冒険者ギルドの日常

冒険者ギルドの日常

トピ主  2024-07-26 06:44:45 
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舞台となるのは交易都市デュランダル。様々な国の行商人が行き交い活気溢れる街です。この街に置かれたギルドに集う冒険者を中心に物語が展開されます。
世界観としてはよくある異世界ものと同じく中世ヨーロッパ風な街並みで、人間のほかにエルフや獣人など様々な種族が共存しています。
冒険者の等級はSを頂点に上からA~Eの等級があります。
募集人数に上限はありませんので興味のある方はご参加ください!
ロルは中ロル程度が好ましいです。冒険者の等級に関しましてもSランク冒険者が大量発生するとバランスが崩れてしまう恐れがあるので出来ればAランク以下の冒険者としてご参加していただきたく思います!


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  • No.1088 by アンナ・ランストリウム  2025-11-03 02:04:35 

>1085


教会としてもアリシア様のご厚意には感謝のしようもございません。子供達もリズリット様がいらっしゃるのを楽しみにしておられましたよ?ふふっ…子供は私も好きです。元気いっぱいで純粋で穢れを知らない。此処にいる子供達はそれぞれ事情がありますが…私も元気を貰っています

(既に多数の聖教国の司祭や諜報員…果ては工作員が多数入り込み、策謀が巡り人間種至上主義が着々と根付きつつあるこのフィリア王国で例え偽善であっても、孤児に対して救いの手を差し伸べる存在には打算抜きで感謝を述べる。お菓子を貰ってはしゃぐ子供達を見て、笑みを浮かべながら自分も子供が好きだと零す。だが彼女の言う「好き」の中には純粋あるが故に政治思想を植え付けやすく、知恵をつけて賢しくなった大人よりも信徒化させやすいからという邪悪な感性も入っている。)


確かに…お付きともなるとご苦労も絶えないでしょう。こうして少しでも息抜きが出来るならば今後もいらして下さい、子供達も待っていますから。何ならば私で良ければお話をお聞きしますよ?



(聖教国の教会内でも派閥闘争なんてものは多々あった。彼女にとっては教皇を信ずる者同士何を争う必要があるのか無意味な争いにしか見えなかったが王国の、ましてや彼女は第三王女の侍女と記憶している。王族内では日常茶飯事なのだろう。相手の声色からもその気苦労が聞いて取れたため労う様に言葉をかけて。ゆっくりと大聖堂を指差し、司祭として祈りのポーズを見せれば告解もやりますよ、と笑みを零す)

…帝国の武官までも…ですか。色々としがらみも多い中で遠方の国とも牽制合戦…心中、お察し致します。教会としても帝国とは因縁浅からぬ間柄故、何も起きなければ良いのですが

(だがその後に聞こえてきた帝国の武官、というワードを聞けばその顔からすぐに笑みが消える。彼女にとっては仇敵にも等しい国でもある為憎悪の感情が滲み出そうになるが気取られないように言葉を選んで、既に国交断絶状態にある祖国と帝国に対して王国がどうなってゆくのかを憂いて)

  • No.1089 by リズリット  2025-11-03 09:35:00 

>1088

あぁ…聖教は帝国との間に色々あったのですよね…では、暗い話題はこのくらいにして、お言葉に甘えて世間話でも致しましょうか。罪の告白は少々気恥しいので…またの機会に。

(笑みの消えたアンナの表情から帝国の名前を出したことは迂闊だったと反省し、告解まではいかずとも世間話でもしようと提案して。自らの罪、主君を裏切る行為の数々はとても人に明かせるものではない。いつか罪悪感に苛まれ自死すらも選択肢に入れることがあるのなら、その時に利用しても良いかもしれないと、気恥しさを装う照れ笑いの裏で重たい考え事をしていた。話しているうちにも並行して菓子を配り終え、孤児院の中へ戻っていく子供達の笑顔に、リズリットの荒んだ心も幾分か癒されたようだ。)

  • No.1090 by レド  2025-11-03 21:38:06 

>1087

ふっ、あははっ!俺の師匠(オヤジ)も似たような男でしたよ。つまりなんとも人間臭くて……誰より人間らしい方だったわけですね。

(ハハ、カルロス様は聖人どころか案外抜けてる男だったとはと、思わず大笑いして。だがそこに師匠(オヤジ)……剣の教えは立派だったけど、その実ガサツで寂しがり屋で未練がましいダメ男……たとえ不完全でも、人に愛を与える優しい男の事を見出だした。カルロスも師と同じように、なんとも人間らしい方と締めくくると、同じく温かな笑みを返して。その笑みには感心とあきらめが含まれる。「あぁ……こりゃ勝てんわ」と。)

クレアさん、貴重なお話をありがとうございました。俺はちっぽけなカラスに過ぎないが、剣士として行ける所まで羽ばたこうと思います……貴女方おふたりの、優しさを胸に。

(そろそろ退室する頃合いだろう。立ち上がって落とした刀を拾い、差し直して。カルロス様……クレアさんを長年支え続けたその優しさは尋常では無い。そして罪に苦しみながらも人を救わんとするクレアさんもまた……二人に届くのはいつの日か。改めてクレアの側に立つとカラスのように黒ずくめの身体をピンと伸ばし、穏やかに微笑みながらの敬礼を別れの挨拶として。)

  • No.1091 by クレア/エルフリーデ  2025-11-03 22:48:09 

>1090

ふふっ、そうかもしれませんね。
…はぁ…それではレドさん、お城勤め頑張ってください。レドさんならきっと、どんな壁も乗り越えられると信じています。

(「人間らしい」。この表現にクレアは心底納得がいき、レドの大笑いに釣られたことも相まって思わず吹き出した。よく食べ、よく寝て、夜にはどこに隠していたのであろう体力を発揮する。まさに人間らしさを体現したカルロスの振る舞いを鮮明に思い出し、笑わずにはいられなかったのである。しばらく思い出し笑いで肩を震わせていたが深呼吸をして平静を取り戻すと、レドを真っ直ぐに見つめて激励の言葉を掛けた。)

…スー…スー…

(ギルド前に停められた近衛隊の馬車の中、エルフリーデは片側の座席を占有して横になり、心地良さそうに眠っていた。夜通し遊び呆けた挙句に朝から酒瓶を空けていたため眠気に抗えなかったのであろう。悪魔のような性格とは裏腹に、窓から差した光に照らされて輝く銀髪も相まり天使のような寝顔である。別れ際にレドに告げた「また後で」という台詞はこの馬車での再会を指していたのである。シエルが任務を優先するあまり刺されたことを事件化しないことを見越していたようだ。帝国の武官を連れ帰れというアリシアの命令もあり、馬車の御者も特段気にする素振りはない。)

  • No.1092 by アンナ・ランストリウム  2025-11-03 23:18:10 

>1089


はい…お察しの通りかの国と聖教国は既に敵対関係といっていいもので。リズリット様もお気を付けください。帝国の者達は危険な思想を抱いております

(帝国内の教会で働いていた彼女にとってはまさしく思い出したくもない思い出の1つでもあった。幸い地理的にも王国と帝国は遠く、互いに牽制し合っている段階の為まだ脅威という脅威は見えてはいないが帝国で受けた焼き討ちの被害者でもあった為か、王族に近い位置にいるリズリットに忠告の意味も込めて気をつけろと零して)

ふふ、神はいつも皆を見ておいでです。悩まず告解する事できっとお許しになられます…いつでもお待ちしておりますよ。して、貴女は第三王女の侍女であった筈。第三王女…ルイーズ様はご息災であられますか?

(両手を合わせて祈りの格好を取ったまま、目を瞑って静かに告げる。彼女の抱える事情の全てを知っている訳ではない為聖職者としての言葉で、優しく諭すように声色を落とし、そして目を開けて笑みを浮かべて。ふと、思い出したかのように彼女が仕える主君、第三王女について問うて。孤児院へは王国騎士副隊長、アリシアの名代で来てはいるが本当の主君は第三王女ではないのかという口調でリズリットを見ては、その主君の身を案じて)


  • No.1093 by リズリット  2025-11-04 19:21:44 

>1092

ご忠告痛み入ります。はい…ルイーズ様は今朝も変わらず元気なご様子でしたよ。最近では嫌いだったピーマンも食べられるようになられたのです。うぅ…立派に成長されました。

(本音を言えば聖教徒でないリズリットにとって、帝国も聖教国も似たようなものだと考えているのだが、当然ながらそんな失礼な印象は心の内に留めて素直に忠告に感謝を述べた。続けてルイーズの話題に移ると、リズリットは己が抱える罪悪感から一瞬だけ視線を逸らすもののすぐに戻し、今朝の様子、そして嫌いな食べ物を克服できたことまで伝える。ルイーズの成長を語る際には大袈裟にもハンカチで涙を拭う仕草を見せる。ルイーズのことが好き過ぎてという訳ではなく、これは罪悪感を紛らわす為の空元気である。)

  • No.1094 by アンナ・ランストリウム  2025-11-05 02:13:43 

>1093


まぁ…それはそれは。まだまだお若い身ではありますが1つ1つ、成長なされているのですね…アリシア様もさぞお喜びでしょう。


(彼女の素性を知らないアンナは、その心に住まう闇と罪の重さを測り知る事は出来ない。しかしながら聖教国とも関わりの深い王国の近衛騎士の長たるアリシアが擁立する王位継承者候補の微笑ましい一面に、聖教国出身者としての思惑抜きで若き第三王女の成長を喜んで)


しかし…こうしてお恵みを下さるアリシア様とは一度お会いしてお話を聞きたくはありますね…もしかすれば聖下(教皇)や聖女様あたりは既に会われているのかもしれませんが。

(こうして孤児院へ寄付や孤児たちに施しを与えてくれる存在は、いち聖職者としても尊敬に値するものであり羨望の眼差しを向けながら、王城のある方向を見て。派閥闘争うず巻く伏魔殿とも言えるその場所は何も知らないアンナにとっては手の届かない、高みにある場所のようで)


  • No.1095 by レド  2025-11-05 06:52:12 

>1091

ありがとうございます!ではこれにて。……あっ、またリンゴ食べさせてください!

(クレアさん、いい顔になった。満面の笑みで激励の言葉に応えて退室……そして廊下に出ると無邪気に笑いながらリンゴの話を持ち出すと一礼してドアを閉め、今度こそクレアの前から姿を消して)

ふぅ…………分かったか?俺が会うのをためらった意味が。
「あー……うん、まあね。昔のレドが相手しちゃダメな人だったわあれは……メンゴメンゴ」
「アハハ……ごめんよ、ボクも見抜けなくて……いい顔になったねレド。あの人の言う通り、今のレドなら何でも乗り越えられそうだよ。」
「いってらレド。生きて帰ってくるんだぞ。愛しのアリシアちゃんと一緒にね。」
ああ、行ってくる。土産話ならたっぷり持って帰るから楽しみにしていろよ、お前たち……

(静まり返った廊下。ふと脇を見やれば、光差す窓の下に昔の仲間・眼鏡の魔法使いと褐色の女戦士の姿が見える。彼らには「敬遠してないでクレアと会え」と尻を叩かれたが、昔の未熟な自分がクレアと会っていたらお互いを傷つけるだけで終わってただろう、と、仲間に呆れ顔を向けて。しかし十分な経験を積んだ今の自分は多少なりともクレアさんの癒しになれた。剣術指南としてもやっていけるだろう……仲間の見送りの言葉に親指を上げて応えると、踵を返して廊下を出て。もっとも、傍から見ればレドが誰もいない窓の光にブツブツ独り言を吐き、親指を立てているようにしか見えないが……)



「あっお前!向こうに「首狩り」がいただろう!俺と会わせろっ!」
ああ?何だよ急に。いいからどけよ。というか、会ってどーすんだよ。
「知れたこと!あの女を倒して、今日から俺が「首狩り」として名を上げてやる!」
…………バカなことを。
「なっ、なんだと!?」
そんな二つ名、喜んでお前にやるよ。その方があの人も安心するだろう。というか、もういないんだ「首狩り」は。今あそこにいるのは「首狩り」でも騎士様でもない。長い戦いで哀しみを背負った、一人の女性……
「ふざけんな!」

(食堂に戻ると、先ほど掲示板の前で「首狩り」に代わり名を上げると息まいていた男に絡まれる。レドは元の荒くれとして冷たく睨みつけていたが、やがて目の前の男が「賞金首狩りとして悪を倒す剣聖」などと「首狩り」の意味も知らずに崇めていた昔の自分と重なって憐れみを覚え、静かに説得し始める。そんな姿に逆上した男が襲い掛かってくるが……)

「グッ……!?ガハッ……!」
……お前じゃあの人には勝てない。いや、あの人を斬って名を上げたところでその先には何も無い……無駄なことだ。
「たっ、たす……ぐがっ……」
覚えとけ。これこそが、首を狩られる痛み……血に酔う前に引き返すんだな。
(突っ込んでくる男の首に左手を差し込むと、そのまま壁に叩きつけて。首から血が流れるほどにきつく締め上げられ苦しむ男をレドは冷徹に睨み、淡々と諭し、諭し終わったところで手を離す。)

あぁ……やっちゃった。俺もまだまだ、あの二人のように優しくなれねぇなぁ……

(首を押さえてせき込み泣きながら去る男を尻目に、男の血の付いた左手を残念そうに眺めて。俺もクレアさんやカルロス様には程遠いな……血を見ずにはいられない性分という意味では、俺もあの帝国兵の女と同類かもしれない……と溜息を吐くと、手近にあった布巾で血を拭って。唖然とする周囲の冒険者には目もくれず受付に向かって静かに歩き、預かっていた荷物一式を引き取ると、新たなる試練……外に控える近衛隊の馬車に乗り込むべく、扉を開けてギルドを出た。)

  • No.1096 by リズリット  2025-11-05 14:59:09 

>1094

はい、つい先月に聖教国に赴かれて、その際に教皇様に謁見し、聖女様とは会食をされたと聞いているのです。こちらにも何度か予定の合間を縫われてお伺いしていたのですが…ご多忙の身ゆえ滞在時間も限られますし、おそらくアンナさんとはタイミングが合わなかったのでしょう。私の方からもアリシア様にそれとなくお伝えしておきますね。

(アンナの推測通り、アリシアは既に教皇や聖女との接触を図っていた。リズリットにはその目的は不明だが淡々と知り得る事実を告げる。上位の騎士とはいえ一国の長に謁見出来ることには確実に裏がある。諜報機関に属する者として、あわよくばこの機会に教会側の人間から情報を収集出来ればと考えていたが、反応を見る限りアリシアとの接点がないアンナは白のようだ…と、笑顔の裏で品定めしていた。であれば詮索は程々に通常の会話を維持すべきだろうと判断し、会って話をしてみたいと言うアンナの要望をアリシアへ伝えることを約束した。)

  • No.1097 by クレア/エルフリーデ  2025-11-05 15:01:11 

>1095

ええ、勿論です。はぁ…

(応接室を去るレドの後ろ姿を、クレアは温かな笑みを浮かべたまま手を振って見送った。完全に姿が見えなくなると、また一人になってしまった寂しさから小さく溜息を吐き、ビールに口を付けてその孤独を紛らわす。しばらく感傷に浸っていると、応接室のドアがノックされギルドの職員が顔を出した。職員の手には王家の家紋の封蝋で閉じられた手紙が握られており、事態を察したクレアは顔を引き攣らせる。レドのお陰もあり少しだけ前を向けるような気がしていたタイミングで、黒い鷲の紋章が新たな波乱の幕開けを告げた。)

貴殿が冒険者のレド殿とお見受けする。シエルの救出ご苦労であった。さ、あまり時間は残されていないんだ。準備が済んだのなら速やかに乗車してくれ。

(全身黒ずくめのポニーテール、この特徴からレドを特定することは容易かったことであろう。レドがギルドから出てくるなり甲冑に身を包んだ馬車の御者が声を掛けた。近衛隊は当番制で御者を回している為、面識のない様子から以前会食の場に手配された御者とは別の人物である。御者は同じ近衛兵としてシエルの一件で建前上の礼は言うものの、随分あっさりと話を済ませて乗車を促した。近衛隊一の雑用係と自称するだけあって、シエルはアリシア以外にも邪険にされていることが容易に窺える。そのことを一層肯定するかのように、御者が馬車のドアを開けると、中には騒動の犯人であるエルフリーデが心地良さそうに眠っているのであった。)

  • No.1098 by アンナ・ランストリウム  2025-11-06 00:44:40 

>1096


やはり既に御目通りを…少し羨ましい部分もございます。私達のような司祭職では聖下に御目通りすら叶わぬ身。アリシア様のような高潔で聡明な御方ならば、と聖女様もお考えになられたのでしょう…
お口添え感謝いたします。父なる神の下に、貴女の進む道に光多からん事を

(王国の騎士の長たるアリシアが既に教皇や聖女と接触している事を聞くと、何となく分かっていたのか視線を下に向ければぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。諸外国に赴き動向を探りながらその地で信徒を増やす諜報、工作員の一面を持ち程度行動の自由が許されている駐在司祭という立場の彼女でも雲の上の存在にも等しい教皇や聖女には個人での御目通りすら叶わないと漏らして。そして卑屈になってしまったと顔を上げればリズリットの心遣いに再び手を合わせて静かに目を閉じ感謝の意を伝えて)


…そういえば、最近は王国内で亜人達の抗議活動も活発化してきておりますね。つい先日も少し離れた教会近くでありまして…「鎮圧」にあたったのです。リズリット様の方は大丈夫ですか?奴ら、しきりにアリシア様のお名前を出しておりましたので…

(ふぅ、と一息ついてから切り出した話題は、王国内で起きている獣人のデモの事で。人間種至上主義を掲げる聖教国にとって人間種以外の存在は差別の対象とされる存在であるが故に、アンナの口調も当然と言わんばかりに獣人とすら言わず亜人呼び。とても聖職者とは言えないがアリシアと関わりのある彼女も何か被害は受けていないかと心配したようで)






  • No.1099 by レド  2025-11-07 00:12:06 

>1097

「おい見ろよ、近衛隊だぜ……チッ、聖教国の手先が何でギルドに」
「誰か乗るぞ……あれ誰?」「さあ?なんか見たような気もするが」
「近衛隊の関係者にしちゃ野暮ったいな」「こら、早くしなさい!こっちだって馬車乗るんだから」

(昼前を迎えたギルド前。正面に堂々と停車する近衛隊の馬車の周囲に人だかりができている。高貴さとは縁の無い冒険者たちの拠点に似つかわしくない荘厳な馬車はそれだけで冒険者の注目の的になるが、近衛隊の排除対象となる獣人やエルフは忌々し気に馬車を睨むか、そそくさと立ち去っていく。
やがてポニーテールを揺らした黒ずくめの青年……レドが無造作にギルドの扉を開けて馬車へと歩き出すと、冒険者たちの注目はそちらへ集まる。周囲の冒険者たちには目もくれず、横柄な態度を取る御者を無言で睨みつけると、催促を無視して馬車の後部に回り、荷物を積み始める。積み終わると荷物をガサゴソまさぐってから、御者の正面に立って。)

言葉に気を付けろ。

(御者に鋭い視線を突き刺すレドの肩回りには白布がはためいており。これは受付で「アレ」と指示しておいた、師匠・ショウカクから誕生日に貰い受けたケープである。いつの日かレドが宮仕えをする日のためにとショウカクが着用していた羽織をリメイクして作られたこのケープは太陽を浴びてなめらかに輝き、カラスのように黒いレドを彩る。)

本来なら「勇者」レイラを通して抗議すべきところを我が友・シエルに免じて行ってやるのだ。お前の顔が潰されないだけありがたく思え。

(眉間に皺を寄せながらドスのきいた声で御者を罵るレドの姿からは、クレアに応対した時のような純朴な雰囲気は消えている。そもそも王国内で帝国兵が兵士を襲うなど本来は剣術指南どころの話ではない上、帝国兵を連れ帰るために身体を張ったシエルを邪険に扱われては怒りが隠せないものだ。御者を睨みながら馬車に乗ると、自分でドアを閉めて)

はぁ……なんでこんな帝国兵なんかと……。こん……な……?

(赤鞘の野太刀を抱きながら腰掛けると、まるで子供のように眠る帝国兵の女にちらりと視線をやり、うんざりして溜息を……あ、あれ。帝国兵……?おかしいな。何度も何度も視線をやると、隣で安らかな寝息を立てているのがあのシエルに暴行した女・エルフリーデと確認し……「は、はぁ!?」と口を押さえながら叫んで。口を押えたまま、驚きと困惑と……絶望に目を開きながら、呟いて)

おいおいクレアさん……いきなりとんでもない壁が来ちゃいましたよ……

  • No.1100 by リズリット  2025-11-07 18:59:50 

>1098

なんだか最近は物騒ですよね…私は何ともありませんが、近衛隊の方は大臣クラスの獣人から説明責任を追求されたりと、忙しそうな印象を受けるのです。

(聖職者らしい仰々しい感謝の言葉に、なんだか身に余る栄誉を受けたような気がして、リズリットはにかんだ笑みを浮かべた。話題が獣人達の抗議活動へと移ると、アンナのなんとも攻撃的な表現に顔を引き攣らせるのを我慢して、神妙な面持ちとなり自身の近辺の状況を伝える。当然ながら、同じ陣営とはいえアリシアとの直接の上下関係を持たないリズリットには飛び火していないが、アリシアの属する近衛隊は宮廷内の獣人有力者達を中心に槍玉に上がっていた。亜人に偏見を持たないリズリットにとって、本心では自業自得だろうと思っているものの神妙な面持ちを崩さずに哀れんでみせる。)

  • No.1101 by エルフリーデ  2025-11-07 19:01:39 

>1099

チッ…庶民風情が…

(鋭い視線を突き刺された御者は吐き捨てるようにレドの出自を罵ると、踵を返して馬に跨った。プライドの高い近衛兵にしてみればアリシアに気に入られただけと捉えている、ぽっと出の冒険者に凄まれたことが癪に触ったのだろう。レドが乗車したことを確認すると、乱暴に馬車を走らせた。)

…うぐっ…痛いなぁ…
おや、レドさんじゃないですかぁ。待ちくたびれて寝てしまいましたよー。これからしばらくは同じ屋根の下で寝食を共にする身、今から親睦を深めようではありませんか。

(馬車が急発進したことでエルフリーデは壁に頭を打ち付けた。ここに来るまでに宿でシャワーを浴びてきたのだろう、甘い石鹸の匂いを漂わせながら身を起こすと、レドの姿を視認するなりニヤついた笑みを浮かべて話しかける。その様はまるでシエルの一件などなかったかのように馴れ馴れしく、そもそも自分が過ちを犯したという認識がないのであろう。今のところは敵意を見せておらず言葉通りの友好を求めているが、美しい見てくれとは裏腹に悪魔にも等しい倫理観である。)

  • No.1102 by レド  2025-11-08 09:59:33 

>1101

ったく、こんな血生臭いシンデレラを世話をしろってのか。夢もへったくれもねぇな……アリシア様も別便にしてくれよ……

(エルフリーデを拒絶するがごとく、眉間に皺寄せ腕を組んでブツブツ呟いて。冒険者から近衛隊剣術指南というシンデレラストーリー。だがその実態は胡散臭い近衛隊の馬車に横柄な御者、お城にいる王子は継母より意地悪な第一王子、そして何より、馬車に乗るのはシンデレラではなく血と酒の臭いしかしない帝国兵……夢と希望もあったもんじゃない地獄のような現実に、がっくりと溜息を吐いて。
雑な発進で身体が揺れる。そこに御者の怒りと侮蔑を察して「野郎、なめやがって……」と吐き捨てていると、今の振動でエルフリーデが起きてしまった……げんなりした顔を、目覚めた彼女に向けて)

……俺は嫌だね。誰かさんのせいで疲れてるんだ、寝るから起こしてくれるなよ。

(今朝の所業など無かったかのようにいけしゃあしゃあと挨拶するエルフリーデに、腕を組んだままぷいっと顔を背けて。その顔に案外怒りは無い。今は波を立ててはいけない、シエルに制されている、というのもあるが、倫理観が違い過ぎて話が通じそうにない諦めの方が勝るのである。
それでも、一瞬ちらっとエルフリーデに視線が行って。密室に漂う石鹸の香りに、どこかアリシアに通ずる悪魔的な美貌と魅力……完全に無視できるレドではなかった。)

  • No.1103 by エルフリーデ  2025-11-08 11:55:02 

>1102

冷たいですねぇ…王国人には人の心がないのでしょうか。

(当然の如くつれない態度を取るレドに、エルフリーデは身を身を乗り出して顔を覗き混むと、ジト目を向けて抗議した。人の友人を刺しておいて驚くほど綺麗なブーメラン発言である。透き通るような蒼眼にレドの顔を映しながら、どうすれば彼の気を引けるのか思案していると、帝国人らしい野蛮な発想に至った。)

我が覇道を~…ふふっ、冗談です。けど、レドさんが寝てしまうのなら、暇を持て余して使ってしまうかもしれませんねぇ。

(完全な脅迫である。レドのよく知る魔法の詠唱を口ずさみ、途端に赤黒く禍々しい魔法陣が車内に顕現しかける。しかし、全貌を現す前に詠唱を中断したことで霧散した。忌憚のない笑顔で冗談とは言うものの、自分に構わなければ使用する可能性を示唆している。レドの技量を持ってすれば発動前に止めることも可能だと思われるが、無視されるくらいなら、そのいざこざでさえエルフリーデにとっては娯楽なのだろう。大人しく暇つぶしに付き合うか、相手にせずに無理やり付き合わされるか、ないも同然の選択肢を提示した。)

  • No.1104 by レド  2025-11-09 11:23:56 

>1103

んなっ!?…………あぁ、なんて野蛮なんだ、アリシア様も何故このような帝国兵を……なあ、なんでだよ。

(見覚えのある悪魔の魔法によって車内が赤黒い地獄絵図と化すとさすがに身震いするが、霧散と同時に呆れに転じて溜息を吐いて。近衛隊の馬車でこんなことを実行に移したら王国に断罪されるどころか本国に帰れない。そんなこともわからないのか?脅迫の仕方さえ知性のかけらもない……
こんな奴にシエルを刺したことを非難したところで、それは害鳥に「畑を荒らしてはいけません」と説くようなものだ。なんでこんな害鳥が近衛隊に招かれたのやら……ひとまずその蒼い瞳にジト目を刺しつつ、そもそもアリシアに呼ばれた理由を聞いて。)

  • No.1105 by エルフリーデ  2025-11-09 20:36:37 

>1104

そんなもの決まってるじゃないですかぁ。両国の親睦を深める為ですよー。私としては貴方が剣術指南役に指名された理由の方が気になりますけどねぇ。若い無名冒険者を招くなんて、何か裏があるとしか思えません。宮廷、聖教国、はたまた新勢力か…果たして貴方はどこの差し金なのでしょうか。ふふっ。

(レドから話題を振られたことに嬉しそうにニコッと微笑むと、派遣された建前上の理由を述べるに留めた。後先を考えない愉快犯と言えど、流石に帝国側の真意を易々と明かすほど愚かではないらしい。エルフリーデは言葉を続け、逆にレドが指南役に選ばれた真意を尋ねる。レドがエルフリーデを訝しむのと同じように、エルフリーデから見たレドもまた同様の対象であった。なにも暴れる為だけにデュランダルを訪れた訳ではなく、選択肢の最初に「宮廷」を持ってくる辺り、調査対象の姿形を知らない制約の中で短時間の内にレドの素性や総合庁舎での宮廷役人との接触まで調べ上げたことが窺える。返事を待つエルフリーデの顔は心底楽しそうにニマニマとした笑みを浮かべており、そこに敵意はなく、一愉快犯として状況がより煩雑化することそのものを楽しんでいるかのようであった。)

  • No.1106 by アンナ・ランストリウム  2025-11-10 01:07:01 

>1100


本当に物騒です…帝国も軍備拡張を進めているとの噂もあります。亜人達もそうですが本当の敵は神に背く人間…差し迫った脅威ではないとの事ですが名が通るという事はそれだけ敵も作りやすくなる…王国の象徴である王家ともなれば毎日の様に糾弾が起きているでしょう。ああ、神よ…

(他国文化を排斥し独自路線を推し進め始めた帝国を間近で知ったアンナは、偏見も勿論あるが脅威度は獣人達と同じなのか常に槍玉に上げられ続ける王国の近衛隊、及び王族の面々を憂いて静かに神に祈って。リズリットが抱える事情、立場、そして王国内で渦巻くどす黒い闇の部分を知らないアンナはこうして2人きりで喋っているからなのか奥底に眠る性格が垣間見えた。聖教国の人間として植え付けられた根底意識もあってか発言は無礼極まりないものだが情勢を憂い神に縋り、そして導かんとする信仰心は本物なので歪にも見えて)


………名残惜しいですがそろそろ巡回の時間が近づいてきました。長々とお時間を頂戴してしまい申し訳ございません、リズリット様。
お恵み頂いたアリシア様…そして第三王女ルイーズ様にも宜しくお伝えください。…貴女に神のご加護があらんことを。

(大聖堂の大時計を見やれば、自身の職務を遂行せねばと腰を上げる。孤児院への寄付の礼、としては長々と時間を取ってしまったと深々と頭を下げて謝罪を述べれば、仮面の笑顔に等しい柔和な笑みを浮かべて。重ねて礼を申し上げれば権杖を手に持つと、外回りに行く為に法衣のフードを被ってはシャンシャン、と数回打ち鳴らしてその場を後にしていき)




(/返信遅れて申し訳ございません;一度区切りとさせていただきたいです。別の絡み文を出し直そうと思います!)

  • No.1107 by リズリット  2025-11-10 17:39:10 

>1106

いえ、こちらこそ巡回前だと言うのに息抜きに付き合って頂いたこと、お礼申し上げるのです。それでは、いってらっしゃいませ。

(時間を取ったことを謝罪されると、リズリットは自分の方こそ巡回前という忙しい中で時間を取ってしまったと、忌憚のない笑みを浮かべて感謝の言葉で返した。お互いに謝ってはなんだか辛気臭いという、場をしらけさせない為に王城内で培われたコミュニケーション能力からの判断である。話を終えると、侍女らしい丁寧な所作で頭を下げて、「いってらっしゃいませ」とアンナの後ろ姿を見送りながら思考に耽った。一見人が良さそうな司祭でさえ亜人への差別を隠そうともしない…自らの真の主人である第一王子ジェラルドの為にも、やはり危険分子たる聖教会の動向には気を配っておくべきだろうと心に刻んだのであった。)

(/了解致しました!こちらこそあまり返信出来ず、また、お互いに特殊なポジションのキャラということもあり、なかなか方向性を見い出せずにグダってしまい大変申し訳ありません…)

  • No.1108 by レド  2025-11-10 20:01:43 

>1105

俺は「勇者」の弟分だ。あの人は無名だろうと分け隔てなく接してくれる方だが政(まつりごと)は好まない。だからアリシア様との会食に俺が代理で行くことになって……そこでお眼鏡にかなったというわけだ。
というわけで、それは俺に聞いてもしょうがない。アリシア様に直接伺うことだな……親しいんだろう?今朝みたいなことしでかしても見逃してもらえるくらいには……

(エルフリーデを横目に見ながら、刀を抱きながら腕を組んで質問に答えて。今朝正体を明かしてから今までの間に自分の素性はおろか、宮廷の事まで探り当てるとは……単なるサイコパスではないと眉間に皺を寄せるが、宮廷のことは触れなかった。なにも嘘ではない。宮廷の存在は横槍に過ぎない。「勇者」の伝手でアリシアと出会い、糸目野郎と切り結んだ腕を認められ、それから……という経緯自体は事実であり、そこに招かれる側の意志が介入する余地は無い。
レドがこうして宮仕えする日が来る時のためにと師匠が遺した白いケープを指で撫でながら話し終えると、「なにが親善目的なものか、他国で暴れておいて」と言わんばかりにエルフリーデを睨み、アリシアとの関係を質問して。ここまでの分析力がありながら今朝の暴挙、アリシアに抗議されないと知った上での行動だろう。アリシアもまた招聘当日になって部下に捜索させる辺り、エルフリーデの気性を把握しているらしい。何より今朝の狼藉の黙認……この帝国兵とアリシアは親しい間柄か……あるいは相当な利害関係がある、とレドは見ていた。)

  • No.1109 by エルフリーデ  2025-11-11 19:54:26 

>1028

へぇ、つまり貴方とアリシアさんはそういう関係ってことなんですねぇ。これは思いがけない収穫を得ました。
そうですねぇ…私は貴方ほど親密ではありませんが、彼女にはそれなりに親近感を抱いていますよ。きっと彼女もまたそうなのでしょう。なにせ同類ですから。

(会食を機にお眼鏡にかなったと聞いて、エルフリーデはニヤッと口角を吊り上げると、揶揄うような口調で二人が恋仲なのだろうと推測を立てた。間違いではないのだが、その特異な経緯の詳細を話せない為にこのような結論に至るのは当然であろう。皮肉交じりにレドほどアリシアとは親密ではないと前置きしつつ言葉を続けると、自分自身とアリシアとの関係を「同類」と例えた。レドがその意味に辿り着くわけがないと踏んでいるのか、挑発的な笑みを浮かべているが淡々と事実を述べたに過ぎない。自分もアリシアも同じく悪魔憑きであると。)

  • No.1110 by レド  2025-11-12 18:50:28 

>1109

同類ねぇ……あんたアリシア様と違って子供好きには見えないが。
ああ……せっかくだから観光案内してやろう。あの城みたいなのがデュランダル中央庁舎だ。デュランダルは冒険者の都……冒険者になりたくてここに移住する奴は、まずあそこで住民登録をする。いわば冒険者のはじまりの地というわけだな。

(頬杖を突くと、エルフリーデに「子供を慈しむアリシアとお前のどこが同じなんだ、一緒にするな」とばかりにジト目で溜息を吐いて。アリシアとの関係は見抜かれたが、周知の事実だから何の痛手も無い……というかそうでもなければ無名の平民が近衛隊に招かれるはずもないから。だがこの恋も、いま自分が帯びている使命を果たせば壊れるであろう、脆く儚いものだ……
ふとエルフリーデ側の窓の外から見えるデュランダル中央庁舎に視線が行くと、思い出したかのように指をさしつつ説明して。冒険者のはじまりの地、天を衝く城のごとき庁舎。レドはあそこに控える宮廷=第一王子派に呼び出され、「国の平和のためアリシアの罪を暴け」という密命、人間として終わっている任務を受けた。密命を受けてもなおレドの心は迷っている。「農民を弾圧せよ」「愛する者を裏切れ」と命じる国がもたらす平和。そんな偽りの平和などいらない、クレアさんを苦しめ泣かせた国などむしろ滅びればいい、とレドは考える。
だが宮廷の助力を得なければ、アリシアの「同類」……アリシアと同じ悪魔の魔法を操るこの帝国兵に、この国もアリシアも、そしてクレアさんも呑まれてしまう……葛藤に苦しみながら説明をするレドの声には覇気が無い。)

  • No.1111 by エルフリーデ  2025-11-13 21:25:53 

>1110

お察しの通り、たしかに子供は甚振っても面白くないので好きではありませんねぇ。今の貴方みたいに覇気がない人も。ですから…私を楽しませる為にも元気を出してください。こうすれば多少は気が晴れますか?

(レドの推察の通りエルフリーデは子供を好いていない。玩具になり得ないからという極めて自分勝手な理由を、さも当然のことかのように淡々とした様子で述べた。そして、その対象には覇気のない声色で観光案内をするレドも当てはまったようだ。中央庁舎には目もくれず代わりにレドの顔を覗き込むと、その頭に手を置いてニコッと微笑む。不憫な動機に似合わず、その様はまるで傷心の青年を慰める天使のようである。頭を撫でれば元気が出る…親しい人や憧れの人、このような関係性の人間からされたなら、それも有り得ることであろう。しかし、そういった人間関係を無視したエルフリーデの思考は短絡的で、まるで子供のような発想と言って差し支えない。それは彼女自身が人との温かな繋がりを経験したことがない故であり、帝国の劣悪な環境が今の彼女の人格を形作ったことを如実に表していた。)

  • No.1112 by レド  2025-11-15 10:40:25 

>1111

あの、人の話を……様子のおかしい人だ。バカエルフ以上に……

(人の話を聞かずに頭を触ってくるエルフリーデに呆れ顔を向けながらも、されるがままに頭を撫でられて。人を刺したり突然頭が良くなったりと思ったら、今度はまるで子供のような無邪気な有様……考えが読めない。バカエルフ以上に。「エルフ」なだけに。
動機はひどいが……何はともあれ子供をいたぶる趣味は無く、人を元気付けようと寄り添う気はあるらしい。頭を撫でられるたび、レドの顔も穏やかになる。)

帝国兵エルフリーデか……愉快な遠足になりそうだな。

(エルフリーデの微笑みを見つめながら、彼女の頭に自らの手をポンと置いて。天使のような笑顔に、酒浸りなところ……何故かクレアさんを思い出す。あの人も罪悪感を捨てたらこの帝国兵のようになるのだろうか。この女と共に往くこれから先の道中、そして生活に、一体何が待ち受けているのか……と思いを巡らせながら、ただ彼女の蒼眼に自らの灰色の瞳を向けて。)

  • No.1113 by エルフリーデ  2025-11-15 19:07:17 

>1112

…な、何をしているんですか…べつに私は気を落としていませんよ…?

(頭に手を置かれる直前、エルフリーデは怯えたようにびくりと身体を震わせると、反射的にレドの頭から手を離して腰に携えた剣に添えた。帝国では人に触れられる時、悪意や敵意によるものが殆どである為だ。そうした事情から、自分が触れるのならまだしも人に触れられることには特に警戒している事が窺える。一連の所作から、今朝の騒動も結果的に楽しんでいたとはいえ故意ではないのだろう。レドに敵意がないと判断すると、抵抗することなくその手を受け入れるものの、きょとんとした様子で小首を傾げてその意図を尋ねた。)

  • No.1114 by レド  2025-11-16 11:29:02 

>1113

む……!?
あっいや、同じ屋根の下で寝食を共にする身なら、お互い触れ合って元気を分かち合おうと思ったんだが……触られるのは嫌か。すまない。

(頭を触った途端急に剣に手をかけるエルフリーデに真顔になって。今まで多数の女性に触れてきたが、ここまで警戒されたのは初めてだ。クレアさんですら俺に接触を許したのに……と戸惑っていると、エルフリーデが再び自らの手を受け入れる。シエルを刺した経緯はともかく、シエルを蹂躙したことには変わりが無い。そして一方的に人の頭を触っておきながら自分の頭を触るのは許さないでは、身勝手が過ぎる。コイツに謝る必要など本来は無い。無いが……もしかしたらこの女もまた、接触を極度に恐れるほどに虐げられた人間なのかもしれない……こればかりはどうも俺の方が軽率だったかもしれない……と、困り顔になりながら頭を触った経緯を説明し、ゆっくりと彼女の頭から手を離しつつ詫びて。)

  • No.1115 by エルフリーデ  2025-11-16 16:03:46 

>1114

いえ、嫌というわけでは…ただ、怖いんです。祖国では、隙を見せると命も有り金も全て奪われてしまうので。平和なこの国ではそんなこと滅多にないでしょうし、この国の価値観に沿った振る舞いを心掛けてはいるのですが、触れられるとなるとつい反射的に身構えてしまうんですよねぇ。

(語られた経緯に納得するとエルフリーデは完全に警戒を解いて、友好的なビジネススマイルを貼り付けた。決してレドに触れられることが嫌だった訳ではなく、寧ろ心地良いとすら感じていた。気恥しいそんな感情は内に留め、決して不快感からではなく祖国で培った防衛本能が働いたに過ぎないことを説明すると、比較的治安の保たれている王国に合わない自らの体質に、困ったように頬に手を添えて眉尻を下げた。)

あぁ…決して同胞が野蛮だと言いたい訳ではありませんよ?そこは誤解なきように。
剣術指南に選ばれるほど学のあるレドさんであれば歴史の一端はご存知かもしれませんが…少々遠い遠い昔話を致しましょうかぁ。
我々の御先祖様は大陸中央の肥沃な大地に住まう農耕民でした。しかし、悲しいですねぇ…恵まれた土地というのは誰もが欲するものです。欲に目が眩んだ周囲の異民族は剣を手に、農具しか握ったことのない非力な御先祖様達を雪と氷に覆われた不毛の地に追いやりました。ふふっ、可哀想そうですねぇ。食い繋ぐには獣を狩るしかありません。生きる為に、農耕民だった御先祖様達は鍬ではなく初めて剣を手にしました。けれど、獣など無限に湧いて出てくるものではありません。狩れば狩るほどその数を減らしていき、やがては小兎すらもいなくなってしまいます。そうなれば、後は隣人から奪うしかありませんねぇ。仲間内は勿論、かつて自分達を追いやった異民族すらも新たな狩りの対象です。鍬の振り方は忘れてしまっても、剣さえ振るうことができれば食い繋げると、御先祖様達は素晴らしい気付きを得てしまいました。そうして誕生したのが「力こそ正義」を国是とする我が祖国です。めでたしめでたし。
我々は奪うほかに生きる術を知りません。かつて我々がされたように、弱き者から奪うのは正当な権利です。だから決して野蛮などとは思わないでください。これは立派な文化なのですから。

(前述の説明では帝国人が野蛮だという誤解を生みかねない。そう考えたエルフリーデは、指南役に選ばれるほどの人間ならば知っているかもしれないと前置きしつつ、帝国誕生にまつわる長い昔話を語った。明るい口調に似合わず紡がれる物語は迫害の歴史。奪う以外に生きる術を失った哀れな農耕民達のお話である。今や農具の振り方も忘れた帝国人が、それも雪に閉ざされた不毛の大地で自給自足の生活を営むことは不可能であろう。生きる為に奪う、かつて奪われたのだからそれは正当な権利なのだと、たとえ同胞に命や金品を狙われようとそれは文化なのだと、エルフリーデは本気で信じている。おそらく彼女のみならず殆ど全ての帝国人に共通する認識なのだろう。その振る舞いは、クレアが懸念していた帝国人の価値観の違いを如実に表していた。)

  • No.1116 by レド  2025-11-17 19:13:29 

>1115

そうか、そんな歴史が。きっとご先祖も再び弱者として抑圧されたくないと必死で戦ったんだろう。野蛮どころか当然の帰結だな……

(エルフリーデの語るグラキエス帝国史を頷きながら聞き入って。「力こそ正義」。だがその実態は、侵略により祖国を追われ、生き残るためには暴力に縋るしかなかった弱者による復讐国家……暴力や略奪に走るのは自らを強者と示したいため……弱者になりたくないという恐れの裏返しだろうと、静かに目を閉じ結論付けて)

(レド!あんたなに絆されてんだよ!こんな……略奪者なんかに!)
(早まるなペトラ。今こいつ一人をぶちのめしても意味がない)
(だって……)
(これは……単なる悪の帝国なんかじゃない)

(ふと窓の外に視線をやると、帝国に迫害された昔の仲間・女戦士ペトラの怒りの形相がレドにだけ見える。憤慨する仲間に首を振りつつ、自らの東刀を撫でて。俺だって、飢饉には弾圧で返すこの国で生き残るために鋤でなく剣を握った身の上だ。正直気持ちは分かる……)

ま、立派か野蛮かはさておき……触られるのが嫌な理由はよくわかった。ここまで生き延びるのも大変だったろうな。

(どうやら帝国人の暴力性は文化や信条として根付いているようだ。王国の価値観とは到底相容れそうにないが、咎めたところで不毛な問答になるだけだろう……ひとまずエルフリーデに静かな目線を送り、触られることすら恐怖を感じる帝国でここまで生きてきたことを労って。)

  • No.1117 by エルフリーデ  2025-11-18 13:59:49 

>1116

ええ、それはもう大変でしたよぉ。人攫いに捕らえられたことだってあります。だって私可愛いですから。ふふっ、あははっ!…ハァ…ハァ…

(レドの労いの言葉に同調すると、人攫いに捕まった過去を冗談交じりに明かした。神秘的にも見える銀髪を靡かせて、忌憚のない笑みを浮かべるエルフリーデは確かに王国の基準で見てもかなりの美人である。可愛いのは事実だが、この傲慢な自画自賛に自分でツボって、耐えきれずに吹き出した。腹を抱えてしばらく笑い転げ、ついには疲れ果てると、ストンと自身の頭をレドの肩に置いてもたれかかる。触られることを恐れるエルフリーデが自分の身体を人に預ける、その行動は言葉にしないまでも、レドがエルフリーデから一定の信頼を得たことを意味していた。帝国の歴史を聞いて理解を示してくれたレドに対してのある種の敬意なのだろう。自分の雪のように冷たい肌とは違うレドの体温をその身に感じながら、エルフリーデはニコッと微笑んで「人肌の温もりも悪くはありませんね。」と耳元で囁いた。
そうこうしている内にも馬車は王都の地を踏み、窓から見える光景には陽の光で純白に輝く王城が姿を覗かせる。)

  • No.1118 by レド  2025-11-19 06:50:09 

>1117

エルフィ……

(人攫いに捕まった過去を自画自賛をまじえて笑いながら語るエルフリーデに、悲し気な目を向けて。一見傲慢だが、人はどうにも辛い事を話す時はかえって笑うという。城勤めの過去を思い出して作り笑いを浮かべたクレアさんのように、この女もまた……憐れみのあまり返す言葉が無く、エルフリーデの愛称を呟いて。)

んなっ!?近ぇよばか!……まあいいや。

(突然自分の肩に頭を預け、耳元で囁いてくるエルフリーデにびくっとして、顔を赤くしながら叫んで。アリシアがいるのに異性と、それも帝国兵となんてくっついていられないが、アリシアのような悪魔的な魅力と、今まで人の温もりを知らずに生きてきたかのような肌の冷たさに負けて引き?がせず、結局恥ずかしがりながらも彼女の接触を受け入れて。そうこうしている内に見えてきた王城を見ながら、どこか観念したかのように呟いて。)

……女慣れするのもまたカルロス様に近づく一歩だしな。

  • No.1119 by レド  2025-11-19 06:51:56 

>1117

エルフィ……

(人攫いに捕まった過去を自画自賛をまじえて笑いながら語るエルフリーデに、悲し気な目を向けて。一見傲慢だが、人はどうにも辛い事を話す時はかえって笑うという。城勤めの過去を思い出して作り笑いを浮かべたクレアさんのように、この女もまた……憐れみのあまり返す言葉が無く、エルフリーデの愛称を呟いて。)

んなっ!?近ぇよばか!……まあいいや。

(突然自分の肩に頭を預け、耳元で囁いてくるエルフリーデにびくっとして、顔を赤くしながら叫んで。アリシアがいるのに異性と、それも帝国兵となんてくっついていられないが、アリシアのような悪魔的な魅力と、今まで人の温もりを知らずに生きてきたかのような肌の冷たさに負けて引きはがせず、結局恥ずかしがりながらも彼女の接触を受け入れて。そうこうしている内に見えてきた王城を見ながら、どこか観念したかのように呟いて。)

……女慣れするのもまたカルロス様に近づく一歩だしな。



(/一部文字化けがあったので訂正します……)

  • No.1120 by エルフリーデ  2025-11-19 12:53:20 

>1119

エルフィ…随分と可愛い名前で呼んでくれるんですねぇ。軍では「馬鹿」や「愚図」だの碌なあだ名を付けられないので、なんだか新鮮な気持ちです。

(呟かれた可愛らしい愛称を繰り返すと、少しの間を置いてエルフリーデは口角を吊り上げた。馴れ合いを良しとしない帝国軍に於いてあだ名とは悪口が常である。初めての愛称が余程気に入ったのか無意識にレドの腕に抱きつくと、真っ直ぐにその瞳を見据え、言語化出来ない内なる喜びを「新鮮な気持ち」と言い表した。あまりに強く抱き締めているため、エルフリーデの豊かな双丘はレドの片腕を完全に飲み込んでいる。そんなやりとりの最中にも馬車は進み、遂に城の正門に到着した。改修工事でもしているのか門は幕に覆われており、警備に当たる衛兵も通常数人のところを数十人体制の厳戒態勢である。そして、眠たそうにあくびをしながら、臨時で編成されたであろう警備隊の指揮を執っているのは緑髪のエルフの騎士…レドもよく知るバカエルフであった。)

  • No.1121 by レド  2025-11-19 22:51:05 

>1120

く、苦労してんだなエルフィ……ああっでも、そろそろ離れた方がいいぞ?ほら、城に着くし!アリシア様に見られたら大変なことに……

(なにげなく呟いた愛称が相当気に入ったエルフリーデがレドの腕を強く抱きしめると、ますますあたふたし出して。しなやかにきらめく銀髪、華やかな香り、吸い込まれそうな蒼き瞳、そしてつい視線が行ってしまう、自らの腕を飲み込む……で、でかい……なんだか心まで飲まれそうだ。でもここまで懐かれたからには振りほどくわけにもいかず、ひとまずついに目の前に現れた窓の外の王城を指差して気を逸らそうとして。
だが城の正門に入って「あるもの」を目にした途端、レドのあたふたした動きは急に止まり、歯を食いしばり始めて。エルフリーデに抱かれていない方の手は自らの東刀をがっちりと握りしめ、抱かれた腕を包み込む豊満な感触の源には目もくれずに、瞳孔の開いた瞳を窓から見える「あるもの」に突き刺して。「あるもの」とは?なぜか幕に覆われた正門ではない。レドが睨みつけている「あるもの」とは緑髪のエルフであり、本来は正門の警備などするはずのない人物。自分とレイラの命を狙い、自らの技をことごとく防いだ挙句に野原へ捨て置いた因縁の相手。共和国数十万殺し。百年王の側に仕える魔女にして、王に仇なす者を闇に葬るフードの死神……フィリア王国騎士団副団長・第二席エリス・フィンベル!その忌むべき名の代わりに、自らが付けたまたの名を顔を歪ませながら呟いて。)

バカエルフ……!馬鹿な、なぜこんなところに……!

  • No.1122 by エルフリーデ  2025-11-20 11:30:05 

>1121

私よりもあんなエルフの方がいいんですかぁ?そうだ、レドさん。今晩はアリシアさんと三人で楽しいことしましょうよ。ね?

(すっかり外にいるエリスにレドの関心が向けられたことに、エルフリーデは少しだけ妬いてしまったようだ。一層身体を密着させると、エリスから興味を逸らすべく甘い声色でレドの耳元に囁く。恋愛においては純真なアリシアが同意する訳もないのだが、エルフリーデにはそんなことは関係ない。断るのならアリシアの目の前で見せつけるまで、がっちりとレドの腕をホールドしている様からはそんな本気度合いが窺える。
一方で馬車は何事もなく正門を通過するが、その刹那、自らに向けられた敵意に気が付いたエリスはレドに視線を返して、挑発するかのようにニヤッと口角を吊り上げた。エルフ種特有の高潔さはどこへやら、相変わらず性格の悪いエルフである。)

  • No.1123 by エリス/カトリーナ  2025-11-20 13:43:08 

過去編「たとえ命に代えても」

近寄らないでッ…!

(王城の一室に、罵声と共にティーカップの割れる音が響く。声の主はカトリーナ、フィリア王国の第二王女である。王族の中でも聡明で、他国に嫁いだ姉に代わり王位継承の有望株に数えられている一人だ。そんな彼女が今、珍しく気が立っている様子であった。罵声を浴びせられたメイドは信じられないといった様子で後退ると、ついには耐えきれずに部屋を飛び出した。後にはカトリーナと散乱した破片のみが残される。)

あちゃー…どうしたのさ。君が取り乱すなんて珍しい。私でよければ話を聞かせてくれないかな?

(騒ぎを聞きつけたエルフが一人、その部屋へと足を踏み入れた。彼女は王国騎士団副団長を務めるエリス。困り顔で頭を掻きながら、ご乱心の王女に臆することなく歩み寄ると、まだ成長途上にある少女の為に膝を折り曲げて、親身に話を聞こうと試みた。)

エリス…あなたは、私の味方…?

勿論だとも。あぁ…王族を守るのが私達騎士の仕事だからね。

(不安げに瞳を揺らしたカトリーナの問いかけに、「勿論だ」とエリスは考えるまでもなく返答する。しかし、あまりに返答が早すぎたためか、カトリーナの目には未だ疑念が感じられた。更なる質問を投げかけられることを察したエリスは少しだけ視線を宙に彷徨わせ、取って付けたかのような理由を並べると、カトリーナは押し黙って頷く。どうやら納得してくれたようだ…エリスは心の内で胸を撫で下ろした。)

お姉様が、亡くなったと聞いたわ…群衆に石を投げられながら…首を刎ねられたと……こんなのおかしいわ、絶対に裏があるの!きっとお兄様が…だから誰が味方か分からなくて…怖くて……私…わたし…死にたくないのっ…!助けて、エリス…!

(涙ながらに心情を打ち明けたカトリーナを見て、エリスの胸は締め付けられる。あぁ…賢いこの子は姉の訃報を聞いて真相に辿り着いてしまったようだ…腹違いの兄弟達が普段と変わらない日常を過ごす中で、この子だけが現実と、身に迫る脅威を見据えている。カトリーナの置かれている状況を冷静に整理すると、エリスは覚悟を決めて瞳を開いた。この子の不安を取り除けるのは私しかいない…私であるべきなんだ。)

そっか…それは怖かったね。大丈夫…全部、私に任せてよ。君は絶対に私が守るから。

本当に…?

私は100年この国を守ってきた副団長さ。人っ子一人守るくらい造作もないよ。

(カトリーナを抱き締めて、頭を優しく撫でる。従者が信用ならないというなら食事だって用意するし、あらゆる身の回りの世話をしたって構わない。文字通り、エリスは全て任されるつもりであった。いつもののらりくらりとした様子など微塵もない姿を前にして、真っ直ぐな瞳でカトリーナが投げかけた問いかけは疑念ではなく最終確認である。エリスは自信満々に胸に手を置いて、己が実績と職務にかけて守り抜くことを誓った。)

そこまで言うなら信じるわ。でも、どうしてそんなにも尽くしてくれるの…?

だって君は………君の亡きお母さんと約束したんだ。何があっても君を守るって。たとえ命に代えてもね。

そう…お母様と……お母様のお話色々聞きたいわ。私、会ったことないもの!

ええと…別の話題にしないかな?もっと楽しそうな話があると思うけど…

勿体ぶらずに教えなさいってば!

(エリスの言葉と表情に嘘は感じられない。しかし、騎士としての使命感に駆られて、というのはエリスの人柄を知る人間であれば誰もが疑問を抱かずにはいられないだろう。どうしてここまで尽くしてくれるのか、カトリーナの尤もな質問に何かを告げようとしたエリスは思い留まり、ばつが悪そうに視線を逸らして暫し言い淀んだ。思考を終えて、言葉を待つカトリーナに視線を戻すと、これは、彼女が産まれてすぐに亡くなったという母親との約束なのだとエリスは語る。「たとえ命に代えても」、この言葉に、決して他人事ではない覚悟を宿して。母との約束と聞いてカトリーナはさらに興味を示すが、これまたエリスはばつが悪そうに天を仰ぎ見た。なんとか話題を逸らそうとするがカトリーナはなかなか引き下がらない。問答の末に最後にはカトリーナが折れて、代わりに一晩中エリスの生い立ちや趣味趣向、果ては恋愛遍歴まで、根掘り葉掘り質問責めされたのであった。)

  • No.1124 by レド  2025-11-21 08:28:15 

>1122

ちょっ!何言ってんだよ!そんな親善あるか!あんた何しに……

(さすがにエルフリーデが密着を強くして、その上耳元で爆弾発言をしてきてはレドの意識もエリスから彼女へと戻る。身体をバタバタさせて彼女の密着に抵抗しようとするが……)

な…………ッ!

(緑髪のエルフがこちらに気味の悪い笑みを返してきた途端、またしてもレドの顔と身体は一瞬で凍り付く。まるで全てを見通したかのようなその笑みに心臓を射貫かれた感覚がする……思わず握りしめた刀も手から落としてしまい。しばしの硬直の後、思わず顔から流れ出た冷や汗を指で拭って)

人を弄ぶしか能の無いバカエルフめ、そうやっていつまでも笑っているがいい!この世に生まれて二十余年、いつも命を張ってきたこの俺だ。百年物の置物とは格が違うと、証明してやる……!

(エリス・フィンベル。百年王に仕える副団長。だがレドからすれば意味もなく自分を生かし、今こうして自分がもがいているのを笑うために何百年も生きている性悪エルフにしか見えない。……そういう女が第一王子派という安牌に属していないのは何故だろう……という疑問を頭の片隅に残しつつも、そのふざけた糸目をいつかひんむかせてやる!と改めて誓うと、冷や汗で湿った手を握りしめ、歯を食いしばり、エリスのいた方へ怒りの形相を向けて)

……というわけでシリアスな雰囲気で行きたいんだ。そろそろ離れてくれないかなエルフィ?

(何はともあれ当面の心配はこの帝国兵、エルフリーデだ。自らの腕を包む柔らかい感触にちらっと視線をやってから、彼女の顔に困り顔を向けて。敵意は逸らしたが別の意味で心配になってきた。夜這いとかされないかな、天井裏とかで寝た方がいいかもしれない……)

  • No.1125 by エルフリーデ  2025-11-21 13:20:55 

>1124

仕方ありませんねぇ…レドさんはほかの女にご執心のようですし、今日は諦めてあげます。

(レドが抵抗する度にぷるんと擬音を出して揺れていた双丘は、困り顔を向けられたことでついに腕から離れた。どんな感情であれ、自分以上にあのエルフがレドの気を引いたことが面白くないのであろう、エルフリーデは不貞腐れて窓の外に視線を向けてしまう。しかし、「“今日は“諦める」という言葉からも分かる通り、レドの貞操の危機は依然として健在のようだ。
しばらくして、馬車は王城の敷地内に併設された近衛隊庁舎前で停車し、黒い軍服に身を包んだ二名の近衛隊騎士に出迎えられる。馬車の中から見える二人の顔は爽やかな笑みとは裏腹に瞳に光が宿っておらず、「不気味な組織」という世間一般的な近衛隊の印象を裏付けるものであった。)

  • No.1126 by レド  2025-11-22 08:36:23 

>1125

ふぅ……そうむくれるなよエルフィ。ありゃ俺の人生を変えた女……命がけの恋人なんだ。

(エルフリーデのとてつもない武器の感触が腕から離れたのを感じ取ると、つい今までその感触が残っていた腕に視線をやり、安堵の溜息を吐いて。すっかり拗ねてしまったエルフリーデに静かな視線を向けつつ、先のエルフの事を語って。エリス・フィンベル。第一王子派でもアリシア派でも無い副団長。行動原理はまるで分からないが、今回の件で介入してくることは間違いないだろう。その時こそケリをつけてやると誓いながら窓の外をちらりと見ると、いよいよ近衛隊庁舎に到着したと気付く。)

さあ着いたぞエルフィ。支度はいいか。

(エルフリーデに呼びかけながら落とした刀を拾い、出迎えの近衛兵を無表情で見つめて。どこまでも人をコケにするバカエルフのものとはまた違う、張り付いたような気味の悪い笑顔だ。会食で初めて会った時のアリシアのような……あれも悪魔憑きなのだろうか、と考えを巡らせつつ、馬車のドアが開くのを待って。)

  • No.1127 by エルフリーデ  2025-11-22 11:03:49 

>1126

へぇ…人生を。それでは、そう遠くないうちに私もレドさんの人生を変えてあげます。楽しみにしていてくださいね。

(エルフによって人生を変えられたと聞いて、エルフリーデは対抗意識を燃やしたようだ。視線をレドに戻したかと思えば、二ッと口角を吊り上げて、自分の手でレドの人生を変えてみせると宣言する。その目はまさしく捕食者のものであり、人生を変えるとは即ち既成事実を作るということに他ならない。レドが身を守る為にも、屋根裏で寝るという選択肢はもはや現実的なものになりつつあった。宣言を終えると同時に外で控える近衛兵によって馬車のドアは開かれ、支度を終えたエルフリーデはレドの確認の言葉に頷いて、共に馬車を出る。)

お待ちしておりました。エルフリーデ殿、そしてレド殿。エルフリーデ殿はコンラッド殿の元へ、レド殿はアリシア様の元へ別々にご案内致します。

(馬車を出た二人に男の近衛兵が恭しく頭を下げる。行き先が異なる為、別々に案内する旨を伝えると、もう片方の女の近衛兵にエスコートされる形でエルフリーデはその場を後にした。またすぐに会えるのだが、名残惜しそうにチラチラとレドに視線を送る様はなんとも乙女らしい。残された男の近衛兵の方も「お荷物はお部屋まで運んでおきますのでご心配なく」と前置きした上で、レドをエスコートすべく背を向けた。VIP待遇に慣れている為か、所作の一つ一つが丁寧で洗練されたものであるが生気のない瞳も相まり、まるで精巧な人形のような不気味さを醸し出していた。)

  • No.1128 by レド  2025-11-22 20:34:14 

>1127

は、はぁ。そりゃどうも……

(なんだか変な方向にスイッチが入ってしまったエルフリーデの宣言に何とも言えない顔を向けて。馬車を降り、近衛兵の片割れにエスコートされ去り行く彼女の背中をげんなりした顔で見送って……ああ、ゆっくり寝られる保証すら無いとはとんでもない話を受けたものだ……だがある名前が頭に引っかかると真顔になる。「コンラッド殿」、連れの帝国兵だろうか。帝国もアリシアも、この王国で一体何を……と考えつつ、案内係の近衛兵に向き直って。)

ん……かたじけない。これからよろしく頼む。

(近衛兵に淡々と挨拶して後をついていき。何とも底の見えない男だ。近衛じゃなくて刺客の間違いじゃ……この配下の有り様といい帝国を呼び寄せた件といい、アリシアも最早悪魔に呑まれてしまったか。あの夜のことは幻だったのだろうか……一抹の不安を抱えつつ、眼前にそびえ立つ白き王城を見上げて。農民が王城などを目の前にしては緊張で立ち竦むだろうが、色々なものを抱えるレドは緊張どころではない。表情も足取りも、むしろ静かだ。)

ま、やるだけのことをやるんだ。そうだろう師匠(オヤジ)。

(師匠から貰い受けた白きケープをはためかせつつ、視線を近衛兵の背中に戻して。天を黒鷲が覆い、地に悪魔が笑うこの王城に、いま一羽のカラスが舞い降りる。)

  • No.1129 by アリシア  2025-11-22 22:34:41 

>1128

レド殿をお連れ致しました。

(シエルが特異なだけで基本的に近衛兵は馴れ合いを好まないようだ。道中振り返ることなく淡々と歩みを進め、ものの数分で近衛隊庁舎の最上階へと辿り着く。そこに佇むのは今やアリシアのものとなった近衛隊長執務室。扉をノックして短く要件のみ伝えると、「通してください。」というアリシアの指示に従い、そのまま扉を解放してレドへ入室を促した。)

レド殿、お待ちしておりました。突然のお呼び立て、申し訳ありません。お疲れでしょうしソファに…と言いたいところですが、すみません。もう一つ我儘を聞いてほしいのです。少しだけ…甘えさせてください。

(レドの顔を見るなりアリシアは仕事の手を止めた。机の上には山積みの書類が並んでおり、騎士団の役職者が如何に激務かを物語っている。視線のみで近衛兵を下がらせると、二人きりになって初めてアリシアはその顔に柔らかな笑みを浮かべた。軽い足取りでレドへと歩み寄り、ひとまずは急に呼び立てたことを詫びる。本来であれば、レドの労をねぎらって休憩がてら雑談と言いたいところだが、今のアリシアはそれどころではない。レドと一夜を過ごしてからというものの胸の高鳴りが治まらないのである。頬を赤らめながら、抑えられない衝動に抗うこともなくレドに抱き着くと、その胸板に顔を埋めた。しばらく全身でレドを感じて落ち着きを取り戻すと、普段とは違うレドの装いに上目遣いで感想を告げる。)

そのケープ、良くお似合いですね。

  • No.1130 by レド  2025-11-23 14:07:31 

>1129

(近衛兵に従いながら庁舎の中を進んで。道中は雑談一つさえ無く、響くのはカツカツという足音ばかり。やがてアリシアの待つ執務室に辿り着くと、ただ事務的な彼女の声が返ってくる。親しみやすさとは程遠い国王直属の近衛隊、二十越えたばかりの俺がどうやって剣術指南するべきか。そして今アリシアはどうなっているのだろう……無表情の下に悩みを隠しつつ、入室すると「冒険者レド、お召しにより参上しました。」とアリシアに一礼して。)

あ、アリシア様!?お会いしとうございました……
……このケープは亡き師の形見にして宮仕えの装い。これを纏いながらアリシア様にお仕えできること、光栄に存じます……!

(意外!アリシアの様子はつい今朝がた友人を帝国兵の生贄にした指揮官と同一人物とは思えないほど優しい。そう、一夜を共にしたあの日の時と同じだ。驚きと安堵に顔を緩めながら、アリシアの身体を受け入れて。上目遣いの彼女に視線を合わせ、照れながら褒められたケープの事を語って。ふと机を一瞥すれば山積みの書類が見える。そこにアリシアが抱える近衛隊の、そして名門ライデン家の惣領としての重責を感じ取れば、彼女を優しく抱きしめて。羽二重で織られた白絹のケープ。冒険に持ち出すには勿体無く、宮仕え用に、アリシアの下へ参じるために取っておいたそれはなめらかに輝き、レドの印象をより柔らかくする。)

  • No.1131 by アリシア  2025-11-23 16:38:03 

>1130

なるほど、お師匠様の美的センスには感服致します。今やご挨拶に伺えないことが残念でなりません…

(レドの話を聞きながらケープへと視線を移すと、形見でありながら非常に状態が良い事に気が付く。きっと仕立ての良い品なのだろう、レドの黒い装いに対象的な純白のケープは良く映える。もし、いずれレドが纏うことまで考えていたならば、そのセンスには感服するほかにない。愛おしそうにケープの手触りを確かめながら、今や挨拶に伺うことも叶わないレドの亡き師へと想いを馳せて、アリシアは顔を伏せた。そして、同時に何かに気付いてピタリと動きを止める。そう、先程まで別の女(エルフリーデ)が密着していた事もあり、石鹸の甘い匂いがレドに移っていたのだ。アリシアはゆっくりと顔を上げると、不安に瞳を揺らしながら問いかける。)

レド殿…その…決して浮気を疑っている訳ではないのです。ただ、ほかの女の匂いがしてはどうにも不安になってしまって……再会して早々にはしたないのは承知していますが…今一度、愛を確かめさせてください。

(まさかレドが帝国兵に目を付けられたなどとは想像もしていないが、冒険者である以上は性別問わず様々な付き合いがあるのだろうとアリシアは理解しているつもりである。決して浮気ではないと、レドに対する信頼は揺らいでいない。しかし繊細なアリシアは、異性としての魅力がないのではないかと、自分自身に対する言い知れない不安が心の奥底で燻っていた。その不安を拭う為にも、再会早々に身体を求めることははしたないと承知の上で、瞳を潤ませてキスをせがんだ。レドも気が付いている通り今のアリシアは本来の人格である。きっとレドとの接触がその人格を呼び覚ますトリガーとなっているのだろう。あの夜と同じく、一人の恋焦がれる乙女としての懇願であり、皮肉にも、これから先アリシアを裏切ることになるレドへの洗礼でもあった)

  • No.1132 by レド  2025-11-23 20:23:08 

>1131

う……事情は後で説明します。ただひとつだけ……アリシア様。俺はいつでも、アリシア様の味方ですよ……

(どうやらエルフリーデの匂いを嗅ぎ取られたらしい。やってくれたなあのバカエルフ二世……と、一瞬気まずそうな顔をしながらも、すぐ穏やかな顔になってアリシアの願いを受け入れて。「俺はいつでもアリシア様の味方」。彼女を裏切る密命を帯びておきながら恥知らずな発言だ。しかしアリシアに潜む悪魔が聖教国どころか、帝国、果ては同じ悪魔まで呼び寄せた以上、彼女を止めなければならない。せめて今だけは彼女の孤独と重責を癒してあげたい……そんな葛藤を胸に目を閉じ、アリシアの頭と身体をそっと抱き寄せれば、彼女の唇に自らの唇を重ねて。)

  • No.1133 by アリシア  2025-11-24 05:16:08 

>1132

んっ…ふっ…レド殿…その言葉を聞けて安心しました。いつまでも…お慕いしております。

(目を閉じ、甘い吐息を漏らしながら身体を委ねる。しばらくして顔を上げると、未だ興奮の冷めない潤んだ瞳をレドへ向け、愛おしそうに彼の頬に手まで添えて、信頼と、変わらぬ愛の言葉を紡いだ。唇を重ねたことで不安が拭えたのだろう、緊張が解けてアリシアの身体は脱力し、一時的に、あの夜と同じくレドの支えなしでは立つこともままならない状態となっている。激務によるストレスの反動でもあるのだが…今はそれすらも心地良いといるほどに、全幅の信頼を置いた相手に全てを委ねるような感覚に快感すら覚えていた。その危うさは、未熟な身体と精神に悪魔を宿し、神経を擦り減らしながら政にかまける彼女の限界が近いことを示すものでもあった。)

  • No.1134 by レド  2025-11-25 01:40:37 

>1133

ん……っっ…………!
……はぁ、はぁ…………アリシア様、だいぶお疲れのようで……一旦ソファで休みましょう。気の済むまで側におりますから。

(愛する人の柔らかい唇を心の赴くままに吸ってから、紅潮した顔、潤んだ瞳をアリシアに向けて。彼女の優しい手を頬に受けるその顔の距離は、お互いの熱い吐息がぶつかり合うほどに密着している。ああ、こうしていつまでも愛を交わせていられたら……と願いつつアリシアを抱き寄せていると、彼女の柔らかい身体にまるで力が入っていないことに気付く。あの「地獄の門」とやらを使った形跡も無いのに。どうやら近衛隊という重責そのものが彼女を苦しめているらしい……アリシアの膝裏に手を回すとお姫様抱っこして、ソファに座って休みましょうと提案して。無論ライデン家としての誓いがある以上、事を起こす気は無い。共に座ることでアリシアを心身共に癒したいだけである。穏やかな顔がそんな下心の無さを物語る。)

  • No.1135 by アリシア  2025-11-25 14:22:18 

>1134

お気遣い感謝します。そうですね…色々と話すべきこともありますし、ひとまず休憩に致しましょう。

(熱い口付けを終えてしまったことに名残惜しさを感じるも、抱え上げられたことで再びアリシアの胸はときめいた。口付けを交わす時とは違ってお互いに目を瞑っておらず、赤く染った顔を見られるのが恥ずかしくて、思わずアリシアはレドの胸板に顔を埋める。そんな状態でも何とか言葉を紡いで休憩に同意すると、ソファに移るまでにレドの負担を減らすべく、身体が揺れないようにギュッと力を入れて抱き着いた。エルフリーデよりは小ぶりなものの、服の上からでも分かる確かな柔らかさがレドの身体を包み込む。)

  • No.1136 by レド  2025-11-26 06:52:54 

>1135

はわっ!?アリシア様!?……こ、こういうのも、心地よいものですね。あはは…………あっいや、すみません。座りましょう……

(アリシアに強く抱きしめられると、彼女を抱きかかえた状態のままうろたえて。密着が強くなって、彼女特有の温かくて柔らかい感触も肌に伝わってくる。このままずっとこうしていようか……と流されそうになると、首をブンブン振って思い直し、動き始めて。御者もそうだが、こうしてアリシアの寵愛を受けて剣術指南になったことを快く思わない人間は近衛隊の中にも腐るほど存在するだろう……「愛人枠で選ばれた男」などと見られては彼女も傷つく。実務面でも支えにならねば……と決意すると、アリシアを静かにソファに座らせ、自らも隣に座って。)

  • No.1137 by アリシア  2025-11-26 08:32:22 

>1136

ふふっ、レド殿が望むなら…好きに触っても構いませんよ。ああ、でも…今はまだ早いですね。そういうのは夜に取っておきましょうか。

(初心なレドの反応を見てアリシアの内なる嗜虐心が刺激された。顔を上げると、レドが狼狽えた要因たる双丘に手を添えて、艶かしい笑みと声色で好きに触っても良いと言ってのける。揶揄い半分、本気半分といったところであろう。相変わらず、隙を見せればすぐに小悪魔的な振る舞いをする女である。アリシアの恋愛観では口付けのみならず、多少なら婚前に身体に触れることもセーフのようだ。レドなら勢いのまま一線を越えることはないだろうという確かな信頼があってこその提案でもあり、返事を聞く前からまるで確定事項かのように夜にしようと言い出すあたり、アリシア自身も乗り気の様子である。座らされたソファで、レドに寄りかかりながら上目遣いで顔を覗き込み、反応を伺うその様子は心底楽しそうであった。)

  • No.1138 by レド  2025-11-28 05:02:09 


>1137

んなっ!?かっ、からかわないでくださいよアリシア様……
あ……そういうことでしたら、夜部屋に人が寄り付かないようにしていただけませんか……その、間違って誰かに見られたり……入ってこられたら大変なので……

(「触っても構わない」、そんな挑発的な言葉に面食らって身体をビクッとさせて。ついその柔らかな双丘に手が伸びそうになるが、おあずけを食らうとピタッと止まって。すっかり翻弄されている。これは悪魔じゃなくて素の性格なんだろうか……と、むずむずした顔になって。レドは小悪魔的な女に弱いのだ。
何か思いだしたかふと天井を見上げると、すっかり赤くなった困り顔をアリシアに向け……いや、彼女の小悪魔的笑顔に目が反らせなくなって、夜部屋に人が寄り付かないようお願いして。男として断る理由は無いが、エルフリーデが乱入してきたら最悪だ……そうなればどんな淫らな、いや恐ろしい光景になることやら……とアレコレ想像すると、指を頬で掻いて。)

  • No.1139 by アリシア  2025-11-28 13:35:38 

>1138

それもそうですね…では、今夜は私の部屋にお招き致しましょう。そこならば誰も訪ねてくることはないでしょうから。
それに……じつは、レド殿の泊まり先はあの猫と同室で手配しているんです。最愛の人を別の異性と寝泊まりさせることは不本意なのですが、自由に動かれては困りますし…やむを得ません。レド殿にはご不便をお掛けしますが、ご協力をお願いします。そ、その……色々と溜まった時は私を頼ってもらえれば…精一杯頑張ります…

(レドの懸念を聞いて、アリシアは顎に手を添えて少し考える素振りを見せると、レドを私室に招くことに決めた。一般の宿舎に比べれば遥かに立ち入りのハードルが高い為、レドの不安を拭うには十分だろうという判断である。そして、言いにくそうに視線を下げ、間を置いて言葉を続けるアリシアは、さらなる理由…衝撃の事実を明かした。その内容はエリーゼの監視のためにレドと同室で宿泊先を手配したというものである。不本意だと言うアリシアの言葉に嘘はなく、説明の最中にも無意識にレドの服の袖を強く握った。年頃の青年が同年代の異性と相部屋、何がとは言わないがきっと溜まるものもあるだろう。万が一にも間違いを犯さぬように、そういった困り事は自分に任せてほしいと告げるアリシアであったが、内容が内容の為に先程までの小悪魔的余裕は既になく、いつの間にか自分を見据えるレドにも負けない程に顔が赤く染まっていた。)

  • No.1140 by レド  2025-11-29 23:43:18 

>1139

~~~~~~!!!
いっいけませんアリシア様!シエルから事の重大さは伺っています!おっ、俺もひとかどの剣士、任務に集中しますから!こ、今夜もそういう事はなさらなくて結構ですから……!

(アリシアのとんでもない発言に、袖を握られてない方の手で顔を覆い、声にならない声を上げて。顔などはもう溶岩のように真っ赤で、湯気まで出るほど熱くなっている。私室に招かれるだけでも相当なことなのに、エリーゼの監視に際しての「困り事」の処理までさせたら、もうアリシアの婚前の誓いを守れない……!首をブンブン振りながら、上ずった声でアリシアの提案を否定して。)

  • No.1141 by アリシア  2025-11-30 15:48:18 

>1140

そ、そうですか…それ以外にも何かあれば遠慮せず相談してくださいね。
コホン…では、本題に移りましょう。指南役の具体的な職務内容をこちらの契約書に纏めてあります。ご確認の上、問題がなければサインをお願いします。

(レドの仕草や表情などから自分を思いやってのこととは理解しているが、全力で否定されたことに少しだけ自信をなくしたのだろう。アリシアは暫しシュンとした表情で俯くものの、咳払いをしてすぐに話題を切り替えた。袖から手を離し、そのまま自らの懐に収めていた封筒を取り出す。中には指南役の詳細が書かれた契約書が仕舞われているようだ。正式な書類だけあり小難しい言い回しで記載されているが、内容は大まかに以下の通りである。
・招集期間は二ヶ月 ・出勤は週三日 ・一日の実働時間は二時間 ・給金は月額で金貨十枚 ・成果次第で追加報酬あり
宮仕えだけあり、平民が休まず働いてやっと月収が金貨5枚ということを考えれば破格の待遇であった。そして、最後の追加報酬の一文のみ筆跡が異なることから加筆されたものであることは明らかであり、綺麗ながら丸みを帯びた女性らしい字体を見るにアリシアの好意であることが窺える。)

  • No.1142 by レド  2025-12-01 01:38:28 

>1141

ははっ。では確認します……。……身に余る光栄です。ご厚遇に感謝いたします。…………。

(契約の話に入ると一転して氷のように冷たく静かな顔つきになり、アリシアの懐のぬくもりが伝わる契約書を両手に持ち、その文面を目で追って。たったこれだけの労働時間でこんな大金が……しかも近衛隊剣術指南という名声までつくからには、実際に得られる富はこれ以上と見える。剣を振る以外に生きる術のない、明日も知れない冒険者や剣術使いならこぞって仕官を求め……なんならこの指南役の座をかけて決闘まで始めるだろう。そんな厚遇を改めて認識すると、静かに礼を述べて。
ふと、クレアからもらった金貨が忍ばせてある胸元にそっと手を当てつつ、アリシアの机の書類の山……騎士としての重圧を空しそうに眺めて。クレアさんは騎士として誰より強く清らかだったのに……いや、だからこそ騎士社会に心を壊された。そしてアリシアもまた……おそらくこの国で剣術指南をしていたであろう師匠(オヤジ)が多くを語らなかったのも今は分かる。この王国には優れた者、優しい者を潰す魔性が潜んでいるのだ……
この破格の待遇を誇る剣術指南もまた、剣士の心を歪める甘い罠。もしこんな剣の職など無い、剣を取らずに生きられる世界があったなら、クレアさんもアリシアも幸せでいられたろうか。もしそんな世界が拓ける機会に巡り合えたなら、俺は二人をその先へ送り出し……黙って去ろう。俺は剣を振ることしかできないから……)

……おっと失礼しました。謹んでお受けいたします、ご厚遇に見合う働きを……んん?

(……などという妄想に逃げている暇は無い。首を振って改めて視線を契約書に戻して。いずれ裏切るその日まで、せめて指南役としてアリシアを支えたい……矛盾した想いを胸にペンを取ろうとした矢先、ふと明らかに筆跡が違う最後の一文が気になって、そこを指差しながらおずおずと質問して。)

あの、この「追加報酬」とはいったい……?これはアリシア様が書き足されたようですが……

  • No.1143 by アリシア  2025-12-01 14:49:29 

>1142

さすがレド殿、お気付きになられましたか。ええ、それはほんのお気持ちです。レド殿は指南役の任とは別に監視任務がありますので、その分の報酬を「追加報酬」という形で加えさせていただきました。額にして金貨二枚を予定していますが…ご不満でしたら引き上げることも検討致しましょう。

(契約書を眺めるレドの冷たい顔つきを、アリシアは自身の頬に手を添えてうっとりと眺めていた。レドならば筆跡の違いにも勘づくだろうと予想していたが、案の定それについて質問が飛んでくる。アリシアはニコッと微笑んでレドの慧眼を称えると、「追加報酬」の真意を明かした。通常の指南役とは異なり、監視役としてレドは赤の他人(とアリシアは思い込んでいる。)のエリーゼと決して短くはない期間を同室で過ごすことになる。その心的負担を考慮してのアリシアの計らいであった。勿論のこと監視任務は機密事項の為、あえて成果次第の追加報酬と表情を濁したのであろう。指を二本立てて追加報酬の予定額を伝えるアリシアは、それでも足りなければ増額も考える旨を話すが、この提案は、同室で過ごす中でレドがエリーゼに惹かれてしまうのではないかという恐れの現れでもあった。)

  • No.1144 by レド  2025-12-03 00:12:14 

>1143

なるほどそういう事で……なに、それだけ頂戴できれば満足ですよ。むしろお心遣いに感謝するばかりです。

(「追加報酬」の真意を知るとふっと笑い、増額の提案には首を振って答えて。別にタダでもいいんだが、アリシアの好意を無にするのも失礼だ。最初の提示通り金貨二枚で了承するとペンを取る。”Ledo”。たった四文字、苗字すら無い自らの名をさらっと紙に書き記すと、ペンをそっと置いて。)

もうひとつ。あの猫に魂を売ることはありません。もし約束を違えたら……この命、アリシア様に差し上げましょう。

(サインを終えると、一転してアリシアが懸念している猫(エリーゼ)の事を冷たく語って。アリシアに密命を感づかれないため意識しているとはいえ、騎士として苦しんだクレアを見て以来、エリーゼの事は半ば本気で見下し始めている。獣人だからでは無い。宮廷≒第一王子派だからである。あの男は独自に私兵を飼っていると噂で聞く。エリーゼ……良心的な人とはいえ彼女も結局王子の飼い犬、いや飼い猫に過ぎないのだろうか……
言い終えると自らの長い東刀をわずかに抜く。赤鞘から覗く白刃に右手親指を添えて指に傷をつけると、先の署名の隣に血で濡らした親指を擦りつけて。血判。紙の上に血を置いた物が何の証明になるのだろう。これから裏切るというのに……それでもアリシアへの愛の証は示したい。事が露見したら彼女に刺されても構わない……そんな気持ちを刻んだ契約書を左手でそっと、アリシアの前に滑らせて。)

  • No.1145 by アリシア  2025-12-03 21:05:37 

>1144

ふふっ、謙虚で誠実…貴方のそんな所が堪らなく愛おしいです。
それでは、確かに受け取りました。これからよろしくお願いしますね。レド先生。

(欲をかくこともなく、それでいて自分の不安を汲み取り、目に見える形でそれを払拭して見せたレドの行動にアリシアの頬は堪らず緩んだ。こちらも言葉で愛を示すと、差し出された契約書を懐に仕舞い、未だ血の滲むレドの右手を優しく両手で包み込む。裏切られるとも知らずに眩い笑みを浮かべ、今しがた契約を結んだことで指南役となったレドに対して嬉しそうに敬称を付けて呼ぶその様は、真相を知る宮廷の人間が見れば滑稽に映ることであろう。自ら裏切り者を招き入れ、アリシアの政局が大きく不利に傾いた今、契約書は単なる雇用関係を示す紙切れではなく、アリシアのその後の人生をレドに背負わせる代物と化したと言っても過言ではない。それは対価として得られる金貨よりも余程重たい代償であった。)

  • No.1146 by レド  2025-12-05 07:19:49 

>1145

先生だなんてそんな。はは、こそばゆいな……近衛隊剣術指南、謹んでお受けいたします。この剣をもってアリシア様のために尽くしましょう。

(「先生」、自分とは縁遠い肩書きで呼ばれ思わず照れ笑いして。政治屋め。人の愛を利用して、しかも「ご自身でアリシア殿をお守りすればいい」などとナメた口をきく。まるで任務が終わったら二人とも始末すると宣言されたようなものだ。だからこそ消えても困らない野良冒険者など使うのだろうが。勝負は始まったばかりだ、どっかで出し抜いてやる……まだ何にも思い付かないけど。そんな決意を胸に秘め、血のにじむ自らの右手を優しく包むアリシアの両手に左手を添えると、穏やかに微笑みながら忠誠を誓って。)

  • No.1147 by アリシア/ルイーズ  2025-12-05 19:15:21 

>1146

ありがとうございます。その言葉…とても頼もしいです。
さて、トラブル続きでレド殿もお疲れでしょう。そろそろお部屋に…

(まるでプロポーズかのような忠誠の言葉に、アリシアは顔を真っ赤に染めて感謝を述べる。
この時間が永遠に続けばいいのに…そんな思いを胸の内にしまって名残惜しそうに手を離すと、レドの疲労を考慮して別れを切り出した。エリスとの闘いや報告を受けた今朝のトラブル…自分の前では顔に出さないだけで、きっと休息が必要な状態に違いない。契約書にサインを貰った以上はこれ以上呼び止める理由もない。色んな理由を付けてアリシアは自分を納得させて、なんとか言葉を紡ぐものの、タイミング悪く扉をノックする音に遮られる。続けて「入って宜しくて?」と扉越しに幼い声色ながら格調高い喋りで質問が投げかけられると、その声を聞いてアリシアは苦笑いを浮かべながらも「お入りください」と、そう返すほかになかった。)

ふふっ、御機嫌ようアリシア。少し時間が出来たから遊びに来てしまったわ。あら…先客がいたのね。お邪魔だったかしら?

滅相もございません。今しがた用事を終えたところです。
此方はレド殿。本日より近衛隊の指南役を引き受けてくださいます。

へぇ、若いのに凄いじゃない。指南役の名に恥じない働きを期待しているわね。

(開かれた扉から姿を現したのは第三王女ルイーズ・フィリア。その容姿は瞳の色を除けば今は亡き第一王女の生き写しのよう。そんな彼女がアリシアを筆頭に近衛隊から次期王位継承者として支持されていることは、この国の政治に詳しい人間には周知の事実である。そんな間柄のため、度々こうして近衛隊庁舎まで足を運んでいるのだろう。扉からアリシアの元まで歩み寄るまでの身のこなし、幼い容姿に似合わない丁寧な所作の一つ一つは、王族の教養の高さを示すと同時に年相応の振る舞いも出来ない不自由さを感じさせるものであった。そして、目を引くのは王女だけではない。後ろに従える二人の侍女。一人は犯罪組織「サンクタ・ラミア」の所属を示す黒蛇の刺青を頬に刻んだ凛とした銀髪のエルフ、もう一人は一見朗らかな雰囲気を纏いながらも暗殺者特有の癖で不自然なまでに足音を消して歩く茶髪の侍女。どうにも第三王女陣営は訳ありの人間が多いようだ。アリシアの紹介を聞いてルイーズはレドに顔を向けると品定めするように目を細め、その年齢で指南役に選ばれた栄誉を称えながらも、地位に見合う相応の働きを見せるように釘を刺した。ここは凡ゆる謀略の渦巻く王城、こんな幼子でもそう簡単に人を信用することなど出来ない…まさしく魔境と呼ぶに相応しい場所であった。)

  • No.1148 by レド  2025-12-06 17:58:05 

>1147

……!お初にお目にかかります、ルイーズ殿下。この度近衛隊指南役を仰せつかりました、レドと申します。お目通り叶いましたこと、光栄に存じます。

(思いがけない来客……第三王女ルイーズ、アリシアが擁立する最年少王位継承者。人生において初めて拝謁する王族の存在を確認すると立ち上がり、すっと右手を胸に添えると、静かに頭を下げながら自己紹介して。頭を下げる角度は深すぎず、そして膝はつかない。剣術指南はあくまで外部招聘の技官であり、臣下の礼の義務は無いからだ。
「冒険者」。鍛えた剣や魔法を操り、いくばくかの報酬と引き換えに依頼を遂行する者たち。支配という名の権力、忠義という名の束縛が横行する世界において、何にも与する事のない例外的な存在である。礼は尽くすが服従はしない、レドの立礼はそんな冒険者の矜持の表れと言ってよい。)

若輩者ではありますが、東刀使いとして相応しき働きをお見せする所存。以後よろしくお願い申し上げます。

(頭を戻すと視線は鼻のあたりに向け、そのルミナ姫に似た顔をむやみに睨みつけないようにして。両脇に控えるふたりの侍女には視線を向けず、ただ視界の端に入れるにとどめる。異様な刺青のエルフはもちろん、茶髪の方もただならぬ身のこなし。第三王女の用心棒だろう。こちらもジロジロ見るべきではない。まるで貧民街の犯罪組織のような淀んだ雰囲気を放っているが、呑まれたら剣士として終わりだ。幼子でありながらこちらを小僧扱いする第三王女の挑発的な態度にも流されず、静かに、簡潔に、そして堂々と、ふだんろくに使わない改まった敬語で口上を述べて。)

  • No.1149 by アリシア/ルイーズ/セレナ  2025-12-07 14:56:18 

>1148

ふーん…ま、せいぜい頑張りなさい。
用事は終わったのでしょう?アリシアは私が借りるから貴方は部屋に戻ってなさい。セレナ、ご案内して差し上げて。

(金の為なら何でもする下賎な輩…冒険者に対してそんな偏見を抱いていたルイーズだが、少なくとも目の前の指南役はそれなりの振る舞いを心得ているようだと、ツンとした態度の裏で一定の評価を下していた。しかし、生まれたその瞬間から政争の渦中にある王族の信頼を勝ち取るにはまだ足りない。最初から期待など捨てているかのような歳に似合わない冷めた視線は、無垢とは程遠いこの幼子の心を開くのに相応の時間と実績を要することを示していた。厄介払いするかのように部屋に戻れと催促すると、お付きの侍女…セレナと呼ばれた刺青のエルフに案内を任せた。)

そういう訳ですので…レド殿もお疲れでしょうし、しばらくお部屋でお寛ぎください。…また夜にお呼び致します。

(警戒心を隠そうともしない主の振る舞いにアリシアは再び苦笑いを浮かべつつ、こちらはレドを気遣って部屋への移動を促した。最後にコソッと耳打ちして夜の約束を取り付けると、口元に手を添えて悪戯な笑みを浮かべる。
一方で、案内を任されたセレナは既に扉に手をかけ、レドの様子を窺っている。決して急かす意図はないのだが、人見知りのせいで言葉が出ない上に目つきが悪い為そう捉えられてもおかしくはないだろう。この後、二人で廊下で何を話そうか、どう話題を振るべきか…人見知りなりに色々悩んでいるのだが、その険しい表情は傍から見ればレドを睨んでいるようにしか見えない。)

  • No.1150 by レド  2025-12-07 22:29:59 

>1149

ッッ……!んん、恐れ入りますルイーズ殿下。では失礼いたします。

(去り際のアリシアの悪戯に思わず身震いするがここは殿下の前。咳払い一つして気持ちを切り替えると、第三王女に一礼して。それにしても自らの侍女に近衛隊庁舎の案内をさせるとは、どうやら近衛隊は第三王女の私兵と化しているらしい。第三王女を支持するアリシアを密命で排除した暁には彼女も粛清されるだろう。「政治屋め、何が「我々の最優先事項は抗議運動の沈静化」なものか。完全な権力争いじゃないか」という気持ちと「とはいえ確かに近衛隊も第三王女も歪んでいる。放置すれば内乱が起きて……クレアさんが安心して暮らせなくなる」という気持ちのせめぎ合いを凛とした表情の中に隠しつつ、案内を務める刺青の侍女、セレナに向き直って。)

セレナ殿、私も近衛隊庁舎には不慣れ……よしなに頼みます。

(刺青の侍女、セレナの目つきがやけに鋭い。気味の悪いさっきの近衛兵といいこの侍女たちといい、これじゃ近衛隊じゃなくて暗殺教団だと内心で突っ込むが、セレナの場合は表情が険しすぎる。たぶん緊張だろう……と判断すると緊張をほぐすべく、穏やかに微笑みながら彼女に案内をお願いして。)

  • No.1151 by セレナ  2025-12-08 12:07:27 

>1150

うん…任せて。

(レドの方から話しかけてくれたこともあり、未だ緊張は残るもののセレナの表情は幾分か柔らかいものとなった。口下手なのか最低限の返事を返すに留まるが、僅かに吊り上がった口角を見るに随分と嬉しそうな様子である。ルイーズに一度頭を下げてから、扉を開いて歩みを進めた。)

あ、あの…その…レドさん。初めて会う人だから警戒していたけど…ルイーズ様は本当は凄く良い人なの。だから…嫌いにならないでほしい…

(二人きりの廊下を進みながら、セレナはなんとか緊張を抑えて言葉を紡いだ。厳つい頬の刺青に似合わず、そのたどたどしい喋り方はまるで小動物のよう。話す内容はというと、先程の主の振る舞いの弁明である。幼くしてこんな魔境に身を置いていれば人間不信にもなるであろう…ルイーズのそんな境遇を哀れみ、セレナは少ない語彙力ながら、レドにも事情を理解して貰おうと努めていた。「凄く良い人」なんて言われても抽象的過ぎる表現だが、セレナの瞳と声色からは彼女なりの必死さが窺える。)

  • No.1152 by レド  2025-12-09 12:39:38 

>1151

ふふ、心得ておりますセレナ殿。冒険者とは信頼の得がたい職ですから致し方ありません。なによりアリシア様がお仕えするからには……あっいや、失礼……

(ルイーズの事を弁明するセレナに歩くペースを合わせつつ、心得ていると微笑んで。とはいえレドも多くは語らないし必要以上に褒めない。この王都という魔境、とりわけ王族に関する話題は下手な発言が命取りになる。目の前の純朴そうな刺青のエルフとて、宮廷のスパイかもしれないのだ……と弁えていたつもりだったが、話の流れでエルフと敵対する聖教徒のアリシアを褒めようとしてしまい、気まずそうに顔を逸らして。)

  • No.1153 by セレナ  2025-12-09 17:18:48 

>1152

…気にしないで。確かにあの人は怖いけど…きっと貴方にとっては良い人だから、私はそれを否定しない。

(アリシアの名前が出ると、セレナはピクリと身体を震わせた。エルフである彼女が、身近で権力を持つ聖教徒に恐怖心を抱かない筈もなく、これは本能的な拒絶反応である。しかし、それでも尚セレナはレドの意思を否定せず、真っ直ぐな瞳を向けて、立場によって見え方も異なるだろうと寛容な姿勢を示した。勿論、先程の自らの弁明を受け入れてくれたレドへの配慮という面もあるが、何よりもここでアリシアを否定することはルイーズへの裏切りに等しい。高い忠誠心から自らの意見を押し殺しているようであった。)

それに……本国の司祭よりはマシだから。痛いことはしないし…一応は人として扱ってくれる。だ、だから…そこまで嫌いじゃない……かも…?

(目の前のレド、そしてルイーズの為にもセレナは自らもアリシアの美点を見つけようと考え、良いところ探しというポジティブな思考に耽っているとはとても思えない険しい表情で小首を傾げ、言葉を続けた。思い出すのはアリシアと二人きりになった際に言われた皮肉の数々……アリシアが優しさを見せるのはレドか、ルイーズのような子供だけで、悪魔に憑かれているのだから当然だが基本的に性格が悪いのである。記憶を何周かした後に結局アリシアの良いところ探しは諦め、代わりに聖教国の司祭と比較するに至った。奴らに比べれば幾分かマシという最低クラスの評価だが、セレナはレドを気遣い、それを理由に嫌いではないと断言しようと試みる。しかし、嘘をつけない性分故に意図せず疑問形で締め括っていた。)

  • No.1154 by レド  2025-12-09 23:51:04 

>1153

司祭……セレナ殿、貴女は……いや、よしておきましょう。時には多くを語らない方が良い時もある。

(「司祭よりはマシ」「一応は人として扱ってくれる」。セレナの言葉を聞いて思わず彼女の経歴を問いたくなったが、神妙な面持ちで首を振り、問うのをやめて。顔の刺青、首枷、そして今語った断片的な過去……根掘り葉掘り聞かずとも、セレナが凄惨な人生を送ってきたことは明らかだ。彼女を傷つけないためにも自分からはこれ以上問わないことにする。
ふと、天井を見上げて物思いにふける。聖教国の亜人への暴虐はレドも耳にしている。アリシアに恐怖を抱いてもなお、彼女と懇意にしている自分を立ててくれる優しいセレナが奴隷として痛めつけられるとは、世間は残酷だ。この人じゃなくてあの糸目野郎が代わりに弓矢の的にされればいいのに。ああでも、アイツはその日の内に司祭どもを皆殺しにして脱走しそうだな……と想像すれば、げんなりした表情で首を振って。)

おっと、私は聖教徒ではありませんよ。私が信じているのは己自身……この東刀(ダンビラ)ですから。

(さて、そんな彼女に何を話せば良いのやら。ひとまず聖教徒を恐れるセレナを安心させるべく、ふっと笑って自分は聖教徒ではないと明かして。そして刀を腰から外して右手に持てばギュルギュルと手の中で回転させ、その長さと鞘の紅の深さを存分にアピールしたところでビタッと回転を止めて。)

  • No.1155 by セレナ  2025-12-10 17:08:43 

>1154

そうだとは思っていたけど…確信を持てて安心した。レドさん、貴方も私にとっての良い人。その刀も貴方に扱われて本望だと思う。

(亜人への分け隔てのない態度、過去を詮索しない気遣い、それらの要素からレドは聖教の信徒ではないと予想していたが、本人から明かされたことでようやく確信を得られた。安心から、セレナも釣られて笑みを見せると、レドもルイーズと同じく「良い人」に認定する。語彙力の少ないセレナにとって、良い人というのは最大級の信頼の証のようだ。剣に心得のあるセレナは続けて、レドをその刀に相応しい人間であるとも評価した。これは、上等な武器を持つ者に対して、それが決して飾りなどではないという、一剣士としての惜しげもない賛辞である。言い終えると、立ち止まってレドに向き直り、右手を差し出して握手を求めた。これからの親愛の意味と、剣士としての自らの慧眼を保証する為の行為であろう。奴隷に堕ちるまでに何度も剣を振るってきた彼女の手には癒えることのない幾つもの古傷が付いており、まさしく剣士の手であった。)

  • No.1156 by レド  2025-12-11 10:28:28 

>1155

マジかよ嬉しいな!俺の鬼蟷螂(オニドウロウ)も喜んで………うっ!げほっげほっ……な、何でもありません……
……ルイーズ殿下のお側に仕える貴女のお眼鏡に叶うとは光栄なこと。改めてよろしくお願いします……同じ戦士としてね。

(レドの差し料、師から賜った剛刀「鬼蟷螂(オニドウロウ)」。確かに並の東刀では無いが、その持ち主のレドは掃いて捨てるほど存在する農民上がりの冒険者のひとり。刀も自分も褒めてもらえる機会などそうありはしない。なのでつい行儀の良いフリをするのを忘れ、素の口調ではしゃいでしまった……それに気付くと大きく咳をして紳士のフリに戻る。恥ずかしさで頬を赤くしつつも、セレナが差し出した右手……傷だらけの戦士の手を自らの右手で穏やかに掴み、握手して。)

  • No.1157 by セレナ/エルフリーデ  2025-12-11 16:57:04 

>1156

私の前では楽に喋って。その方が嬉しい。

(レドの素の口調を聞いて、恥ずかしがっている彼の反応を他所にセレナは嬉しそうに瞳を輝かせた。帝国出身の彼女はエルフリーデと同じく人の温もりに飢えている。意図せず発せられたラフな言葉使いに感動を覚えるのは必然であろう。手を握ったまま歩みを再開すると、自分の前では楽に喋って欲しいとレドに注文を付け、その足取りは数段軽いものとなっていた。まるで新しい友が出来たかのような高揚感に浸っているのも束の間に、最悪のタイミングで前述の同郷との邂逅を果たしてしまう。)

あらぁ、レドさんじゃないですかぁ。ふふっ、ラミアの屑と随分親しそうですね。

(廊下の先から現れたのはレドに異様な執着を見せる帝国兵のエルフリーデ。首と右脚には別れの際には着けていなかった包帯を巻き、両脇に松葉杖を抱えてのなんとも痛々しい姿での登場である。おそらくデュランダルでの勝手を上官にこっぴどく叱られたのであろう。仲睦まじく手を繋ぐ二人の様子に妬いたのか、圧を感じさせる笑みを浮かべて真正面に立ちはだかった。手負いとはいえ、帝国兵を前にしたセレナは酷く怯えた様子で震えており、握った手には一層力が込められる。)

  • No.1158 by レド  2025-12-12 14:10:47 

>1157

ははっ、ありがたいね。どうもお行儀よくしてるのに慣れなくてな。じゃあ行こうか…….
……セレナ?なるほど、俺に任せな。

(楽に喋ってほしいと言われるとニコニコしながらセレナの手を握りつつ歩いて。早くも打ち解けられて嬉しい!と足取り軽やかに歩いていると、目の前にあの帝国兵エルフリーデが立ちはだかる。自分の手が強く握られる感触からセレナの怯えを感じ取れば、エルフリーデをきっと睨んで)

エルフィ!なにが屑だ。この人はな……
……なんだよそのケガ。ははーん、さては今朝の件で上官にリンチされたな?確か……コンラッド殿、だったか?

(エルフリーデに指をさしてセレナへの侮辱を咎めようとしたが、見ればずいぶんズタボロではないか。この短時間で外交問題にならずに彼女を暴行できる者、コンラッドとかいう彼女の同行者の仕業だろう。「力こそ正義」を謳い暴力を正当化するエルフリーデが暴力を甘んじて受け入れていること、彼女から聞いた軍内部での扱いのひどさから察するに、そのコンラッド某は上官と見た。今朝の暴走の件で制裁されたんだなと、セレナに握られてない方の手を顎にやりながら、ケガの経緯を推察して。)

  • No.1159 by セレナ/エルフリーデ  2025-12-12 19:19:30 

>1158

ええ、ご名答です。しかし、レドさん…そんなエルフと親睦を深めるとは関心しませんねぇ。彼女の頬の刺青、それは帝国の犯罪組織「サンクタ・ラミア」の紋様です。いくらエルフが好きだと言ってもつるむ相手は選ぶべきだと思いますよ?

違う…私はもうラミアの人間じゃない…

屑は黙っていてください。私はレドさんとお話しているんです。

(レドの鋭い推察に、エルフリーデは心底愉快そうにニヤッと口角を吊り上げて賞賛した。しかし、続けられる言葉は何処か呆れを孕んでいるように低い。セレナの頬に刻まれた黒蛇の刺青は帝国に悪名を轟かせる犯罪組織の所属を示すもののようだ。先程述べられた「ラミアの屑」とはその蔑称なのだろう。敵愾心剥き出しのエルフリーデは見下すような笑みを浮かべながら、馬車の中でレドがエリスに釘付けだったことも踏まえてエルフが好きなのだろうと皮肉を交え、暗にセレナと決別しろと圧をかけた。一方でセレナは怯えながらも声を絞り出し、今は犯罪組織に身を置いていないと否定するも、エルフリーデの牽制を受けてレドに身を寄せて黙り込む。不安そうなにレドの顔を見上げるセレナの瞳は、まるで見限らないでと縋るようであった。任せてと言われながらも口を挟んだのも、今しがた出来たばかりの友を失いたくなったが為だろう。)

  • No.1160 by レド  2025-12-13 08:09:59 

>1159

(グラキエス帝国の犯罪組織「サンクタ・ラミア」。仲間に先立たれてヤケになり、あてもなく彷徨っていた貧民街で聞いたことがある。怯えながら自らを見上げるセレナの頬に刻まれた黒蛇を見下ろすと、彼女の経歴を察する。だがレドにとってそんな過去はどうでもいい。無言・無表情の中に「大丈夫だ」という気持ちを込めてセレナに頷くと、エルフリーデに向き直って。)

そのナントカの屑は俺の友人。そしてこの国の第三王女・ルイーズ殿下のお側衆だ。いま彼女はお役目の最中、そこをどいてもらおう。
……そのナリで何ぬかしたってカッコつかないぜエルフィ。しょうもない八つ当たりなんかしてないで、アンタも大人しく養生するんだな。

(「よく言うぜ、昨日今日と他所の国で犯罪を重ねといて……しかもそれで上官に凹られたくせに」という呆れを込めながら、エルフリーデに強い眼差しを向けて。胸を張り、力強い声でセレナを弁護する一方で、自業自得と言うべき無惨な姿を晒しているエルフリーデには「やれやれ」と呆れた笑いを向ける。どのみち帝国兵に第三王女の使いを阻まれる謂れは無い。言い終わるとあえてかしこまった口調で「ではセレナ殿、まいりましょうか」とセレナに微笑んで、エルフリーデの脇を通ろうとして。)

  • No.1161 by セレナ/エルフリーデ/コンラッド  2025-12-13 18:50:15 

>1160

っ…まだ話はっ…!

なにを遊んでいる、グリムハルト。貴様には別の任を託した筈だが。

ちっ…これは申し訳ありません。少し戯れが過ぎましたね。それではレドさん、また後ほど。

(尚も引き下がらないエルフリーデは、脇を通り過ぎようとするレドの手を引こうと身を乗り出すが、廊下の先から現れた上官の圧に押されて思い留まった。筋肉の塊とも形容すべき巨漢、コンラッド・シュタール。その背丈は長身のレドよりも頭一つ分高く、一歩進む毎に決して古くはない廊下の床が軋む程の体躯である。魔力の量も常人の域を逸脱しており、分厚い鎧のように身に纏ったそれは魔術師でなくとも視認できる。そういった現時点で可視化されている能力値だけ見てもおそらくはレイラと同格であろう。そんな化け物はレドやセレナには目もくれず、エルフリーデに忠告したかと思えば足早にその場を後にした。先程制裁を加えられたばかりのエルフリーデもこれには逆らえず、コンラッドの背に向けて頭を下げ、不本意と言わんばかりに唇を噛み締めてレドを一瞥すると、すぐさまコンラッドの後を追う。)

レドさん…ありがとう。ごめんなさい…少しだけ、休ませて。

(エルフリーデとコンラッドが去った後、セレナはレドの腕に抱きついて顔を伏せてしまった。帝国で迫害されている亜人にとって帝国兵は恐怖の象徴…それも将軍クラスのコンラッドを前にした動揺は相当のものだろう。セレナの心臓の鼓動はレドにも伝わるほどに激しく波打っていた。セレナからすればレドは悪魔から身を挺して守ってくれた存在であり、こうして身を寄せることで心を落ち着かせているようだ。)

  • No.1162 by レド  2025-12-14 09:28:35 

>1161

!!

(突然の床の軋み、そして廊下の先から現れたプレッシャー……帝国将・コンラッドの存在を感知・視認するとピクリと身体を震わせて。まずでかい。俺よりでかい。不死鳥のハゲ並のタッパだ。そして何より、恐るべき魔力。見た目や体格・雰囲気はまるで違うが、かつて戦ったバカエルフ並の強者と認めざるを得ない。瞳孔が開ききり、口が真一文字に結んだレドの顔はコンラッドに釘付けで、エルフリーデの挨拶に反応できない。向こうがこちらに一瞥もくれないまま去っていき、姿が見えなくなると思わずふぅと溜息を吐いて。帝国将コンラッド……まるで氷の魔人というべき男であった。)

セレナ、よく耐えた……昔のことも奴らのことも気にするな。そういうことで俺は離れない。

(連中が去り、自らの腕にすがりつくセレナの頭を片方の手でそっと撫でて。宮廷の密命もアリシアも関係ない。すべては目の前の人を理不尽から守りたくてやったことだ。セレナの気の済むまで彼女を抱きつかせてやりつつ、コンラッドが去っていった廊下の先を苦々しく睨み、呟いて。)

シカトしやがってこの野郎……アレで親睦のつもりかよ。

  • No.1163 by セレナ  2025-12-14 17:17:24 

>1162

うん…信じてる。レドさんのお陰でもう大丈夫…さ、行こう。

(しばらくしてセレナは顔を上げると、離れないと言うレドの言葉を信じて頷いた。その顔にはもう憂いはなく、すっかり平常心を取り戻したようだ。少しだけ頬を緩め、控えめな笑みを見せると、レドの手を引いて案内を再開する。歩くこと数分、宿泊者用のエリアに辿り着く。廊下には複数の絵画に混ざってちゃっかりと教皇の肖像画が飾られており、その額縁だけ埃を被っていないことからエリーゼへの嫌がらせで最近設置したのだろう。アリシアの性格の悪さは相変わらずである。肖像画の真正面、505とドアに刻まれている部屋の前でセレナは立ち止まった。)

ここが貴方と猫ちゃんの部屋。鍵は中にあるはず……その…今日はありがとう。貴方に出会えて良かった。

(やっと手を離し、レドに向き直ったセレナは名残惜しそうに瞳を揺らした。今後もしばらくは会おうと思えば会える距離にはいるのだが、王女の傍仕えも暇ではない上にアリシアという最大の壁がある。仕事上とはいえ、きっと今日のように纏まった時間を過ごす機会はなかなか訪れないことであろう。せめて別れ際に改めて感謝を伝えようと、セレナは丁寧に頭を下げた。)

  • No.1164 by レド  2025-12-15 00:47:21 

>1163

猫ちゃ……いや、何でもない。案内ご苦労だった。俺も新しい友達ができて嬉しいよ。

(仮にも第二団長であるエリーゼを「猫ちゃん」なんて雑に呼ぶセレナについ反応したが、首を振って自らの言葉をさえぎって。分団長なのにナメられてんなぁ、と憐れみつつ、部屋の前に飾られた他国の最高指導者・教皇の肖像画、王国近衛隊に相応しくない異物に視線をやって。アリシアも陰険な……俺と子供に優しいアリシアと悪女のアリシア、どっちが本物なのか……と物思いにふけりたくなるが、今は目の前のセレナに集中するべきだ。彼女に向き直ると、会釈して案内の礼を伝えて。)

セレナ、剣術指南としてアドバイスしよう。過去を気に病むことは無い。罪人上がりの武官てのは、歴史を見れば珍しいもんじゃない。
何より……人は罪を犯したらそれで終わりじゃない。過去の罪を悔いながらも、そこから立ち上がって立派に生きることもできる……それが人の可能性というもんだ。俺が師匠と並んで尊敬する剣士の方が、そうであるようにな。

(互いに忙しく、立場も違うふたり。再び会話する機会がそう訪れるとは思えない。彼女もそう思っているだろう……と、セレナの揺れる瞳を見て察すると、彼女の瞳を見据えながら助言を残して。とりわけ「過去の罪を悔いながらも立派に生きている憧れの剣士」のことは罪人の出であるセレナにどうしても伝えておきたかった。いずれ密命を果たせば彼女とも敵対するだろう。それでも今は一人の剣士として彼女の励みになりたい……アドバイスを終えると右手を上げて敬礼し、「健闘を祈るよ。」と微笑んで。)

  • No.1165 by セレナ/エリーゼ  2025-12-15 10:56:20 

>1164

その言葉…忘れない。レドさんも頑張って。……それじゃ、またね。

(過去の自らの所業に罪悪感を抱えているセレナにとって、レドの言葉は心に響いたようだ。言葉数は少ないながらも、レドを真っ直ぐに見つめる瞳からはセレナの真剣さが窺える。最後にこちらからもレドの健闘を祈ると、踵を返してその場を後にした。
一方その頃、王都の高級な宿と遜色ない内装が施されている505号室の真ん中で、エリーゼはまるで死んだ魚のような目で床にうつ伏せて倒れていた。エリーゼの顔の真横には皿に盛られた粒の山…そう、市販の猫の餌が置かれていたのである。というのも聖教の価値観に毒された近衛隊、その庁舎の内部に於いて獣人は人ではない。宮廷側もやむを得ず近衛隊の意向を汲んで、宿泊届けに指南役のペットとしてエリーゼの名を記載していたのだ。そうなれば当然の如く人間の飯が運ばれてくる訳もなく、また、ペットの独断で庁舎からの外出を認められる訳もない。つまり、この二日間エリーゼは何も食べていないのである。先程のセレナの「猫ちゃん」発言も何ら含みのあるものではなく、単に書類上の情報だけを見て、この部屋の中にレドの飼い猫が先に運び込まれたのだろうという誤解からであった。)

お腹が減ったにゃ…

  • No.1166 by レド  2025-12-16 06:41:36 

>1165

ふっ……セレナ、いいエルフだなぁ。それにひきかえあの糸目は。優しい人が苦しんで、あんなのがのさばるなんて世も末だぜ。アイツが奴隷になればいいのによ、あの人殺し野郎……。……まあいい。

(やわらかく微笑みながらセレナを見送るが、彼女が見えなくなると一転険しい顔になってエリスへの悪態を吐き始めて。セレナといいクレアさんといい、優しい人ほど苦しみ、踏み潰される世の中。のうのうと生きているのは、バカエルフのような権力者の悪党ばかり。アイツこそ奴隷になればいいのに……と、悪態を吐きつつも未だ腑に落ちないことがある。あの戦闘中の猟奇的な態度と戦闘後の達観した態度、どうも同じ人物に見えない。戦闘中の悪態は挑発だったのか?何よりなんで、俺を見逃したのか……首を振って考えを止め、ドアノブに手をかけるが……)

……誰かいる!バカエルフか?まさかそんなはずは……

(ドアの向こうに気配を感じ、手を止めて。近衛隊の庁舎に忍び込むとは大胆不敵な。エリスか?それにしてはさっきの帝国将のようなプレッシャーが無いが……一歩下がって刀の鯉口を切ると、バン!とドアを開け放って勢いよく室内へ突入し、前転しながら部屋の中央へ躍り出る。だが目についたのは猫の餌と……見覚えのある猫耳の獣人が力なく倒れている姿。まったく状況が飲み込めずに呆然と立ち尽くすと、エリーゼに声をかけて。)

えっ、エリーゼ殿!?どっ、どうしたんです……?

  • No.1167 by エリーゼ  2025-12-16 12:55:53 

>1166

……。レドくん…!待ってたにゃ!

(声を掛けられたエリーゼは虚ろな瞳でレドに視線を向けた。こんな状態でもなお薄ら笑いを浮かべているあたり、次席に刻まれたトラウマは相当なものなのだろう。しばらくして目の前の人間がレドであることに気が付くと、瞳に光が宿って飛び起きる。)

宮廷も近衛隊も酷いのにゃ!どうやら私はここに泊まるにあたってレドくんのペットとして登録されてるらしいにゃ…それで毎食猫の餌が届けられるんにゃけど……こんなの食べられるわけないにゃ!という訳で私は空腹にゃ。レドくん、いや、ご主人様!一緒に食堂に行ってほしいにゃ!

(エリーゼは尻尾をぶんぶんと振って、笑顔の中に怒気を込めながらも自分の置かれた状況を説明した。知らぬうちにペット扱いで登録されていたこと、猫の餌しか運ばれて来ないこと、そして当然ながらペットは一人で外出出来ない。エリーゼがこれ程までに不満を顕にするのも当然の扱いである。アリシアによる嫌がらせという面も勿論あるが、ペット扱いとすることでエリーゼの行動を制限する狙いが主だろう。権力を持つ聖教徒ならではの策略だ。二日間に渡り何も食していないエリーゼはすぐにでも腹を満たしたいようで、身を乗り出してレドの顔を覗き込むと、あくまでペットの立場から共に食堂に行って欲しいとお願いした。)

  • No.1168 by レド  2025-12-16 20:02:49 

>1167

なに、ペット!?近衛隊はともかく宮廷もひっどい扱いだな。多種族共生が聞いて呆れる……とっ、とにかく急いで何か腹に入れましょう。ああ、ご主人様はよしてくださいよ。仮にも第二団長からそう呼ばれるとどうもしっくりこないので……

(第二団長がペット扱い!?空腹!?あんまりなエリーゼの扱いに呆然として。アリシアの立場からすればエリーゼをペット扱いすることで動きを封じる策にもなるから理に叶っているが、問題は宮廷の方だ。多種族共生を謡う国、しかもエリーゼを密命で送り出す立場でありながら、国是に反する近衛隊の言われるままに彼女をペットとして登録するなんて、分団長に対する扱いとは思えない。こんな扱いをする国のために命を賭して戦えと言うのか……エリーゼを気の毒に思いつつも、笑ったまま怒る彼女の顔や、栄えある騎士団の分団長なのに人を「ご主人様」と呼ぶプライドの無さには困惑する。顔を引きつらせつつ、食堂へ向かうべく部屋を出ることにして。)

  • No.1169 by エリーゼ  2025-12-17 19:22:20 

>1168

んにゃ、レドくんが嫌ならそうするにゃ。それじゃあ案内するにゃ~。

(レドの要望に頷いて呼び方を戻すと、エリーゼは軽い足取りで食堂までの道中を先導する。空腹を満たせることが余程嬉しいのだろう、レドの目の前で彼女の尻尾が右へ左へとリズミカルに揺れていた。これ程の仕打ちを受けてもすぐに切り替えることや、一時的なものとは言えペットの身分にすんなり適応するなど、エリーゼもまた不憫な扱いに曝され過ぎて人格が歪んでいるのだろう。人懐っこい仕草の裏にはそんな闇が潜んでいた。
雑談もそこそこに、近衛隊庁舎を出て、騎士団の本庁舎へと繋がる長い渡り廊下に差し掛かる。渡り廊下の脇、薔薇の咲き誇る庭園にエリーゼはふと視線を向けるなり、思わず顔を引き攣らせた。ベンチに腰掛け、自らの膝を枕にして第二王女を寝かしつけているエルフの姿…レドにとっては本日二度目のエリスとのご対面である。門の修繕が終わったことでようやく臨時の警備任務から開放されたのだろう。その間に癇癪を起こした第二王女との埋め合わせの最中なのだが、心地良く眠る王女の頭を撫でるエリスの表情はいつもの腹の立つニヤケ面ではなく随分と温かいものであった。のも束の間に、エリスはレド達の気配に気付くなり口角を吊り上げ、侮蔑の意を孕んでいるかのような見慣れたニヤケ面へと戻る。)

やあ少年、奇遇だね。それと七席のおまけの子。私になにか用かな?

っ……な、なんでもないのにゃ…たまたま目に付いただけで…

(エリスは当然の疑問を投げかける、単に挨拶する訳でもなくただ視線を向けられたとなれば何か用事があるのではないかと勘繰ったのだろう。まずはそれなりに印象に残っている将来有望な若者のレドから声を掛け、次にさして興味のないエリーゼ。エリーゼに至っては名前も覚えていないかのように振る舞い、第二副団長である七席のおまけという不名誉なあだ名で呼ぶ始末だ。性悪エルフのそんな扱いには、さすがのエリーゼもご立腹なのだろう、苦笑いを浮かべて視線を逸らしながらも、握った拳が怒りと悔しさで震えているのが分かる。)

  • No.1170 by エリーゼ/エリス  2025-12-17 19:25:48 

>1168

んにゃ、レドくんが嫌ならそうするにゃ。それじゃあ案内するにゃ~。

(レドの要望に頷いて呼び方を戻すと、エリーゼは軽い足取りで食堂までの道中を先導する。空腹を満たせることが余程嬉しいのだろう、レドの目の前で彼女の尻尾が右へ左へとリズミカルに揺れていた。これ程の仕打ちを受けてもすぐに切り替えることや、一時的なものとは言えペットの身分にすんなり適応するなど、エリーゼもまた不憫な扱いに曝され過ぎて人格が歪んでいるのだろう。人懐っこい仕草の裏にはそんな闇が潜んでいた。
雑談もそこそこに、近衛隊庁舎を出て、騎士団の本庁舎へと繋がる長い渡り廊下に差し掛かる。渡り廊下の脇、薔薇の咲き誇る庭園にエリーゼはふと視線を向けるなり、思わず顔を引き攣らせた。ベンチに腰掛け、自らの膝を枕にして第二王女を寝かしつけているエルフの姿…レドにとっては本日二度目のエリスとのご対面である。門の修繕が終わったことでようやく臨時の警備任務から開放されたのだろう。その間に癇癪を起こした第二王女との埋め合わせの最中なのだが、心地良く眠る王女の頭を撫でるエリスの表情はいつもの腹の立つニヤケ面ではなく随分と温かいものであった。のも束の間に、エリスはレド達の気配に気付くなり口角を吊り上げ、侮蔑の意を孕んでいるかのような見慣れたニヤケ面へと戻る。)

やあ少年、奇遇だね。それと七席のおまけの子。私になにか用かな?

っ……な、なんでもないのにゃ…たまたま目に付いただけで…

(エリスは当然の疑問を投げかける、単に挨拶する訳でもなくただ視線を向けられたとなれば何か用事があるのではないかと勘繰ったのだろう。まずはそれなりに印象に残っている将来有望な若者のレドから声を掛け、次にさして興味のないエリーゼ。エリーゼに至っては名前も覚えていないかのように振る舞い、第二副団長である七席のおまけという不名誉なあだ名で呼ぶ始末だ。性悪エルフのそんな扱いには、さすがのエリーゼもご立腹なのだろう、苦笑いを浮かべて視線を逸らしながらも、握った拳が怒りと悔しさで震えているのが分かる。)

(/名前欄にエリスを入れ忘れたので再掲です!)

  • No.1171 by レド  2025-12-18 15:24:42 

>1170

あぁ……俺までハラ減ってきたな。エリーゼ殿、ここの食堂のおススメは……
……エリーゼ殿?……え……?なんだあれは、いったい何がどうなって……

(なんだかすっかりペットの振る舞いが板についてしまっているエリーゼのご機嫌な尻尾を見ていると、こっちまで腹が減ってきた。鳴り出したお腹をさすりながら彼女の後をついていき。なにせ朝から、いや連日心身をすり減らしているのだ。早く食事したくてウズウズしていると急にエリーゼが顔を凍り付かせて立ち止まる。自分も彼女の視線の先に目をやると……同じく立ち尽くして。
バカエルフ!?なんだあの聖母のような優しい微笑みは……本当にバカエルフなのか!?驚くのはエリス本人ばかりではない。彼女の膝で眠る第二王女を視認すると冷や汗が出始める。第二王女カトリーナ・ローゼンベルク・フィリア。「王国の至宝」と謳われる美女だが中身は愚物と聞く。一方でさしたる有力な支持者は聞かない。奴はあの穴馬にすらなれない駄馬を支持しているのか?宮廷にも近衛隊にも与せずに?一体どうして!?信じがたい光景を目の当たりにして、口が半開きになって。)

なっ、クレアさん!?ううっ……!バカな、こんなバカな……!

(そうやって二人を見ていると急に顔を押さえてふらつき出して。目眩がしたのだ。あろうことか、第二王女を母親のように慈しむエリスがクレアに見える錯覚を覚えてしまったのである。バカな、クレアさんとあの女が重なるなんて……見てはいけないものを見た気がしたレドの顔は急に青くなり出して。)

……行きましょうエリーゼ第二団長殿。こんな雑兵、相手するまでもない。

(だが気がつけばエリスも元のしたり顔に戻ってエリーゼを侮辱している。やっぱり幻覚か。俺も疲れてるんだ……と思い直すと、背を丸めたままヨロヨロと歩き始める。どのみち王女の前で事を荒立てるわけにはいかない。エリスへの当て付けとしてエリーゼを役職付きで呼び、城門の警備などという副団長に似つかわしくない任務を行っていたエリスを「雑兵」と力無く腐すのが精一杯だ。先の死闘では羽織っていなかった白いケープをはためかせながら歩くとエリーゼの肩をそっと叩き、エリスを無視して立ち去ろうと促して。)

  • No.1172 by エリーゼ/エリス  2025-12-18 22:10:51 

>1171

そ、そうだにゃ…こんな所で道草食ってる場合じゃないのにゃ。

無視とは傷付くなぁ。君達が何を企んでいるのかは知らないけれど、せいぜいその結果が私を利することに期待しているよ。

(先を急ごうというレドの提案を聞いて、冷静さを取り戻したエリーゼはこくりと頷く。エリーゼにとって七席との比較は地雷であり、先のエリスの発言は彼女にとってペット扱い以上に癪だが、今は密命の最中。下らない挑発に乗ってエリスに情報を探られるようなことはあってはならない。そう決心が付くと、再びレドを先導する形で歩みを進めた。
そんな2人の背を見送りながら、エリスは不敵な笑みを崩さずに語りかける。言葉通りに何を企んでいるか知らないなんて事はなく、含みを持たせた言い方から分かる通り、エリーゼの警戒も虚しく実際には宮廷の意向を把握しているのだろう。第一王子派閥に身を置く分団長の派遣や、無名に等しい冒険者と宮廷の接触。レドに全幅の信頼を置き、ある種のフィルターがかかっているアリシアは例外として、それなりの情報収集力を持つ第三者目線からでは、宮廷が何かを企みそれにレドが関わっていることを察する程度は造作もない。無視された手前、当然ながら返事が返ってくる期待などしていないが、要するにこの性悪エルフは「全部知ってる。利害が一致しているから私の為にも頑張れ。」と神経を逆撫でするエールを送ってきたという訳だ。その意味に気付いたエリーゼの苛立ちはブンブンと揺れる尻尾に現れているが、それ以上の反応は見せない。言葉を送り終えたエリスもついには2人への関心は失せ、視線を王女へと戻すと慈しむような表情を浮かべて、割れ物を扱うような繊細な手つきで再び頭を撫で始めた。)

  • No.1173 by レド  2025-12-20 11:19:48 

>1172

ハッタリですよエリーゼ殿……獣人の貴女が近衛隊から出てきたんだ。誰もが怪しむことを自分だけ見抜いたと吹いて、優位に立とうとしてるだけ……ちょっと待っててください。

(エリスに手が出せぬまますごすごと立ち去ろうとした矢先、彼女の挑発を聞くと丸まっていた背筋を伸ばし、苛立つエリーゼに耳打ちする。第一王子派=宮廷の獣人が無名の冒険者を引き連れて、獣人禁制の近衛隊庁舎から現れたのだ。一目で怪しいと王城の人間なら誰もが気付くだろう。疑って当たり前のことをさも自分だけが見抜いているように振る舞ってマウントを取りたいだけ……という真相(であってほしいこと)を呟いて。
密命の事、察していようがそれは構わない。察した上で傍観者を気取ってる奴の態度が気に入らない!せめて口喧嘩で打ち負かしたい!眉間に皺寄せ、歯ぎしりすると、180度ターンしてエリスに鋭い視線を突き刺して。)

期待している?何を偉そうに。何も分かってないくせに超越者を気取りやがって。そうやっていつまでも脇から人を弄んでいられると---ちっ、またか!

(本来の粗野な口調でずけずけとエリスをなじりながら彼女に詰め寄る。そしてエリスを指差しながらさらに罵り眼前に迫ろうとするが……あと数歩の所で指差したまま止まってしまって。さっきの穏やかな顔と、王女が枕にして安らかに眠る膝。それを目の前で見ると振り上げた拳が下ろせない。今度ばかりは幻覚として片付けられない、またしても奴に負けてしまったと思い知らされると、苦々しく指差した手を下ろして。)

……クレアさん、まさか奴の中にもあるんでしょうか。正しさってヤツが……

(指差していた手をクレアからもらった金貨が眠る胸の上に添え、彼女の教えを思い出しながら呟いて。副団長エリス、どう見ても傍観者を気取って人を弄ぶバカエルフにしか見えないが……もしそうであったなら、王女がこうも安らかに彼女の膝で眠るわけがない。ますますこの女の事が分からなくなってしまった……ただの悪女であったなら、ただただ憎んで断罪できたものを。
それでもいつかこの女の心の内を解き明かし、その糸目を開かせてやる。そう胸の中で誓うとケープをばさりと翻しながらエリスに背を向け、エリーゼの下へ戻って。)

  • No.1174 by エリーゼ  2025-12-20 20:02:40 

>1173

取り付く島もないにゃんね……でも、レドくんカッコよかったにゃ!今回は相手が悪かっただけで、きっと常人なら押されていたに違いないにゃ。気を取り直して美味しいもの沢山食べるのにゃ!おすすめはハンバーグ定食にゃ~。

(「取り付く島もない」、レドが詰め寄った先にいるエリスの様子を見てエリーゼはそんな感想を漏らした。あれだけの近距離でなじられて聞こえていない筈はないが、まるで何事もないかのようにエリスは王女の頭を撫でるのみである。あの我が道を往く副団長が一度興味の失せた相手の言葉に耳を傾けるとも思えない、そしてレドもまた引くことはないだろう。そんな想像をしていたが、どういった心境の変化か、存外すぐにレドが引き返してきた。エリーゼはレドが戻ってくるなり、その肩を尻尾で撫でる。レドの何か考え事をしているかのような表情を見て、落ち込んでいるものと思っての彼女なりに励ましであった。レドの一歩先を歩いて先導しながら、エリーゼは努めて明るく振る舞い、空気を変えようと昼飯の話題に話を逸らした。)

  • No.1175 by レド  2025-12-21 12:57:38 

>1174

エリーゼ殿……へへっ、どうやらお互い気持ちよくメシが食えそうですね。副団長怖くて指南役が務まるかってんだ!


(未練がましくエリスの方に首を向けていると、肩にふわふわした感触を覚える。エリーゼが尻尾で撫でて励ましてくれたようだ。あのバカエルフに何か届いたとも思えないが、一方的にアレコレ言われたまま黙って去るよりはお互い気が晴れたかもしれない。エリーゼの励ましに応えるべく握った右腕を上げ、左手で右腕を叩くガッツポーズをしてみせると、悪ガキのような笑いを浮かべながら彼女の後を付いていき。思えばこんなガキ大将みたくドヤ顔で笑えたのは同年代の冒険者仲間と共に活動していた時以来かもしれない……エリーゼの励ましは確かにレドの気持ちを軽くしたのであった。)

  • No.1176 by エリーゼ/セレステ  2025-12-21 17:16:36 

>1175

そうにゃそうにゃ、その調子にゃ~。何事も恐れていては始まらないにゃ!

(まるでガキ大将のような振る舞いを見せるレドに、エリーゼはノリノリで調子を合わせる。レドと一つしか変わらない年齢ながら騎士団の分団長の地位に就いている彼女にとっても、同年代とのこうした関わりは希少なのだろう。まるで友達のような掛け合いを今や懐かしい騎士学校時代の青春に重ねていた。「何事も恐れていては始まらない」、レドの調子を上げるべくなんの気なしに口から出た言葉であるが、まさかこの言葉がすぐに自分に降ってかかるとは、この時のエリーゼは思ってもいなかったことであろう……)

それを食べたら私の執務室まで来てください、大切な用事があります。案内はソレがしてくれることでしょう。

(数百人が収容できる巨大な食堂、レドと共に人気のハンバーグ定食を受け取り席に着いたのも束の間に、エリーゼにとっての恐怖の象徴は現れた。ウェーブのかかった青髪に鋭い金色の瞳、そして何より目を引くのは、腰に携えた聖教国の意匠の刻まれた白い東刀。王国騎士団長次席補佐官にして第四席、「傷無し」のセレステである。現役の騎士の中でも間違いなく最強格に数えられる一人が、レドを視認するなり颯爽と目の前に現れたのだ。対してエリーゼはセレステの気配を察知した段階から既に喋らず、ただカタカタと震えるのみである。レドの案内を任されてもなお言葉を発することも出来ず、まるで人形かのように何度も肯定の意で頭を前後に振っていた。刻まれたトラウマは余程深刻な様子である。そんなエリーゼの様子を見て、セレステもまた、返事くらいしろと言いたげに不満そうに眉間に皺を寄せた。)

  • No.1177 by レド  2025-12-21 23:20:20 

>1176

うへぇ、すげぇな。騎士団の食堂ってのは。ギルドとは大違いだ……へへ、何はともあれメシだメシだ!いただきま……

(騎士団の食堂、大規模ながらも整然とした光景は雑多な雰囲気のギルドの食堂とはまるで違って見えた。ケープを背もたれに掛け、辺りをキョロキョロ見回しながら初めて見る光景を堪能する。そして子供のようにニコニコしながらおススメのハンバーグ定食にあり付こうとした矢先……エリーゼが凍り付いているのと、人の気配……青い髪の女の気配に気が付いて手が止まり。言葉すら発せぬほどに怯えるエリーゼを見て気配の主を察した……「番号付き」の四番手にして神竜すら傷つけられぬと言われる騎士団最強格。そしてクレアさんの元部下……次席補佐・セレステ、エリーゼにトラウマを植え付けた張本人だ。
エリーゼを「ソレ」と呼び、冒険者にとって数少ない楽しみである食事を邪魔して、そして部下ではない自分に対して名乗りもせずに一方的に用件を押し付ける。クレアさんの教えを受けたとは思えない傲慢な態度にはエリーゼ抜きでも腹が立つ。すっと立ち上が……らずにナイフとフォークを再び動かして。)

あの、失礼ですがどちらさまで?なにやら私をご存じのようですが、私は現在近衛隊副長・アリシア様の指示のもと行動しております。御用のおもむきに関してはアリシア様のお許しを得てからにしていただきたい。
そもそもご覧の通り私は食事中です。他人の食事中にやむを得ず用件を伝える時は、まず非礼を詫びて名乗るのが騎士の作法ではないのですか。

(どうやら向こうはこちらを知っているようだが、そもそもレドはアリシアと契約した外部の技官である。名乗りもしない無礼な人間からアリシアの頭越しに指示を受ける筋合いなど無い。セレステのことは見向きもせずにハンバーグを口に運び、敬語でセレステの無作法を指摘して。口調こそお行儀良くしているが、全身から纏う雰囲気は冷たく他人を寄せ付けない、本来の荒くれ冒険者のそれだ。)

  • No.1178 by エリーゼ/セレステ  2025-12-22 00:37:49 

>1177

にゃにゃにゃ…!レドくん…にゃにを……

ああ、それは失礼致しました。私はセレステ、次席補佐官を務めている者です。今は詳しくは言えませんが、これは貴方にとっても大切な用事です。勿論私が強制出来ることではありませんので、貴方のご意思に判断は委ねますが…来なければきっと面倒事になるとだけ言っておきましょう。アリシアさんに関してもご心配なく、むしろお喜びになるかと。

(レドの見せた素っ気ない態度に、隣に座るエリーゼはセレステへの恐怖心から顔が青ざめていたが、そんな扱いを受けた当の本人、セレステは特に腹を立てる様子もなく、むしろ納得したようにポンと手を叩き素直に受け入れて訂正してみせた。レイラの我儘を聞いてあげている手前、その弟子が指示に従うのは当然というスタンスで話を進めたが、レドの立場に立って考えてみれば、事情を知らない状態で行動を強制されることは良い気分ではないのだろうと、そして、無知無学な冒険者(セレステの偏見)、それもあのバカ(レイラ)の弟子ならば王国十騎士に名を連ねる自分を知らなくても何ら不思議ではないという、悪意なく失礼極まりない誤解を同時にしていた。典型的な聖教徒らしく人間種には優しいことで定評のあるセレステだが、レドには誤解に起因した哀れみの視線を無意識に向けてしまう。
レイラのサプライズ成功のためにもどう誘導すべきかとセレステは頭を捻りながら、言葉を選んで説得を試みる。レドが来なければレイラが癇癪を起こすことは想像に難くない…そのままの意味での面倒事になるという意味なのだが、言い終えた後にまるで脅しのようなニュアンスであることに気が付くと、アリシアが喜ぶような内容であると補足した。これは、兼ねてよりレイラと親睦を深めることを狙っていたアリシアにとって、レドを貸し出すことでレイラのご機嫌取りが出来るのだから、きっと事後報告でも構わないだろうという考えであるが、やはり事情を話せないことがネックとなって政治的な意味に捉えられかねないことにセレステは内心で辟易していた。)

  • No.1179 by レド  2025-12-22 20:07:13 

>1178

…………。

(目を閉じたままセレステの主張を聞き、付け合わせのブロッコリーを咀嚼して。口では「判断は委ねる」と言っておいて、実際は権威と脅迫により選択を押し付ける。しかもどうやら冒険者である自分を見下しているようだ。これを無自覚のうちにやってるのが腹立たしい……傲慢な権力者ムーブに不快感を覚えて眉間に皺を寄せて。口の中でブロッコリーを転がしながらクレアと聖教国司祭の揉め事の噂を思い返す。ギルドで狼藉を働いてクレアさんに酒をぶちまけられ、その腹いせで権威を盾に依頼を押し付けた司祭とこの女は同類だ。クレアさんの教えを受けたくせにあの人から何一つ学ばなかったんだな……どこまでも腐りきった奴め。かつての部下が人々を苦しめている姿を見たらクレアさんも悲しむだろう。あの人のためにもこの女……斬る!
……という蛮行を働くわけにもいかず、固茹での緑の塊を歯で噛み潰すことで殺意を抑える。水を一口つけてそれを流し込むと布巾で口を拭い、すっと立ち上がって。)

「傷無し」のセレステ殿でしたか。これは失礼いたしました。しかし重ねて申し上げますが、私もアリシア様から近衛隊指南役の任を賜り、彼女の指揮下で行動する身の上。いくらセレステ殿のお頼みといえどもこの場ではいそうですかと同行してはアリシア様の面目が立ちませぬ。正式な要請であれば、まずはアリシア様に権限と目的を明記した書面を通してからにしていただけますかな。

(頭を下げてセレステに詫びつつも、再度アリシアの許可を要求して。用件も言わずに独断で近衛隊指南役を連れ回す無礼に従ってはアリシアやエリーゼのためにならない。苦笑いを浮かべ穏やかに話してはいるが、この場でセレステに従う気は一切見せないのであった。)

  • No.1180 by エリーゼ/セレステ  2025-12-22 23:50:13 

>1179

はぁ……分かりました。そちらの事情もあるのでしょう、速やかに手続きを済ませますので後ほどアリシアさんに確認してください。

(エリーゼはすっかり白目を向いて動かないがそんなものはどうでも良い。その横で、頑なにこの場で了承しないレドの姿勢を見て、師匠(レイラ)が頑固なら弟子も同様だなと、セレステは思わず溜息を吐いた。王城内の政になんら関係のない外部の人間だからこそ簡単に動かせるものと考えていたが、この様子だと着任早々に既に何かしらに巻き込まれているのだろうと察し、今まさしくレイラのせいで振り回されている自分と重ね合わせて少しばかり同情を寄せる。渋々と言った様子でレドの要求を呑むと、手続きの為にその場を離れようと背を向けかけるが、ふと思い立って一つの質問を投げかけた。)

クレア先輩はお元気でしたか?

(レイラの弟子ともなればクレアと何らかの関係を持っている可能性は十分に有り得る。そうでなくとも、S級冒険者の近況ぐらいは同じくデュランダルの冒険者ならば知っていてもおかしくない。そうした可能性を踏まえての何気ない質問であった。アリシアが反対する可能性は限りなく低い為、この後またレドとは顔を合わせることになる筈だが、現状のクレアとレイラの関係が複雑なことくらいは噂に聞いている。故にレイラがいない今しか聞けない内容なのである。かつての憧れであった先輩が、恋人を失って以降長らく落ちぶれていた筈が最近になって、自らの信仰の聖地である聖教国からの依頼を見事にこなしたと聞く。きっと何か良い意味での心境の変化があったのではないかという淡い期待を寄せて、返答を待つセレステはその金眼を少しだけ輝かせた。)

  • No.1181 by レド  2025-12-24 07:10:48 

>1180

エリーゼ殿、起きてくださいエリーゼ殿。
……セレステ殿、お心遣いは感謝いたしますが何も個人的な事情でお頼みしているのではございませぬ。これは同じような事があればいつ、どなたにでもお願いしていたこと。指揮系統と目的を明確にした上で主から離れなければ、主を蔑ろにすることになってしまいますから。
クレア殿に関しても……私からはあれこれ申し上げられません。あの方は今も悩んでおられる。他人が軽々しく語ればあの方を傷つけることになりますから。ただ……クレア殿は正義の剣よりも、傷ついた人の隣に立つ剣を選んでおられる。それだけは申し上げておきます。

(セレステに逆らったからなのか、気絶してしまったエリーゼを起こそうと彼女の肩を揺さぶって。それからセレステに向き直ると、自分の越権行為をこちらの事情の問題にすり替えてくるセレステにやんわりと「事情は関係ない、一般論だ」と釘を刺して。
クレアの話も首を振って、多くを語らないようにして。どうもセレステは自分が正しいと信じて疑わず、無自覚に人を見下し、自分の都合よく物事を解釈するタイプらしい。はっきり言って自分の正しさを疑いながらも人に寄り添い続けるクレアさんには相応しくない女、酒を浴びせられた司祭と同じく彼女に拒絶される存在なのだ。むやみに語ってコイツの自己正当化の材料にされたら、クレアさんはますます傷つく……と考えながら、言葉を選んで慎重に話して。)

  • No.1182 by エリーゼ/セレステ  2025-12-24 12:01:44 

>1181

はぁ…
そうですか…もし先輩と会う機会があれば、くれぐれもお身体に気を付けてとお伝えください。それでは、また。

(自分に向けて釘を刺すようなレドの言葉に、セレステはまともに聞く気がないのか視線を明後日の方向に逸らした。レドの言ってることはご尤もだが、セレステの立場からすれば、単にそっちの身内のバカを迎えに来いと言うだけの話なのである。そこに何か別の目的がある訳でもなく、お迎えに許可もなにも必要はない。事情を話せればここまで話が拗れることもないのに…と視線を逸らしたまま再び溜め息を吐いた。いっそ全部話してしまおうかとさえ思ったが、レドの驚く様を想像しながらウキウキと侍女服に袖を通していたレイラの顔を思い出すと良心が痛む。そもそも、問答無用でレイラを城から叩き出せば良かったものを、こうして自ら面倒事を引き受けてしまった自分の甘さに無性に腹が立つ。その苛立ちを間違ってもレドへ向けてしまうことがないように視線を逸らしているのだが、傍から見れば態度が悪いように映ることであろう。そして、クレアの話へと移るとやっとセレステは視線を戻すが、期待していたような返答は得られずに僅かに輝いていた瞳も残念そうに色褪せた。しかし、レドの発言の意図は分かりかねるが、「傷ついた人の隣に立つ剣を選んだ」という言い回しには少しだけ興味を唆られる。かつて、副官だった自分とクレアが方針を巡って初めて口論となった農民の大弾圧。その時に持ったクレアの印象は正義と秩序を重んじる堅物……時を経て、もしくは何かのきっかけで良い意味での変化があったのだと思い至ると、セレステの心にはほんの僅かに温かな感情が芽生えた。顔には出さず、最低限の社交辞令上の口上をレドに託し、ついにセレステはその場を後にする。)

んにゃ……はっ…!気を失ってたのにゃ…もうあの人はいないにゃんね。うぅ…レドくん、食欲がなくなったからハンバーグあげるにゃ。

(セレステが立ち去ってしばらくして、エリーゼはハッとした表情で目を覚ます。辺りを見渡せばセレステはレド達の席から遥か遠く、食堂の出入口付近でなにやら首席と痴話喧嘩(日常と化した光景のため騎士達にはそう揶揄されている。)しているが、それだけ離れていればエリーゼの精神状態に問題はないようだ。しかし、受けたショックのせいで二日分の食欲はどこかへ消え、ブロッコリーを一つ自らのフォークに刺すと、それ以外を皿ごとレドに寄せた。)

  • No.1183 by レド  2025-12-26 15:35:42 

>1182

……行ったか。エリーゼ殿すみません、あんまり力になれなくて。にしても次席補佐め、分団長を召使いみたいに扱うなんて。そもそもなんの用事……

(一礼し、立ち去るセレステの背中を静かに見つめ、ため息を吐いて。心なしかクレアの話題の時は穏やかに見えた。ただ気配りと余裕が無い女なのかもしれない。であれば共にクレアを慕う者同士で親しくなれる……ある一点さえなければ。
着席すると、いまだセレステへのトラウマを負い、食欲を失くしハンバーグを寄越してくるエリーゼに眉尻を下げて詫びて。それから遠方にいるセレステを苦々しく見つめ……ていると彼女が口論しているのが見えた。その相手の……見覚えのある覆面男を指差しながら、エリーゼに尋ねて。)

え、エリーゼどの?あのマスクマンはいったい……

  • No.1184 by エリーゼ  2025-12-26 17:02:13 

>1183

あ、謝らないでほしいにゃ!レドくんが負い目を感じることじゃないのにゃ。

(何ら非がないにも関わらず誠実な対応で詫びるレドに、エリーゼは目を丸くして慌てた様子でそれを止める。書類上の一時的な関係とはいえ主従関係にあるにも関わらず、こうして会って日も浅い自分に気を配ってくれる。そんなレドの人柄にエリーゼの警戒は僅かに解けつつあった。一呼吸置いて落ち着きを取り戻すと、続けられたレドの質問に答えて。)

あのマスク男はヴァルター殿。今の首席補佐官で、最も強く美しき獣人…を自称してる変人にゃ。美しいとは欠片も思わにゃいけど、強いのは確かなのにゃ。一度手合わせしたこともあるけど、私の剣がかすりもしにゃかった…にゃはは。
たぶん、あの人に攻撃を当てられるのは団長と前任のクレアさんくらいかにゃ?

(レドが指差す仮面の男、ヴァルターに視線を向けながら頬杖をついて、エリーゼは彼への私見を述べた。嫌いとまではいかないもののあまり良い印象は抱いていないようで、最も強く美しき獣人を自称する変人と、そう彼を語るエリーゼは苦笑いを浮かべている。ただ、自らの経験から彼の剣の腕は認めているようで、エリーゼの見立てでは勝負が成り立つのが団長とクレアぐらいのものだと断言した。クレアに関しては全盛期を基準にしているが、どちらも王国の剣士の最高峰と言っても差し支えない。それに準ずる技量を持っているからこそ、ああしてセレステを怒らせることに何ら危機感すら覚えていないのだろう。)

  • No.1185 by レド  2025-12-26 20:18:06 

>1184

ヴァルター……そうかあいつか!しっかし奇天烈な仮面だなぁ、顔隠して何が美しいだよ。
……バカエルフの次はバカマスクか、揃いも揃いってどっから拾ってきたのやら……おもしろくないっ!

(エリーゼの説明を聞きながら自分のハンバーグをがっついて。あれがクレアさんの後任の仮面男ヴァルターか……見た目も中身も変な男だなぁ、騎士団の上位者はろくでもない連中ばっかりだ、とヴァルターをジト目で見ていたが、彼の強さの話になると急に真顔になって目を見開いて。団長とクレアさんしか敵わないだと!?次席補佐セレステですら相当出来る女と見ていたのにそれ以上とは……そして糸目野郎より上なのか。面白くなさそうな顔で一気に自分の皿を空にすると、エリーゼのハンバーグに視線をやって。)

……エリーゼ殿、食べましょう。食事は剣に油を差すみたいなものだ。剣士は食べたくなくても食べなきゃいけない。食べて力つけて……連中を追い越しましょうよ。


(エリーゼはヴァルターも好かないらしい。いけ好かない性格の相手に剣士としての自信を折られたらそうもなろう。次席補佐はいわずもがな、バカのくせにエリーゼをバカにするバカエルフ、そしてあの仮面男……嫌な上司に囲まれ、宮廷からはペットとして送り出されてはエリーゼも気が滅入るだろう。せめて自分が出来る範囲で彼女を元気づけてやりたいと、差し出されたエリーゼのハンバーグの皿を戻して、微笑んで。)

  • No.1186 by エリーゼ/ヴァルター  2025-12-27 17:01:41 

>1185

…分かったにゃ。もっと強くなって、みんな見返してやるにゃ!

(レドの説得に応じて、すっかりスイッチの入ったエリーゼはようやく食事に口を付けた。美味しそうにハンバーグを頬張っていると、今しがた話題に上がった人物、ヴァルターが軽快な足取りで二人に歩み寄る。既にセレステの姿はなく、暇を持て余しているのだろう。)

久しいなエリーゼ。ジェラルド殿下との会食以来か。良い良い、若人は沢山食べなくてはな。
して、其方の若人はもしや…噂の指南役とお見受けする。我が名はヴァルター!最も強く美しき獣人だ。しばらくはこの城で顔を合わせる機会も多いだろう。よろしく頼む。

(断りなく二人の正面の席に腰掛けたヴァルターは、まず目に入ったエリーゼの食に対する姿勢を褒めると、満足そうにうんうんと頷いた。対するエリーゼは「久しぶりにゃ。」と短く返すだけの塩対応である。その声色からは、面倒なやつに絡まれたという心の声が漏れ出ているかのよう。そんな様子はお構いなしに、ヴァルターが次に目を付けたのは指南役を引き受けたばかりのレドであった。二十歳そこそこの年齢でその任を引き受ける例は稀で、内情に詳しい騎士団の上位者レベルには既にレドの存在は知れ渡っている為である。高らかに名乗りを上げたヴァルターは、表情すら読み取れないその気味の悪い仮面の瞳にレドの顔を映しながら、己の手を差し出して握手を求めた。)

  • No.1187 by レド  2025-12-28 15:40:34 

>1186

おいでなすったか、マスク怪人!

(エリーゼに食欲が戻ってほっとしたのもつかの間、あの仮面男が迫り来るのを見てぼそっと呟き。噂をすればナントヤラとはよく言ったものだ。やたら足取りが軽いわ勝手に正面に座るわ、なより疫病対策に使われるという嘴みたいなマスクが実に不吉だ。もう騎士というより怪人に見える。とはいえ騎士団の高位者に粗相もできない。まずは目の前に着席したヴァルターに一礼して。
エリーゼと共にジェラルドと会食したということは、こいつも第一王子派らしい。そして獣人……意地悪ジェリーちゃんはケモナーなんか?と淡々とした表情の下で分析していたが……)

噂の……?なんと、私をご存知でしたか首席補佐ヴァルター殿。近衛隊指南役レドと申します。よろしくお願いいたします。

(こちらを把握しているヴァルターの発言に目を丸くして。どうやら俺の話は想像以上に騎士団の中で広まっているらしい。ひょうきんなくせに、仮面のせいでバカエルフ以上に表情が読めない。そしてエリーゼの塩対応からして次席補佐とは別ベクトルで厄介な相手なのだろう。そんな相手にこちらを知られているのは癪だが、まずは礼儀正しく挨拶してから手を差し出してきたヴァルターと握手して。)

  • No.1188 by エリーゼ/ヴァルター  2025-12-29 17:45:50 

>1187

…うむ、良い手だ。強欲狸の娘が若い男を連れ込んだと聞いていたが、腐ってもライデンの人間。技量は兎も角として見る目はあるようだな。

(握手が交わされるなり、ヴァルターは石のように硬い自らの手に力を込めて、手の質感からレドの力量を測る。常人なら悲鳴を上げそうな程に締め付けること数秒、満足そうに数回首を縦に振るとやっと手を離した。真っ当に鍛錬を積んだ剣士の手。それが分かると、強欲狸ことオズワルドの娘が指南役の名目でどこの馬の骨とも知れない男を連れ込んだという不埒な噂は誤りであると確信に至る。この若人は本物だ、在るべくしてここにいると、仮面の裏で口角を吊り上げた。)

んにゃっ!いきなり酷いのにゃ!レドくん大丈夫にゃ…?

(隣でハンバーグに夢中だったエリーゼはヴァルターの奇行に気付くなり声を上げたものの、一見普通の握手と変わらないそれを見極めることに遅れたため間に合わず、事を終えた後に、すぐさまレドの顔を心配そうな様子で覗き込んだ。ヴァルターのこういった突拍子もない行動こそまさにエリーゼの塩対応の根本原因なのだろう。)

  • No.1189 by レド  2025-12-30 10:30:35 

>1188

……!ぐうっ………!

(握った瞬間、ヴァルターの人ならざる掌の硬さに表情が固まる……が、次の瞬間その手を歯を食いしばり、顔から脂汗が吹き出る苦悶の表情へと変わって。やっ野郎!!やりやがったな!!!だがここでキレたり無様な姿は晒せない。信じがたい力で手を締め上げられたことで全身に行き渡る電流のような激痛を、歯を食いしばって堪えて。)

…………ふふ、愛人枠などでは無いとお分かりいただけて光栄ですな。首席殿はタヌキよりカラスの方がお好みと見える……オズワルド殿の事はよくご存知のようで。

(顔も手も真っ赤になり、顔から汗を滴しながらも、心配するエリーゼに対しては「大事無い」とばかりに口角を上げながら無言で首を振って制して。
昔冒険者の先輩に同じ手口で嫌がらせされた時は即座に冒険者引退を決意させるレベルでシメた(そして仲間に止められお説教された)が、今回は純粋な力試しだったらしい。それにアリシアの親父のタヌキよりもカラス(俺)を、そしてアリシアを評価してくれたらしい。かえって好感を持ったレドは微笑みながらヴァルターに向き直ると、狸親父オズワルド・ライデンの事を伺って。)

  • No.1190 by エリーゼ/ヴァルター  2026-01-01 10:18:09 

>1189

ああ、よく知っているとも。醜い狸が娘よりも若い女子(おなご)を常に侍らせていれば悪目立ちもしよう。嫌でも目に付く。

(レドの制止によってエリーゼは手を出さなかったものの、これ以上同行者に危険が及ばないように剣の柄に手を添えて、次なるヴァルターの行動を警戒している。そんな視線をものともせずにヴァルターは悠々と嘴を撫でながら、向けられた質問に答えた。呆れたような声色で語られたのはオズワルドの素行。日頃から娘より若い女を侍らせて悪目立ちしている様である。ライデン家の当主にあるまじきその振る舞いはまさしく強欲狸の名に相応しいものであった。)


(/返信遅れて申し訳ありません!)

  • No.1191 by レド  2026-01-01 23:25:08 

>1190

エリーゼ殿!……なんと、娘よりも……ヴァルター殿、仮にも名家の当主が娘を差し置いて女を堂々侍らせるなど。その女、せめて護衛の間違いではありませぬか。

(オズワルドの素行を聞いて目を見開くと、エリーゼが剣に手を掛けて文字通り剣呑な雰囲気にしているのを感じ取り、ヴァルターの方を向いたまま叫んでエリーゼを制止して。テーブルに肘をついて指を組み、ヴァルターの瞳に視線を合わせると、そのオズワルドの女とは護衛でないかと反論……というよりそうであってほしい願望をぶつけて。いくらひどい親でも、若い娘を常に侍らせて実の娘・アリシアを否定するような男だとは信じたくないのであった。)



(/大丈夫です!いよいよ本格的に王国の内部に踏み込むようですね。今年もよろしくお願いします!)

  • No.1192 by エリーゼ/ヴァルター  2026-01-04 01:34:57 

>1191

んにゃ…分かったにゃ…

確かに役職上は護衛で間違いないのだが、どうも距離感がな…おや、丁度お出ましだ。まあ見れば分かるだろう。

(レドの静止で渋々と剣から手を離すエリーゼを横目にヴァルターは話を続ける。レドの推測の通り、侍らせている女は護衛である。しかし、ヴァルターが懸念しているのは護衛にあるまじきその距離感にあった。噂をすればなんとやら、でっぷりと肥えた腹を揺らしながら食堂へと足を踏み入れたオズワルドと、その腕にぴったりと抱きついて離れない若い女。それも、欲深く醜い狸の隣りには似つかわしくないかなりの美女である。今しがた現れた二人に視線を向けながら、ヴァルターは呆れ果てて肩を落とした。)

あの女はフィオナ・ロムニアス。団長の娘にして、騎士学校を飛び級で首席卒業した秀才だ。実戦経験は皆無だが単純な技量ならばエリーゼと同格であろう。そんな逸材がなぜゆえ狸に夢中なのか理解に苦しむ。天は二物を与えずと言うが、血筋も才も、そして麗しき容姿すら与えた代わりに恐ろしい業を背負わせたものだ…

(視線はそのままに、ヴァルターは世間での知名度が皆無に等しい護衛の女フィオナ・ロムニアスについて知り得る情報を語った。団長の娘にして、騎士としての全てを持った天才。そんな彼女がまかり間違ってオズワルドにぞっこんな現状を悲観して、語り終える頃にはヴァルターは天を仰ぎ見ていた。比較にあげられたエリーゼはと言うと、表情には出さないものの、フィオナとは歳が近いこともあって騎士として対抗意識を燃やしており、ハンバーグを頬張りながら毛の逆立った尻尾をブンブンと振り回している。)

(/ありがとうございます!少々リアルの方が忙しく、しばらく返信が低頻度になってしまい重ねて申し訳ありません。こちらこそ今年もよろしくお願い致します!)

  • No.1193 by レド  2026-01-04 23:58:33 

>1192

なっ……!あれで団長の娘とは、なんとはしたない。あれではまるで……アリシア様のお側に控える以上、あの二人への対応は避けて通れませんな。ヴァルター殿、情報のご提供に感謝いたします。

(オズワルドと若い女……フィオナの騎士らしからぬ有り様を見ると呆然と口を開けて。騎士の名門・ライデン家の当主らしからぬ肥満体のオズワルドと、やたら短いスカートと振る舞いが下品なフィオナに冷めた視線を送って。あれが騎士の鑑と言われる団長の娘とは思えない。「あれではまるで商売女と客だ」と言いかけたところで首を振り、ヴァルターに頭を下げて情報提供に感謝して。振る舞いはともかく、団長の血を引く手練れがアリシアを虐げた父親に付いているとは厄介だ。あの二人からもアリシアを守らねば……と意気込むレドの表情は神妙であった。)

  • No.1194 by エリーゼ/ヴァルター  2026-01-06 16:03:03 

>1193

ふっ、感謝される程の事ではあるまい。
さて、そろそろ時間だな。最後に一つ、面白い話を聞かせてやろう。今から一週間後に帝国の皇女がこの城に来訪する。城のネズミ達もここ最近は忙しなく動いているようでな、きっと祭りの予兆だろう。健闘を祈るとだけ言っておく。それでは、さらばだ。

んにゃっ!?どういうことにゃ、詳しく聞かせろにゃぁ!行っちゃったにゃ……

(何かを守ろうとする若人の覚悟、表情からそれを読み取ったヴァルターは満足そうに頷いた。時計をちらりと一瞥すると、次なる予定を思い出したヴァルターは別れを切り出すと同時に爆弾発言を残す。一週間後の皇女来訪、反応から見るにエリーゼすら知らない極秘情報を淡々と告げると、呼び止める声に耳も貸さずにヴァルターは背を向けたまま手を振ってその場を後にした。城のネズミ、祭りの予兆、不穏な表現の真相を聞き損ねたエリーゼは不安から手に持ったフォークを握りしめて項垂れている。)

  • No.1195 by レド  2026-01-07 12:47:42 

>1194

……!いっいまなんと!?あっ、ヴァルターどの!
…………皇女って、第一皇女ヴァイスリーネのことですよね。知ってましたかエリーゼ殿?俺もアリシアからは何も聞いてないんですけど……

(帝国の皇女が来る!しかも口ぶりからして親善ではない!去り際に爆弾発言を残したヴァルターの背に思わず手を伸ばして……それで引き留められるわけもなく、しばし手を伸ばしたまま呆然として。
手を下ろすとおそらく事情を知らないであろうエリーゼに顔を向け、帝国の皇女=第一皇女ヴァイスリーネのことを質問して。その眉間には皺が寄っている。Bランクの若輩といえども「穂枯らし姫」の悪名は耳にしており、ヴァイスリーネに良い印象など全く無いのだ。)

  • No.1196 by エリーゼ  2026-01-10 06:03:41 

>1195

初耳にゃ……皇女がなぜ今…?まさかそんな筈………とにかく、情報収集するにゃ!さ、行くにゃんよ!

(レドの質問に、エリーゼは不甲斐なさそうに頬を掻きながら初耳だと明かす。城に来てからというもの近衛隊庁舎に軟禁されていたせいで、情報戦に於いて出遅れるのは仕方のないことであろう。俯いたまま、エリーゼもまたヴァルター同様意味深な発言もとい呟きを零す。まるで、皇女が来ること自体に疑問を抱いておらず、そのタイミングに困惑しているかのようであった。彼女が第一王子派としてレドに何か隠し立てしているのは明らかである。思考を整理してバッと勢いよく立ち上がると、腹を満たせたことで元気一杯な様子で、情報収集の為にも食堂を出るよう促した。)

(/毎度返信遅くてすみません…来週にはもう少し返信頻度上がるかと思います!)

  • No.1197 by レド  2026-01-11 03:43:01 

>1196

仰せのままに……と言いたいところですがその前に。
……もうちょっとここにいません?さっきから色々ありすぎて俺食い足りないし、ハンバーグ以外のオススメも食いたいなぁ……慌てなくたって、後で宮廷(うえ)から情報が入るでしょ?

(早くも行動を起こすエリーゼに追従して水を飲み干すと、すっと立ち上がって白いケープを羽織り、彼女の後を付いて……いくと思いきや背中越しにエリーゼを睨みつけて。細めた瞳から灰色の眼光をエリーゼに突き刺して、今口を滑らせたことに関して問い詰め……
……るかに見えたが、クルッと回転してエリーゼに向き直ると手を広げ、苦笑いしながら「その件はどうせ宮廷から情報が来るだろうし、もう少し食堂にいたい、おかわりしたい」と言い出して。戦わなければ生きられない冒険者にとって食事は数少ない娯楽。ましてや貧しい生い立ちで、クレアを追いかけながら食い扶持を得るために冒険者をやっているレドは見た目によらず食い意地が張っているのだ。)

(/いえいえ!レドのイラストを作ったりしながらのんびりしておりました!レスはいつでもお待ちしております!)

  • No.1198 by エリーゼ  2026-01-13 00:03:55 

>1197

んにゃ…レドくんがそう言うなら分かったにゃ。それじゃあもう一品私のイチオシを頼んじゃうにゃ!

(向けられた鋭い視線にエリーゼは本能的にビクッと身体を震わせるも、続けられた茶目っ気のある提案にジト目を返した。少し考え、自分とは違い長身でまだ食べ盛りの青年には足りなかったのだろうと納得すると、普段の高いテンションに気持ちを切り替え、再び席に座って注文を取る。呼び付けたのは席から少し離れた場所に控えていた生気のない瞳が特徴のピンク髪の侍女。食堂に配置された侍女は何人かいるが、一番近くの侍女ではなく敢えて彼女を指名したのには何かしらの意図があるのだろう。聞き取れないほどの声量で、ただの注文にしては多い幾らかの言葉を交わした後に侍女は恭しく頭を下げてその場を後にした。)

(/ありがとうございます!レドのイラストもいずれ拝見出来ることを楽しみにしております!)

  • No.1199 by レド  2026-01-13 23:00:11 

>1198

へへへ、ありがたい。さて、ハンバーグの次は何が……
……あのハデな髪の侍女、エリーゼ殿の部下ですか……さっそく情報収集ってわけですね。

(またエリーゼが注文してくれると聞いてニヤニヤしながらケープを椅子に掛け直し席へ座り直すが、彼女の不審な行動を目の当たりにすると一気に真顔になって。わざわざ離れた場所にいたところをエリーゼに呼び寄せられたピンク髪の侍女は、レドから見れば目が死んでいるどころか身体全体から死臭が漂っているように見えた。どう見てもカタギの人間ではない。あれもまた宮廷お抱えの密使なのだろう。セレナと同じような……侍女の背中を見送ってから椅子を寄せてエリーゼの猫耳に顔を近づけると、さっそく今の怪しい侍女の素性を耳打ちで尋ねて。)

  • No.1200 by エリーゼ/シェイド  2026-01-14 12:46:06 

>1199

んにゃ…!?気付いてたのにゃ…?部下というよりは同僚というか…なんというか…説明が難しいにゃんね。派閥の連絡役とだけ言っておくにゃ。

(上手く偽装したつもりが、意図をあっさりと見破られたことにエリーゼは驚くと、声量を落として当たり障りのない範囲で侍女の素性を答えた。身分を明かせない存在にして派閥の連絡役、侍女の正体が第一王子の私兵であることを明かしているようなものだが、嘘が得意ではないエリーゼが誤魔化そうにもこれが限界である。苦笑いを浮かべつつ、猫耳を垂らしているとなんとも言い難い間を埋めるようにして料理が運ばれてきた。)

お待たせいたしました。こちら山盛りポテトフライになります。

た、頼んだのとちが…なんでもないにゃ。

(座っているレドの頭頂部まで届くほどの高さに盛られた山盛りのポテト、それを二皿も器用に両手で持ってピンク髪の侍女は席へ戻ってきた。山を崩さぬように丁寧にテーブルへ置くと同時に、侍女はエリーゼへ視線を向けて品名を伝える。しかし、よく目を凝らせばその発音と口の動きが異なることに気が付くことであろう。これは諜報員によく用いられる話術であり、口の動きだけで「言い訳が下手。次やったら消す。」とエリーゼに釘を刺したのである。メッセージに気付いたエリーゼは困ったように頬をかくものの危機感はない。自分の身を守れる程度の技量を持っている自負がある為だ。それよりも目先の危機と言えば、頼んでもいない目の前のポテトの山…これは侍女が本来の任務である食堂内の会話に聞き耳を立てる時間を確保する為に一番用意が簡単なものを手配した結果なのだが、そこまで察するとエリーゼは抗議すべく開いた口をすぐに閉じ、代わりにレドに助けを求める視線を送った。レドと違いエリーゼは既に満腹に近く、田舎騎士の生まれだけあり残すことにも抵抗がある。レドならもしかしたら全部食べれるのではないかと淡い期待を寄せてのものであった。)

  • No.1201 by レド  2026-01-15 13:42:30 

>1200

そりゃあもう。わざわざ遠くから呼んでるし、何よりどう見たってカタギじゃ……んなっ!これは……ちょっとエリーゼ殿!それでも分団長ですか!まったくもう。
……まいったなこりゃ。まともに食ってたら飽きちゃうし、ケチャップ、マヨネーズってのもありきたり……よし、あの手でいくか!

(エリーゼのふにゃふにゃした猫耳の耳元で話を続けていると、運ばれてきたふざけた量のフライドポテトの山、それも二皿!にあんぐりと口を開けて。注文とは違うらしいが抗議しないエリーゼに困り顔を向けると、助けを求めてくる彼女と、発音と口の動きが合ってない派手な髪の侍女とに交互に視線を向け、二人の関係を分析して。どうやらこの侍女は密かにエリーゼを凄んでいるようだ、仮にも第二団長を。エリーゼを田舎侍とナメているのか、あるいはこの侍女がお偉方の直属なのか……エリーゼの歯切れの悪さからしてたぶん後者。政治屋(フランツ)か……セレナのように第一王子そのものに仕えているか、だ。
それはそうと、まずはこの山盛りポテトに対処しなければならない。どうしたものかと顎に指を添えて思案すると、何か思い付いたのか指をパチン!と鳴らして)

あー、そこのピンク髪の方。取り皿、メープルシロップ、キャラメルソース、蜂蜜、シナモンシュガー、チョコソース、持ってきてもらえますか。あと追加で……バニラアイス、6人前。

(ピンク髪の侍女の方を向いて、追加の注文を頼んで。侍女を見る瞳も口調も静かだが、その声から発せられた注文の内容と言えば取り皿の他には甘い調味料ばかり。挙げ句の果てには大量のバニラアイス。山盛りポテトを前にしているとは思えない物だらけだ。)

  • No.1202 by エリーゼ/シェイド  2026-01-15 21:05:33 

>1201

チッ…かしこまりました。

(こうも堂々と注文されては誤魔化しも効かず、またその品目の多さから手間を想像したシェイドは思わず舌打ちをした。形だけの丁寧な所作で再び恭しく頭を下げてその場を後にするものの、その足取りには静かな殺意と苛立ちが滲んでおり、レドが感じ取ったカタギではない気配は一層濃いものとなる。)

うにゃー…甘いものばかりにゃんね。食べ切れるのにゃ…?

(一方でエリーゼは頬杖を突きながら少しばかり呆れたようなジト目をレドに向けて素朴な疑問を投げかけた。目の前のポテトの山だけでも彼女にとっては目を逸らしたくなる量だが、それに加えて高カロリーの注文の数々…レドを信じていない訳ではないが、いくら食べ盛りの青年とはいえ明らかに常軌を逸した注文内容に、これを問わずにはいられないだろう。そして、事の成り行きを見ていた周囲の騎士達も、まるで見世物を見るかのような好奇の視線を向けていた。)

  • No.1203 by レド  2026-01-16 12:57:34 

>1202

うへ、おっかねー。セレナとは大違いだな。

(露骨に不機嫌な態度を見せて去って行くシェイドに目を丸くして。第一王子派という主流派だから態度がデカいのか、それとも元の性格か。とにかく同じ侍女でも第三王女付きのセレナとは大違い。「飼い主が飼い主なら、犬も犬!ってヤツか?」と、内心で呆れながらシェイドの背中を見送って)

ふふふ、昔の仲間に魔法使いがいましてね。古参騎士の家の三男坊で、いろいろ知ってるヤツだった。王国に魔法にモンスター、そして……ポテトの美味い食い方も。
うん、いいポテトだ。外はカリッと、中はホクホク。「アレ」をやるにはちょうどいい。

(疑いの目を向けるエリーゼを流し目で見つつ、山の中からポテトを一つつまんで。黄金色に揚がった皮付きのそれを眺めつつ、昔の仲間のことを懐かしそうに語ると口に入れる。ひとしきり咀嚼して王都ならではの味と食感の確かさを堪能して。)

……どうやら周りの皆さんも興味津々のようだ。ここはひとつご覧いただきましょうか。近衛隊指南役のやり方ってヤツを。

(周りの騎士達も思わずこちらに注目しているのに満足してニコニコ笑って。腕を組み、悠々とポテトの山を眺めながら、注文したバニラアイス諸々が来るのを待ち構えて。)

  • No.1204 by エリーゼ/シェイド/オズワルド/フィオナ  2026-01-16 23:01:42 

>1203

どう食べるのか想像もつかにゃいけど…とにかく心配はいらないみたいで安心したにゃ。ポテトをつまみながら思い出話でも聞かせて欲しいにゃ。……って今度は何事にゃ…!?

(レドの自信に満ちた様子を見て、無用な心配であったことを悟ったエリーゼは一旦水の入ったグラスに口を付ける。思えば、生まれてこのかた騎士として生きてきた自分にとって、平民、とくに冒険者に関しては一般的な知識以外に知り得ない…デュランダルの治安を担う者として見識を広める良い機会だろうと考えると、グラスを置いてレドの顔を見やり、ニコッと微笑んで思い出話をせがんだ。のも束の間に食堂の出入り口付近からガシャンと騒音が響く。エリーゼ同様に騎士達の注目もすっかりそちらに流れ、視線の先には数多の調味料とアイスに塗れ悲惨な姿となって膝を付いているシェイドに、その目の前で激昂するオズワルドと下卑た笑みを浮かべたフィオナの姿があった。)

侍女風情が私の進路を塞ぎおってっ!身の程を弁えろ!

ははっ、ベドベトじゃんかわいそーう。でも、オズワルド様の歩みを妨げた君が悪いんだからね?

…申し訳ありません。

(事の顛末はこうである。大量の注文でシェイドの両手は塞がり、そんな状態で一番狭い食堂の入り口に差し掛かったタイミングで肥満体型の狸ことオズワルドと鉢合わせてしまった。しかもオズワルドの腕にはフィオナがべったりと抱きついている。避けて通れる筈もなく、すぐにシェイドは後退を試みたものの、一瞬でも歩みを妨げられたことにオズワルドが激昂して蹴りを入れたのだ。ただの侍女に扮しているシェイドは抵抗することなく飛ばされてこの惨状へと至る。心にもない謝罪を述べるシェイドだが、表情にこそ出さないもののその高い殺意はレドから注文を受けた時の比ではなく、一触即発にも見えるこの状況にエリーゼは困ったように小首を傾げて介入すべきか悩んでいた。一応同行者の意見も聞くべきだろうと判断すると、視線でレドに問いかけて。)

  • No.1205 by レド  2026-01-18 09:45:35 

>1204

…………思い出か。俺はともかく三男坊の思い出は面白くないですよ。いつも名門を鼻にかける傲慢で乱暴な実家に、つまはじきされて育ったから……あんな風にね!

(色々頼み過ぎたか、自分の予想以上にシェイドが時間を食っている。アイスが来る前にもう一口ポテトをつまんでいると、偶然にもオズワルドがシェイドを蹴り飛ばす瞬間を目撃してしまい、目を見開いて。介入の判断を求めるエリーゼにちらっと視線をやると、名家の三男に生まれた魔法使いの仲間の思い出の断片を語る。語りながら悲し気な視線を向けた先にいるのは、腐った当主と下品な団長の娘、そして彼らの蛮行を耐え忍ぶ侍女。今話したレドの昔の仲間・名家の出のアーダンもまさにあのような環境で生まれたのだ。仲間の苦難を想起させるオズワルド達の無道を見るに見かねたレドは歯を食いしばり、ケープを羽織ってシェイドの下へと飛び出して。)

「ああっ!俺の!」
失礼!……大丈夫ですか侍女殿?調子こいてたくさん頼み過ぎてしまった……無茶な注文して申し訳ない。

(目についたおしぼりと布巾を騎士からひったくると、酷く汚れて膝を付くシェイドに片膝をつき、申し訳なさそうにそれらを差し出して。宮廷派の工作員・シェイドはアリシアの将来的な敵とも言える。あまり助けたくはないが……オズワルド達に暴行されたシェイドに昔の仲間の苦しみを重ね合わせてしまい、つい手を差し伸べてしまった。)

  • No.1206 by エリーゼ/シェイド/オズワルド/フィオナ  2026-01-19 12:12:43 

>1205

大丈夫です…その…ありがとうございます。

(助けが来るとは思わなかったのだろう、目の前に立つレドの姿にシェイドは目を見開いた。感情の整理がつかないまま、差し出されたおしぼりを受け取り、自らの身体を拭きながら一先ず礼を述べる。注文を受けた際の自分の態度はレドを突き放すようなものであった筈、にも関わらずなぜ自分を助けたのか、シェイドの脳内は驚愕と疑問に溢れていた。)

ふにゃー…酷い家もあるにゃんね。

おい貴様ァ!まだ私の話は終わっておらんぞ!

これはこれはライデン卿。お久しぶりですにゃ。
これらを注文したのは私の席…つまるところ私にも非がありますにゃ。大変申し訳ありません。ですから、私の謝罪に免じてどうかお許しいただけないですかにゃ…?

チッ、田舎騎士の安い頭に価値があるとも思えんがいいだろう。私も暇ではない、行くぞフィオナ。

キャーッ!オズワルド様優しいー!惚れちゃったよ!結婚して!

やかましいわァ!

(レドの口から語られた仲間の生い立ちに同情を寄せつつ、少し遅れてエリーゼも渦中の場に足を踏み入れた。乱入者に説教を遮られたことでさらに激昂するオズワルドの前に立つと、新たな火が焚べられるかと周囲が固唾を飲んで見守る中、彼女は言葉を発すると同時に丁寧に頭を下げる。如何なる時にも対立を望まず、理不尽に慣れ切ったエリーゼが取れる最善手だ。軽んじられることが多いとはいえ分団長の誠意ある謝罪、文句こそ言えどその意味はオズワルドにも分かっており、不服そうな態度を取りながらも踵を返してその場を後にした。最初こそオズワルドに意見するエリーゼをゴミを見るような殺気混じりの目で見据えていたフィオナも、当のオズワルドが許しを与えたことでダダ漏れの殺気を霧散させて一転、上機嫌に彼に付き従った。やがて騒がしい二人の後ろ姿は小さくなっていき、完全に見えなくなったところでエリーゼはレドに向き直って、折れる形で幕引きしたことを申し訳なさそうに「ごめんにゃ。私に出来ることはこれくらいにゃ。」と苦笑いを浮かべた。)

  • No.1207 by レド  2026-01-21 06:40:27 

>1206

……?意外とそっけないな。まあいい。
いえいえ、お見事でしたエリーゼ殿。第二団長にああも人前で丁寧に謝られたら向こうも引き下がるを得ないでしょう。俺だったら乱闘になってたかも。へへ……

(愛人の割にはフィオナに対してそっけないオズワルドの背中を、眉をひそめながら見送って。何はともあれエリーゼが頭を下げたおかげで危機は去った。ガチガチの貴族たるオズワルドにはむしろ効果的だろう……謝るエリーゼに手を突き出して制すると一礼して感謝を伝え、「俺だったら乱闘になってた」と苦笑いして。事実、直情なレドでは横暴な貴族、それもクレアの家を奪いアリシアを虐げた男に頭を下げるなど到底不可能であり、相手をしていたら今頃食堂が地獄絵図と化していたであろうことは否定しきれない……)

災難でしたね侍女殿。俺の注文のことはもういいですから……さ、お手を。

(ひとまずシェイドがこれ以上酷い目に遭わなくて済みそうだ。片膝をついてシェイドに手を差し伸べると、手を取って立つように促して。こんなに汚れては仕事どころじゃないだろうと、アイス諸々の注文も取り下げる。結局オズワルドを自力で止められなかった自分がシェイドのためにしてやれることはこれくらいしかない、と、彼女に手を差し伸べる顔は何とも言えない苦笑いを浮かべており。)

  • No.1208 by エリーゼ/シェイド  2026-01-21 15:46:59 

>1207

にゃはは…レドくんはもうちょっと落ち着いた方がいいにゃんね。

(レドの自虐にエリーゼは苦笑いを浮かべたまま、ささやかなアドバイスを添えて返した。恋人の父親、それもあんな横暴な人間を前にすれば彼はきっと冷静ではいられない…そんなある種の諦めを孕んだ視線を落とすと、今度は未だに地べたに座り込むシェイドに焦点を移して首を傾げた。差し出された手を前に何やら固まっている。冷静なシェイドの思考がフリーズするとは珍しいなと思いながらもフォローする為にエリーゼが口を開きかけた瞬間、当の本人がやっと動き出した。)

いらない…自分で立てます。

(シェイドは悩んでいた。自分に優しさを向ける人間の手を、血で染まった自らの手で受け入れていいのかと…考えた末の結果は否であった。一定の好意を抱いてしまったからこその拒絶、彼女なりの自己完結した気遣いなのだが、一見するとツンとした態度で突き放したように映る行為はシェイドの不器用さを際立たせる。自分の足で立ち上がると、恭しく頭を下げた後、そそくさとその場を後にした。その一部始終を見て、エリーゼはフォローすべくついに口を開く。)

あぁ…これはべつに嫌っているとかそういう訳じゃないにゃ。たぶんその逆で…もう、説明が難しいにゃー!と、とりあえずポテト食べようにゃ!トラブル続きで私もまたお腹空いてきたのにゃ。

(シェイドとの付き合いがそれなりに長く、どういう生い立ちかも察しているエリーゼにとっては彼女の心情に想像が付くが、第一王子の私兵という秘匿された身分故に明かせる情報はないに等しく、説明に詰まって頭を抱える。かくなる上は話題を変えようと試み、腹も減っていないのにポテトを指さして空元気の笑みを浮かべた。)

  • No.1209 by レド  2026-01-22 19:50:36 

>1208

あら……侍女どのーっ!また会いましょうねー!

「うるさいよオマエ!おしぼり返せ!」
おっと申し訳ない。ありがとうございました。
「まったく騒々しい奴。この場を収めた第二団長殿に感謝するのだぞ。」
ええ、もちろんです。へへへ。
「うむ……しかし田舎侍の小娘かと思っていたがなかなかどうして……あながちフロックでもなさそうだな。」

(自分の手を取らずぶしつけに立ち去るシェイドを気にすること無く、その背に向けて片手に口を当てながら「また会いましょう」と叫んで。もう片方の腕は真っ直ぐ上げて手を振り無邪気に叫んでいると、先程レドにおしぼりをひったくられた壮年の騎士に怒られる。騎士は愛想笑いを浮かべるレドから代わりのおしぼりを受け取るとエリーゼを一瞥して、顎ヒゲを撫でながらウンウンと頷いて自分の席へ戻った。)

気にしてませんよエリーゼ殿。無愛想は武芸者の常、うちのレイラ(ねえさん)だってそうです。
それよりあの親父ですよ!友達の「理論」お披露目のジャマしやがってこの野郎……ふざけるなよ!

(自分も席に戻ると、相変わらず奥歯に物が挟まった言い方でシェイドの件を弁明するエリーゼに首を振って、気にしてないと告げて。と言いつつ「武芸者」とシェイドの素性を仄めかす言葉は使っているが……ただ、セレステに続きオズワルドに食事の邪魔をされたレドは不機嫌だ。しかも今回は亡き友人が教えてくれたポテトの食べ方を披露する機会をフイにされたからなおさらだ。眉間に皺寄せながら、山からポテトを鷲掴みにして荒々しくポテトを口に突っ込み始めて。)

  • No.1210 by エリーゼ  2026-01-23 14:32:51 

>1209

良い食べっぷりにゃんね。
ライデン卿は私の知る限り昔からあの調子にゃ。欲深くて傲慢で…あまり関わりたくはないのにゃ。…あの人に限らずライデンの人間全般が私からしたら怖いのにゃけど…

(既に定食を食べ終えたとは思えない程のレドの食べっぷりを絶賛しつつ、エリーゼもポテトを一つ頬張った。飲み込んだ後、オズワルドへの恨み言に頭を大きく縦に振って同調を示す。恵まれた家柄を鼻にかけて他者を蔑むオズワルドの素行は比較的平凡な家系に生まれたエリーゼにとって不愉快極まりないものであるが、言葉の最後にポツリと、オズワルドに限らずライデン家全般が苦手だと本音を零してしまう。聖教を信奉するアリシアを恐れるのは勿論、その中にはクレアも含まれる。これは、当時騎士学校の学生だったエリーゼの目線では、クレアと言えば今のレイラのような格式ばった高圧的な口調に加えて慈悲のない農民弾圧の印象が強い為である。)

  • No.1211 by レド  2026-01-23 22:06:06 

>1210

ケッ、飽き飽きしますね。このポテトみたいに。あの侍女殿に言っといてくださいよ、もうちょっとポテトの量考えてくれって……

(オズワルドの典型的な傲慢貴族っぷりを聞くと舌打ちして。友人の実家も似たようなものだ。貴族とはこんなものか……眉間に皺寄せながらポテトの山を素手で崩してはガンガン口に入れて行く。おかげで山はどんどん減っていくが、乱雑に黄金色の山を崩していくその所作は、食事というより素手で土を掘る作業のようである。多すぎるポテトにもオズワルドにも機嫌を悪くしているところに、聞き捨てならない発言が耳に入り手を止めて。
……「ライデンの人間全般が怖い」?獣人として聖教徒のアリシアを怖がるのは分かるが……清く正しいクレアさんをあの快楽主義の豚と一緒にする気か?亡き師匠ショウカクに等しい存在としてクレアを私淑するレドにとって、今の発言は許せない……)

『てってめぇッ!クレアさんをあんな豚饅頭と一緒にすんじゃねぇ!!』

(……以前のレドならこのように叫んでエリーゼに殴りかかっていただろうが、今のレドは代わりに落ち着いた所作で口を布巾で拭っており。クレアさんと会った今なら分かる。あの人は自分を笠に着る振る舞いは嫌う、と自制しているのだ。)

クレア……クレア殿もですか?ギルドで見た限りではそう見えませんでしたけどねぇ。優しくておしとやかで。騎士時代はそうじゃなかったんですか?

(拭い終わると眉尻を下げながらエリーゼに顔を向け、過去のクレアの印象について質問して。十年一昔だ。きっと騎士時代は全然違ったんだろう。本人はあまり口にしたくなさそうなので、この際エリーゼに伺うことにした。)

  • No.1212 by エリーゼ  2026-01-23 23:17:58 

>1211

にゃはは…言っておくにゃ。
そうにゃけど…優しくてお淑やか…?ほんとにクレアさんのことなのにゃ?たしかに冒険者になってから丸くなったとは聞いていたけど…私の知るクレアさんはいつも怖い顔で腕組みしてて…一度だけ騎士学校で剣術指南を受けた時には「おい、猫耳の貴様。舞でも踊っているのか?腰が引けているぞ。」なんて指摘を受けたにゃ。あの人の前で平静でいられる方がおかしいのにゃ…

(苦笑いを浮かべてレドの言伝を引き受けると、エリーゼはきょとんとした様子で続けられた質問に答える。レドの語るクレアの印象は自分の知る姿とはまるで違う。その差異に首を傾げながら、当時を語るエリーゼはその情景を鮮明に思い起こす度に身体が震えていった。騎士団のNo.3から直々の剣術指南、それだけでも騎士となる前の一学生にとっては相当のプレッシャーであろう。「舐められたら終わり」そんな父親の教えを愚直に護る当時のクレアの強い口調で指導を受ければ尚のことである。思い出すだけでもこの怯えよう…当時は本当に舞でも踊っているような剣の振りだったに違いない。)

  • No.1213 by レド  2026-01-24 08:49:22 

>1212

ええ、まるでレイラ(ねえさん)みたいだったんだな……
確かクレアさ、クレア殿は幼い頃に騎士のお兄様を戦争で亡くされたそうですね。それで騎士の婿をもらうのではなく、自分が亡きお兄様に代わり騎士になった、とか。ここまでは騎士の家の友人から聞いたんですけどね、俺も友人も詳しい事は知らないんですよ。なにせその友人も、小さい頃に魔法学校入学という体で騎士社会から追い出されちゃったんでね……

(きつい口調、怖い指導。エリーゼが語る騎士クレアの姿は自分が見てきたクレアとはまるで別人、それこそレイラのようだ。ポテトの山を乱暴に手でかき分けるのをやめ、取り皿に分けてからフォークでポテトをつまみ始める。そして騎士クレアがそのような怖い人に育った経緯、クレアの生い立ちについて質問しつつ、嘆かわしく溜息を吐きながら友人アーダンの生い立ちにも触れて。ある程度の経歴は古参騎士の出であるアーダンから聞いているが、彼も教育・矯正と称して小さい頃に魔法学校へ入学……体よく実家と騎士社会から放逐された身の上で、騎士団の内情を一から十まで把握しているわけではない。なのでこの件も同じ騎士であるエリーゼに伺うことにしたのである。)

  • No.1214 by エリーゼ  2026-01-24 21:02:21 

>1213

私もそこまで詳しくはにゃいけど…きっとお父上の影響が大きいと思うにゃ。英雄ザルヴァド・ライデン…とても厳格で人一倍騎士としての誇りを持っていたと聞くにゃ。もしかしたら、そんなお父上の望む騎士の姿を演じていただけで、レドくんの知るクレアさんが本当の姿なのかもしれないにゃんね。お母上は穏やかだったと聞くし……元フリード枢機卿なのに王国人、それも獣人を相手にとても良くしてくれたと私の両親が絶賛してたにゃ。

(騎士社会の闇とも言えるかつてのレドの友人の生い立ちに内心で同情を寄せつつ、自分も詳しくはないと前置きをした上で、エリーゼは難しい顔で記憶を辿りながら憶測も交えてクレアを取り巻いていた境遇を語った。騎士クレアの根幹、それはきっとライデン家の前当主にしてクレアの父、ザルヴァド・ライデンにほかならない。フリード共和国の建国以降二度行われた戦争の一つ、第一次フィリア・フリード戦争。その功労者として騎士社会では英雄視されている人物だ。厳格な父親の望む姿、それをクレアは演じ続けていたのだろう。母親の穏やかな気性を引き継いでいると考えれば、レドの知るクレアが本当の姿なのかもしれないとエリーゼは結論付けた。そして、併せてさらっと語られたクレアの母親レティシアの経歴。これは何か意図を持って秘匿されている訳ではないが、フリード共和国とフィリア王国との関係性故に暗黙の了解でタブー視されてきた為に、ザルヴァドが結婚を報告した社交界にたまたま居合わせた人間しか知り得ない事実である。言い終えた後になって、これは言っちゃ不味かったかにゃ…と言わんばかりの苦笑いでエリーゼは小首を傾げた。)

  • No.1215 by レド  2026-01-25 12:34:23 

>1214

なるほど英雄ザルヴァドか。それで……というよりも、どっちも本当の姿なのかもしれませんね。エリーゼ殿が見てきた厳格な騎士クレアも、俺が見てきた優しい冒険者クレアも……
ただ俺が見る限り、クレア殿は剣を持つことが幸せには繋がらなかったように感じました。血筋・強さ・名誉。冒険者連中からすればうらやむ物をたくさん持っているはずなのに……あの方は剣と血にまみれて強さや栄華を求めるよりも、力が無くとも花に囲まれて生きていた方が幸せだったと思います。冒険者とは思えないほど優しく穏やかな方ですからね。その元フリード枢機卿のお母様のように……

(クレアの親の話を聞き、ポテトを食べる手を止め、腕を組みながら自分なりの見解を述べて。厳格なる豪傑、誇り高き騎士・ザルヴァドの下に生まれては、兄に代わり騎士となる道を歩まざるを得なかっただろう。母親似の穏やかな気性で騎士社会に身を投じることがどれだけ苦しい事だったか……クレアの苦悩を思うと目が潤んできて。
騎士クレアと冒険者クレア、どっちが本当の姿なのかは他人が判断できそうにない。が、またフォークを手に取ると「クレアさんは剣を持つことが幸せにはならなかった」と、首を振りながら語って。生まれ育った王城を「魔境」と呼ぶほどに苦しみ、そして寿命まで削る謎の呪いに蝕まれているのを見てきた上での見解であった。自分がいまさら彼女を生き直させる方法など全く思いつかないが、「剣と血の世界より花の世界で生きていた方がクレアさんは幸せだった」と、フォークに刺され、ケチャップにまみれたポテトを眺めながら語っていたが……)

いっ、いまなんと!?枢機卿!?しっしかも、フリードて。どっかのバカがウン十万人滅ぼしてきた国!?クレア殿の母上ってとんでもない経歴なんですね……

(「元フリード枢機卿」。敵国・亜人排斥者。王国では二重のタブーを持つ母レティシアの経歴を口にするとぎょっとして、慌ててフォークを置くと焦った顔をエリーゼに近づけ、声を潜めて。エリスが共和国副首都を滅ぼしたのは二人の結婚より後の出来事はいえ、そんな虐殺が許されるような敵国との婚姻などよく認められたものだ……レドが現代で言うショベルカーを持ち込んだかのような勢いで掘り進めたのでポテトの山の一皿目は終わりに差し掛かっているが、さすがにこのスキャンダルには手が止まるというものだ。)

  • No.1216 by エリーゼ  2026-01-26 16:28:49 

>1215

驚くのも無理はないにゃんね。ここだけの話、なんでも英雄ザルヴァドが一目惚れしたらしくて…前代未聞の戦地で公開プロポーズからのボコして拉致ってきたらしいにゃ…そういう傍若無人なところはクレアさんに引き継がれなくて心底良かったと思うにゃ。

(自分の知らないクレアの一面を聞いて、時が経ったいま、かつて憧れ、そして恐れたその人に再び顔を合わせてみるのも良いかもしれないと思考に耽りつつ、レドを見やると案の定驚きに染まった反応であった。それに理解を示してエリーゼはうんうんとうなずくと、顔を近付かせてきたレドの耳元に手を添えて、内緒話をするかのように結婚へと至った経緯を補足する。一目惚れしたからと戦地で公開プロポーズ、挙句に力で従えて結婚したと言うのだからその方法は褒められたものではない。古今東西、英雄と呼ばれるだけの男は常識に囚われない。しかし、それでも呆れを隠せない声色で、その気質までもクレアに引き継がれなくて良かったと安堵してみせた。)

  • No.1217 by レド  2026-01-26 23:18:47 

>1216

なっ、なんだそれ!?まるで蛮族じゃないですか。それに惚れる方も惚れる方だが……クレアさんはだいぶ数奇な星の下に生まれたらしい。
……っぷ、さすがにもう一皿は飽きる。だが…………俺は自分の運命を他人の手に委ねる
物語には飽き飽きしている!

(耳元で囁かれる英雄ザルヴァドの無茶苦茶な所業にげんなりして。これのどこが騎士なのか……やってることはグラキエス帝国と同類ではないか……そして自分を拉致した男に惚れる方も惚れる方だ。よくこの二人からあの優しく模範的なクレアさんが生まれたものだと、つい「クレアさん」呼びを漏らしてから、残りのポテトを一気に口に放り込んで空にして。
……しかしまだポテトの山はあと一皿残っている。げっぷが漏れそうになるのをこらえて。量はともかく飽きのせいで食べきれない。だが、オズワルドに邪魔されて終わる運命など受け入れたくない!バッと立ち上がるとズカズカと歩き出して。)

……よし!始めるか、家も名誉も無い最低野郎どもの物語を。

(盆を持って戻ってくると勢いよくテーブルに置いて、ドンと座り直して。盆の上には数人分のバニラアイスが入ったカップと、メープルシロップを筆頭とした甘い調味料の数々が置いてある。さっきやろうとした友人直伝のポテトの食べ方、冒険者という名の最低野郎の流儀を今こそ示そうと鼻息を荒くして。)

  • No.1218 by レド  2026-01-26 23:25:58 

>1216

なっ、なんだそれ!?まるで蛮族じゃないですか。それに惚れる方も惚れる方だが……クレアさんはだいぶ数奇な星の下に生まれたらしい。
……っぷ、さすがにもう一皿は飽きる。だが…………俺は自分の運命を他人の手に委ねる物語には飽き飽きしている!

(耳元で囁かれる英雄ザルヴァドの無茶苦茶な所業にげんなりして。これのどこが騎士なのか……やってることはグラキエス帝国と同類ではないか……そして自分を拉致した男に惚れる方も惚れる方だ。よくこの二人からあの優しく模範的なクレアさんが生まれたものだと、つい「クレアさん」呼びを漏らしてから、残りのポテトを一気に口に放り込んで空にして。
……しかしまだポテトの山はあと一皿残っている。げっぷが漏れそうになるのをこらえて。量はともかく飽きのせいで食べきれない。だが、オズワルドに邪魔されて終わる運命など受け入れたくない!バッと立ち上がるとズカズカと歩き出して。)

……よし!始めるか、家も名誉も無い最低野郎どもの物語を!

(盆を持って戻ってくると勢いよくテーブルに置いて、ドンと座り直して。盆の上には数人分のバニラアイスが入ったカップと、メープルシロップを筆頭とした甘い調味料の数々が置いてある。さっきやろうとした友人直伝のポテトの食べ方、冒険者という名の最低野郎の流儀を今こそ示そうと鼻息を荒くして。)


(/すみません!ミスがあったので訂正しました・・・)

  • No.1219 by エリーゼ  2026-01-27 16:32:29 

>1218

うげ…こうして見るとすごい量にゃんね。よく食べられるにゃ。

(目の前に置かれた腹に重たそうな品の数々を見て、エリーゼは思わず苦笑いを浮かべる。レドなら大丈夫だと分かっていても、その常軌を逸した量に顔を引き攣らせてしまうのは当然の反応であろう。もはや食べ物など見たくないエリーゼは意識を逸らす為にレドの発言に触れる形で話題を変えた。)

「クレアさん」ってことは親交があるのにゃ?もしそうならこの任務が終わったら、あの人にご挨拶するにあたって付き添いをお願いしたいにゃ。レドくんの口ぶりからして大丈夫なのは承知にゃけど…まだちょっと怖いのにゃ。

(さん付けで呼ぶということはきっと直接の親交があるのだろう。デュランダルの治安を担う者として元先輩騎士に挨拶の一つもしないことに引っかかりを感じていたエリーゼは、又とないチャンスだと考えて付き添いを依頼した。レドの語った現在のクレアの姿が本当ならばその必要性が薄いことは承知の上で、どうしても過去の印象が拭えないエリーゼは返事を待つ間にもモジモジと指を突き合わせている。)

  • No.1220 by レド  2026-01-27 21:49:11 

>1219

へへ、まあ少しだけ……いいですよエリーゼ殿。今のあの人は来る者拒まずです。きっと歓迎してくれると思いますよ!……変わりすぎて面食らうかもしれませんけどね、「コレ」みたいに。ふへへへへ!

(つい「さん」付けを漏らしたのに反応されると頬をかきながら照れて、お願いを了承して。後輩が挨拶に来たらきっとクレアさんも喜ぶだろう、厳格な騎士クレアを見てきたエリーゼが今の酔っ払いクレアを目の当たりにしたら違う意味で怖くなるかもしれないが……
と、早速友人の遺した「理論」を実践すべくカップ片手に立ち上がり。ニタニタと悪ガキの笑顔を浮かべながらアイスを掬って、ポテトの山頂に投下して。頂に投下されたバニラアイスはポテトの熱で溶けていき、雪崩のように頂を駆け下りる。残りのバニラアイスも山に落としていくと、あっという間に黄金色の山が雪山のように白く染まり出す。)

よーし、いただきまーす。……くぅーっ!あまじょっぱい!やっぱ王城はポテトもアイスも一味違うなぁ。デザートにはちょうどいいや、へへへ。

(早速取り皿に盛ると、まずは何も付けずに味わう。ポテトの塩味がアイスの甘味を引き立て、熱さと冷たさのハーモニーが食事をより楽しくする。一見暴力的に見えて実は理詰めな「ポテトのバニラアイス乗せ」は、博識の友人・アーダンの「遺産」である。食べ物を見ることすら避け始めているエリーゼをよそに、レドはこのカロリーの塊を心底満足そうに、子供のようにはしゃぎながら堪能しており。)

  • No.1221 by エリーゼ  2026-01-29 11:25:33 

>1220

ありがとうにゃ、レドくん。
それはそれとして…たしかに美味しそうにゃけど…いったい何日分の栄養があるんにゃそれは…流石としか言いようがないにゃ。

(付き添いを快く承諾してくれたレドにエリーゼは満面の笑みで礼を述べた。しかし、目の前の光景にその笑みはすぐに引き攣ったものとなる。芋を使ったスイーツだと思えば納得の組み合わせ…食べずともその相性が織り成す味は想像がつくが、やはりその破壊的な量とカロリーは女性のエリーゼにとってある種の恐怖すら感じる代物である。賞賛を通り越して呆れすら感じるのは至って正常な反応であろう。生まれ変わったポテトを満足そうに堪能するレドの傍らで、エリーゼは再び口に水を含んだ。)

  • No.1222 by レド  2026-01-29 21:46:28 

>1221

ははっ、最近あんまり食べてなかったからちょうどいいですよ。それに冒険者はカロリーを消費してナンボの生き物ですからね。よく食うんだなこれが……俺の女仲間もこの一山くらいは余裕で食ってましたよ。ふふ。

(ポテトにアイスというカロリーの暴力を前にして引きつっているエリーゼを尻目に、味変したことで満足したレドは取り皿に盛ったそれをスイスイと口に入れ、早くも取り皿を空にして。今度は別の取り皿にポテトのアイス乗せをたっぷり盛ると、その上にメープルシロップを垂らしていく。ただ、仲間の事を語りながら盛り付けるレドの表情は切ない。無理もない。その女仲間もこの食べ方を教えてくれた友人も、もういないのだ。)

へへ、どうですエリーゼどの?

(そんな切ない顔から一転してまた悪ガキの笑顔に戻ると、今盛り付けたポテトの取り皿を「食べるかい?」と言わんばかりにエリーゼに突き出して。元の山ほどではないにせよドーム状に盛られたポテト、そのポテトの山をバニラアイスが白く染め上げ、そのバニラの上に琥珀色のメープルシロップが輝く。少食の人間にとっては強烈な風景である……)

  • No.1223 by エリーゼ  2026-01-30 14:19:12 

>1222

うにゃ…!?気持ちは嬉しいけどこんなに食べられないにゃ…た、食べられるだけ食べるけど…もし残ったらレドくんが食べてくれるのにゃ…?

(差し出されたポテトの山を前にエリーゼは驚愕の声を上げるものの、一瞬だけレドの見せた切ない表情…それが頭を過ぎり、全部は食べられないと前置きした上で取り皿を受け取った。口を付ける前に不安そうに小首を傾げて、残ったら食べてくれるかと確認を取る。生真面目な性格だけあり、もし断られてもなんとか食べ切るつもりではあるが、美味しく食べられるのはほんの数口が限度であろう。覚悟が煮え切らないのか、返事を待つ間エリーゼの尻尾は右へ左へと心の揺れを表すかのように動いていた。)

  • No.1224 by レド  2026-01-31 09:47:56 

>1223

さあ?……なーんて。もちろんですよエリーゼ殿。なんなら見るだけでも構いません。これを教えてくれた友人も、物知りだけど知識は押し付けない。そういう男だった……俺もそうありたいんでね。

(やはり食べられそうにないのだろう、ポテトの山を残してもいいかとお願いしてくるエリーゼにジト目を向けるが、すぐ微笑んで了承して。食べたくない人に自分の料理を押し付けるのは、友人の志にそぐわない。エリーゼを差し置いてまた自分の取り皿にポテトの山を盛り付けて。今度は盛ったポテトに蜂蜜をかけている。)

ウン、蜂蜜もイケるなぁ。願わくばあの侍女殿と一緒に食べたかったが。

(フォークを口に運び、ウンウンと頷きながらポテトを味わって。シェイドが2つばかり残していった「宿題」も、終わりが見えつつある。)

  • No.1225 by エリーゼ  2026-01-31 14:59:21 

>1224

もう!意地悪しないでにゃ!肝が冷えたにゃ…
それじゃ折角だからいただくのにゃ。

(向けられたジト目にエリーゼは凍りつくが、すぐにそれが冗談だと知らされた途端ほっと胸を撫で下ろす。怒っているアピールで頬を膨らませるものの全く怖くないのは彼女の顔立ちゆえだろう。気を取り直して皿の前で一度手を合わせると、アイスの染み渡ったポテトにフォークを刺して口へと運ぶ。)

ん~…!美味しいにゃ!これを食べたら、きっとレイちゃんも喜ぶにゃ。あの子は甘いもの好きなのにゃ。

(咀嚼する度に口の中に広がるほどよい甘じょっぱさ、余程その味が気に入ったのだろう。エリーゼは頬に手を添えて、しばらくうっとりとした表情を浮かべる。飲み込んでからようやく口を開くと、満足そうに瞳を輝かせ、今しがた話題に上がった侍女ことレイも喜ぶだろうと素直な感想を語った。レイとは侍女としてのシェイドの仮の名前であり、レドが宮廷側の依頼を遂行する限り、今後意思疎通の必要も出てくる筈だ。ここでその名を明かしたのはエリーゼのそうした考えのもとの判断である。)

  • No.1226 by レド  2026-01-31 20:47:29 

>1225

(最初は食べる気が無さそうだったが、いざ口に入れてみると気に入ってくれたエリーゼに「へへへ、よかったよかった」と同じく満足気な笑顔を浮かべて。再度自分の分を食べ進めようとした矢先、気になる名前を耳にして手を止めて。)

レイ?レイモンド殿下、なわけないか。えっと、さっきの侍女殿ですね?レイチェル?レジーナ?うーん、レイレナード?……エリーゼ殿、そのレイ殿はどっから来たんです?どうも王国の出って雰囲気じゃなさそうですが。

(「レイちゃん」。てっきり第四王子レイモンドかと思ったが、いくらなんでも自らが仕える国の王子に対する呼び方としては馴れ馴れしすぎると首を振ると、さっきの侍女(シェイド)の愛称のことと確認して。今度はその「レイちゃん」の本名を当ててみようと、視線を上に向けながら色々な名前を呟いてみるが、どうもピンとこない。王国風の名前が似合いそうな雰囲気ではないからだ。そもそもこの王国どころか、この大陸の人間ですらないように見える……エリーゼに視線を向けると、シェイドの出身を質問して。)

  • No.1227 by エリーゼ  2026-02-01 16:57:21 

>1226

にゃはは、第四王子なわけないのにゃ。
んまあ…立場的にも私からこれ以上は言えないにゃ。それよりも…このポテトすごく美味しいのにゃけど、もうお腹が限界にゃ…約束通り食べてくれるにゃ?

(第四王子レイモンドの名が出ると、エリーゼは一瞬だけ鋭い視線を向けたあとに苦笑いを浮かべて否定する。あえて「殿下」の敬称を省いたことから、彼女はジェラルドへの忠誠心とはべつにレイモンドのことを好いていないことが明らかであった。第四王子派が多数を占める騎士団、その食堂に於いてこの発言は当然の如く目に付いたようで、周囲の騎士達からも厳しい視線が向けられる。オズワルドの蛮行を前にしても対立を望まなかった彼女がそのような振る舞いを選択するほどに第四王子への嫌いようは相当なものなのだろう。周囲の視線を集めてしまったこともあり、エリーゼは困ったように頬を掻きながら、話題をジェラルドの私兵たるシェイドから逸らし、申し訳なさそうに殆どポテトの残った皿をレドに差し出すと、上目遣いで彼の顔を見つめて後処理をお願いした。)

  • No.1228 by レド  2026-02-01 17:45:47 

>1227

え、ああ、いいですけど……なんか急に居心地悪くなってきましたね。はよ食って出た方がいいですかね。

(むしゃむしゃとポテトをがっつきながら自分の皿を空けていたが、エリーゼが第四王子レイモンドを呼び捨てにした途端、急に周囲から殺気が放たれたのを感じ取って辺りをキョロキョロ見回して。どうやらこの王国は宮廷らを筆頭とする第一王子派が最右翼ではあるものの、王国の実働部隊たる騎士団は第四王子派が多数を占めているらしい。派閥闘争の空気。初めて肌に感じ取った剣呑な雰囲気に、思わずツバを飲み込んで。
シェイドの事もこれ以上教えてくれないようだ。エリーゼからポテトの残りを受け取ると、早くポテトを片づけて食堂を出るべきかと耳打ちして。)

  • No.1229 by エリーゼ  2026-02-01 19:25:35 

>1228

そうにゃんね…なんだか申し訳ないのにゃ。これ以上ここに留まる理由もにゃいし、それを食べたら近衛隊庁舎に戻ろうにゃ。

(苦笑いを浮かべたままレドの提案に頷くと、このような空気にしてしまったことを詫びて。レドの活躍により山のようにあったポテトはエリーゼが残した取り皿分のみ、きっと量的には満足してもらえたことであろう。人目に付くこの場では込み入った話をすることも出来ない上に、なによりセレステの面倒事をひとまず片付ける必要がある。そう考えを纏めると、食べ終えたらアリシアの許可を得るために近衛隊庁舎に戻ろうと提案した。)

  • No.1230 by レド  2026-02-01 22:58:24 

>1229

了解。さすが騎士団の食堂。ただ飯食いに来ただけなのに色々ありましたねぇ。ちょっとした言動が命取りになるし、俺も気を付けないと……かーっ、たまんないぜ!

(エリーゼの残しを受け取ると、ガーッと流し込んで咀嚼して。「たまんないぜ!」と漏らしてから口を拭うと、最後の一皿をタン!とテーブルに置いて。たまんないのはポテトとアイス、そしてメープルシロップの甘じょっぱいハーモニーばかりではない。食堂で起きたイベントの数々にもである。個性的で、そしてたとえ相容れそうになくとも剣で斬るわけにはいかない王城の人々。そして軽はずみな言動一つで周りが敵になる緊張感……騎士団の食堂は、王城という魔境の上澄み……ここは華やかなようで何とも苦々しい場所であると、レドは気を引き締めざるを得なかった。)

ごっそさん。じゃあ戻りましょうかエリーゼ殿。ああそうだ、あの糸目野郎がまだベンチにいたら〆に行きましょうよ。あのしたり顔を崩してやりゃあ、いい腹ごなしになる。

(さすがにレドと言えども山盛りポテトとアイスはだいぶ腹に溜まったらしい。立ち上がるとピョンピョン跳ねて腹ごなしするが、それだけでは飽き足らず副団長エリスに殴り込みしようと提案して。言動に気を付けるとはいったい……)

  • No.1231 by エリーゼ/エリス  2026-02-02 17:59:14 

>1230

止めはしないけど、加勢もしないのにゃ…それじゃあいくにゃんよ~。

(副団長に殴り込みをかけるという、先の発言と明らかに矛盾するレドの提案にエリーゼは思わずジト目を向ける。本気ではない…と思いたいが、呆れたような声色で自分は加勢しないことを告げると、気を取り直して席を立った。腹を満たせたことで幾らか元気を取り戻し、軽やかな足取りで食堂を出たところで、タイミング悪るく今しがた話題に上がった人物と再び鉢合わせてしまう。エリーゼからうげっという悲痛の声が出るのと当時に、何の気なしに件の人物から声がかかってきた。)

やあ少年、またまた奇遇だね。まだご飯を食べていたとは随分と悠長なことだ。

(相変わらずの余裕に満ちたしたり顔で、開口一番に嫌味とも取れる発言をするのは副団長エリス。エリーゼがその場にいるにも関わらずレドのみに話しかけるあたり、やはりいい性格(嫌味)をしているようだ。その手には折り畳まれたエプロンと食事の入ったバスケットをぶら下げており、おそらく食堂に隣接している厨房から出てきた所なのだろう。周囲に王女の姿がないことから使いの類いであることが窺える。)

  • No.1232 by レド  2026-02-03 08:51:16 

>1231

分かってますよ。ありゃ俺の手でケリをつけたいんだ。あの糸目開かせるまで帰ら……なっ!?

(エリーゼのジト目に、口元に笑みを浮かべながら言葉を返して。殴り込みはともかく、何かしらの形で見返してあの糸目を開かせてやるんだ。そう語ろうとした矢先……思わず悲鳴を上げると、ビクッと身体を硬直させて。よりにもよって〆ようと息巻いていた当の本人とこんな所で鉢合わせするとは、まるで全て見透かされているかのようだ……本人の前で軽口の落とし前をつけなければならないと思うと今しがた食した大量のポテトを吐きそうになる……すっかり顔が青くなり、口を手で押さえて。)

……レドだ。あんたこそなんだよソレ。らしくないじゃんか。

(こっちが〆てやろうと息巻いてた一方で、このバカエルフはエプロン片手に悠然と立っている。嫌味であるともないとも言えない言葉が、ボディブローのごとく満腹の胃に突き刺さる。早くも格の違いを見せつけられた気がするが、ここで黙ってはいられない……
口を押さえていた手を外すと、相変わらず少年呼びしてくるエリスに名乗って訂正を求めて。同時に副団長らしからぬ持ち物……バスケットとエプロンを指差し、意味を尋ねる。副団長自ら調理をする意味、なんとなく察しはつくが……やはりエリスから無視されているエリーゼに「エリーゼ殿、ご存じで?」と目配せして。)

  • No.1233 by エリーゼ/エリス  2026-02-04 10:32:50 

>1232

ふっ、少年は少年だろう?それ以上でも以下でもない。けどまぁ…いずれ私の期待を超えることが出来たのなら、その時は名前を呼んであげるよ。

(性格が悪いことでお馴染みのこのエルフが素直に訂正に応じる筈もなく、レドの名乗りを一笑に付して、何かを成すまではその名を呼ぶつもりはないと言ってのけた。名を覚える価値もない格下扱いとも取れる一連の言動だが、裏を返せば、これは自分に傷を負わせたレドへの期待の現れでもある。詰まるところ、このエルフは素直ではないのだ。)

そ、それで…なんで副団長がエプロンなんて持ってるのにゃ。まさか料理でもしてたのにゃ?

私は君と話しているつもりはないんだけどね。う~ん…まあ趣味だから、とだけ言っておくよ。

(レドの目配せにエリーゼも「分からない」の意で首を横に振ると、まるで置物かのような扱いに嫌気が差して当の本人に直接問いただした。対するエリスは、初手からエリーゼの心臓を突き刺すような冷たい口撃を飛ばし、バツが悪そうに少し首を傾げて考えた後に「趣味」と、当たり障りのない言い訳を述べる。趣味というのもあながち嘘ではないが、ここで真相を隠したのは第一王子派閥のエリーゼにカトリーナに関わる情報を少しも渡したくないというのが主な理由だ。しかし、仮初の理由すら聞く前にエリーゼは初手の精神攻撃で撃沈され、白目を剥いてレドにもたれかかっているのだから、真相を明かしたところで問題はなかったであろう。)

  • No.1234 by レド  2026-02-04 19:21:05 

>1233

なんだと…………!?
ちょっ、エリーゼ殿!なんてざまだ、これじゃ加勢「できない」の間違いじゃないかよ……

(少年呼びを訂正する気の無いエリスに対して眉間に皺を寄せつつも、思いがけない言葉にはっとして。「私の期待を超えることが出来たのなら名前を呼んであげる」。どういうわけか、俺はあのバカエルフに一目置かれているらしい。少なくとも隣にいる第二団長よりも。なんで……?と理解が追い付かず愕然としていたが、白目を剥いてもたれてくるエリーゼの感触で我に返る。どうやらエリスの口撃でワンパンKOされたらしい。なんとあっけない……と、溜息を吐くと、エリスに視線を戻して。)

フン、あんときゃ世話になったなバカエルフ。俺があんたから期待されて嬉しい人間に見えるのか?あん時あんたがしでかしたこと、忘れたわけじゃないだろうな。

(腕を組んでエリスを睨みつけると、明言は避けつつも先の襲撃の件をなじって。同時に、手に持つエプロンとバスケットにも鋭い視線を突き刺す。先の商人親子は何の罪も無いのに趣味を楽しむ人生をこの女に閉ざされ、そしてその奥さんはこの女のように親子に料理を振る舞うことはもう叶わない。返答次第では「人や世界がお前の道楽のためにあると思うな!」と突きつけるべく、エリスから奪い取るつもりである。
カトリーナからすればエリスは王国という伏魔殿で唯一味方になってくれる母親のような存在なのだろうが……レドからすれば、この女は姉に等しきレイラを始末するために罪の無い商人親子を殺し、そして自分を殺そうとした悪党でしかないのだ。)

  • No.1235 by エリス/エリーゼ  2026-02-05 08:50:03 

>1234

あの親子には悪かったと思っているよ…残された人間にもね。私にはまだ分からないけど、子供を喪うのはきっと耐え難いことだから。

(暗に先の襲撃の犠牲となった親子について責められると、エリスは珍しくしおらしい態度で俯き「私にはまだ分からないけど」と、まるでいずれは分かるかもしれないかのような言い回しで残された母親の気持ちを慮った。意図せぬ事故であったこと、王の命令であること、悪どい商売に手を染めている商人を選別したこと、弁解の余地は探せばいくらでもあるが、人の道を外れた行いであったことは紛れもない事実。ここで我が身可愛さに一切の言い訳をしない辺り腐っても彼女はエルフである。)

けど、君に対して負い目を感じることは一つもないよ。少年もあの女(アリシア)も五体満足で生きてるじゃないか。交際まで始めちゃってさぁ…君達にとって私は言わば恋のキューピットというわけだ。感謝こそされど恨まれる筋合いはないね。

(先程までの態度から一転、顔を上げるといつものしたり顔を見せ、レドに対しては何ら負い目を感じていないと言ってのける。むしろ2人を結んだきっかけなのだから感謝しろと宣う始末。なんとも厚かましい発言だが、この振る舞いが示すことは、エリスの人に対する共感性が著しく乏しいことである。先程の言い回しから、エリスが共感を示せたのは残された母親のみで、父親と最も凄惨な被害者とも言うべき子供に対しては「悪かったと思う」という素っ気ない感想のみ。300年という、人間とは比較にならない時を生きてきた弊害であらゆる感性が麻痺しているということもあるが、育ちの悪さとも言うべきか、学ぶべき歳頃に情緒の成長する機会を奪われでもしなければここまで偏った思考にはならないであろう。)

  • No.1236 by レド  2026-02-05 21:41:19 

>1235

んだとコラ、もっぺん言って…………ちぇっ。

(あれだけ非道な事をしておいて、2人を結んだきっかけなのだから感謝しろといけしゃあしゃあと放言するエリスに早くも青筋を立て、刀に手をかけ……ようとしたが自分にもたれかかるエリーゼが邪魔で抜けず、舌打ちして。エリーゼを突き飛ばしてでもバスケットごと斬り伏せてやりたいが、こんな城内で斬り合いなどしたら終わりだ。それに……まともでない倫理観の持ち主とはいえ、一応は良心の呵責を感じている以上斬るべきではない。いっそエリーゼにはあの女の言動に激昂して斬りかかるのを防ぐストッパーになってもらおうと、もたれかかる彼女はそのままに、エリスに視線を戻して。)

生きてる、か。そう、そこだよそこ。なんで俺とアリシアを生かした?顔見られたってのに。そんなに二人に結ばれてほしかったのか?死人が出るような婚活サポートなんか二度と受けたくないけどな。

(眉間に皺寄せながら、なぜ目撃者である自分とアリシアを生かしたのかを質問して。なにせ顔は見られて、しかもアリシアには逆に襲われたというのに。宮廷すら欺けるエリスなら盗賊にやられたという形でいくらでも処理できただろうに。いったいどうして……ずっと気がかりだったことを問い詰めるレドの話し方は乱暴だ。王城に来てからはほぼずっとお行儀の良い口調で通してきたが、因縁の副団長相手では本来の荒くれ口調に戻るというものだ。)

  • No.1237 by エリス/エリーゼ  2026-02-06 13:22:38 

>1236

君は聖教徒ではないんだろう?だから殺す理由がなかった。それだけの話しさ。君を生かしたところで私の立場に何ら影響はないから。それに、私を斬りたくても斬れない君のもどかしい反応を見るのは心底面白いからねぇ。
ただ、あの女は斬っても良かったんだけど…あの人はきっとそれを望まない。だから生かしたんだ。理由なんて私が知りたいくらいだよ。

(ご尤もなレドの質問にエリスはニタッと口元を歪ませて、愉悦を含んだ笑みを浮かべて包み隠さずに自らの心情を答えた。殺さなかった理由など聖教徒ではないからという希薄なもので、仮に一冒険者が副団長に襲われたと周囲に吹聴したところで真に受ける者などいないだろう。むしろ生かしていた方が反応が面白いという趣味の悪い人間観察のおまけ付きである。相変わらずの性格の悪さだ。一方で、血筋・立場共に影響力のあるアリシアは話が異なる。発言に一定の説得力を持つ上に王国に害を成す聖教徒、エリスとしては生かしておく理由など微塵もないが、それは「あの人」、つまり国王の望むところではない。その理由はエリスでさえ分かりかねているようで、言葉の最後にはキョトンとした様子で首を傾げた。)

  • No.1238 by レド  2026-02-07 05:35:00 

>1237

ぐ……!こんにゃろ…………!…………。
…………こんのおしゃべりババァ、おかげで読めてきたぞ。王国人でありながら聖教徒のシンボルになっている「勇者」は王国にとって目障りな存在、だから襲ったわけか。あんたを寄越したのも、「あの人」だな。

(エリスからの回答は屈辱的なものであった。怒りと恥辱で顔が赤くなり、表情が歪み、髪が逆立って。この野郎やっぱり俺を笑うために生かしたんか!あの時あと一歩で倒せなかったのが悔しい!今すぐエリーゼを突き飛ばして斬りかかりたい衝動を、身体を震わせて耐えて。そういう態度もエリスのオモチャになるかもしれないが、ここで涼しい顔をしていられるほどレドの人間は出来てはいない。
そうやって耐えているとエリス、そして「あの人」=国王の内面が見えてきたので、大きく息を吐きながら怒りで強張っていた全身の力を抜いて。なんとアリシアは国王と関わりが深いらしい。そして噂に聞くがやはりこの女、副団長と言うが実態は国王の側近だ!そして国益より国王の御心を優先するあたり、国王個人に忠誠を誓っているらしい!そういう意味では国やギルドよりクレアさん個人に忠誠を誓う俺と似てるかもしれない……と、一応の共通点を見出したレドは平静を取り戻し、顔色と逆立った髪が元に戻る。その上でエリスに指を突きつけると、先の「勇者」襲撃の真相を確認して。)

  • No.1239 by エリス/エリーゼ  2026-02-07 12:35:36 

>1238

さぁ?口が悪い子には教えないよ。

(露骨に怒りを堪えているレドの反応を見て、エリスは緩みきった自身の口元を隠して小馬鹿にするような仕草で嘲笑った。突き付けられた真相にはわざとらしく首を傾げてすっとぼけて見せると、口が悪い子には教えないなどと子供扱いする始末である。ここまで匂わせておいて今更な誤魔化し方だが、気絶しているエリーゼが聞き耳を立てていないとも限らないため、流石に国王の介入を自ら明言することは避けているのだろう。エリスにとっては楽しいことこの上ないそんなやり取りをしている最中、タイミング悪く身体の至る所に傷を付けたボロボロの侍女が駆け寄ってくる。)

エリス様ぁ!姫様がご乱心です…!すぐにお戻りください!

どうやら待たせすぎてしまったようだね。それじゃ少年、楽しい時間はこれでお終いだ。
あぁ、そうだ。別れの前に一つ教えてあげるよ。最近はなんだかきな臭くてね、近いうちに面倒事が起こる気がしてならない。きっと少年も巻き込まれるだろうね。そんな君に送る魔法の言葉、「全てはローゼンベルク公爵の意のままに。」窮地に陥った時に唱えてみるといい。たちまち状況が一転する筈さ。

(どうやら第二王女カトリーナが癇癪を起こしたらしい。よくあることなのだろう、エリスは特段焦る様子もなく侍女の訴えに軽く頷いて返すと、レドに向き直り別れ際の助言を残した。概ねの内容は先にヴァルターが伝えたものと変わらないが大きな違いが一つ。この騒動に今はなき名家、ローゼンベルク家が関連していることだ。「全てはローゼンベルク公爵の意のままに。」、普段の軽い口調のまま送る仰々しい魔法の言葉、その意味も意図も語らずに、悪戯な笑みを浮かべて状況が一転するとだけ告げると、エリスは反応を待たずして侍女を率いて悠々とその場を後にした。
一方で、エリスが立ち去ってしばらくしてようやくエリーゼは気を取り戻す。目を覚ますなり瞳を擦りながら「ここはどこにゃ…」と寝惚けている様は一人だけ情報の濁流を避けて何とも呑気であった。)

  • No.1240 by レド  2026-02-08 13:37:06 

>1239

か!オメーが言うか!もっと言ってやるぞ。そのバスケット、カト……

(世界一口の悪いエルフに「口が悪い子」なんて言われたくないと、顔を紅潮させて。「勇者」襲撃の真相もぼかされたが、はっきり否定しないのは逆に肯定の証かもしれない。さすがに人前で公言できることではないし……
それでも少しは奴の鼻を明かしたい。ならばとバスケットの目的を明かしてやろうとエリスの手元を指差した矢先、駆け寄ってきた侍女の酷い有様を目の当たりにして顔を引きつらせて。さっきエリスが膝枕していた第二王女・カトリーナの仕業らしい。「なんだあれ!?ダンジョンに潜ってきたのか!?」とレドが引いている一方で、エリスは事も無げにカトリーナの下へ向かおうとしている。どうやら日常的に癇癪王女の世話を自ら行っているようだ。料理も含めて……問い詰めたいことは山ほどあるが、レドは棒立ちのまま動けない。エリスが抱える使命の重きを目の当たりにしては、邪魔することも、単なる悪党と切り捨てることもできなくなってしまったから……)

なっ!?今なんて……あっ、バカエルフ待て!待って!
……ああ、また置き去りかよ……いや、違うか。ここまで教えたからには今更舞台を降りるなってんだな。ローゼンベルクの呪文を唱えたくなる地獄の先に私はいるから、せいぜい追ってこいって言うんだな?バカエルフ、いや、副団長エリス……

(だが、去り際に残していったエリスの言葉はレドをそれ以上に愕然とさせた。言葉の意味も、投げかけた理由も理解できずに呆然としていると、気付いた時にはもうエリスが立ち去っていく。「ババァ」と呼ぶにはあまりに端正な顔とつややかな若葉色の髪に向かって手を伸ばし引き留めようとするが、やはり無駄である。力なく手を下ろすと、去りゆくエリスの背を静かに見つめながら、「置き土産」を残していった意味を推察して。
『全てはローゼンベルク公爵の意のままに。』。この傲慢不遜なスローガンの下に謀略の限りを尽くし、そして滅びた三大公爵家・ローゼンベルク家のことはレドも耳にしたことがある。が、既に滅びた家の標語がいまさら何の役に立つかは全く理解できない。意味も使いどころも自分で考えろというエリスの宿題なのだろう……気絶から回復したエリーゼには全く気付くことなく、腰から東刀を外して。)


待ってろよエリス・フィンベル。この地獄を抜けてあんたの背に追い付いた暁には、飽きるほど俺の名を唱えさせてやるからな。

(鞘を床に突き立て、エリスが立ち去った跡を真っ直ぐに見据えて。魔法の言葉という名の地獄への招待状を受け取ったからには、もう後戻りはできない。ならば受けて立つまでだ。いよいよ王国の深部に足を踏み入れた自覚を持ち始めたレドの顔からは、出会い頭の恐怖や困惑はすでに消え去っていた。)

  • No.1241 by エリーゼ  2026-02-10 23:51:10 

>1240

んにゃ…?地獄…?よく分からにゃいけど、レドくんなんだかすっきりした顔にゃんね。それで…何か進展はあったのにゃ?

(目を擦り終えて意識を覚醒させると、エリーゼは僅かに聞こえたレドの言葉を復唱して小首を傾げた。何の話かは検討も付かないが、迷いの断ち切れたようなレドの表情から察するに何か良い影響があったのだろう。そこまで思い至ると、主に副団長との話の中で何か今後のヒントになり得る進展があったのだろうかと質問して。返事を待つ間にも未だにエリーゼはレドに身を預けており、先程まで自分から触れることがなかった彼女の心にもこれまでの関わりを通してレドへの一定の信頼が芽生えたようであった。)

  • No.1242 by レド  2026-02-11 10:57:19 

(/物語の節目となりましたので、これを機にレドと師匠の過去のやりとりを投下させていただきます!長いのでエリーゼへのレスは次へとまたぎますが、なにとぞご容赦願います……)


(『全てはローゼンベルク公爵の意のままに』。エリスが残した謎の呪文。果たして唱えてよいものなのか。そもそも没落した家の家訓が何の役に立つのか……レドは漫然と思案しているうちに、いつしか師匠との生活に思いを馳せるようになった。)


げほっ……これが、ローゼンベルク家のあらましよ。

なるほどねぇ、好き放題やってた公爵家の幕切れもあっけないもんだなぁ。病気で滅ぶなんて。

(約3年前。師・ショウカクの死より3ヶ月前のこと。人里離れた山中の自宅にて、ショウカクはすっかり萎びた白髪と痩せさらばえた黒い身体をベッドから起こし、弟子のレドにローゼンベルク公爵家の話を聞かせていた。対するレドは師匠に対する態度とは思えないラフな口調で答えたが、これは死期を悟ったショウカクがいつからかレドに対して自らを師ではなく父として接することを許したためである。)

いんや、連中が滅んだのは病気であって、病気じゃねぇんだ。

はぁ?何言ってんだ師匠(オヤジ)?

レド……おめぇは俺がこうして具合が悪くなっても、そばで看病してくれるよな。わざわざ山を下りて町から薬を持ってきてくれたりな。

そ、それはまあ。なんてことないし。

それにひきかえ連中は……病気で困っても誰も本気で助けようって気にならなかったのよ。そのままくたばってくれた方が有難いってみんな思ってたんだろうなぁ……連中は、ローゼンベルクはやりすぎた。『全てはローゼンベルク公爵の意のままに』なんていきがっちまって……

…………。

(遺伝性の疾患で滅びたというローゼンベルク家に関して、ショウカクは持論を展開する。疾患で滅びたのは事実だが、それ以前に疾患という窮地に陥っても誰も助けてくれないほど恨まれたのが原因であると……師に差し出した薬の飲み殻と湯呑を尻目に、頬をかきながら黙って聞いていたレドは、師がいまさらこんな昔話を始めた意図を察した。ショウカクの鍛錬によりレドは人並外れた力と刀の腕を授かった。だがその力に溺れれば自分もローゼンベルク家のように滅びる……死を前にしてそれを弟子に伝えたかったのだろう、と。)

げほっ……力に溺れるヤツは、その力で自らも滅ぼす。あいつもこんな末路になってなきゃいいがなぁ、マユ……

マユ……?

……!おっとレド、1週間後にメランダー商会で船積みのバイトがある。中身は確か、輸出用の繭だったっけな……

「世の中を見るのも剣士のつとめ」か?了解、きっちり稼いでくる。

デュランダル行くからって遊ぶんじゃねぇぞ?ギルドでクレア・ライデンの尻追っかけてました、なんて聞いたらおめぇのケツを平たくなるまでブッ叩くからな?

わ、わーってるよ!

(咳の後、白湯を飲み干したショウカクはデュランダルにある知己の冒険者商会でのアルバイトをレドに命じた。このことはローゼンベルクの話と共にレドもよく覚えている。なにせ実際の中身は繭じゃなくて武具類。話と違う重労働だったから……いよいよ師匠(オヤジ)も耄碌したかと、嘆かわしくなったものだ。)

  • No.1243 by レド  2026-02-11 10:58:46 

>1241

……!おっと、無事でしたかエリーゼ殿。奴は去りましたよ。雲を掴むようなわけわからんことばっかりゴチャゴチャほざくもんだから、進展らしい進展は見出せそうにありませんでしたけどね。奴もヴァルター殿と同じく皇女訪問を知ってることくらいしか……
……ああそうだ。さっきあの女が膝枕してた緑の服の王女様、エリーゼ殿はなにかご存じですか?ローゼンベルクとかいうどえらい家の出身らしいですけど。

(回復したエリーゼの声で我に返ったレドははっと目を見開くとエリーゼに顔を向け、進展らしい進展は見出せなかったと、やれやれと溜息を吐いて。先の襲撃の件も、あの意味不明な呪文のことも口外なんてできないが、それでもあのローゼンベルクの呪文は気になる……エリーゼにはエリスも皇女訪問を把握していることだけ伝える一方で、エリスが先刻ベンチで膝枕していたローゼンベルク家の血筋、第二王女カトリーナのことを質問して。)

  • No.1244 by エリーゼ  2026-02-11 19:53:27 

>1243

にゃるほど…
あの方は第二王女のカトリーナ様にゃ。私も詳しい訳じゃにゃいけど……そのローゼンベルクの名を冠しているせいもあって宮廷からの評価は最低クラス。我儘放題好き放題、「王国の至宝」と呼ばれる美貌とは裏腹の醜い内面…なんて酷い言われようにゃ。

(何ら進展がないと聞いてエリーゼは少しだけ残念そうに耳を垂らすと、位置を変えて廊下の壁にもたれかかるラフな格好でレドの質問に答えた。語られたのは宮廷内での一般的な評価。しかしその内容は最低クラスと明言出来る程に悲惨なものであった。宮廷にとって憎きローゼンベルクの生き残り、それに加えて品位を保つべき王族に有るまじき身勝手な言動の数々。生まれだけで嫌われたのなら同情の余地もあるが、本人の振る舞いが一層拍車をかけている状況である。救いがないとはまさにこのことであろう。)

あとは妾の子って話もあるけど…これはきっと趣味の悪い噂話の類いにゃんね。亡き王妃様にお顔が似ていないだとか、疾患が遺伝していないだとか…出自を否定するには根拠に乏しいのにゃ。国王様の血を濃く受け継いだと考えればべつにおかしい点はにゃいし。

(カトリーナに関する宮廷での一般評。嫌われ具合を考慮すれば当然だが決して多くはないそれを言い終えると、エリーゼは雑談も兼ねて噂話の類いに話を広げた。母親に似ていない。一族を滅亡に追いやった疾患を患っていない。出自を否定するにはあまりにお粗末で、不謹慎とも言える内容である。ローゼンベルクに恨みを持つ人間が広めたのであろうこの噂を語るエリーゼも、その顔には思わず苦笑いを浮かべていた。)

>1242

(/過去の掘り下げ大変助かります。不覚にもショウカクの誤魔化し方に萌えてしまいました!こうして過去が鮮明になっていくと、いずれ訪れるレドとマユキの初対面に心躍るばかりです。)

  • No.1245 by レド  2026-02-12 12:40:16 

>1244

なんだァそりゃ、ひどいもんだ。確かに奴の去り際、第二王女にとっちめられたっぽい侍女がやってきたが……バカエルフには似合いのバカ王女ってことですか。
まぁでも、憎まれる理由の半分は家のせいかもしれませんけどね。妾の子っていう噂も、ローゼンベルクの血筋を王族に入れたくないっていう気持ちの表われでしょう……ローゼンベルク、俺も伝説でしか聞いたこと無いけれど、相当嫌われてるんですね?

(床に突き立てていた刀を腰に戻しつつ、呆れ顔でカトリーナの話を聞いて。さっきの癇癪と言い、とても国のためになる人間には見えない。あのバカエルフ、国王と同様に個人的な理由でカトリーナに付いてるんだな、と腕を組みつつ頭の中で当たりをつけて。
そして、カトリーナ本人以上に彼女の出身であるローゼンベルク家が宮廷から敵視されているようだ……今は無き「謀略」の公爵家、それがあの女(エリス)とどう関係しているのか……片眉を上げると、エリーゼにローゼンベルク家のことを尋ねて。)


(/ありがとうございます!マユキとの対面はまだ先になりそうですが……それまでにショウカクの掘り下げはしていきたいと思います!)

  • No.1246 by エリーゼ  2026-02-12 14:44:51 

>1245

にゃはは…バカって、王族にそんなこと言っちゃダメなのにゃ。もし誰かに聞かれていたら大変にゃ。
確かにローゼンベルク家の評価は散々にゃけど、それも宮廷に限った話にゃ。政治闘争なんて平民には関係にゃいからね。旧公爵領では今でもローゼンベルク家による再統治を望む声が多数を占めているって話にゃんよ。悪どい事には手を染めていても、頭の良い家系に変わりはないから領地運営はきっと上手くやっていたんだろうにゃ。

(副団長はともかく、王女にまで「バカ」を付けるレドの発言を聞いて、エリーゼは少しばかり焦りを滲ませた苦笑いを浮かべつつ、それとなく窘める。王族を頂点とするこの国で不敬罪の量刑は決して軽くはない。協力者である前に、友人に近しい間柄としての真心を込めた忠告を終えると、続けられた質問に答えた。監禁に恫喝、一般に知られている情報だけでも宮廷からのローゼンベルク家の嫌われようは肯定するほかにない。しかし、エリーゼが続けて語ったのはそれ以外の側面。旧公爵領に住まう住民達の見方であった。悪どい手法を好んでいたとはいえ、長きに渡り国家の中枢に君臨していた一族だ。その座を守るにあたっても馬鹿に務まる筈もなく、その頭脳は領地運営に至っても存分に発揮されていたようだ。その手腕は一族が滅亡して久しい現在でも惜しまれているほど。政治闘争など所詮は他人事と捉えている平民と、日夜政治闘争に明け暮れている宮廷。ローゼンベルクを巡る両者の認識には尚も大きな隔たりがあることが分かる。)

  • No.1247 by エリーゼ  2026-02-12 14:52:21 

>1245

にゃはは…バカって、王族にそんなこと言っちゃダメなのにゃ。もし誰かに聞かれていたら大変にゃ。
確かにローゼンベルク家の評価は散々にゃけど、それも宮廷に限った話にゃ。政治闘争なんて平民には関係にゃいからね。旧公爵領では今でもローゼンベルク家による再統治を望む声が多数を占めているって話にゃんよ。悪どい事には手を染めていても、頭の良い家系に変わりはないから領地運営はきっと上手くやっていたんだろうにゃ。

(副団長はともかく、王女にまで「バカ」を付けるレドの発言を聞いて、エリーゼは少しばかり焦りを滲ませた苦笑いを浮かべつつ、それとなく窘める。王族を頂点とするこの国で不敬罪の量刑は決して軽くはない。協力者である前に、友人に近しい間柄としての真心を込めた忠告を終えると、続けられた質問に答えた。監禁に恫喝、一般に知られている情報だけでも宮廷からのローゼンベルク家の嫌われようは肯定するほかにない。しかし、エリーゼが続けて語ったのはそれ以外の側面。旧公爵領に住まう住民達の見方であった。悪どい手法を好んでいたとはいえ、長きに渡り国家の中枢に君臨していた一族だ。その座を守るにあたっても馬鹿に務まる筈もなく、明晰な頭脳は領地運営に至っても存分に発揮されていたようだ。一族が滅亡して久しい現在でも惜しまれているほどに。政治闘争など所詮は他人事と捉えている平民と、日夜政治闘争に明け暮れている宮廷。ローゼンベルクを巡る両者の認識には尚も大きな隔たりがあることが分かる。)

(/一部文章が不自然だった為訂正致しました!)

  • No.1248 by レド  2026-02-13 12:30:50 

>1246

どーだか。前の統治を懐かしむなんてよくあることだし、単に中央への反発で言ってるだけでしょう。なにせ残った血筋があのバ、あの王女様ではね……ローゼンベルクの伝説も、しょせん昔話。なんであの副団長が彼女の世話を焼いているのかは、よくわかんないですけど。

(ローゼンベルクの統治の恩恵を受けていない、そして家が滅びた後に生まれたレドは、頭をボリボリかきながらローゼンベルクの治世の話を話半分で聞いて。単に現政権への反発で言ってるだけかもしれないと、領民からの評判をあてにしていないのであった。なにせ残ったのが賢くも優しくも見えないあの癇癪王女だし……
腕を組んで胸を張ると、鼻息と共にローゼンベルクの伝説を昔話と切り捨てて。さすがにカトリーナを公然とバカと呼ぶのは忠告通り止めたようだが、それでも軽んじる姿勢は変わっていない。なにせあの暴れぶりだ、バカだなんてみんなが思っている事だろう。宮廷からも騎士団からも、近衛隊からもそっぽを向かれている王女など、誰が守るものか……それでもエリスがカトリーナを守る疑問を呟きつつ、天井を見上げて。カトリーナの出生やローゼンベルクの実態も、奴(エリス)なら全部知ってるだろう。だが話を聞く限りローゼンベルクとは過去の遺物にしか見えない。そんな家の標語が何の役に立つ!?疑問は深まるばかりだと、ため息を吐いて。)

  • No.1249 by エリーゼ  2026-02-13 15:32:09 

>1248

確かに王女様と副団長の繋がりは謎にゃんね…気になるなら今度、あのお喋りマスクにでも聞いてみるといいにゃ。妙に物知りにゃからきっと何か知ってると思うにゃ。

(エリーゼは歩みを再開しながらレドの話に耳を傾ける。間接的にとは言えあの王女の振る舞いを目の当たりにした後なのだから、レドがローゼンベルクの手腕に疑念を抱くのも無理はないだろう。かく言うエリーゼもレドとそう変わらぬ年齢。直接かつての統治を見た訳でもなければ、特段地方政治に詳しい訳でもない。レドの私見を否定も肯定もすることなく頷くと、純粋に自分自身も気になった王女と副団長の関係性へと話の中心を移した。自らの浅い人生の記憶を辿ってみても思い当たる節はまるでなく、少しの間頭を捻り、お喋りマスクことヴァルターに聞いてみてはどうかという結論に達する。食堂での反応を見る限りレドとの相性は悪くはなく、きっと尋ねれば全部は教えないまでも、またしても何かしらのヒントは与えてくれることであろうという打算であった。
そうして話していると、遂に近衛隊長執務室…エリーゼにとってはセレステに次いで関わりたくない人物、アリシアの部屋の前へと辿り着いた。扉の前で立ち止まったエリーゼは深く深呼吸した後に、未だ不安そうな瞳をレドに向ける。代わりに入室許可を取って欲しいという助けを求める視線であった。)

  • No.1250 by レド  2026-02-14 11:03:58 

>1249

お、おしゃべ……大丈夫ですかエリーゼ殿、上官に向かって。あの人もあの人でどうも怪しいが、ま、捕まえられたらその時には……
おっと、ここはお任せください。あのウザイしたり顔を見た後だ、アリシア様を拝んで癒されよう……アリシア様、レドです。指南役のレドです。御用があって参りましたっ!

(上官を「お喋りマスク」と腐す口の悪いエリーゼにジト目を向けて。上官侮辱でまたリンチされるんじゃ……それはともかくあの仮面の首席も副団長同様、イマイチよくわからない男だ。あてにしていい人なのか見えないが、今のところ友好的ではある。エリーゼの提案を受け入れると、視線を正面に戻して。
気付けばアリシアの部屋が見えてきた。正直あの次席補佐に行動を妨害されるのは癪だが、鬱陶しい副団長と対面した直後。愛しい人の笑顔を拝めばいい口直しになる……尻込みするエリーゼとは対照的に、足取り軽やかにドアの前に立つと、ルンルン気分でドアをノックして。)

  • No.1251 by エリーゼ/異端審問官  2026-02-14 11:37:33 

>1250

(ジト目を向けられると、エリーゼは分が悪そうに視線を逸らして誤魔化した。今しがた王族の呼び方を注意しておきながら、相変わらず格好の付かない分団長である。
エリーゼの気持ちを察してか、いや、純粋にアリシアが愛おしいのであろう。意気揚々としたレドの声は確かに室内に届いているはずだが、一切の返事がない。何らかの用事で離席しているのだろうかとエリーゼも首を傾げると、しばらくして扉が開かれた。)

あらぁ、貴方が噂に聞く指南役の先生ですかぁ?お会いできて光栄ですぅ。アリシア様はただいま離席していますのでぇ、ひとまずお入りくださいなぁ。

(現れたのは白を基調とした軍装を纏った金髪の女性。整った容姿とは裏腹に瞳は酷く濁り、首に付けられた生きている筈もない大きさの古傷が異様な存在感を放つ。そして手には聖教国の国章が描かれた漆黒の聖典を抱えている。そう、彼女は紛うことなき異端審問官。本来ならばこの国にいる筈のない聖教国が誇る精鋭の一人だ。レドの顔を見るなり軽薄な笑みを浮かべ、特徴的な間延びした敬語で入室を促す。レドのことは一方的に知っている様子であり、自己紹介は席に付いてからということなのだろう。部屋の奥ではもう一人の異端審問官が腕を組んだふてぶてしい態度でソファに腰掛けていた。そちらの方も濁った瞳に青白く継ぎ接ぎ痕の残る肌。間違いなくこの異端審問官達は普通の人間ではないことを示していた。
一方で、異端審問官を前にしたエリーゼは剣に手をかけて警戒態勢を取っていた。王国内の聖教徒と比べてもその危険性は段違い。気分一つで刺されてもおかしくない為である。)

  • No.1252 by レド  2026-02-14 14:15:26 

>1251

~♪……あれ、アリシアさま?…………!!

(ノックをするが愛しき人の返事が来ない。訝しんでいるうちに浮かれた顔が険しいものへと一変する。扉の向こうからドス黒い気配を感じる!刺客、いや、魔物のような……思わず刀に手をかけようとした矢先に開かれた扉の中にいた二人を見ると、レドの顔はますます怪訝なものになる。一人はまるで切り落とされた首をつなぎ合わせたような傷跡が目立つ『首狩り』ならぬ『首無し』というべき女。もう一人は、やはり傷だらけでまるで死人のような肌色の男。明らかにまともな人間ではないが、王国騎士団とは異なる白い軍服からして、どちらも聖教国の精鋭たる異端審問官(ジャッジ)どもだ。いったい何故こんな連中が王国近衛隊指揮官の部屋に入り浸っているのか……疑問に思いながら口を開いて。)

失礼だが、あなた方はアリシア様のお客人で?アリシア様はどちらにいらっしゃる?直接のお願いがあってまかり出たのだが。

(眉間に皺寄せながら、二人の素性とアリシアの居場所を尋ねて。こんな怪しいやつらに用など無いし、言うことを聞く筋合いもない。何より相手は異端とみなしたら自国の村すら燃やすと言われる異端審問官、密室になったらエリーゼの身が危ない。女の招きに応じないレドは、着席どころか入室する素振りさえ見せないのであった。)

  • No.1253 by エリーゼ/異端審問官/アリシア  2026-02-14 19:28:12 

>1252

おやおやぁ…そんなに警戒しないでくださいよぉ?傷付くじゃないですかぁ。同じ人間同士、仲良くしましょうよぉ?

(女の異端審問官は質問に答えることなく、じりじりとレドとの距離を詰める。軽薄な笑みのまま敵ではないとアピールするその様は白々しく、一層警戒心を引き立てるような振る舞いであった。なにより同じ言葉を話している筈なのにまるで会話が成り立たない。この女の異常性、纏う狂気は帝国兵の非ではない。)

近付くにゃ!質問に答えるにゃッ!

誰が発言を許可した?獣風情が。

(成り立たない会話、じりじりと詰められる距離…これ以上は危険と判断したエリーゼは剣を抜くと、切先を女に向けて牽制する。対する女はここで初めて視線をエリーゼへと向けると、取り繕った笑みすらやめて排除にかかった。まるで獣人を人とも思っていない侮蔑に満ちた言葉を吐き捨て、手を天に掲げて魔法を行使する。周囲一帯が神々しい光を放つ巨大な魔法陣に飲み込まれ、魔力が膨張していく……殲滅魔法、この狭い空間で一切の躊躇なく全てを消し飛ばそうというのだ。しかし、そんな試みも寸での所でレドが期待していた愛おしいその人の声で阻まれる。)

両者武器を収めてください。ここで問題を起こされては困ります。始末書の山は御免ですから。

(廊下の先から現れたのはアリシア。外向けの柔らかな笑顔と丁寧な言葉とは裏腹に目は笑っていない。彼女は静かに怒っているのだ。危うく職場が消し飛び、始末書の山を捌く羽目になるところだったのだから当然であろう。アリシアの制止により、やっと女の異端審問官が魔力を霧散させるのに合わせてエリーゼも剣を鞘に収めた。)

レド殿、驚かせてしまい申し訳ありません。事情は後ほど…それで、次席殿の件ですよね?お話は窺っております。とにかく今は其方に向かってください。

(場を収めたアリシアは真っ先にレドに歩み寄ると、軽く頭を下げて先のトラブルを詫びる。エリーゼの手前事情は話せないが、後ほどと言うからには既に取り付けた夜の約束の際に話すつもりなのだろう。一応セレステの件で来たのかを確認すると、もしそうなら速やかに向かうように促して。言葉の終わりに「ここよりは安全でしょうから」と小さく耳打ちした。獣人のエリーゼがいてはまた衝突しかねない。それを危惧しての配慮なのだろう。)

  • No.1254 by レド  2026-02-14 23:27:02 

>1253

なっ!野郎ッ!!……アリシア様!?始末書どころじゃありません、これはれっきとした宣……かしこまりました。全ては…………全てはアリシア様のために。

(正気か!?異端審問官は質問に答えないどころか魔法による攻撃まで始めやがった。どっちがケダモノだよ!?もうレドは我慢できない。因縁のエリス相手ですら抜かなかった刀をついに引き抜き白刃が覗いたところでアリシアが割って入った。愛する人に制止され抜きかけた刀を納めて。しかし危うく巻き添えになるところだったのだ。聖教国の人間が王国騎士団幹部に攻撃するなんて始末書じゃ済まない、宣戦布告だと抗議しようとしたが、アリシアの勧めと耳打ちで気を削がれ、肩をすぼめると渋々受け入れて。
なにせ戦争一歩手前の事態。ここでエリスから教わった禁断の呪文を発動すべきだといきり立って「全ては」と言いかけたが、一応の収拾はついた以上無闇に唱えるものではないと思い直すと、アリシアへの忠誠の言葉へと言い直して。)

……エリーゼ殿。少々よろしいか。次席殿に会う前に。

(異端審問官といえば聖教国の精鋭だ。それがこんな野蛮な連中だとは……なんでこんな奴らが招かれたのか。そして次席補佐セレステは王国の幹部でありながら何故こんな邪教を崇めているのか……こんな所にいても事態は悪化するだけなのでアリシアに言われるままセレステの下へ向かうことにするが、自分も聖教国と関わりの深いレイラ(ねえさん)やアリシアと繋がる身だ。そしてセレステの用件次第では彼女とも関わりを深めることになるだろう。今後獣人のエリーゼと付き合う上で彼女に言っておかなきゃならないことがある……ちらりとエリーゼに視線を送ると、一旦人気のない所で話したいと促して。)

  • No.1255 by エリーゼ/アリシア  2026-02-15 09:04:05 

>1254

んにゃ…?わ、分かったのにゃ。

(レドの呼びかけにエリーゼは何事かと首を傾げるが、断る理由もない為すんなりと了承した。嫉妬のような、鋭いアリシアの視線をその背に受けながら、警戒を怠ることなくレドと共にその場を後にする。やがて近衛隊庁舎を出ると、建物の裏、人気のない庭先に出たところでやっと用件を尋ねる。)

それで何の用にゃ?何か気付いたことでも……いや、人気のないところで二人きり…ま、まさか!愛の告白にゃ!?ごめんにゃさい!愛人にはなれないのにゃ…!

(人のいない場で話したいということはそれなりに重要な話なのだろう。返答を待つ合間に改めて何事なのかと首を傾げていると、エリーゼの迷推理が突拍子もない答えを導き出した。二人きりで真剣な話、そんなものは愛の告白以外にない。相変わらず私は罪な獣人にゃ……と自惚れた思考に浸った間違った結論へと至り、動揺を隠せない様子で頭を下げた。レドのことは嫌いではないが、アリシアがいる以上は愛人が前提の交際…そんなものは倫理的に受け入れられない。と、エリーゼの頭の中では色々と飛躍を前提とした思考が飛び交っていたのであった。)

  • No.1256 by レド  2026-02-15 10:57:12 

>1255

ふふ、エリーゼ殿は愛らしいなぁ……今見た通り、そんなエリーゼ殿を獣の耳と尻尾が生えてるからってこの世から消してしまえと信じてるのが連中だ。さっき食堂で俺が次席殿にゴネたのも、聖教徒として貴女にひどいことをした次席殿と関わりたくなかったからです。
……貴女が目指す平和な世界に連中の居場所は無い。連中も貴女のいる世界を認めないでしょう。それでも俺は聖教と関わりの深いアリシア様やレイラ姉さんに取り立ててもらった身の上。だから聖教徒といえども、無下にはできない……事の次第じゃ今から会う次席殿とも関わりを深めなきゃならなくなるでしょう。

(人気のない庭先。変な方向に舞い上がっているエリーゼに笑みを浮かべると彼女に背を向け、手を後ろで組みながら自分は聖教徒を快く思ってないことを語って。レドから見ればはっきり言って聖教徒の振る舞いは人の道から外れている。だがレドが剣術指南として出世したのも聖教と密接な関係にあるアリシアやレイラのおかげ……これから会うセレステも無下にはできない。樹を見上げながら、自分が倫理と忠義の板挟みになっていることを、残念そうに語って。)

エリーゼ殿、もし俺が人として許せなくなったら……そん時は構わない。俺を斬って、気持ちを晴らしてください。貴女に斬られて終わるのも悪くはない。

(セレステの用件次第ではエリーゼと決別することになるかもしれない。身体を翻してエリーゼに向き直ると、「人として許せなくなったら自分を斬っても構わない」と告げて。はっきり言ってセレステに敵討ちするのも色々と難しいだろう。ならせめて聖教徒のために動く自分を斬って気持ちを晴らせと語るレドの表情は、いたって真剣で。)

  • No.1257 by エリーゼ  2026-02-15 16:38:37 

>1256

ふぇ……?な、何を言ってるのにゃ!斬れるわけないにゃ!と、と、とにかく…覚悟は伝わったのにゃ!

(告白と言えども想像とは全くの別物、打ち明けられた葛藤を聞き、話の重さにエリーゼは首を傾げたまま、ぽかんとした表情でしばらくフリーズした。少し経ってようやく頭が話を理解し始めると、慌てた様子でレドのことは斬れないと訴える。その覚悟を聞けただけでも、エリーゼの不安は十分に払拭されたからである。)

正直、レドくんのことはちょっと疑ってたのにゃ。勇者の弟分で、恋人は聖教徒で、無名の状態からいきなり指南役に取り立てられて、傍から見たら怪しさ全開にゃから……今まで油断したら刺されるつもりで接してきたのにゃ。でも、さっき審問官を前にしても私の身を案じてくれたこと、何よりこうして素直に気持ちを打ち明けてくれて…嬉しかったにゃ。私はレドくんを信じる。改めてよろしくにゃ。

(気持ちを落ち着かせて、真っ直ぐにレドに視線を向けるとエリーゼもまた自らの心境を語った。レドを取り巻く環境から、疑いを持ったまま接していたこと、そしてその不安が今しがた取り除かれたことを、気恥しそうに頬をかきながら打ち明ける。疑うことはもうやめたのだ。信じると決めた以上はそれを突き通すのみ。お互いに赤裸々に内面を打ち明けたことで、ここが真の意味でのパートナーの始発点である。そんな意味を込めて、エリーゼは眩い笑顔で手を差し出して、握手を求めた。)

  • No.1258 by レド  2026-02-15 18:51:35 

>1257

エリーゼどの……そりゃそうだ、俺だって信じられないですもん。農民が名家の女性と付き合って、馬車に乗って城勤めなんて。おとぎ話みたいに出来過ぎた話ですよね、へへ……
……俺も連中の恐ろしさ、身にしみて思い知りましたよ。どうにかしないといけませんね。

(胸の内を明かしたことでかえって信頼を深めてくれたエリーゼにほっと息を吐き、胸を撫で下ろして。いきなり市井から近衛隊指南役に抜擢された、「勇者」や近衛隊指揮官と懇意にしている冒険者。獣人のエリーゼが警戒するのも無理は無い。そしてあまりに出世しすぎて自分でも未だに信じられないと、照れくさそうに頭をかいて。
正直未だアリシアの処遇のことは気がかりだ。アリシアの所業を見落としたふりで見逃そうかとも思ったが……獣人を見れば平気で周囲を巻き添えにする連中をいつまでもアリシアと付き合わせてはならないのも確かだ。エリーゼと共に戦う意志を固めると、穏やかな顔でエリーゼが差し出した手を握って。)

こちらこそ、改めてよろしく。共に平和のために頑張りましょう。

  • No.1259 by エリーゼ/セレステ  2026-02-15 20:00:40 

>1258

にゃはは、それじゃ行こうにゃ。あんまり待たせると後が怖いにゃ。

(レドの手の感触をしっかりと確かめて、そして離す。未だセレステと対面することに恐怖を感じているが、ヴァルターも認めたその手が自分を守ってくれると信じて、もう心に迷いはなかった。先導するようにレドの一歩前を歩き、道を進む。昼時も過ぎたことで人通りも少ない為か、続け様にトラブルに巻き込まれることもなく、あっという間に目的の場所、次席補佐官執務室へと辿り着く。騎士団の最高位の幹部に割り当てられる部屋だけあり、扉の作りはアリシアのものよりも重厚だ。エリーゼはそっと一息ついて覚悟を決めると扉を叩き、「どうぞ」と簡潔な了解の声が中から聞こえると同時に扉を開く。そして、この世で最も恐れる人間が待ち構える部屋へとついに踏み込んだ。)

お忙しい中、わざわざありがとうございます。さ、ひとまず席にお着きください。
…何をしているのですか?貴女もです。べつに獣人だからと言って訳もなく意地悪はしませんよ。

(中に入ると、真っ先に目に入るのは机に積まれた夥しい書類の山。こちらもアリシアのものよりも遥かに多く、規模にして4倍程(団長、副団長、首席から押し付けられた仕事に加えて自分の分で4人前。)である。そんな山の隙間からセレステは客人達に視線を向けると、手でソファを指し示して着席を促した。しかし、エリーゼはその気遣いの中に獣人の自分が含まれているとは思いもよらず立ち尽くしていたが、ジト目を向けられてすぐに正される。先の異端審問官の振る舞いが酷すぎたせいか、当たり前の行動が随分と良心的に映ることに違和感を感じつつも、言われるままソファに腰掛けた。もっと非道な扱い、それこそ遅いなどと因縁を付けられて出会い頭に暴行されることを想像していたエリーゼであったが、拍子抜けしたというのが正直なところである。しかし、それでも怖いものは怖いのが人間。本題を待つ間、尻尾をレドの腕に巻き付けてずっとソワソワした様子である。)

  • No.1260 by レド  2026-02-16 00:08:56 

>1259

ごほん……失礼いたす。

(王国騎士団次席補佐・セレステ・ヴァレンヌの執務室。騎士団の上級幹部たる彼女の前では再び行儀の良い振りをしなくてはならない。咳払いして、アリシアの執務室のそれより重々しい扉を抜けて入室して。目につくのはアリシアのそれ以上に積み重なった書類の山、そしてその隙間から覗く部屋の主・セレステだ。そのセレステからエリーゼへ投げられた言葉に思わず身体をぴくりと震わせる。「意地悪はしない?お前彼女が着任した時にやったことは意地悪じゃないとでも言うのか?」と言い返したくなったが、今は過去の遺恨を持ち出す時じゃないだろう……突っかかりたくなる気持ちを抑え、無表情で着席して。)

セレステ殿、アリシア様から許可をいただいたので参りましたが……その、見たところセレステ殿も大変お忙しい様子。ご多忙の合間を縫ってのご用件とはどのようなものか、お聞かせ願えませんか。

(まずは手を膝に置いて、アリシアから許可をもらったことを伝えて。「俺をアリシアから借りるんだからお前がアリシア様に許可取って来いよ、おかげで変な連中に殺されかけたんだぞ」と抗議しようかと思ったが、ありえない量の書類を見て口ごもる。次席補佐官とは想像を絶するほどの激務らしい。同じ聖教徒と言えどもエリーゼへの態度はさっきの審問官(ジャッジ)どもよりマシだが、やはりエリーゼは不安なようで自分の腕に尻尾を巻き付けてくる。少しでも安心させようとその尻尾をさわさわと撫でつつ、セレステの多忙さに触れながら早速本題を切り出して。お互いのため、余計な事しないでさっさと終わらせた方がよさそうだ……そう考えつつ、書類の隙間から見えるセレステに視線を向けて。)

  • No.1261 by エリーゼ/セレステ/レイラ  2026-02-16 09:03:28 

>1260

はぅ…っ!んっ…あっ…//

こほん…そうですね。実を言うと…用事があるのは私ではないのです。それは本人も交えて説明しましょうか。では、そろそろ出てきてください。

(レドの気遣いで尻尾を撫でられると、思わずエリーゼは変な声を上げた。器用に動かせるだけあり神経が集中している部位なのだろう。撫でられる度に顔を赤らめて必死に声を抑える様は、まるで隠れていかがわしいことをしているよう。勿論騎士団の上級幹部相手に気付かれない訳もなく、その様を見たセレステは、人の部屋で何を盛っているんだと2人に一瞬だけ冷たい視線を向けるが、すぐに咳払いをして気を取り直した。
本題へと移ると、さっそくセレステは用事があるのは自分ではないことを明かす。激務の次席補佐官を私用で動かせる人間というのはそう多くはないが、その中の貴重な一人、レドもよく知る人物が合図に従って書類の山の背後からひょっこり顔を出した。)

ふふん、驚いたかレド!サプライズだ。私のことが恋しかっただろう?仕方なしに会いに来てやったぞ。

はぁ…という訳で、勇者様のサプライズ……だそうです。城の正門を破壊してまで貴方に会いに来たのですよ。強いて言うなら私の用事があるとすれば、それはこのバカ…こほん、勇者様を連れ帰ってもらうことです。

(可愛らしい侍女服に身を包んだレイラが、サプライズの成功にドヤ顔を見せる。相変わらずのふてぶてしさだが、要するにレドがいなくて寂しかったのだ。城の門を破ってまで会いに来る程に。
そんな我儘に付き合わされたセレステは疲労から大きく溜息を吐くと、この迷惑勇者を早く連れ帰ってほしいと懇願にも近い要望を出す。只でさえ仕事に追われているのにこれ以上は付き合っていられないと、彼女の疲れた表情からはそんな悲哀が滲んでいた。
その一方で、セレステのみならず聖教会の象徴とも言うべき勇者を前にして、エリーゼは身体をガタガタと震わせたかと思えば白目を剥いて気を失っしまう。本日二度目の気絶…相変わらずの脆いメンタルだが、一度セレステにトラウマを負わされたことで、本能が精神を守るために極度のストレスから切り離しているのだろう。倒れた身体はゆっくりとレドにもたれかかった。)

  • No.1262 by レド  2026-02-16 19:20:43 

>1261

ちょっ!何やってんだエリーゼどの!……え?それはどういう……
ね、姉さん!どうしたのそのカッコ…………は?え?なっ、なんだってぇぇぇっ!?

(尻尾を触られて喘ぎ出すエリーゼを困惑気味に叱って。セレステが冷ややかな目で見ているのもあるが、性的な興奮を覚えている様子は無い。年上好きのレドにとって子供っぽいエリーゼは好みの範囲外であった。
そんなレドの注目の的は言うまでもない、いきなり現れたレイラだ。それもなぜか侍女服の……まさにサプライズ。すっかり驚いて姉さんと叫んだのもつかの間、事の経緯をセレステから聞いた途端、一気に顔が青ざめる。せせせせ、正門を壊した!?王城の!?あれは姉さんの仕業だったのか!?えっ、じゃあ弟の俺は今日からどの面下げて王国を歩けばいいの。いやそんなことより……気絶してもたれかかるエリーゼにも構わずに、思わず立ち上がって。)

せ、せせ、戦争じゃ……姉さん連れ帰ったら開戦じゃ……こここういうときなんて言うんだっけ、ああ、「貴公の首は柱に吊るされるのがお似合いだ」だったかな、あば、ああばばばば………

(さっきのツギハギの審問官並に顔を青くすると、うわ言を吐きながらガタガタ震えて。つ、連れ帰れって。ああ、帰ったら開戦てことなんだ、王国と聖教国の戦争だ……ま、まさか俺と関係ないところでこんな結末になるなんて。ああ終わった。俺の冒険者としての日常は終わった……最悪の想像が止まらなくなったレドは、とうとう立ったまま口から泡を吹き、そして……)


(レドは めのまえがまっくらになった!)


【冒険者レドの日常 完】


  • No.1263 by エリーゼ/セレステ/レイラ  2026-02-16 21:21:43 

>1262

お、おいっ!?レドッ!どうしたんだ…しっかりしろ!
おい、お前!医者を呼べ!何かの病かもしれないっ!

(青ざめた顔でうわ言を呟くレドの様子に、ドヤ顔から一転して慌てて駆け寄ったレイラは、レドの両肩を掴んで思い切り揺さぶった。レドがこうなった原因が自分にあることなど露ほどの自覚もないのだろう。何らかの病気を疑って、セレステへ向けて医者を呼べと訴える始末である。そんな二人の様子に、セレステは思わず頭を抱えた。)

…少なくとも病気でないことは確かです。
レドさん、ひとまず落ち着いて聞いてください。戦争にはなりませんから。勇者様が門を破った際に対応に当たったのは私です。大事にならないように既に根回しはしてあるので、その点は安心してください。表向きは単なる正門の改修工事ということになっていますので。

(レイラの要請を軽くあしらうと、セレステはレドへと視線を向け淡々と状況を説明した。衛兵など数少ない目撃者には持てる権限を以て口止めしておいたこと、門の補修にあたって別の建前を用意したこと、そのような詳細の全てを言わないまでも、次席補佐官である自身が対応に当たったことを告げれば勇者侵入の件が揉み消せたことを理解してもらうには十分であろう。気がかりなのはその後の正門の警備をなぜか副団長が担ったことだが、特に動きがないことからボロは出ていない筈…と一抹の不安を心に残しながらも、次の話へ進める前にレドが正気へと戻るのを待った。)

  • No.1264 by レド  2026-02-17 20:30:33 

>1263

(ああもうだめだ、おしまいだぁ……と、意識が遠のいていくところにレイラに大きく揺さぶられ、どうにか正気を取り戻した。)

んあっ!ここは……ね、姉さん……あぁ……

(自分を心配しているレイラを見て、困惑と安堵の混じった溜め息を吐いて。私が恋しかったろうというレイラの発言はたわごとでもない。正直レドは嬉しくて、怒れない。陰謀が渦巻き、油断のならない王城で、誰より純粋で優しい姉が迎えてくれたのだから……レイラが掴んでいるレドの肩は、緊張が解けてすっかり力が抜けており。)

なっ、なんと……セレステ殿、いやセレステ様。姉が大変失礼をいたしました。この度のお取り計らい、なんとお礼申し上げたらよいか……
ああそうだ、先ほど食堂でセレステ様にお会いした後、バカエ……門の警備に当たっていた副団長にもお会いしましてね。あの方は聖教徒を目の敵にしていると聞きますが、それにしては姉が門を壊したというのに何事も無かったように振る舞っておりましたよ。いったい何を考えているのやら……念のため、ご報告いたします。

(セレステの発言に思わず目を見開いて驚いて。何ということだろう!本来ならその場で成敗されても文句が言えないレイラ姉さんを次席殿は助命したばかりか、口止めまでしてくれたらしい!こればかりはいくらエリーゼの件があろうと礼を言わなきゃならない。深々と頭を下げて感謝を伝えて。
それにしても勇者処刑の絶好のチャンスだというのに、あのバカエルフは何もしてこなかった。暗殺を諦めたのだろうか?意図は見えないが、ひとまずセレステへの礼代わりとしてエリスと接触したことを報告して。)

  • No.1265 by セレステ/レイラ/エリーゼ  2026-02-18 11:46:25 

>1264

様はよしてください。なんだか気恥しいので…
なるほど、副団長が接触を……きっと偶然ではないのでしょう。あの方の観察眼は侮れません。おそらくは貴方の反応から勇者様を匿っているか否かを見極めていたのかと。

(様を付けられると、セレステは気恥しさから頬をかきながら訂正を促した。こうした遠慮がちな感性はやはりクレアの後輩なだけある。そして、続けられたエリスとの接触の報告に、険しい顔で顎に手を添えて思考する。これは決して偶然などではなく、勇者の居場所を突き止める為の人間観察の一貫だと、結論の出た自らの推理を語った。)

…もしや、食堂に行くまでに副団長をどこかで見ていませんか?それこそ近衛隊庁舎の人の出入りを見張れるような場所で。この城の中で、勇者様を匿っている可能性が高い場所の一つですから。
もしそうなら副団長の行動に合点がいきます。わざわざ正門の警備を買って出たのは誰の侵入かを見極めるため…そして、勇者様の犯行だと確信を得た副団長は、身柄確保の為に近衛隊庁舎の出入りを監視していた。しかし、成果がなかった為に弟分の貴方へ接触を図った。…あの方の性格からしてそんな所でしょう。

(最初の推理を語り終えた後、セレステはふと何かに気が付いたように顔を上げる。自分の知り得る副団長の底意地の悪い性格からしてレドとの接触だけで満足する筈がないのだ。それ以前の動きにも全て意味がある……そこまで思い至ると、頭の中に事の全体像が組み上がるのにそう時間はかからなかった。険しい顔のまま最終的な推理を披露すると、セレステは再び顔を伏せて対抗しうる策を練る。
副団長…否、エルフの皮を被った死神は今も尚、勇者を始末する為に動いている。なんでもない日常を装って。)

ふむ……つまり副団長とやらを私が返り討ちにすればいいんだろう!ふっ、簡単では……じょ、冗談だっ!睨むな!

(狙われている当の本人、レイラは己が力に絶対の自身を持つあまり事の重大さを理解していないのだろう。力の抜けたレドの肩を優しく包み込みながら、普段と変わらない調子で、副団長を返り討ちにすると簡単に言ってのけるが、話はそう単純ではない。次にまた城内で問題を起こせば流石にセレステには庇いきれない上に、相手は副団長。万全の状態でやっと互角な相手に、侍女に扮するために聖剣どころか剣の一つも所持していないレイラが勝てる筈もないのだ。あまりに楽観的でいい加減なレイラの言動に、セレステが苛立ちの篭った眼差しを向けると、レイラはビクッと身体を震わせて一層強くレドに抱きついた。)

  • No.1266 by レド  2026-02-18 19:50:28 

>1265

ねっ、姉さんどうしたの。らしくもない……

(セレステに凄まれてより強く抱きついてくるレイラに少々頬を赤くしながらも、経緯を察してレイラを流し目で見て。この世に怖い物のない勇者様がビビってる……ああ、次席殿に取り押さえられて匿われたんだな。それでこんな侍女姿なんだと。ちょっと説教したいが……侍女服は冒険者装束以上にレイラの温かさと柔らかさが伝わってきて、どうにも気が抜けてしまう。レイラに抱きしめられるまま、セレステに視線を戻して。)

それこそ入城した時に正門の警備にあたっていた彼女とすれ違いましたよ。ああもう一つ、渡り廊下の脇の薔薇園でも!……くっ、何が奇遇だよあの野郎。きっちり絵図描いて動いてやがる!なんて小賢しい……
……ゴホン!今副団長は何やらカトリーナ様の御用で出払っています。今のうちにレイラを城から出しましょう。じきにここも嗅ぎつけてくるはず。踏み込まれたらレイラどころか、セレステ殿、貴女も危ない。

(エリーゼの件は許しがたいが、それを除けばセレステ殿はいい人だとレドは判断した。憧れのクレアにも通ずるセレステの腰の低さにいくらか警戒を解いたレドはレイラに抱かれたまま真っ直ぐに立ち、正門と、そして近衛隊庁舎と騎士団本庁舎をつなぐ渡り廊下とで二度もエリスと出会ったことを明かして。どうやら勇者抹殺をまだ諦めていなかったらしい。そして近衛隊も自分もシロならば、聖教徒でありレイラの狼藉をもみ消せる権限を有する次席補佐セレステにエリスが辿り着くのも時間の問題だろう……エリスの抜け目の無さに歯ぎしりしてつい素の口調が出てしまったが、咳払いして改めるとすぐにレイラを脱出させようと提案して。)

  • No.1267 by セレステ/レイラ/エリーゼ  2026-02-19 00:09:09 

>1266

なっ…!べ、べつに怖くなんてないからな!

(明らかにセレステに恐れを抱いている自らの反応を訝しむレドに、レイラは羞恥心から顔を赤くして強がりを述べるものの、縋り付いたまま、まったくレドから離れようとする様子はない。口とは裏腹に身体は正直であった。)

そうですね…と言いたいところですが事情が変わりました。ここまで副団長が計画的に動いているならば、みすみす逃すような真似はしないでしょう。おそらく騎士団の馬車には何かしらの細工が施されていると見て間違いありません。とすれば…この城には副団長の細工が出来ない馬車が2つあります。帝国と聖教国、両国の馬車はノーマークの筈です。勇者様の身分を考えれば最も円満に使用できるのは聖教国の馬車。ですので、一度勇者様を連れて近衛隊庁舎へ戻るのが最善かと。

(弟分とじゃれつくレイラには目もくれず、レドの証言によりエリスの計画的な行動に確信を持てた以上は安易な離脱は却って危険であるとセレステは判断した。移動距離や見つかるリスクを考えれば徒歩は論外として、使用が予想される騎士団の馬車には何かしらの細工、盗聴や警報などの魔法が仕掛けられている可能性が高い。その為、副団長が手出し出来ず、尚且つレイラの身分上使用が最も容易な聖教国の馬車を借りるべく、一度近衛隊庁舎に戻って協力を取り付けることが最善であると進言した。レドにとっては危険極まりない異端審問官達と再び顔を合わせることになるが、レイラがいればおそらくトラブルに発展する可能性は低いことであろう。)

  • No.1268 by レド  2026-02-19 12:48:06 

>1267

くっ、あそこには審問官が……背に腹か。かしこまりました、直ちに戻ります。
ただひとつだけ質問を……セレステ殿はなにゆえ、レイラをお助けになられたのですか?これほどの危険を冒してまで。家族を失わずに済んで、私としては感謝し尽くせませんが……

(聖教国の馬車を借りるために近衛隊庁舎へ戻れというセレステの指示に、眉間に皺寄せて。それは今あそこにいる審問官と言う名の異常者たちと関わらなきゃいけないという意味だからだ。しかしエリスが先回りして騎士団の馬車を潰しているのなら他に方法は無いし、グズグズしてもいられない。反論を飲み込んで、指示を了承して。
ただこれだけは聞いておきたかった。なぜいくら相手が聖教国の象徴とはいえ、襲撃者を匿うという危険を冒してまでレイラを助けたのか。現に副団長の手が迫っているのに。おかげで姉に等しい存在を失わずに済んだわけだが……さっきからずっとじゃれついてくるレイラに微笑みつつ、セレステに質問して。)

  • No.1269 by セレステ/レイラ/エリーゼ  2026-02-19 23:03:39 

>1268

先輩ならきっとそうしたから…ただそれだけです。

(投げかけられた質問に、セレステは迷うことなく真っ直ぐな瞳を向けて返した。かつて憧れ、必死に背中を追いかけた人…クレアならきっとそうしたから。彼女にとって人助けの理由などそれで十分であり、自らの危険を顧みず人を助ける騎士道の精神は確かにクレアから受け継がれているのだろう。聖教という邪教に心を蝕まれ、その愛が向けられる対象が限られるという大きな違いを除けば……)

私からも一つ。知っての通り、此処はあまり居心地の良い場所ではありません。時にはこうして危険に巻き込まれることもあるでしょう。けれど、勇者様にアリシアさん、そしてきっと先輩にも見初められた貴方なら如何なる難局をも越えられると信じています。では、ご武運を。

(様々な陰謀が渦巻き、時に牙を剥くこの城の洗礼を受けたレドへ、別れを前にしてセレステからも一つ手向けの言葉を送る。レイラにアリシア、そして食堂で交わしたやり取りからの推測だがクレアにも見初められた者ならば、どんな壁も乗り越えられると信じて。「ご武運を」という言葉と共に胸の前で十字を切って見せた。
レドとセレステがそんなやり取りをしている最中、いつの間にやらレドから離れたレイラは、未だ気絶しているエリーゼの片足を掴んで引き摺っていくと、扉の前で、何とも言えないドヤ顔を見せ、行くぞと言わんばかりの自信満々な様子でスタンバっていた。相変わらずの向こう見ずな性格と言うべきか、自分の蒔いた種にも関わらず状況を楽しんでいる節すらある。クレアとは不仲、セレステとはこれから別れるとなると、安全を確保した後でレドの説教が必要であろう。)

  • No.1270 by レド  2026-02-21 00:06:22 

>1269

……!!次席殿にそこまでおっしゃっていただけるとは……!ありがとうございます、おかげで大変背中を押されました。セレステ殿も共にご武運を。それでは……
って姉さんやめなさい!それは第二団長だよ!まったくもう……ほら、姉さんもセレステ殿にお礼して。だいぶお世話になったんでしょ?

(セレステの信念と激励の言葉に、思わず目を見開いて瞳を潤ませて。人のために戦う優しさと強さ、そしてねぎらいの言葉……憧れのクレアにそっくりであった。その優しさをエリーゼには決して向けない聖教の教義が惜しいが……今は右手を掲げて敬礼し、共に武運を祈ることにして。
さあセレステの励ましを胸に堂々退室……と行きたかったが、まるで第二団長エリーゼを死体のように扱うレイラの酷い有り様に思わず絶叫して。慌てて気絶しているエリーゼをレイラから離して自分の背にしょい込むと、レイラの背を叩いてセレステにお礼するよう促して。早くもセレステの言う難局が見えてきた気がする。勇者様のお世話というえらい難局が……)

  • No.1271 by セレステ/レイラ/エリーゼ  2026-02-21 17:36:47 

>1270

第二団長……なんだそれは。偉いのか?
ふむ、確かに礼は言っておくべきだな…世話になった。お前の働きは教皇に伝えておく。ではな。

(慌ててエリーゼを保護するレドに、レイラはきょとんとした様子で首を傾げる。世界が自分を中心に回っている性格なだけあり、レイラは世間一般的な常識に疎い。デュランダルの治安を担う第二騎士団長すらも知らない様子であった。そして、エリーゼに関してはさして興味もないのか疑問に対する答えも聞かぬままに、促される通りセレステに視線を向けると、長い口上は垂れずにシンプルに一言だけ礼を言って頭を下げる。顔を上げるとすぐに踵を返し、背を向けた去り際に、ついでとばかりに教皇への口添えもすると告げてその場を後にした。これは聖教徒にとって最大の栄誉、勇者だからこそ与えられる特権的な褒美である。それを聞いたセレステはあまりの衝撃に一瞬固まるが、平静を装って三人の背を見送って小さく手を振った。)

こうして私用で城に入るのは初めてだが、思いのほか物騒な場所だな。もっと華々しい世界を想像していたのだが…折角のお前との城内散歩の予定が台無しだ。

(部屋を出た先の廊下を進みながら、レイラはふと思い立って、悔しさの滲んだ表情でこの城の私見を述べる。侵入者としてこの城に乗り込んだのだから気が休まらないのは当然だが、それを差し置いてもこの城が纏うヒリついた空気は決して気分が良いものではない。花の咲く庭園でレドとの優雅な散歩を想像していたレイラにとっては期待外れも甚だしい場所であった。)

  • No.1272 by アリエル  2026-02-22 13:35:40 

番外編「平和主義差の苦悩と決断」

(共和国首都に置かれた軍司令部。その一室で、副司令アリエル・シルヴァは届いたばかりの朝刊を広げて乾いた笑みを零した。)

軍副司令アリエル・シルヴァ、王国に金貨8万枚を献上。売国根性ここに極まれり…か。随分と好きに書いてくれるな。こちらから売った喧嘩を穏便に解決したんだ。払った金貨の数以上の命が救われたと思えば安いものだろう。貴官はどう思うかね?ロレンツ大佐。

(記事の内容は、つい先日勃発した王国との小規模な軍事衝突について。共和国の国境警備隊が反王国感情から越境、近隣の村に火を放つなどして挑発に及んだ行為を発端とし、戦争へとエスカレートする前に副司令アリエル自らが王都に出向いて賠償により丸く収めたという顛末を、随分と恣意的に脚色したものであった。もし開戦へと踏み切っていたならば、その損失は到底金貨8万枚程度で賄えるものではなく、彼女は損得を秤にかけた時に最も利口な判断を取ったに過ぎない。しかし、この記事を書いた新聞社も、読者たる国民も共和国が王国に妥協したという事実そのものが気に食わないのである。アリエルはそんな実情を哀れむようにゆっくりと朝刊を畳むと、背後に控える副官、ロレンツと呼ばれた壮年の男性に意見を求めた。)

副司令の判断は非常に合理的であったと言えます。それはもう、これ以上ないくらいに。しかし、正しい選択が必ずしも受け入れられる訳ではありません。私自身、故郷を王国に奪われた身の上、もし私が貴方の立場なら今頃は戦争の只中だったでしょうな。

ふむ、素直でよろしい。先の戦争で故郷、家族、あるいはその全てを失ったものは多い。貴官のように憎悪に駆られ、王国人を一人でも多く殺せるのなら戦争だって辞さないという人間がこの国では大半だ。
……じつにバカバカしい。そんなものは悲劇の再生産でしかないと言うのに。

(ロレンツは理性と感情、二つの面から私見を述べた。合理性のみを追求するならば、損失を最小限に抑えたアリエルの判断は疑いの余地もなく最善であったと言える。しかし、己が内に燃える憎悪は決してそれを許さない。言葉を選びながらも、ロレンツの出した結論は徹底抗戦すべきであったというもの。今や生ける屍が闊歩する封鎖都市と化した故郷の現状を思えば、彼にとって妥協という選択肢はないも同然であった。
その答えは想定内だったのであろう。アリエルは平然とした様子で、濁すことなく内心を打ち明けたロレンツの姿勢を評価し深く頷いて見せる。先の戦争で大切なものを失ったのはなにもロレンツに限らない。数十万人という未曾有の虐殺。その影響を受けなかった人間など共和国には存在しないと言っていい程だ。彼らの境遇・心情には同情の余地がある。それを理解した上で、暫しの間を置いた後にアリエルは心底呆れたようにバカバカしいと一蹴し、取り出した葉巻に火をつけた。憎悪に駆られて始める戦争など、新たな悲劇を生み出すだけだ。そんなことは誰もが分かっている筈なのに、それでも戦争を望む声は後を絶たない。人間の感情というのは難儀なものだ…とある種の諦めを感じながら、アリエルは葉巻を口に含んだ。)

だが、貴官にとっては悲しいことだが、この国の政治家連中は本音では私と同じ考えらしい。議場でも街頭でも勇ましいことばかり吠えてはいるが、一向に私を解任する気配はない。それが何よりの証左と言えよう。つまり、私がこの地位にいる限りは貴官の死に場所はない。せいぜい今はなき故郷に想いを馳せて余生を過ごしたまえ。

(深く息を吸って、吐く。一連の動作で荒んだ心を落ち着かせると、アリエルは再び口を開いた。復讐と憎悪に囚われ、一見救いようのないこの国の僅かな希望。それは強硬派の政治家までも本心では戦争を望んでいないという点だ。兼ねてより穏健派の彼女を解任しないことが、その本音の何よりの証左である。その事実を淡々と告げると、真っ直ぐにロレンツの目を見て、復讐の機会など与えないとはっきり言ってのける。理解も同情もすれど寄り添うつもりはない。平和を維持する己が信念を貫き通すという確かな覚悟がその瞳に宿っていた。そこまで聞くとロレンツの表情は苦いものとなり、苛立ちから拳が強く握られる。そんな様子を察して、アリエルは手の動きで退室を促すと、一人になった部屋で、別の資料に目を通した。王国に送り込んだ内偵による調査資料である。)

さて、国内情勢が芳しくないのはお隣も一緒のようだな。聖教会の影響力拡大に加えて、帝国武官の派遣、獣人の抗議運動は尚も収まる気配はなく、旧ローゼベルク領では復権派の動きがキナ臭い。裏にいるのはルード公国か?王国も、よくもまあこれだけの問題を抱えて国のていを維持できているものだ。
しかし困ったものだな…仮に王国が瓦解すればこちらの強硬派は黙っていないことだろう。万が一戦争が始まればこの国の経済は持たない。あまり気乗りはしないが…助け舟の一つでも出してやるとするか。

(上げられた報告に憶測を織り交ぜて、王国の悲惨な現状に苦笑いを浮かべる。隣国の問題というのは対岸の火事ではなく、決して少なくない影響を周囲にもたらすものだ。隣合う以上は敵同士といえ運命共同体。気怠げに残りの葉巻を灰皿に押しつけながら、アリエルは王国に対するささやかな助け舟を出す決心をした。)

  • No.1273 by レド  2026-02-22 15:14:01 

>1271

(去り際のレイラのお褒めの言葉と、一瞬だが冷静なセレステが動揺した様子にぎょっとして。「勇者」からの「お前の働きは教皇に伝えておく」。たいへん政治的な賛辞だ。それこそ今の狼藉すら貸し借り無しにできるレベルの。レイラの影響力の大きさ、そして本人はそれを自覚していなさそうな危うさに冷や汗をかきながら、セレステの部屋を後にして。)

しーっ、そういうコトも言っちゃダメ。ここは言葉一つ、振る舞い一つで斬られるダンジョンみたいなもんだから。というわけで姉さん、ちょっと。
……よっと。ダメだよ姉さん?今日みたいことしたら。それでセレステ殿にやられて捕まったのも分かってるから。今回は丸く収まったからいいけれど、本当なら殺されてるところだったんだよ?そうなったらお父様も悲しむだろうし……俺も悲しい。俺なんかもう家族いないし……

(洗練されていながら妙に静まり返った廊下の落ち付かない雰囲気に気が休まらないレイラと並んで歩きつつ、「姉さんも政治の空気がわかってきたかな?」と考えながら、息を吐いて。といってもレドだってこの城に来たことも、ましてや政治に参画した経験も今まで無かったが……
ひとまずエリーゼを背負いつつ、自らの口に人差し指を当ててレイラの発言を制する。気持ちは分かるが、聖教国の「勇者」とあろう者が王城を物騒などと表現して誰かに聞かれたらまた面倒なことになる。しかし一言いうにはいい機会、レイラを人気のない廊下の一画に誘導してエリーゼを適当な椅子に下ろすと、中腰になって小柄なレイラに視線を合わせつつ、人差し指を立てて正門破壊の件を説教して。レドはレイラが生き延びられたのはまぐれだと思っている。迎撃に出たのが「勇者」をも上回る実力者にして聖教徒の高官・セレステでなければ。いやセレステであろうとも副団長エリスに現場を押さえられていたら庇えなかっただろう。こんなことで家族が死んだらお父様も……そして何より自分が悲しい。堂々と説教していたはずのレドは、やがて悲しそうに目を伏してしまい。)

  • No.1274 by レド  2026-02-22 15:23:49 

>1273

(/なんとなく察してましたが、登場の予定は無いと仰りつつも背後で本編に影響を与えてきましたね共和国副司令アリエル。
上層部と国民・副官の板挟みになっている彼女が繰り出す「ささやかな助け舟」とはなんなのか……楽しみです。)

  • No.1275 by レイラ/エリーゼ  2026-02-23 20:17:05 

>1273

レド……すまない。軽率な行動だったと思う…もうこんなことは二度としないと誓う。だから、そんな顔しないでくれ…

(レドの悲しそうな表情にレイラの胸はキュッと締め付けられる。堪らずに寄り添って、レドのことを優しく抱擁すると、これだけ心配をかけてしまったことに罪悪感を覚えて素直に謝った。血の繋がりはなくとも、自分こそが姉としてしっかりしなくてはと心に誓って。
どれ程の時間をこうして過ごしただろう。しばらくして、廊下の先から足音が近付いてくるとレイラは咄嗟に抱擁を解いて警戒態勢に入った。足音の主は侍女への狼藉が記憶に新しい強欲狸ことオズワルドと、その護衛フィオナ。おそらくはエリスの次に遭遇したくない人物であろう。なぜなら気の強いレイラと接触すればトラブルは必至…騎士団の重鎮を万が一にも半殺しにすれば今度こそ彼女は極刑を免れないからである。そして、運の悪いことに、身を隠す暇もなくオズワルドの方から声をかけてきた。)

おい、そこの侍女っ!ここを何処だと心得ている。神聖な騎士団の本部に汚らしい下民が足を踏み入れるとは何事だッ!

(ただ鬱憤を晴らしたいが為の完全なる難癖である。普通の侍女であれば萎縮して、オズワルドの気が済むまでいびられるのであろう。しかし、今回の相手はその普通の侍女ではない。レイラは一度深呼吸すると、一歩踏み出して……)

これは申し訳ありません。私はリア、ヴァレンヌ家に仕える侍女であります。奥様より言伝を預かり参上し、今しがたセレステお嬢様への拝謁を終えたところでございます。田舎者ゆえ、お見苦しい姿をお見せしてしまったこと、大変申し訳ありません。

(恭しく頭を下げた。頭の角度、爪先の位置、細かい仕草に至るまで完璧に。まるで本物の侍女と見紛う完成された所作である。レイラは元々商人の娘、普段使う意思も必要もないだけで、人にへりくだる所作や言葉遣いを幼少期から叩き込まれている。プライドを捨ててでも弟にもう心配をかけないため、すべき理由が出来たからこその振る舞いであった。
見せられた完璧な謝罪に、いじめがいがないと判断したオズワルドは舌打ちしてその場を後にし、フィオナの方は何かを感じ取って、去り際にレイラを一瞥してからすぐにオズワルドの後を追った。二人が去ってからようやくレイラは顔を上げて、上手くやり過ごせたことに、どうだと言わんばかりのドヤ顔をレドに見せる。)

  • No.1276 by トピ主  2026-02-23 20:38:37 

>1274

ご感想ありがとうございます!本編の進捗にご期待ください!

  • No.1277 by レド  2026-02-24 12:54:28 

>1275

姉さん……へへ、でも来てくれてありがとう。

(反省してくれたようだ。レイラに抱き締められると、安心して身体を預けて。頬に赤みを差しながら、子供のようにすっかり甘えている。素行に関しては色々言いたいことはあるが、強くて優しい姉のぬくもりを存分に受け取ったことで、王城という魔境に踏み込んだレドも大分癒されたようだ。
ついウトウトしかけたところでふと抱擁が解かれる。まずい!オズワルドだ!あのブタ饅頭に絡まれたら姉さんは……思わず身構えたが、完全に想定外だったレイラの対応に「え……?」と呆然として、立ち尽くして。)

すっ、スゲー!サイコーだよ姉さん!そんな特技あったの?かっこよかったよ姉さん!!

(侍女として完璧だったレイラの立ち振舞いを前にしてオズワルドが何もできずに去っていくと、目をキラキラさせながら興奮して。なにかと暴れる姉さんにこんな一面があったなんて……剣を抜かず、かといって虐げられることもなく場を収めてみせたレイラのドヤ顔に応えるかのように、握った拳をブンブン振ってはしゃいでおり。)

  • No.1278 by レイラ/エリーゼ  2026-02-24 22:00:16 

>1277

ふっ、商人の娘だからな。これくらいは出来て当然だ。さあ、行くぞ。

ふにゃ…ここはどこにゃ……って勇者にゃ!?夢じゃなかったのにゃ…!レドくん助けてっ!殺されるにゃぁ!

(さっきまでのお淑やかな振る舞いは何処へやら、レドに煽てられてすっかり調子に乗ったレイラは相変わらずのドヤ顔のまま、腕を組んで仁王立ちしていた。一先ず危機が去ったとは言え、いつまでもここに留まっている訳にはいかない。すっかりお姉ちゃんモードのレイラは先を急ぐべく、椅子に座らされたエリーゼの脚を再び掴んで、やはり乱雑に引き摺るように歩みを進める。その衝撃で目を覚ましたエリーゼは、寝ぼけた様子で目を擦ろうとするも身体が安定しない。辺りを見渡したところでやっと自分が勇者に引き摺られていることに気が付き、訳の分からない状況に慌てふためき、レドに助けを求めた。)

  • No.1279 by レド  2026-02-25 10:16:03 

>1278

了解だ、姉さ……あああああっ!?だからダメ!その人もお偉いさんだよ騎士団の!ほら貸して!…………やれやれ。

(レイラの侍女としてのかっこいい振る舞いに感動したのもつかの間、また死体でも運ぶかのようにエリーゼの脚を乱暴にひきずるレイラに悲鳴を上げて。慌ててエリーゼをレイラから引き剥がすと、再びエリーゼを背負って。やっぱり姉さんの乱暴でエキセントリックな言動は直らんものか。そして、こんな調子で審問官たちのいる近衛隊庁舎に戻ってまたひと悶着起きないだろうか……やれやれと溜息を吐くと、足取り重く歩みを進めて。)

  • No.1280 by トピ主  2026-02-26 21:10:33 

すみません!返信明日になります!

  • No.1281 by レド  2026-02-27 06:32:47 

>1280

(/了解です。いつでもお待ちしております。)

  • No.1282 by レイラ/エリーゼ  2026-02-27 23:33:54 

>1279

ふむ…とても偉そうには見えないが、お前が言うならそうなのだろう。その猫はくれてやる。

うにゃぁ…怖かったにゃ…

(エリーゼが騎士団のお偉いさんだと聞いて、レイラは腑に落ちない様子で首を傾げた。自らが見た事のある騎士団の幹部達(殆ど壮年)と比べて明らかに年齢が若いことに加え、彼女の振る舞いには役職相応の威厳の欠片もない為である。しかし、レドがあえて嘘をつく理由もないため一応の納得をすると、特に抵抗することもなくエリーゼを引き渡した。レドに保護されるなり、エリーゼはがっつりとレドの背にしがみ付きプルプルと震えている。そんな様子をジト目で見て、少しだけ羨ましい…なんて思いつつレイラは歩みを再開した。
何事もなく順当に進み、ついに近衛隊庁舎と騎士団本部を繋ぐ渡り廊下に辿り着く。後はここを渡るだけだが、大きな問題が一つ。もう一人のバカエルフことエルフリーデが廊下の端に体育座りで蹲っているのである。床には松葉杖を置き、顔は自分の膝の辺りに伏せているため、おそらく帝国では珍しい暖かな日差しを堪能しながら昼寝を決め込んでいるのだろう。起こしたら面倒事は必死である。)

>1281

(/寛大なお言葉ありがとうございます!遅れながらご返信させていただきました!)

  • No.1283 by レド  2026-02-28 12:39:57 

>1282

はは、剣一本で騎士団幹部の座を掴み取った人だからね。それだけに親しみが……
エルフィ!?ヤバい、帝国兵だ。起こしちゃマズい。しずかに、しずかにね、姉さん。

(エリーゼが偉そうに見えないと言われると、自分に背負われて震える彼女をちらっと見ながら苦笑いを浮かべて。確かに騎士団幹部の威厳は無いが……それだけに同じ成り上がり者として親近感を覚えるのは確かだ。
だが渡り廊下にさしかかり、見覚えのある銀髪の女を目にすると自分も身体を震わせて。帝国産バカエルフ……エルフリーデが昼寝している!しかも他国の庁舎でこんな呑気に……とにかく起こしたら面倒な女だ。声を潜めながら、レイラにも起こさないよう注意を促して。)

  • No.1284 by レイラ/エリーゼ/エルフリーデ  2026-03-01 17:28:29 

>1283

エルフィ?随分と親しいようだな。一つ挨拶でもしておくか。

っ…!?な、なんですか貴女は…!離してください!聞いてるんですか!?かくなる上は…我が覇道を…

(相変わらず話を最後まで聞かない勇者様はエルフィという愛称だけを聞いて、二人の仲が良好なのだろうと捉えた。姉として弟の友人に挨拶をしない訳にはいかない。しかし、ここで立ち話をしてはリスクがある為、またしても健やかに眠っているエルフリーデの脚を掴むと、そのまま庁舎の中へ引き摺っていく。深い眠りについていたのだろう。しばらくは何事もなく引き摺られていたエルフリーデだが、建物に入ってすぐに目を覚ます。状況が呑み込めず慌てふためきながらも、一先ずは離すように説得を試みるがレイラが聞くはずもなく、やむを得ずに詠唱を始める。庁舎の廊下が赤黒い魔法陣に照らされたところで、既視感のある唯ならぬ雰囲気を察したレイラがエルフリーデへと拳を振りかざした。)

  • No.1285 by レド  2026-03-02 19:03:56 

>1284

おいおいおいおいちょっとちょっと!何してんだよ姉さん!彼女はグラキエス帝国のエルフリーデといって近衛隊の客人だぞ!てか、人の脚ひきずるんじゃない!捕虜じゃないんだから。

(文字通り寝た子を起こす真似をしでかしたレイラのせいで一触即発の事態になってしまった。特に気持ちよく眠っているところに脚を掴んで引きずるなど、人に触られることを極度に嫌うエルフリーデ相手には最悪の対応だ……人の話を聞かずに彼女を攫うレイラに「はぁ!?」と固まっていたが、これは止めなければ。ひとまずエリーゼを壁に下ろして禍々しく赤黒く染まる庁舎の中に飛び込むと、二人の間に割って入る。エルフリーデを掴む手と振りかざした拳、それぞれの手首を押さえながらレイラを叱って。)

  • No.1286 by トピ主  2026-03-04 11:45:15 

(/度々申し訳ありません!リアルが忙しく、返信しばらく遅れます!)

  • No.1287 by レド  2026-03-04 12:52:09 

>1286

(/了解です。忙しい時期ですよね。なんならこちらから多忙によるレス頻度低下のお断りを入れようかと思っていたところで……
私の方はいくらでもお待ちしております。どうかお身体にはお気をつけください!)

  • No.1288 by トピ主  2026-03-04 13:43:48 

(/お気遣いありがとうございます!其方もお身体にはどうかお気を付けください。)

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