＿知りたいか?」なんてすんなり教える事なく焦らすような口振りでそう問い掛け)

>霧生さん
ああもう……‼なんであの時名前聞いとかなかったんだろう……‼
(走って､走って……まだ見付かる気配すらない相手を思い浮かべれば､ついどのくらいか前の自分自身を全力で殴りたい等と考えつつ上記を呟き｡＿＿相手の荷物も鍵も自分が持っているとなれば､与えられた住居に入れない上に飲食にも困るだろう｡……幾ら自分を殺そうとしたからって､このまま放置するのは……｡そう思えばこそ居ても立ってもいられず､何とかして逢えないものかと考察するがいい案も浮かばない｡そうなればやれる事は……｡「……ｯ俺の首を絞めた背ぇ高くて怖くて綺麗で……ええと…あと何かあったっけ………､とにかく首絞めた人ｯ!!!何処ですかｯｯ!!!!」と勿論相手からも自分からも非常に不名誉な掛け声ではあるのだが､それが一番分かりやすいかと大声で叫んで｡←)

(/ｱﾎの子ですみません……orz (←懺悔))

>宮原くん
そうです｡好きなように呼んで下さい｡
(復唱された言葉に頷いて､ﾆｯｺﾘと笑顔を浮かべては上記述べ｡しかし"宮崎"結賀と名乗った相手に一瞬ｷｮﾄﾝとした表情浮かべて資料を捲り､先程相手にも見せたﾍﾟｰｼﾞと同じ所にある項目……"収容罪人名簿"の欄を見れば僅か首を傾げるものの「ああ､宮崎さんっていうんだ｡あはは､政府の人も間違いってするんだね!!!ほら､こっち"宮原"になってる｡」なんて笑いながら相手に見せ)