匿名さん 2022-10-04 22:05:25 |
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「そう、ですね…すみません、レンに何かあったらって不安で…」(部下は元悪魔に止められ、ようやく足を止めると、申し訳なさそうに言い。一方、悪魔の兄は「…帰りたくなったらアンジェロ呼べよ」と言い、山のようにある仕事に戻って)
「いえ…ルーカス様にとって大切な方ですから。動揺してしまうのも無理はありません」
(元悪魔は慰めるように部下の手を握ると、「…少し、昔話をしても?」と首を傾げ。一方、青年は泣き続けながらもソファーから降りては自分の部屋へと向かい)
「…はい、お願いします」(部下は、少しでも気が紛れればと思い、元悪魔の言葉に頷いて。一方、悪魔の兄は青年が出ていったのを見ては、軽くため息をつき、近くにいた使用人に、青年が危ない目に合いそうなら助けてやって欲しいと頼んでは、仕事をし続け。悪魔はなんだか落ち着かず、「俺、魔界行ってくる。レンくん連れて来れんの俺だから!」と相手に伝えては、そのまま向かって)
「私は昔、2人の方を好きになりました。1人は当時仕えていた方、もう1人は軍で出会った方です」
(元悪魔は部下をソファーに座らせてやりながらそう話し始めると、「最初の方は笑顔が素敵で…当時、物心がついたばかりの私はすぐに惚れてしまいました」と微笑んで。一方、自分は「あ、うん…気をつけてね!」と彼を見送り)
「ロイさんが好きになる人ですし、よっぽどいい人なんですね」(部下は元悪魔の話を真剣に聞いていて、その相手を知らないため微笑みながら言い、「その主さん?はどうなったんです?」と尋ねて。一方、悪魔は通行証を見せて、通して貰えば、悪魔の兄のいる家へ向かって)
「…その方のお父様が、私が主人に好意を寄せていると知ってしまったのです。私は屋敷を追放され、対天使の部隊に入隊させられました。」
(元悪魔は眉を下げながら自身の指を弄りそう話し、「当時の主人は私に関する記憶を消されてしまったようで…本当は両思いだったんですよ?」と伝え)
「そうなんだ…凄く悲しいですね」(部下は、その話を聞いて、寂しげな表情で言い、「その主さんの記憶、お兄さんに戻してもらえば…あ、でも完全に消されてたらできないかぁ…」と呟き。一方、悪魔は家に着くと悪魔の兄の元へ行ったがいなかったため、「レンくーん、どこにいるの?お話しよー?」と声を掛けつつ探していて)
「…はい、きっと消されてしまっています。それに、主人にはもう素敵な恋人がいらっしゃいますから…思い出さない方が良いかもしれませんね」
(元悪魔は困ったように笑いながらもそう伝え、「2人目は部隊の同期です。彼は結婚をしていて、子供もいたのですが…」と呟いて。一方、青年は廊下から彼の声が聞こえると慌ててクローゼットの中に隠れ)
「!そうなんだ…」(部下は、悲しい話だなと思い、2人目の話を聞き。一方、悪魔は相手の部屋だった場所かなと思い、その部屋へ行き、中に入っては、「レンくん、いる?」と呼びかけてみて)
「…彼は、私の目の前で亡くなりました」
(元悪魔は言いづらそうに目を逸らしながらもそう呟き、青年はクローゼットの中で息を潜めていたものの、尻尾が鞄に当たり物音を立ててしまい)
「!それは、とても辛かったですよね」(部下は亡くなったと聞けば、そう言いつつ、慰めるように元悪魔の頭を撫でてあげて。一方、悪魔は、クローゼットから音がすれば、そちらに行き、しゃがみこむと、「…レンくん、俺は連れ戻しに来たんじゃないよ。レンくんが心配だから、お話したくて来たんだよ」と声をかけて)
「…もう、ずっと昔の事ですからね。今はそこまで悲しくはありませんよ」
(元悪魔は部下に撫でられると礼を言ってからそう伝え、「ですが…結局、2人に私の想いを伝えることは叶いませんでした」と眉を下げ。一方、青年は彼の言葉を聞くと恐る恐るクローゼットを開け)
「…ロイさんは、恋人とか作らないんですね」(部下は、その話を聞いて、少しでも幸せになって欲しいと思ったが、その様子から、作らないだろうと思い。一方、悪魔は、「何があって人間界とか、魔界とか、行ったのか教えてくれる?内緒にしてって言うなら内緒にするからさ」と言い)
「恋人…まだ、予定はありませんね」
(元悪魔は少し考えた後困ったようにそう伝え、「とにかく、ルーカス様は沢山レンさんに想いを伝えてあげてください。折角そんな仲になれたのですから」と微笑んで。一方、青年は「…ルーにずっと一緒にいてほしかったの」とぎゅっとクローゼットの中の服を握り)
「帰ってきたら、レンをいっぱい甘やかしてあげることにします」(部下は、にこっと笑いながら、青年を甘やかすと言い、「もしロイさんに恋人が出来たら教えてくださいね?」と言い。一方、悪魔は「ルー、どっか出掛けたの?」と尋ねて)
「…はい、承知しました」
(元悪魔は目を細めながらもそう伝えると、「では、レンさんをお迎えする支度をしなければなりませんね」と立ち上がり。一方、青年は「今は出掛けてないけど…でも、しばらくしたらまた外のお仕事行っちゃうんだもん」と俯いて)
「レン、大丈夫ですかね…」(部下は、元悪魔のおかげで落ち着いており、心配そうに呟いて。一方、悪魔は「そっか…俺もネイとずっと一緒にいたいよ。でも、俺がネイと結婚する為に上級にならなきゃいけなくて、そのためにスクール通わなきゃなんだ」と青年に話して)
「きっと今頃、ジュリアス様が動いてくださってますよ」
(元悪魔はきっと相手が助けに向かっているはずだろうと考えてはそう伝え、青年は「…なんで上級になんなきゃなの?結婚したきゃすればいいじゃん」と彼をじっと見つめ)
「そうですね、大人しく待っておきます」(部下は少し気になるものの、大人しくしておこうと思い。一方、悪魔は「最初は、兄貴やお父さんに認められた上で、結婚したかったから。でも、今は、純粋に強くなりたいからってのもあるけどね」とくすっと笑いつつ話して)
「…レンさんがお帰りになられるまで、少し眠ってはどうでしょう?」
(元悪魔は部下の顔を覗き込んではそう提案してみて、青年は「そんなの兄さんが可哀想じゃん!強くなっても一緒にいられないなら意味ないもん!」と声を荒げて)
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