トピ主 2024-07-26 06:44:45 |
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>1303
つまり、レドさんは私のことをバケモノだと言いたいのですかぁ?
れ、レド!流石に女に向かってバケモノとは失礼だぞ。
ふふっ、いいですよぉ。王国人は普段からバケモノ(獣人)と共存しているじゃないですかぁ。そういうジョークがあっていいと思いますぅ。
(レドの質問とその中で出てきたバケモノに例える行為にレイチェルは頬に手を添えて、困り顔を浮かべた。そんな様子を見てレイラも慌ててレイチェルを擁護するが、当の本人がそれを止める。悪魔といえど自認は人間。そんなレイチェルはレドの発言を真に受けることなく、王国特有のジョークとして捉えたようであった。彼女のあまりに偏見に満ちた見解に、この場にエリーゼがいればトラブル必至であったことであろう。レイラはレイチェルの言葉の意味、バケモノが何なのかピンときていないようで、きょとんとした様子で首を傾げている。)
>1304
はぁ……デリカシーのない質問して悪かったよ。すまないね無骨者で……
(椅子に肘を置きながら、騒がしいレイチェルにやれやれと溜息を吐いて。レイラに注意されても悪びれる様子は無い。なにせ差別意識を口に出すレイチェルの方がよほど無礼だと思っているからだ。それこそ剣を抜かれても文句は言えないくらい……ちらりと視線をやったレイラはぼんやりしている。レイチェルの発言の意図が汲めていないようだ。どうやら聖教国の英雄であっても獣人排斥の教義には染まってないらしい、と、ほっと胸を撫で下ろして。)
んじゃ、殿方の方に聞こう。ファルゲン、ヴァルケン……ヴァルデン殿か。アンタの方はどうなんだ?いかにも修羅場くぐってそうな見た目だ。剣術指南としては異国の武芸者の武勇伝、ぜひお伺いしたいものだが。
(レイチェルの傷のことは聞けなかったので、さっきから会話に参加しないどころか反応すらしない不審な男……ヴァルデンの方に話を振ることにする。座ったままヴァルデンの方へ身を乗り出すと、多少なりとも人となりを掴むべく質問して。)
>1305
語ることなど何もない
彼はお喋りが苦手なんですよぉ。悪気はないので許してくださいなぁ。
(話を振られたヴァルデンは、視線を向けることもなく相変わらずのぶっきらぼうな表情で対話を拒否した。すかさずレイチェルがフォローするものの、ヴァルデンの対応はもはやお喋りが苦手なんてレベルではない。意図しない険悪なムードに、双方に思い入れのあるレイラはどうしたものかと、珍しく困り顔で眉間に皺を寄せていた。そんな空気を裂くように部屋の扉が開かれる。)
馬車の手配が終わりました。勇者様と審問官のお2人は搭乗の準備をしてください。庁舎の前では目立ってしまいますので、お見送りはこの部屋で済ませてしまいましょう。
うむ、助かる。それではレド、短かったが世話になったな。しばらくは王都の教会に滞在する予定だから、寂しくなったらいつでも顔を見せるといい。
(アリシアは馬車の手配が済んだことを告げると、搭乗人員に準備を促した。流石に庁舎の前で盛大にお見送りという訳にはいかず、この間に済ませてしまおうと提案すると、了承したレイラはレドへと向き直り礼の言葉と、しばらく王都に滞在予定であることを告げる。寂しくなったら来いと言うわりには眉尻の下がった表情から、むしろ寂しいのはレイラのようだ。)
>1306
ええ、ちょっとアンタ……
(話をしないどころか、目線も合わせてくれないヴァルデンに唖然として口を開けて。セレナといいさっきの侍女殿(シェイド)といい、確かにお喋りが得意でないことは護衛の類には珍しくないことである。だがヴァルデンの場合は度が過ぎる。なぜここまで愛想の無い人物を他国へ派遣したのか……
腕を組みながら訝しんでいるとアリシアが戻ってきた。お見送りの時間だ。怪しい連中とこれ以上会話せずに済んだこと、なによりレイラの安全が確保されたことに、ほっと息を吐いて。)
ふふふ、もちろんだよ姉さん。ここまで来てくれてありがとう。またね。
(言葉とは裏腹に自分が寂しがっている姉貴分。なんとも愛おしい姿だ。ニコニコしながら立ち上がると、別れを惜しむレイラにそっとハグをして。)
>1307
ああ、達者でな。レド…
(ハグを受け入れ、しばらくレドの温もりを堪能したレイラは、最後に背伸びをしてレドの頭を撫でると、名残惜しそうに目を細めて別れの言葉を告げた。その間に準備を終えた審問官達が先導して部屋を後にするとレイラもそれに続く。
アリシアは一行の背に手を振って見送ると、姿が見えなくなるなり扉を閉め、ついに部屋は二人きりとなる。)
はぁ…これで一件落着ですね。まさか貴方に会うためだけに乗り込んでくるとは…まったく人騒がせな勇者様です。
(自らの席に腰掛けたアリシアは面倒事が一つ片付いたことにひとまず安堵する。レドに惹かれている本来の人格ではなく、未だ悪魔に主導権が移っている彼女には勇者がなぜレドにここまで入れ込んでいるのか理解が及ばず、頬杖を突いて悪態を吐きながら、無意識に品定めするようなジト目をレドへ向けた。)
>1308
(優しい姉の温かさと頭を撫でる柔らかい感触。それらを子供のように微笑みながら受け取ると、アリシアと同じく手を振ってレイラを見送って。いろいろと粗相のある姉であったが、息の詰まる王城まで会いに来てくれたことがレドにとってこの上ない安らぎになったことも確かであった。)
ふぅ……アリシア様。この度はレイラのためにお骨を折っていただきありがとうございました。レイラも寂しがり屋ゆえ、弟分の顔が見られて心安らいだことでしょう……
(一息吐くと、アリシアに頭を下げて。あの審問官たちは一体何者なのか、そしてなぜ彼らと城の見取り図を広げながら密談していたのか……聞きたいことは多々あるが、なんともすげない態度からしてアリシアが未だ悪魔に支配されていることを察する。無闇に嗅ぎ回ればかえって危険だ。用事が片付いた以上、何もなければこのまま退室しようと考えていた。)
>1309
まあ、無事に事を終えられたので良しとしましょう。
レド殿もお疲れでしょうし、今日はもう休んでください。
(一連の騒動にアリシアは呆れを滲ませた表情を浮かべながらも、ここで感情をぶつけた所で得られるものはない。苛立ちを内に秘めて、終わったことは水に流すことにした。
そして、次なる面倒事。審問官との繋がりを追求される隙を与えないよう、張り付けたような笑みを浮かべ、気遣いを装ってレドに退室を促す。図らずも考えることはレドと一致したようだ。)
>1310
お心遣い感謝します。それでは……あ、そうだ。お指図の通り
(自分を下がらせるアリシアに一礼して。どうやら審問官に関わることは自分にも伏せる気らしい。これはただごとではない。まだ勝負は始まったばかり、今日のところは現状をエリーゼに報告できれば十分だろう……指示通り退室することにしたが、何か思い出したかのようにはっとすると、静かにアリシアに近づいて。)
……夜にまたお会いしましょう。
(アリシアに顔を近づけると、そっと耳打ちして。今のアリシアが先の約束を覚えてくれているかは分からない。そんな話はしていないと突っぱねられるかもしれない。それでも何か変わってくれればと、彼女の耳元で艶っぽく囁いてみた。)
>1311
は、はい…楽しみにしています。それでは、お疲れ様でした。
(レドの囁きにアリシアはビクッと身体を震わせる。彼女本来の人格が刺激されたのだろう。その声色は平静を装おうとしているものの、ほんのり赤く染った頬には隠しきれない照れの感情が現れていた。机上の書類に目を通すフリをして顔を伏すと、まるで急かすように別れの言葉を送った。)
ふにゃー…温かいにゃぁ…たまにはこうして人に甘えるのも良いにゃんね。
ふふっ、分団長ともなればその職責は重たいものでしょう。心ゆくまで寛いでください。
(一方その頃、レドの私室ではベッドの上でエリーゼがエルフリーデに膝枕をされながら寛いでいた。弱肉強食の価値観を持つ帝国人のエルフリーデにとって、強者に取り入るのは自然に身に付いた処世術の一つ。剣の腕だけは確かなエリーゼからすればエルフリーデは無害どころか気の良い隣人。意気投合するのも自然な成り行きであった。)
>1312
(耳元で囁くと、アリシアが明らかに動揺しその白い頬に赤みが差した。小さな宿で夜を共にした時を彷彿とさせる彼女の様子に微笑み、改めて一礼してから部屋を出る。
しずしずと廊下を歩きながら、アリシアに思いを巡らせる。普段は悪魔にしか見えない彼女も、自分といる時は本来の穏やかで優しい性格を覗かせるようだ。アリシアの真相のことはまだ何も分からないが、彼女を悪魔から解放する筋道が見えてきたような気がして、なんとなく呟いて。)
アリシア……君を解放する鍵は俺にあるのか?まさかとは思うが……
(考え事をしながら私室のドアを開けると、目の前に広がる光景を理解できず無表情で固まって。エルフィ?なんでここに?膝枕してるのは猫?あいつもペットを連れてきたのか、にしては妙に人間のように見える猫だし、何よりどこかで見たような……)
し、しつれい。部屋間違えた。
(自分の部屋にエルフリーデがいるわけがない。考え事をしてたから部屋を間違えたのだろう……後ずさりして、部屋を出ようとして。)
>1313
レドくんおかえり…んにゃっ…!?
おかえりなさい、レドさん。自室にいても暇なのでお邪魔していました。
(レドが帰ってきたことを察したエリーゼは顔を上げようとするが、同時に前のめりになったエルフリーデの豊かな双丘に阻まれて撃沈する。興味の対象は今や完全にレドへ移ったのだろう。太ももと双丘に挟まれ窒息し、じたばたと藻掻くエリーゼに気付くこともなく、エルフリーデは「おかえりなさい」と、心底楽しそうに笑みを浮かべた。)
>1314
>1314
エルフィ!?一体どうやって……なるほど、エリーゼ殿か。
(エルフリーデに呼び止められ、はっと立ち止まって。ここは自分の部屋で合っているらしい。ならなんでエルフリーデがくつろいでいるのかと訝しんで近づくと、膝に乗っている猫、否、エリーゼに気付く。)
…………うわ。
(それにしてもエリーゼはすごい状況である。エルフリーデの肉と肉に挟まれ、息ができていない。これがレドなら窒息とは別の要因で昇天していたことだろう。男にとってはなんとも目に毒な光景である……エルフリーデの身体から目を反らしながら、エリーゼの腕を掴んで引っ張り出して。)
>1315
ぷはっ…た、助かったにゃ。ありがとにゃレドくん。
もう!エルちゃんはもっと周りを見てにゃ!
あー…すみません。レドさんがどこかへ行こうとするので、つい。それで、勇者さんは無事に脱出出来たんですか?
(レドの救出により窮地を脱したエリーゼは肩で息をしながら礼を言うと、エルフリーデに向き直りぷいっと頬を膨らませて抗議した。「エルちゃん」なんて親しい呼び方から察するに既に2人の関係はそれなりに良好なようだ。対するエルフリーデは申し訳なさそうに頬をかいて平謝りをするも、謝罪はそこそこにレドに進展を尋ねて。やはり彼女の興味の優先順位はレドの方が上なのだろう。勇者にさして関心のないエルフリーデのこの問いかけは情報収集と言うよりはレドと話すきっかけの意味合いが強い。)
>1316
いま帰ったよ。聖教国の人も一緒だからまあ、もう大丈夫だろうよ。んんっ、まったく人騒がせな姉さんだ。ハハ……
しかし、二人ともずいぶん仲いいな。さっきが初対面だろ?なんでまた?
(手近な椅子に腰かけ、エルフリーデにレイラの事を報告して。レイラの連れはとても信用できないが、他国の使者が一緒では副団長とて手出しできないだろう。一応の解決を果たしたことで一安心すると腕を上げ、伸びをして。
それにしてもレイラを通してエルフリーデとエリーゼが対面したのはついさっきのことである。この短時間でここまで親しくなったのか!?伸びをしたまま、二人に経緯を尋ねて。)
>1317
なるほどなるほど、無事に帰れたらいいですねぇ。
ふふっ、帝国人は単純なんですよ。強い者に取り入るように本能に刻まれていますから。エリーゼさんは間違いなく私より技量が上なので、友好関係を築くのが得策だと判断しました。
ふふん。こう見えても私はすごーく強いのにゃ!レドくんも、もぉっと私のこと尊敬していいにゃんよ!
(エルフリーデはレドの報告に若干の不穏な含みを持たせた言い回しで返すと、そのまま続けられた質問に和かな表情で答えた。力こそが全てを支配する帝国では、弱者は強者に取り入るほかに生き残る術はない。そうした特性に触れた上で、生存本能からの友好関係の構築だと隠すことなく本心を伝える。それを聞いたエリーゼも誇らしげに胸にポンと手を添えて、もっと自分に尊敬の念を向けていいとレドに告げた。今さっき助けられたことも忘れてこの猫は相変わらずのお調子者である。)
>1318
ハハ、さいでっか。いろいろ突っ込みたいところはあるがまあ……よかったじゃん。友達ができて。
それじゃ、エルフィの面倒は任せますよエリーゼどの。俺は外の空気を吸ってきます。早いとこ王城の水に慣れなきゃね。
(二人が仲良くなった経緯を、苦笑いしながら聞いて。なんとも能天気な光景だ。レドからすれば強者に媚びる帝国兵と騎士団幹部というよりも、じゃれ合う娘と猫に見える。まあ友達ができるのは二人にとって良いことだから、多くは突っ込まないことにする……
とはいえ今のエルフリーデの不穏な発言は面白くない。何より今日から仕える王城の空気に慣れるためにも、自室でダラダラとエルフリーデの相手ばかりしてられない。エルフリーデの世話はエリーゼに任せよう……すっと立ち上がると、退室しようとして。)
>1319
んにゃ。任せてにゃ!
面倒を見ているのは私の方では…?
(絶賛調子の上がっているエリーゼはレドの頼みを自信満々に引き受けると、再びエルフリーデの膝に頭を乗せて、立ち上がったレドに手を振って見送った。そんな状況に対して、エルフリーデはむしろ面倒を見ているのは自分の方ではないかと首を傾げながらも、エリーゼに同調して手を振る。あっという間のレドとの別れは惜しいが、自分で不安を煽るような発言をした為に引き留めるつもりはないようだ。)
(一方その頃、近衛隊庁舎横の庭園。昼時にエリスが座していたその場所に、今度は第二王女カトリーナのみが物憂げな表情で花々を眺めながら座っていた。城内とは言え、不用心にも王族が従者の一人も連れずに行動することは珍しい。そこから見える位置で、聖教国の馬車が今まさしく出立しようとしており、タイミング的にもエリスの勇者襲撃の企みと何らかの因果関係があることは明らかであった。)
>1320
チッ、あの野郎。何考えてるか知らないが、その高慢ちきな鼻をへし折ってやるからな!この城にいる間に……
あ、姉さんだ。顔見せたら喜ぶかな?よしよ…………!?
(部屋を抜け出したレドは、気がつけば庁舎脇の庭園の中に紛れていた。流石は王家の庭園というべきか、目の前に咲き誇る赤薔薇はベルベットのように艶やかで重厚感があり、えもいわれぬ芳香を一面に広げている。一冒険者からすれば天上のごときこの光景を目の前にすれば舞い上がりそうなものだが、当のレドは眉間に皺寄せている。さっきまでこの庭園に主の如く鎮座していたあのバカ……副団長エリスを思い出してしまうのだ。坊主憎けりゃなんとやらで、彼女の整った鼻筋すら薔薇と同じで鬱陶しく思えてくる。
ブツブツこぼしながら視線を変えると、聖教国の馬車が見える。レイラの馬車だろう。レドにとっては薔薇より心躍る存在だ。ウキウキしながら近づこうとした途端、足が止まる。ひとり物憂げに佇む第二王女・カトリーナの姿が見えたのだ。)
あれは第二王女……ひとりだと!?バカな。奴は……奴はどこだ!?
(手近な茂みに隠れつつ、カトリーナを覗いて。護衛に付いているべき者、エリスの姿が見当たらない。まさかいよいよ力づくであの馬車を止めに行ったのか!?それともあえて姿を見せずカトリーナの近くに潜んでいるのか?まるで見当がつかず、冷や汗を流して。それは様子を伺うというより無闇に動けず固まっていると評した方がよさそうな、余裕のない姿であった。)
>1321
あれぇ?お姫様、何してるのこんな所で。一人なんて珍しい。
べつに…ただ、隣国の要人がお忍びで来てると噂を聞いたから、ご挨拶のついでにお茶の約束を取り付けてきただけよ。
ふーん。聖教国の要人ねぇ…いったい誰なのやら。でも、いいの?そんな国との繋がりをアピールするようなことして。色んな方面からの印象が悪くなると思うけど。
今更ね。私はローゼンベルクの血筋、目的の為なら手段なんて選ばないわ。
そっかそっか。…馬鹿なフリも大変だなぁ…
んまあ、なんでもいいんだけど、流石に王族の一人行動は騎士として見過ごせないよ。城内とは言え、どんな不届き者が紛れているか分からない。…例えば茂みに隠れる怪しいキミ。ひとまず事情は聞いてあげるから大事になる前に出てきてほしいな。
(間もなくして現れたのはエリスとは異なる系統の緑髪の騎士。王国騎士団長の娘、フィオナであった。忠誠心が薄いのか、不敬にも王族に対してタメ口を使っているものの、一人でベンチに佇むカトリーナの身を案じて寄り添う姿勢から、一応の騎士としての自覚はあるのだろう。そんなフィオナの気遣いを察してかカトリーナも特に機嫌を損ねる様子はなく、素っ気ないながらも淡々と経緯を説明する。語られた内容は、国内の聖教徒への影響力拡大のため聖教国の要人、即ちお忍びで城にやってきたレイラと接触したというもの。権力の為ならば手段を選ばないローゼンベルクの血筋らしい強引なやり方だが、多種族共生を国是とするこの国では敵を作りすぎる。得られる利益と損失を天秤にかければ愚策という他にないのだが、そんなものは建前であるとフィオナは気付いた。根拠となるのは庭園から程近くに身を隠す二つの気配。一つは茂みに隠れるレド、もう一つは近衛隊庁舎の屋根の上で身を屈めて何かの気を窺っていたものの途中で姿をくらましたエリス。明確な殺意を纏っていた後者にのみ焦点を当てるならば、エリスが国王の指示で勇者の排除に向けて動いていることに察しが付く。
勇者に加えて異端審問官まで相手取るとなればエリスも無事ではすまない。そして、エリスに依存にも近い全幅の信頼を置くカトリーナがそんな状況を良しとする筈がなく、お忍びの勇者の存在を察知する程の情報網を持つカトリーナは何らかの形でエリスに与えられた国王の密命を察知し、襲撃のタイミングに合わせて勇者と接触。後日の茶会の約束を取り付けることで、自らの信用を人質にエリスの行動を抑制したのである。そこまで推理したフィオナは思わず聞こえない程度の小声で「馬鹿なフリも大変だなぁ」と漏らすと、この場での勇者襲撃の件は片付いたと判断し、今度は茂みに視線を移して、気の抜けるような優しい呼びかけと、純粋な興味を隠しきれない笑みを向けてレドに投降を促した。一方で、隠密スキルを看破する技量など持ち合わせている筈もないカトリーナは、何者かに見られていたことに気が付くなり、ビクッと身体を震わせて咄嗟にフィオナの背後に隠れる。)
>1322
なんてこった……!あの王女、バカエルフより上か……!?
(身を潜めているとアリシアの親父の連れ・フィオナが現れた。第二王女カトリーナとの思わぬ接点に驚くが、それ以上にレドの眼を見開かせたのはカトリーナ自身の発言である。なぜお忍びの要人=姉さん(レイラ)が城にいると、そしてここを通ると知っている!?それに供(エリス)も連れずに慌ただしくお茶の約束を取り付けたのもおかしい……勇者レイラの関係者として直接エリスに襲われた経験のあるレドはフィオナとほぼ同じ結論に達すると、顔から垂れる冷や汗を拭う。
もし見立て通りなら、カトリーナは気まぐれで城を訪れ、その事を次席補佐セレステにより秘されたレイラの存在と行動を即座に察知する能力の持ち主ということになる。それどころか、勇者抹殺を密かに狙うエリスの思惑さえも見抜き、自ら先回りして阻止する芸当までやってのけている!「見てくればかりの無能で横暴な王女」という下馬評をひっくり返すカトリーナの才覚と胆力に、レドも戦慄せざるを得なかった。)
ちいっ。なんなんだいったい。いきなりバカエルフみたいになりやがって……しゃあない、出るか。
……失礼を。近衛隊剣術指南のレドと申しまする。新参者ゆえカトリーナ殿下の御前に参上すること畏れ多く、身を潜めておりました。御無礼のほど、お許しあれ。
(密かに離れようとした矢先、フィオナに気付かれて舌打ちして。オズワルドと共にいた時とはまるで別人、飄々としながらも隙が無い。まるでエリスの分身のようだ……と苦々しく吐き捨てながらも刀を腰から外して。王族の会話を盗み聞きしてしまった以上逃げられないだろう……素直に姿を見せることにした。
長い刀を手にゆっくりと茂みから出てくるとカトリーナとフィオナの前で片膝をつき、普段の姿とは程遠い改まった口調で名乗って。姿を隠していた理由も嘘ばかりではない。自分も難しい立場にある以上、王族とのむやみな接触は避けたかったのだが、やむを得ない。抜き打ちできないよう刀を右手側に置いて無抵抗を示しつつ、二人の反応を待つことにする。)
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