トピ主 2024-07-26 06:44:45 |
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はぁ…
そうですか…もし先輩と会う機会があれば、くれぐれもお身体に気を付けてとお伝えください。それでは、また。
(自分に向けて釘を刺すようなレドの言葉に、セレステはまともに聞く気がないのか視線を明後日の方向に逸らした。レドの言ってることはご尤もだが、セレステの立場からすれば、単にそっちの身内のバカを迎えに来いと言うだけの話なのである。そこに何か別の目的がある訳でもなく、お迎えに許可もなにも必要はない。事情を話せればここまで話が拗れることもないのに…と視線を逸らしたまま再び溜め息を吐いた。いっそ全部話してしまおうかとさえ思ったが、レドの驚く様を想像しながらウキウキと侍女服に袖を通していたレイラの顔を思い出すと良心が痛む。そもそも、問答無用でレイラを城から叩き出せば良かったものを、こうして自ら面倒事を引き受けてしまった自分の甘さに無性に腹が立つ。その苛立ちを間違ってもレドへ向けてしまうことがないように視線を逸らしているのだが、傍から見れば態度が悪いように映ることであろう。そして、クレアの話へと移るとやっとセレステは視線を戻すが、期待していたような返答は得られずに僅かに輝いていた瞳も残念そうに色褪せた。しかし、レドの発言の意図は分かりかねるが、「傷ついた人の隣に立つ剣を選んだ」という言い回しには少しだけ興味を唆られる。かつて、副官だった自分とクレアが方針を巡って初めて口論となった農民の大弾圧。その時に持ったクレアの印象は正義と秩序を重んじる堅物……時を経て、もしくは何かのきっかけで良い意味での変化があったのだと思い至ると、セレステの心にはほんの僅かに温かな感情が芽生えた。顔には出さず、最低限の社交辞令上の口上をレドに託し、ついにセレステはその場を後にする。)
んにゃ……はっ…!気を失ってたのにゃ…もうあの人はいないにゃんね。うぅ…レドくん、食欲がなくなったからハンバーグあげるにゃ。
(セレステが立ち去ってしばらくして、エリーゼはハッとした表情で目を覚ます。辺りを見渡せばセレステはレド達の席から遥か遠く、食堂の出入口付近でなにやら首席と痴話喧嘩(日常と化した光景のため騎士達にはそう揶揄されている。)しているが、それだけ離れていればエリーゼの精神状態に問題はないようだ。しかし、受けたショックのせいで二日分の食欲はどこかへ消え、ブロッコリーを一つ自らのフォークに刺すと、それ以外を皿ごとレドに寄せた。)
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