「 椿、枯れる 」〆

「 椿、枯れる 」〆

若き将校  2018-03-28 22:31:14 
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白銀の雪に

静かに朽ちた紅の花を沈める


その日まで。



【非募集】


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  • No.181 by 鷹田 総一郎  2018-04-09 15:19:56 


(差し出された腕を見下ろせば実際の所必要無いものだが彼の好意を無駄にする気は無く軽く手を繋ぐ程度として肩口の負傷の方を気にして。移動は車で向かう事となり、浜辺の側、見張り塔の付近で停車し)着いた、潮風が気持ち良いな!

  • No.182 by 鷺宮 灯夜  2018-04-09 16:34:08 


ーー風が気持ちいい。何にも汚染されていない、澄んだ空気だな。
(車を降りれば基地の方よりは柔らかい砂、深く息を吸い込んで気持ちのいい空気をいっぱい胸に溜めると表情は爽やかなものに。少しずつ柔らかさを帯びて来た光に照らされ海の水平線を見つめて)

  • No.183 by 鷹田 総一郎  2018-04-10 19:46:04 


もう少し海に近付いてみようか、流されたら捕まえてやるよ
(清々しい表情に誘った己も晴れ晴れしい気分となり、見張り塔の更に向こう側へと連れて行こうとし。空にはウミネコが数羽優雅に飛び回り燦々と降りかかる日光を楽しんでいるかのよう。小波が宝石の如くキラキラ美しい輝きを放つのを細めた瞳で捉えながら彼の腕を掴んで波のすぐ側まで歩み寄り)

  • No.184 by 鷺宮 灯夜  2018-04-10 21:19:59 


海がこんなに青いのは、今はそう見られない。
ーー任務とはいえ、お前と此処に来れたのは幸運だったかもな。
(相手に誘われるようにして浜辺の波のすぐ近くへと。わずかに革靴の先を濡らす波、青く澄んだ地平線を見つめながらそう言って、ちらりと相手を見ると少し笑みを浮かべて)
早く治せよ、お前がそうだと俺まで調子が出ない。

  • No.185 by 鷹田 総一郎  2018-04-10 23:24:24 


ああ、普段は陸地ばかり見ていたからたまにはいいだろう?
(松葉杖を砂浜へ倒すように手を離し、ほぼ治りかけの怪我の具合を伝えるように身一つで砂浜の上へと。折角ならばと靴を脱ぎ捨て素足となれば暑い砂の粒子に触れてゆっくりと海へ進み片足を並みの中へと浸けて。暖かい風と冷たい海水の向こうに敵国があるとは思えない程の美しさに瞳を細めて)すぐ治るさ、心配するな。お前もどうだ?こうやって海に触れれば気分が良くなる

  • No.186 by 鷺宮 灯夜  2018-04-10 23:38:42 


ーー俺はあまり、濡れるのは好きじゃない。見てるだけで良い。
(相手の様子を見れば少し安心したような表情浮かべ、素足で海の波に足を晒す姿見て。相手に促されると曖昧な表情浮かべ、水を嫌厭する様子はまるで猫のよう。見る分には良いが泳いだり服が濡れたりするのは嫌なのかそのまま靴の爪先だけを僅かに水に晒したまま陽射しの中で目を細める相手の横顔をじっと見つめて)

  • No.187 by 鷹田 総一郎  2018-04-11 05:46:41 


まるで猫みたいだな!ははッ…
(水に浸かるのを嫌悪する様子にまさに思い付いたのは同じ動物、くしゃっとした笑みを浮かべてほんの軽く爪先で海水を相手に飛ばしてみて。ふと視界に入る視線に気が付き視線を上げれば双方の儚げな瞳を捉えて。昨日接吻した相手であるという事を思い出させるような視線に咎められているようなそんな気さえ起こし、ややぎこちなく肩を竦めて)ーーお前、昨日の事、少し覚えていたりするか?

  • No.188 by 鷺宮 灯夜  2018-04-11 09:13:00 


それを言うならお前は犬だな。
(相手の言葉にそう言ってからかうように笑うと飛んで来た水を肌に感じその冷たさに驚きつつ、少しだけ指先を浸して相手に反撃を。じっと、太陽の輝きの中快活な相手の表情を見ていれば問いかけられた言葉。昨日のことを思い返すが、自分が泣いたことを言っているのだろうか、僅かに首を傾げつつ)
…お前の所で寝たのは覚えてる。

  • No.189 by 鷹田 総一郎  2018-04-11 12:39:48 


まあ、確かに寝ていたな、子供のように泣きじゃくって…それ以外は?
(確かに寝惚けていたものの彼が深夜訪れた事もまた事実であり、思い返せば可愛らしく泣いていたが惚けてしまいそうでそれでは無いと記憶から搔き消すよう首を振り。あまり深く追求する事への抵抗はあるが覚えていないという確証が欲しく一歩近づきまじまじと見下ろして)

  • No.190 by 鷺宮 灯夜  2018-04-11 13:17:55 


うるさい、忘れろ。
…それ以外?特に何も覚えていないがーー何か変な事でも言ってたか?
(相手のからかうような口ぶりに相手の背中はたきつつ、尚も追求しては此方をじっと見つめてくる様子に何か変な事でも言っていたかとやや怪訝な表情に。昨日の夜の出来事は全く知らぬ間に起きていた事、記憶にはなくゆるりと首傾げ)

  • No.191 by 鷹田 総一郎  2018-04-11 14:31:08 



ーー…いや、覚えていないならいいんだ。
(相手の様子から全く覚えていないのだろうと確認が取れれば一人でにどっと緊張が解けて胸を撫で下ろし嘆息を吐き出し。怪訝な顔付きになったのに気付けば苦笑いを浮かべ。靴を手に持ち見張り塔まで引き返し)じゃああれに登るか。高いから落っこちるなよ?

  • No.192 by 鷺宮 灯夜  2018-04-11 15:08:03 


ーーお前こそ、転ぶなよ。
(相手の誘いを快諾し見張り塔の下まで行くと相手について見張り塔の上まで登り。徐々に陽が落ちまもなく夕暮れだろう、だいぶ橙色を帯びて来た光が海の水面を照らし風に波が立つ、相手と空の上で見た青とはまた違った美しさに嘆息し。平和な場所で相手と二人、肩を並べて美しい景色を眺めている幸せに心が穏やかになるようで)

  • No.193 by 鷹田 総一郎  2018-04-11 20:57:44 


(一人で見る景色よりも誰かと見る方がずっと美しいとはこの事なのか、地平線の向こうへ沈みかける太陽と夜の訪れを知らせる一番星が瑠璃色の地球を照らしている。波と風、海と空そして親友と二人だけの小さな小さな空間にも思えてくる不思議な感覚は胸の底から熱いものと共に溢れ出て。そうこうしてる間に空に一筋の飛行機雲がはるか彼方へと続いている事に気が付き)そろそろ帰る時間だな。俺達も。

  • No.194 by 鷺宮 灯夜  2018-04-11 21:28:17 


ーーそうだな、もう帰らないと。
(相手と見る静かで美しい景色はいつまでも見ていたい程、しかし相手の声と遠くに続く飛行機雲に意識を引き戻されるとそう頷いて塔から降り始め。どこか夢の中のような気さえする美しく静かな二人きりの見張り塔から降り、その階段から島の地面に足が着く間際。風に掻き消される程に微かに一度咳き込んだ気がしたのは気のせいか。相手を振り返ると掴まれと手を差し出して)

  • No.195 by 鷹田 総一郎  2018-04-11 23:35:02 


(鎮痛剤も切れてきた頃、微かな痛みが太腿を刺激するがその痛みも忘れる程穏やかな時を過ごしたようで満足といった様子で少しばかり咳き込んだ相手を見遣り此方に伸びてきた腕を躊躇無く掴み。彼の温もりを手の内に感じながらこそばゆい思いを馳せて車へと乗り込めばエンジンを切り飛行機へと)帰ったらまた忙しくなりそうだなあ、お前は。また俺の部屋にでも来いよ、いつでも添い寝してやるから

  • No.196 by 鷺宮 灯夜  2018-04-11 23:47:36 


次は足の踏み場がもう少しあると、もっとゆっくり出来るかもな。
(相手の言葉に揶揄うような笑みを浮かべて態とそう答えつつ自分も飛行機の後部座席へと。来た時とは違って瑠璃色に染まった空、自分が大空へと羽ばたく機会など滅多にない、この景色をしかと目に焼き付けようと飛び立つ前から窓へと視線を移し。偶然にも島へと配属された中に相手がいて良かったと噛み締めつつもそれを言葉に出すことはなく)

  • No.197 by 鷹田 総一郎  2018-04-12 22:45:52 


(彼を乗せた飛行機は何処までも高く高く飛翔して再び雲の中へと。厚めの雨雲を向ければ既に満点の星空が広がっており数多の星々が機体を照らして自然のライトと化し。滅びに向かって青や白に光り輝く様がガラスを通してよく見えて、機内の通信のスイッチを押して背後にいる親友へ上へ向くよう声を掛け。)ーー良い空だろう、ただそこに輝くだけでこんなにも美しいんだ。…まるでお前みたいだな。

  • No.198 by 鷺宮 灯夜  2018-04-12 23:22:06 


…美しいな、先に待ち受けるものが滅びであっても、これ程までに夜空を照らし生命を燃やす。
(相手の言葉に僅かに微笑み、静かに夜空に瞬く星を見つめながらそう言葉を紡ぎ。その瞳に映るのは美しくも静かで冷たい輝き、自分を夜空の星のようだと形容する相手は正しく、昼の太陽だと思えば相手の背中へと再び視線を向けて)
ーーお前は昼の太陽だな、

  • No.199 by 鷹田 総一郎  2018-04-12 23:53:51 


終わりがあるから輝き続けるのかもな、それはそれで悲しいものだが。
(儚い一つの光も千もあれば眩い瞬きとなる天の川の下には雲海が何処までも続きまるで永遠の旅路に出たかのような気分させられ。少し機体を斜めに傾かせ翼を雲海に、綿菓子のように夜空へと浮かび消え行くのを眺めながら相手の例えを聞いて小さな笑い声を零し)俺が?ーーへえ、そんな風に見えているんだな

  • No.200 by 鷺宮 灯夜  2018-04-13 00:08:42 


ーー嗚呼、俺にとっては太陽だよ。眩しい程に…青空を背負って、いつも輝いているお前は。
(相手の口調に少し笑いながらもそう答え、相手を思い瞳を閉じると瞼の裏に浮かぶのは快活な相手の笑顔と青空。自分にとって相手は太陽なのだと、相手が此方に背を向けている二人きりの空間ではその本心を紡ぐことができる。無数の星と、機体の傾きによって広がっていく雲、このままどこまでも遠い場所に飛んでいって仕舞えば良いと思いながら窓の外を見つめて。胸の奥を擽るような一瞬の違和感には自身ですら気に止める事はなく、後にこの瞬間を酷く恋しく思う時が来ることなど今は知る由もなく。)

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