トピ主 2024-07-26 06:44:45 |
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そ、そうだにゃ…こんな所で道草食ってる場合じゃないのにゃ。
無視とは傷付くなぁ。君達が何を企んでいるのかは知らないけれど、せいぜいその結果が私を利することに期待しているよ。
(先を急ごうというレドの提案を聞いて、冷静さを取り戻したエリーゼはこくりと頷く。エリーゼにとって七席との比較は地雷であり、先のエリスの発言は彼女にとってペット扱い以上に癪だが、今は密命の最中。下らない挑発に乗ってエリスに情報を探られるようなことはあってはならない。そう決心が付くと、再びレドを先導する形で歩みを進めた。
そんな2人の背を見送りながら、エリスは不敵な笑みを崩さずに語りかける。言葉通りに何を企んでいるか知らないなんて事はなく、含みを持たせた言い方から分かる通り、エリーゼの警戒も虚しく実際には宮廷の意向を把握しているのだろう。第一王子派閥に身を置く分団長の派遣や、無名に等しい冒険者と宮廷の接触。レドに全幅の信頼を置き、ある種のフィルターがかかっているアリシアは例外として、それなりの情報収集力を持つ第三者目線からでは、宮廷が何かを企みそれにレドが関わっていることを察する程度は造作もない。無視された手前、当然ながら返事が返ってくる期待などしていないが、要するにこの性悪エルフは「全部知ってる。利害が一致しているから私の為にも頑張れ。」と神経を逆撫でするエールを送ってきたという訳だ。その意味に気付いたエリーゼの苛立ちはブンブンと揺れる尻尾に現れているが、それ以上の反応は見せない。言葉を送り終えたエリスもついには2人への関心は失せ、視線を王女へと戻すと慈しむような表情を浮かべて、割れ物を扱うような繊細な手つきで再び頭を撫で始めた。)
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