【 指名制 】香撫町の住人。【 日常 / シリアス / NBL 】

【 指名制 】香撫町の住人。【 日常 / シリアス / NBL 】

主  2020-09-28 23:06:45 
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 香撫町。『第二の人生を送る場所』と銘打たれたその場所は、外からの情報の一切が遮断され、地図にも記載されない秘匿された町。

「 記憶喪失、か。……羨ましいな。 」

 この町の住人は、皆捨て去りたい過去や秘密を抱えている。

「 ───思い出してはいけないよ。 」

 少年は囁いた。
 その時の彼の表情が、ずっと頭に残って離れない。


>1 規則
>2 世界観
>3 住人達
>4 移住届

 ( / しばらくレス禁止。 )




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  • No.12 by 睡 / スイ  2020-10-01 20:46:03 





             > 月( >11


 ( ぐらりぐらりと世界が揺れる。いつもの浮遊感とはまた少し違う、世界の終わりみたいな、危機感。『んん』と、小さな呻き声をあげながら、むくりと身体を起こす。自然に目覚めるより、外的な力によって目覚めさせられる方が気分的に不快だと思うのは仕方のないことだと思う。けれど、そんな不快感も、ぼんやりとした脳では形になる前に消えてゆく。そういえば、誰かの声が聞こえた、ような。ふと思い出して、宙を見上げる。何もいない。さっきまではあそこにもう一人のおれが居たのだけれど……いや、おれがあそこに居てもう一人のおれを見ていたんだっけ? 曖昧な記憶を手繰り寄せながら、視線を目の前に戻すと、一人の女の子がこちらを見ている。ゆるりと小さく首を傾げる。 )
 ……あれ? きみは居るんだ。


 ( / それは月ちゃんを他のキャラクターに交代ということ、かな……? その辺りの判断はお任せしますが、今のところ月ちゃんとの相性の不安等はありませんのでご安心ください! )



 

  • No.13 by 月  2020-10-01 21:05:27 



居るんだ、って……ええ?というか、此処は……?( 目の前の彼が目を覚ましたことによって、お腹の上にのっかっていた重しはなくなった。思わずはあ、と息をつく。そんなに重たいものではなかったが、それでも落ち着くことには変わりない。彼は誰なのか、そもそも此処はどこなのか。聞きたいことは幾つもあるのに、彼の言葉はそのどれとも異なる。緩い調子で発せられたのは、まるで自分が存在していないかのようにも取れるような、そんな言葉であった。ふわりふわりと揺れる蜂蜜色も相まって、夢なのかもしれないという錯覚さえ起こる。困惑の色を隠せないまま、ゆるりと首を傾げる。欲しい答えが得られるかどうかなんてわからないけれど。取り敢えず彼の名前を知りたい。それには自分の名前を名乗るのが先決だ。いつも通り名乗ろうとするも、なぜだか思い出せなかった。んん、と言葉に詰まるも、思い出せる限りの情報を口にした )
私は……月。月っていうの。あなたは?


( / そうですね、それこそ奇人変人な研究者の男性を動かすのも楽しそうだなと思いまして。さすがに複数扱うのはお互い負担になるかと思いますので、キリの良いところで交代など出来たら良いかなあと考えております! )


  • No.14 by 睡 / スイ  2020-10-02 23:21:23 





             > 月( >13


 ……ここは、香撫町。きみは、町の前で倒れてた、らしい。( さっきまで居たはずのもう一人のおれが居なくて、それより前に居たこの子が居る。──ああ、さっきまでおれが見ていたのは、夢か。起きていてもなお、ふわふわとしている頭にじんわりと血が巡り始めるような感覚。よく考えれば、おれが二人もいるわけない。夢の中ならどんな突飛なことも信じ込んでしまうから不思議だ。……あの時も、こんな風に信じ込んでしまえれば良かった。何も詰まっていないみたいな頭の浮遊感に反して、体はいつも通り怠い。寝過ぎは体に悪いからだめだって何かで聞いた。でも、起きていたっておれはだめになってた。おれは、どうすれば良かったんだろう。まだ起きたばかりで混乱している様子のオリーブベージュの髪の子が、置いてけぼりという顔でこちらを見ている。おれは、ぽつりぽつりと透から聞いた話を伝える。何があったのか、なんて不躾なことは聞かない。聞かれたくないことなんて、人には沢山ある。この町にいると、それが余計に分かる。……それにしても、月って、苗字だろうか。名前だろうか。 )
 この町の住人以外には何も教えられない。きみのことは特別に保護しただけだから、意識が戻ったなら帰って。……あ、移住希望なら、ここ出て右の、受付ね。


 ( / りょうかいです。では、ひとまずはこのまま続行ということで! )




  • No.15 by 月  2020-10-03 11:28:58 



香撫町……そう、なんだ。( 町の名前にはまったくといって良い程に覚えがない。聞き馴染みのない町の名前。窓の外へと視線を向けると、そこは都会とは違う長閑な風景が広がっている。何も気にしなくて良いような、忙しさとは無縁の場所。きっと此処にいられたら楽しいことだろう。とはいえ、どうして良いかなどわかるはずもない。気付いたら此処にいたのだ。戻れる場所など存在せず、何なら今まで、この町へ来る前の生活の大半の記憶は綺麗さっぱり消えてなくなった。突き放すように言われようとも、今この状態では放浪者になるのみである。自身が出来るのは言葉に従うことくらい。頭に疑問符を浮かべたまま、その行動で正しいのだろうかと確認の意味を兼ねて首を傾げて )
帰ってって言われても、帰るところなんてわからないし……取り敢えず受付にいけば良いの?


  • No.16 by 睡 / スイ  2020-10-04 03:56:30 





             > 月( >15


 ( 彼女の反応に、僅かな違和感。白紙とはいえ移住届を持って倒れていたのだから、何かしらこの町に用事があるのだろうと思っていたが、町の名前を呟く彼女にそんな様子は見受けられない。まるで、今初めて町の名前を聞くような──。募る警戒心と不信感。この子が嘘をついているのか、……それとも透が? 頭を使うことなんかしたくないのに、と、心の中だけで溜息をつく。けれど、ここはやっと見つけたおれと來の安全地帯だ。それを脅かす存在は無視できない。あの日、次こそは必ず弟を守ると決めた。──たとえ、どんな事をしても。皮肉なことに、ずっと眠っていたいと願った記憶が、おれの目を覚まさせる。ひとまずは、刺激しないよう慎重にこの子を観察しよう。親に捨てられでもしたのか、帰るところが分からないという彼女にその理由を尋ねる。あまり気は進まないけれど、仕方ない。……ああ、後で透のことも見に行かないと。 )
 ……帰るところがわからないって、なにか事情でもあるの。



  • No.17 by 月  2020-10-04 18:37:40 



いやあ……それが、何にも覚えてないんだ。なんか大事なことが抜けてる!ってことだけは、わかるんだけど……迷惑ならさまよってみるから……ね、うん。
( 不意の問い掛けに心の柔いところを突かれたような気分になり、誤魔化すように笑う。否、ちゃんと笑えているかすらわからない。移住届にも、この町にも、そして元いた都会にも。まるで覚えがないのだからどうしようもなかった。きっと彼からしたら放浪者ですら邪魔となってしまう。とはいえ、帰る方法もわからなければ、どこへ帰るべきかさえ思い出せないのだ。空白のページがまっさらで何も書かれていないように、さっぱり。それでいて、そこに何かがあったことだけは覚えている。頭は辛い記憶を思い出そうとするのを拒む。強制的なまでに消えた思い出は、簡単には復元しない。説明しようと口を開くも、ずきずきと痛む頭がそれを許さない。頭痛を抑えるべくそっと抱え込むと、悲しげな雰囲気を払拭すべくあっけらかんと笑ってみせた。それから徐にさらさらとペンを走らせめ。ぴらりと彼の目の前に掲げた移住届は、ただ名前の欄と性別、年齢の欄が埋められていた )
だから……暫くはこの町にいさせて貰えたら嬉しいな!


  • No.18 by 睡 / スイ  2020-10-04 23:40:19 





             > 月( >17


 ……え。( 唐突なカミングアウトに、小さく声を漏らすと、それきり何も言えなくなる。最初に思った事は、不謹慎にも “羨ましい” だった。寝て起きたら辛い記憶が全部失くなっていればいいのに、と、何度思ったことだろう。彼女が記憶を失くして不安なのも、途方に暮れているのも分かっているけれど、おれがあれほど焦がれたものを体現する彼女に、どうしても妬みに似た感情が湧き起こってしまう。しかし、幸いにもその感情は、ざらりと胸の辺りを一撫でして、そのまま過ぎ去って行った。それは、彼女が頭を押さえて痛みに耐えるような表情をしたからではなく、その後に、明るく笑って見せたからだ。──瞬間、來の顔が頭を過ぎる。気が付けば、彼女の肩を掴んでいた。彼女の言葉の真偽だとか、正体だとか、彼女をこれからどう扱うべきなのかとか、考えなければいけないことは沢山ある。けれど、今は、そんなこと全て吹き飛んでしまっていて。自分の微かに震える声を、もう一人のおれがやけに冷静に聞いていた。 )
 笑わないで。……楽しくもないのに笑わないで。




  • No.19 by 月  2020-10-05 22:41:14 



あ……えっと、ごめん。
( 表情の変化、震える声。掴まれた肩が少しだけ痛んで、地雷を踏んでしまったことに気付いた。彼のことはまだ名前すら知らなくて、それでも同じ町に住むことになるとしたら今険悪な雰囲気になるべきではない。嫌われることは何より怖い。勿論無関心の方がずっと辛いのだろうけれど、悪意を向けられたら耐えることなどできるはずがない。眉を下げ、ぽつりと謝罪の意を示す。悲しい空気は嫌で、でも笑うことを封じられてしまったら、他には何もしようがないのだ。苦しい、何も覚えていないはずなのに。はあと零れた息が、そのまま熱い涙を引き起こす。心配させまいと笑おうとすることができず、静かに一粒流れ落ちた。初対面の人間が目の前で泣き出したらどうするか。迷惑だと思えば思う程、自分で制御できやしないものだ。涙が少量で止まったことは、不幸中の幸い。 )
……なんで、だろうね。


  • No.20 by 睡 / スイ  2020-10-08 21:17:53 





             > 月( >19


 ……悲しい時は泣いて。そうしないと、壊れちゃうよ。( 彼女の瞳から零れ落ちた一雫で、はっと我にかえる。気付かないうちに強い力で掴んでしまっていた肩を放し、呟くように『ごめん』と零した。数秒の時間を要して、やっと粟立っていた心が落ち着くと、『でも』という接続詞の後に諭すように続ける。あの子は泣けなかった。おれが逃げたから。ぐ、と奥歯を噛み締める。目の前の彼女は弟じゃない。こんなのは自己満足でしかない。分かってる。分かっていても、彼女の頭を撫でずにはいられなかった。どうかこの子の抱えているものが少しでも軽くなりますように。そう祈らずにはいられなかった。贖罪のように、取りこぼした過去を憶うように、彼女の頭を撫でるおれは、どんな顔をしていただろうか。 )


 ( / お返事が遅くなり申し訳ございません……! 次辺りで一旦〆ようと思いますので、キャラクター変更と指名変更について、考えておいていただけると助かります! )



 

  • No.21 by 匿名さん  2020-10-08 23:06:53 



「 ちゃんと...記憶を整理しておかないと全部呑み込まれてしまいそうで...ちょっとだけ怖いです 。」

名前 : 景 / ケイ ( 夜景のような景色を覚えていた為. )
性別 : 女
年齢 : 16 ( 見た目年齢 15~17 )

容姿 : 記憶を失う迄は優等生という看板を背負ってきた為一切遊んだりしていないストレートの黒髪を腰まで伸ばしている。前髪は目にかからない程度の長さ。
アーモンド型の黒い目は伏し目がちでも分かるほどに大きく年齢に見合った幼さがある。また影を落とすほどに伸びて羽のような睫毛は黒く妖艶な雰囲気を漂わせる。肌の色は白く、服装や外見も相まってそこだけ色彩が抜け落ちたかのような錯覚に陥るほどに血色が悪い。身長は160cmの痩せ型。
服装 : 黒を基調としたセーラー服を着ており襟元のラインとリボンは白。黒いローファーに黒のかっちりとした学生鞄を持っている。服は土や泥でかなり汚れており、下に履いているタイツもボロボロである。
性格 : かなりのいい子ちゃん。なんでもそこそこに頑張って出来のいい優等生として16年生きてきた。人当たりも良く好かれるが、八方美人と言われれば黙ることしかできない。誰かに反論をしようにしても嫌われることを恐れて躊躇ってしまう為、不容易に人に近づきすぎない事を意識している。基本真面目で堅実な考えをするような振る舞いをしているが、根は夢見がちな一人の少女である。
記憶を失ってからは表情の変化が乏しく花のような笑顔を見せることも苛立ち憤怒する様子も見せず常に下を向き悲しげな表情を浮かべている。元々自我が少なかった為なにか行動しろと言われなければ屍のように動かなくなってしまうことがしばしばあり、見目の不思議な雰囲気からか人形のようにも見える。

この町に来た理由 : ある事で苛烈ないじめが始まり、1度オカルト好きな父親から借りた本に乗っていた香撫町を鮮明に記憶しており、この無慈悲な世界から逃げる為の逃避行に向かった。夢見がちな考えといじめからの睡眠不足で正常な考えが出来ずとりあえず森を進んでいけば..という考えでボロボロになりながらも辿り着いた。覚えていない大切なことは、家族の暖かさといじめの悲痛さ。なにもかもを呑み込み我慢してしまう性なのか嫌な事は忘れたい一心でのことなのか。

指名キャラクター : 幸 さん
希望エンド : 永住エンド

(/ 初めまして . 夜分遅くに失礼致します。特に挨拶等無しにPFを作ってしまったのですが大丈夫だったでしょうか..?また絡みづらそうでしたらまた練り直しますのでご確認頂ければ幸いです../)


  • No.22 by 月  2020-10-09 21:23:05 




> 睡さん


……そう、だね。
( いっそ壊れてしまった方が楽なのかもしれない。そんな風に思う心は確かに存在する。それでも頷く以外に何も出来なかったのは、目の前の彼が自分よりも辛そうな表情をしていたから。彼の過去も、抱えているものも、何ひとつとして知らない。今聞いたところではぐらかされるだけで、きっと踏み込んではいけない領域。弱い頭でもそのくらいのことはわかる。それでも力になりたいだなんて、単なるお人好しだ。お節介でしかない。溢れそうになる言葉をぐっと飲み込んで、それから蜂蜜のような髪へと手を伸ばす。知り合って間もない自分では取り除くことなんて出来ないけれど、少しだけでも前を向くことが出来たら良い。ゆっくり、ゆっくりと言葉を紡ぐ。話の中の本心が少しでも伝わってくれたら。いつの間にか、話しながら涙ぐんでしまっていた )
私ね、私……この街に住むよ。短い間かもしれないけれど……だから、貴方の手伝いをさせて。無理に踏み込んだり、傷つけたりしない。でも、放ってなんておけないよ。


( / もっとお話したいのはやまやまですが、このままだと睡さんに嫌われるくらいに突っ込んでしまいそうですので……キリの良いところで次回は來さんにお願いしたく思います。キャラクター変更については、まだこの子が住んですらいない為に、來さんとの絡みが終わった辺りでと考えております。イメージは固まってきておりますので、絡ませて頂きながら少しずつ作成に入りますね。)


  • No.23 by 幸 / コウ  2020-10-09 22:53:37 





             > 景( >21


 【 喫茶店 → 公園 / 幸 】

 ( 少し遅めの起床。誰にも遠慮することなく欠伸を零し、吐き出す息と共に表情に影を落とす。今日もまたつまらない一日が始まる。家にいてもつまらない。外に出てもつまらない。どこにいてもつまらないのは、きっと俺が空っぽな人間だからだ。ベッドの上で屍のように寝っ転がっているのにも飽きたから、喫茶店に入り、コーヒーを注文する。苦いのも、無彩色──特に黒──も好きだ。落ち着くから。甘くて明るくて楽しいものなんて見ていると、別世界のことのように思えて、俺だけ世界から弾き出されたような気分になる。……いや、まあこんな辺鄙な町に住んでる時点で実際そうなんだけど。ゆらゆらと湯気を立てるカップを見つめていると、後ろの席から “記憶喪失” という単語が聞こえてくる。……またか。細く息を吐き出すと、鼻の奥に香ばしい香りが広がった。目の前で今日もせっせと働いている守さんに聞くと、また記憶喪失を自称する奴が町に入ってきたらしい。長い黒髪の女で、名前は景。前にも記憶喪失と言って町に潜り込み、結局嘘がバレて追放された奴が何人か居たけど、皆考えることは同じってことか。守さんにコーヒーの代金と情報料を支払うと、店を出る。ふと何気なく目を向けると、先程聞いた通りの人物が、公園のベンチで頼りなさげに髪を揺らしていた。その姿があまりにも孤独で、自分と似ている気がして、俺は思わず声を掛けてしまう。 )
 こんなところで何してんの?


 ( / 挨拶なしでも大丈夫ですし、PFも問題ありません。ご参加ありがとうございます! 景ちゃんが目を覚まし、住民(仮)になったところから始めてしまいましたが大丈夫でしょうか? 透からこの町の説明と、一通りの案内は受けているという設定でお願いします。一応彼管理人なので……! )



 

  • No.24 by 睡 / スイ  2020-10-09 23:25:41 





             > 月( >22


 手伝い……? ( 思ってもみない言葉に、ぱちぱちと目を瞬かせる。出会って間もない女の子に、しかも記憶喪失の子に、心配されている。おれはそんなに情けない顔をしていたのか。ふ、と、少し。ほんの少しだけれど、口元が緩む。それは、何も変わっていない自分への自嘲だったかもしれない。もしくは、彼女の言葉によって救われた心の顕れだったかもしれない。彼女の素性は未だ分からないし、嘘をついている可能性だって充分にある。たったこれっぽっちで信用したわけではないけれど、少なくとも無神経に人の心を傷付けるような人ではない気がした。頭上に伸ばされた手を柔く握って、託すように微かに力を込める。彼女に言葉を伝え終えると、その後はまたすぐに眠ってしまったけれど、その日は普段と違う、心地良い眠りにつけた気がした。 )
 それなら、これはおれじゃなくて來にしてあげて。青紫の髪の、おれにちょっと似てる男の子。おれの言葉はもう届かないから、きみがあの子をたすけてあげて。


 ( / 來ですね、りょうかいです。次に繋げる形で書いてみたので、次から來宛にロルを書いてくださると助かります。場所は適当に創作していただいて構いません! キャラクターについても、りょうかいです。月ちゃんめちゃくちゃいい子で名残惜しいですが、次のキャラクターも楽しみにしております! )



 

  • No.25 by 月  2020-10-10 09:48:11 



> 睡さん→來さん


( ちょっとだけ似ている、たすけてあげなければならない子。それがきっと彼を縛り付ける、悲しくさせる原因でもあるのだろう。足枷となっているのなら、彼だけでなくその子も辛いはず。掴まれた手へと込められる力は先程の強いものではなくて、どこか心地よさすら感じさせる。勿論、たすけてみせる。貴方のことも、貴方に似たその子のことも。確かに言葉を受け取った、とこくりと頷いてみせ。彼が眠ってしまってから出来た任務、それは青紫の髪をした子を探すこと。取り敢えずはこの移住届を出すところから始めようか。蜂蜜色の彼の言葉を思い出しながら受付へと向かう。一年後、此処を出るときには何かが変わっているのだろうか。手探り状態ながら、散策してみようと歩き出した。住民証を片手に目的もなくさ迷うと、ふと金木犀の甘い香りに足を止める。甘ったるい程の香りは脳を溶かすようで、何も考えることができなくなる。そうだ、探さなくては。そう思いながらも近くのお菓子屋さんで煌めくキャンディーに目を奪われてしまったのは甘党ゆえか。しかも店の前で立ち止まるだけなのだから、不審に思われても仕方なかった。 )


( / 取り敢えずは移住届を提出させた後、町の散策をさせてみました。第一印象が変な人になってしまいそうですが、声を掛けて頂けると有難いです。)


  • No.26 by 景  2020-10-10 11:03:25 


             > 幸( >23


 【 公園 / 景 】


( ここ3日なんら変わらない無機質な部屋の景色に嫌気が差し散歩にと外に出てみたが結局は想像していたような色彩豊かな場所に辿り着くことなく体力に限界が来てしまったらしい。歩いていたはずなのに荒くなる息を落ち着かせる為近くのベンチに崩れるように座る。ここに来てから記憶と共に体力までも失ったのかと思うと今の自分の存在価値の無さに笑えてくる。否、それは前からだったのかもしれないが思い出そうと努力しても頭痛が酷くなり結局は堂々巡りだ。透、と名乗る自分と差ほどの年齢差は無いだろう少年にこの街について説明を受け仮の住民証を渡されたことを思い出す。さすがに数日前の事だから記憶ははっきりとしているが、また更に1週間もすればぼんやりとした思い出になってしまうようで恐ろしくも感じてしまう。なにも考えずただ屍の様にしていれば上塗りされていく記憶もないまま元いた場所に帰れるのではないだろうか...?考えるうちに顔が強ばっていたのかもしれない。聞き覚えのない声が上から降ってきた。ゆっくりと顔を上げれば覆っていた長い黒髪が幕を開けるようにしてサラサラと後ろに流れていく。見知らぬ男性と目が合い少し考えてから声を出す )
何を..しているのでしょうか.. ただ、何をすればいいか..何に従うべきなのか分からなくて...。

(/ 了解致しました..!! 初心者なものでロルテの回し方等に指摘ございましたらお願い致します;; /)


  • No.27 by 來 / ライ  2020-10-11 23:25:23 





             > 月( >25


 【 駄菓子屋 / 來 】

 ( 駄菓子屋で棒付きキャンディーを10個購入。餓鬼の頃は出来なかった贅沢をして、気分だけの大人を味わう。悩みに悩んで選んだ10種類の味は、コーラやグレープ等、大人とは程遠いものばかりだったけれど。まずはコーラ味を開封して、口に。それ以外は全て無造作にポケットに突っ込んで、店を出る。口の中に広がる甘味料のチープな甘さに、満ち足りた気分だ。さて今日は誰を揶揄ってやろうか──なんて考えていると、店の前に一人の女の子。彼女はおれの姿を見るや、反応を示した……ように見える。いや、おれじゃなくてキャンディーの方か? 見知らぬ顔に警戒を強めたものの、こんなキャンディーを見て物欲しそうにしている女の子を威嚇するのも馬鹿馬鹿しくて、普段と変わらぬ態度で声を掛ける。それに何だかこの子、騙しやすそうだし。 )
 ……欲しいの?


 ( / 完全に住民証(仮)渡すの忘れていたので助かりました……ありがとうございます……
 正直ちょっとくらい変な方が声掛けやすいです() )



 

  • No.28 by 幸 / コウ  2020-10-11 23:54:41 





             > 景( >26


 ( 一瞬、目が合う。しかし、その瞳はすぐにふっと伏せられて、頼りなげな声がぽつぽつと言葉を紡ぐ。憂いを帯びた瞳は地面に向いていて、彼女の落とした憂鬱が、その場所に陰をつくっているようだった。陽の当たる場所から、その陰の中へ、一歩足を踏み入れる。彼女の発した内容は、要するに何もしていないということで、そして俺もこの町に来てから毎日これといってする事がない。もう誰かに、何かに期待なんてしたくなくて、大切なものなんて一つもつくりたくなくて、人と関わることを避け続けてきた。けれど、俺はいつまでも一人で居れるほど強くはなくて、本当はずっと、誰かと繋がりたかった。彼女は、今の俺にとって、言ってしまえば “都合の良い” 存在だ。最初から居なくなることが分かっていれば、必要以上に入れ込むようなこともない。いつか嘘がバレてこの町を追放される日まで、適当な暇つぶしにでもなってくれればいい。そんな、浅ましい考えで、少し間隔を空けて彼女と同じベンチに座る。 )
 記憶喪失、なんだっけ。そりゃ何をすればいいのか分からなくもなるよね。


 ( / 初心者とは思えないほどの文才なので大丈夫です、何一つ問題ございません……! では、この辺で本体は退散しますね。改めてよろしくお願いいたします。 )



 

  • No.29 by 景  2020-10-12 18:19:50 





             > 幸( >28


 ( 記憶喪失なんて言葉を聞いてしまうと、本当にこの見知らぬ土地で迷子になってしまったようで一瞬、目の奥の方が熱くなる。思い出そうにも思い出せない、いくつもの物語の切れ端を読んでいるようなそんな感覚が煩わしくてぐるぐると渦巻く思考に一時停止を呼びかける。見飽きた地面から顔を上げ、隣に座った黒髪の男性に目を向ける。自分より少し上だろうか..? だが彼の纏う雰囲気がそうさせるのか同級生にも見えてしまう。その姿はどこか、世界に取り残され拒絶され記憶までもを失った自分の姿と重ねてしまう。この街で何をすればいいか、その答えが聞きたかったはずなのに憐れむような、蔑むような声で共感されると何故か安堵してしまう。まるで常にそんな風に扱われてきたかのような"慣れ"の上の安堵に吐き気がしたが、それとは少し違う感触があった。見知らぬ男性に声をかけられて、いつもなら不安なはずなのに居心地がいいような、不思議な感覚に襲われ、ついに異常者になってしまったのかと困惑する。同時に自分と同じ空気に溶け込み、自分に干渉してくる人物に一抹の不安が過ぎった。_____人を信頼し過ぎず離れ過ぎず一定の距離を保つ... 。そんな言葉が脳裏に焼き付いて離れない。ぶんぶんと頭を振ってどうにかその言葉、というよりは目標じみたものを振り払う。かなり不審に思われただろうが気にせずに、目の前の男性を見る。夜空のような瞳はなにかを求めるような悲しい目をしていてつい、口をついて出た言葉だった。 )
 えっと ... お兄さんも .. 迷子、なんですね 。


  • No.30 by 月  2020-10-12 20:05:42 



> 來さん


( 甘ったるい程の香りに釣られ、立ち止まること数秒。いや、数分は経っていたかもしれない。とにかくその癒される甘さに酔いしれていたところだった。目の前で揺れた青紫に目をぱちぱちさせ、ついつい見詰めてしまって。あの睡眠が好きなふんわりとした彼とは雰囲気が違うものの、青紫の髪以外に特徴が告げられなかったということがその色が他に何人もいるわけではないということ。それじゃあきっと、この人がたすけてあげなければならない子なのだ。色々ぐるぐる考えていたところに声を掛けられたものだから、思わず「 へっ……? 」と声が漏れてしまった。取り繕うのは得意ではない。何とかしようと考えるも、おつむの弱い己に上手い切り返しなど思いつくはずもなくて。取り敢えずは質問への応答から。例によって彼のことだって名前くらいしかわからないけれど、嫌われないようにしなくては。緩む頬を隠さぬまま、貰ったばかりの住民証をぴらりと揺らしてみせて )
うん。来たばかりだから、色々見てたんだけど……甘いもの好きだから、気になったんだあ。


  • No.31 by 幸 / コウ  2020-10-13 21:20:14 





             > 景( >29


 ( 予想外の言葉だった。思わず隣を振り返ると、先ほどは地面を向いていた瞳が俺を見つめている。このまま見つめ合えば何もかも見透かされてしまいそうで、逃げるように目線を目の前に戻した。──”迷子”。彼女の言う通りだ。俺にはもう、行く当ても、戻る場所も無い。精神的にも、物理的にも、ね。信じていたものが嘘だと知ったあの日、俺の立っていた足場は崩れて消え去ってしまった。どこに踏み出してもまた崩れてしまいそうで、落下したその場所から動けずにいる。それが今の俺だ。……けれど、こんな話は、この町の住人にだってしたことはない。この子、やっぱり何か嗅ぎ回っているのか。それとも、俺が彼女と自分を重ねたように、彼女の方も俺に何かを感じ取ったのだろうか。目線は目の前に向けたまま、独り言のようにぽつりぽつりと言葉を口から零す。価値観の土台となる前提を失くし、思い出すら汚されてしまった。今まで積み重ねてきたはずのものは、一瞬にして、泡沫のように消えてしまったのだ。残ったのは、この息苦しさと、猜疑心。 )
 ……うん、迷子だ。……そして多分、記憶喪失だ。



 

  • No.32 by 來 / ライ  2020-10-13 21:44:38 





             > 月( >30


 ……なにこれ、偽造? ( 目の前に取り出されたそれを、まじまじと見つめる。その子が取り出したのは、おれ達が持っているのとは色の違う住民証。しかし、偽造ではないのだろう。こんな分かりやすい偽造をするなんて、あまりにも頭が弱い。じゃあ何なのかと考えた時に、浮かぶ可能性はいくつかあるものの、それを馬鹿正直に訊いてしまえばこちらから手の内を明かすようなもの。とりあえずは一番遠い選択肢を提示して、あとは彼女が勝手に話してくれるのを待つ。情報戦は、こちらの情報をどれだけ与えずに相手の情報を引き出すかが鍵だ。素性も分からない相手にぺらぺらと本当のことなんて話すわけにはいかない。……しかし、かくいう彼女はと言うと、”来たばかり” だとか “甘いものが好き” だとか、バーゲンセール並みの大安売りで情報を渡してくれる。しかも緩んだ顔で。嘘の情報で信用を得る算段か、とも考えたが、さっきの様子も鑑みるとこれは多分天然だ。天然のお人好し。これからこの町でやっていけるのか、と、つい勝手に心配してしまうものの、こんなに騙されやすそうな相手は遊び相手にぴったりなのもまた事実で。 )
 それは残念。この町では甘いものって貴重だから、外の10倍の値段はするよ。おれも手に入れるの苦労してるんだ。


 

  • No.33 by 月  2020-10-13 22:23:01 



> 來さん

……受付が偽物じゃなければ?
( 来たばかりの人間にはそれが真実なのか虚構なのか、見極めることなど不可能。それでも蜂蜜色のふんわりとした、目の前の彼の兄が言っていたのだから恐らく間違いではないはずで。偽装なんかじゃない、なんて慌てることも、きっぱり言い切ることも。どちらを選んだとてあまり宜しくないだろう。初対面から不信感を募らせるのは、"たすける"という目的を達成するのを難しくする。期限は一年、それまでにすべてを終えなければ強制送還。そんな言葉を聞いてしまったから、お兄さんと対峙したときよりは幾らか慎重になっており。ふわふわした頭のままでは何でも話してしまいそうだけれど、何とかしなければとは思っているのだ。甘いものに対しての情報は、その味に反して辛い現実を突き付けてくるようだった。100円で買える飴が1000円もするとしたら、そんなものを気軽にたくさん買っていたらお金は簡単に底をつく。幸い文明の利器にお金を使うことはせずに済むけれど。わざとらしい程に目をぱちぱちさせて驚きつつ、迷うように視線をさ迷わせて )
ええ、そんなに?……それは大変だ。んん、生きていけるかなあ。


  • No.34 by 景  2020-10-14 14:29:48 




             > 幸( >31


 ( 記憶喪失の迷子 、その言葉は絶望的な程に噛み合ってしまう状況だった。帰りたい所も帰る場所も帰り方すら分からない赤子に何が出来るのだろうか?何を思えばいいのだろうか...?悲しくなるほどに無知で無価値な自分の存在などいっそ泡になって人魚のように綺麗に消えてしまえれば、なんて...。この街で言葉を交わしたのは、最初に会った管理人と目の前の彼だけ。明日泡になって消えた自分を惜しみ悲しんでくれる人なんているんだろうか? 記憶を失い名前を忘れ、存在していたことすら忘れられてしまう。なんて恐ろしいんだろう.....。鳥肌が立って寒くないはずの体を軽く抱きながら隣に座る人物に意識を向ける。自身も迷子の記憶喪失と言った彼もまた今までずっと独りで過ごしてきたのではないか。私が、一方的に同類だと、同種だと決めつけているだけなのかも知れないが...それでも寂しくしている人に寄り添ってあげるくらいのことはできるんじゃないか?それはここで迷子にならない道標にもなるんじゃないか..?と。声を掛け話しかけてくれた彼のことを忘れるような、そんな恩知らずな人間になりたくなかった。)
お兄さんのお名前..聞いても、いいですか?



  • No.35 by 匿名さん  2020-10-15 01:49:08 



>主様

(/初めまして。参加を希望なのですが、定員等は大丈夫でしょうか?参加可能でしたらPfを提出させて頂きます。ご検討よろしくお願いいたします!*)


  • No.36 by 來 / ライ  2020-10-17 12:30:48 





             > 月( >33


 あはは、この町って町自体が怪しいよね。( 彼女の言葉にからりと笑う。情報の秘匿、移住者の制限。狐に化かされていた、なんてオチでも不思議はない。おれらはそれでもいいから、あの家以外ならどこでもいいからと此処に来たけれど、普通だったら近寄りたくはないだろう。『その住民証はおれらのと色が違うから、もしかしたらきみの行った受付は偽物かもねえ』。欲しい情報が手に入らなかったため、笑顔を崩さないまま少しだけ核心に近付けて言葉を返す。どことなく、最初に言葉を交わした時よりも顔付きが引き締まった気がした彼女に、こちらも慎重になるけれど、それは一瞬だけ。あっさりと嘘を信じて困惑の表情を浮かべる様子に、僅かに強張った身体から力が抜けていく。まあ、来たばかりなら何も分からなくても仕方ないか。この町の洗礼とでも思ってもらうしかない。ポケットから、先程購入した一個40円の棒付きキャンディーを取り出す。 )
 お近づきの印に、特別に半額で売ってあげる。ストロベリー味、好き?




  • No.37 by 幸 / コウ  2020-10-17 13:25:07 





             > 景( >34


 コウ。……不幸の、幸。( 何もかも分からなくなった時、一番怖いのは、自分が何者か分からない事だと思う。逆に、自分が何者なのかさえ分かっていれば、他の何も分からなくても立ち止まりはしないだろう。彼女の問いにどんな意味があったのかは分からない。ただの気紛れか、『お兄さん』と呼ぶことに抵抗を覚えたのか。それとも、俺の存在を証明してくれているのか。都合の良い解釈をして、少しだけ救われたような心地。けれど、すぐに頭の中に、『そんなんだから騙されるんだ、期待なんてするな』と自分の声が響く。その声に熱を奪われるように、すう、と頭が冷えていく。……そうだ、期待なんてするから、裏切られる。結局、名乗ったのはこの町で俺を表す名前。俺がこの町で初めて名前を聞かれた時に、思いつきで名乗った名前だ。『幸せ』の幸はなく、『不幸』の幸だと言ったのは、こんな俺が幸せだなんて滑稽でしかないから。もし、彼女が本当に存在証明をしてくれていたのだとしたら、今俺は自分の不幸を証明されていることになるのだろうか。……悪くないね。微かに自嘲めいた笑みが零れる。 )
 君は、何で『景』なの?




 

  • No.38 by 主  2020-10-17 13:29:04 



 >35

 ( / 反応が遅くなってしまってごめんなさい! 参加人数に制限等はありませんので、是非ご参加いただけると嬉しいです。お返事の方、スローペースにはなってしまうとは思いますが、ゆったりと楽しんでいただければと存じます。 )


 

  • No.39 by 月  2020-10-17 16:34:14 



> 來さん

ええ、でも結構快適そうにしてるんじゃ。
( 怪しいと言いながら、彼は楽しそうに買い物していたものと見えた。支給されるお金、用意される棲みか。それだけでも既に優しい。唯一大変なのは情報網がないところだけれど、来たばかりでは問題ないように思える。「 んん、でも……優しい人が教えてくれたんだよ?この受付にいけば良いよって 」彼とその兄との仲は果たして良好なのか。否、そんなに良くないからこそ兄の言葉が届かないのか。どうしたら良いか、ぐるぐると考えは纏まらずに。名前も知らないけれど、会ったのが彼の兄であることは明かさず。彼が口にしているコーラの香りと店から漂う甘い香りとが混ざりあって、どうにも心が動かされて仕方ない。貰ったお金があるのだから、ひとつくらいならばきっと大丈夫だろう。困ったように首を傾げて、店の中に入ろうかとの意思を示した。無論、止められたらあっさりと決壊するだろう弱い意思ではあるのだが。参考までに聞いておこうか。自己紹介もまだであることをすっかり忘れたまま、単純に気になる好みを問うて )
ストロベリー……ううん、ええと。でも、他の味も気になるなあ、なんて。あなたは、何の味がすきなの?


( / 交流途中ではありますが、交流予定のお兄さんのプロフィールが出来ましたので提出させて頂きますね。元々考えていたのとは違う静かな狂人となりましたが、いかがでしょうか。ご確認お願い致します。)


「 俺のことなんて知らなくても良いだろう?知りたいなら、君のことを教えてくれるかい? 」
「 毒きのこ?……そうか、じゃあ採っておいて。はは、しなないから問題ないって 」
「 大丈夫、一年経ったら君の前から消えてあげるよ……嫌ならちゃんと、繋ぎ止めて 」

名前: 楸 / ひさぎ
本名。名字は珍しいからと明かさない

性別: 男
年齢: 25歳( 歳相応。27くらいだと思われることが多い )

容姿: 黒髪のエアリーマッシュに黒縁眼鏡を着用。眼鏡を取られてしまうと殆ど見えないから必須。忘れてしまった日は距離を縮めなければ判別不可能らしい。目に異物を入れたくないから、とコンタクトは使ったことがない。同じく黒い瞳はたれ目で優しさを感じさせる。身長は180cm、筋肉は少しばかりついているだけで人よりは弱い。服装は仕事時はスーツ、研究時は白衣。迷い込んだときからは正体を隠そうと平凡な白シャツに黒の上着を羽織り、ズボンを履くだけ。毎日そんな適当な格好しかしていないことから、服装に頓着していないことがよくわかるはず。ちゃっかり持ってきた黒い小さな鞄にも入っていたメモ帳とペンは必須。

性格: 表向きは穏やかで優しいお兄さん。ふんわり、ほわほわとした印象を与えることだろう。話し方はゆったりペースで誰に対しても同じように接する。温厚で滅多なことでは怒らない。しかしながら、実際は頭の螺子が数個飛んでいる危ない人。自分の命に頓着しないし、何でも試したがる節がある。試さないと気が済まない頑固者。普段から人に強要することがないぶん、信用されたら研究に付き合わされてしまう為注意。

この町に来た理由: 町のことを知りたいと考え、一時的に記憶を失う薬を服用。それによって最初の日だけは自分のこと、過去に関わること以外は忘れてしまう。研究が好きでやっているうち、毒物を摂取しても仮死状態になるものを開発。それゆえ毒を盛られてもしなない。研究だけでは食べていけないとわかっているから、お役所仕事で余った時間を研究に充てる形。記憶は失うことなく覚えているも、中高ずっと演劇を続けていたことから完璧に演じきってみせると意気込んでいる。

初回指名キャラクター: 透さん
希望エンド: 追放エンド


  • No.40 by 景  2020-10-17 17:27:08 



             > 幸( >37


 不幸だなんて...そんな..
( そんな悲しいことを苦しそうな顔で言わないで欲しい。胸が締め付けられるようでこちらまで苦しくなってくる。不幸と言った彼に、いつか読んだ本の言葉が思い浮かぶ。"...同じだけの不幸がつねに必要である" ..と。確か、幸福も不幸も人間には必要だと諭した文だった気がした。そんないかにもなフォローの言葉を考えていると質問が返ってくる。『 景 』という名前はなぜか、と。初日、簡易的な仮の住民票を受け取る為名前を尋ねられたが勿論思い出せるはずもなく、最後に見たのであろう鮮明に残っていた記憶の夜景から、『 景 』という名前を拝借したが、日の光という意味もあることから自身への皮肉交じりにつけた名前でもあった。幸と不幸。景と影。どこか似ている名前に親近感を覚えるが、今になって何故名前が分かったのだろうかと思った。まぁ小さな街らしいし、記憶喪失の迷子なんて物珍しいもので名前くらい広まってしまうんだろうと勝手に解釈付けることにして、自身を嘲るように柔らかい笑みを浮かべながら答える。)
景...て日の光って意味もあるんだそうです..。私、何も無くて影みたいだから..自分自身への皮肉です.

  • No.41 by 匿名さん  2020-10-17 17:41:43 



「 困ったなぁ、自分の名前すら覚えていないなんて 」
「 足りない、何かが足りない……でも、どうしても思い出せないんだ 」

名前:湊 / みなと
首元のネックレスに通されたリングの裏に刻まれた名前。ローマ字表記であり、漢字は推測。本名は不明。
性別:男
年齢:22歳。大学4年生。見た目年齢20代前半。

容姿:癖のないさらりとした茶髪は規則的に切り揃え、前髪は左に流している。瞳は栗色で丸いアーモンド型。細めの身体に肌は若干薄めの健康的な小麦色。身長178cm。現在の服装はゆったりとしたサイズで何かのブランドロゴが入ったモノクロTシャツに黒のボトムス。衣服と似たような色合いのスニーカー。装飾品はシルバーリングを通したネックレスのみ。リングは薬指にぴったり嵌まる。左手首に腕時計、右手首には何かで縛られたような跡が残っている。その他に持ち物はない。

性格:とても裕福な家庭に生まれ何不自由なく育ち優しく温厚な性格だが、幼い頃から親に将来を決められていた結果主体性のない人間になった。事なかれ主義で争いを好まない。親からの抑圧も諦観していた。しかし、唯一の存在である恋人の為ならすべてを捨てる覚悟がある。記憶喪失により己の過去も恋人のことも覚えておらず、ただ優柔不断な人格だけが残っている。困ったような笑顔を浮かべることが多い。

この町に来た理由:大学卒業と共にとある社長令嬢と婚約をする、そう親に聞かされた大学4年の冬。己の人生のすべてである恋人と離れることが何よりも耐え難く、逢瀬の夜に二人だけの世界に行こうと心中を約束する。お互いの片手首を離れぬようロープで結び、冷たい冬の海へ小舟を漕いで飲み込まれるような暗い波に身を沈めた、はずだった。
ふと気が付くと、記憶も名前も隣にいた存在すらも失った状態で町の前に倒れていた。衣服の裾などは少し濡れているが汚れた形跡は無く、手首にロープの跡がある。シャワーや雨など、水に関するものを見たり聞いたりすると精神が不安定になる。記憶喪失以前も香撫町のことは知らない。

恋人:高校の同級生。リングに刻まれた名前は恋人のもの。相手もお揃いの物を所持している。己とは身分が程遠くこの人生において交わるような人間ではなかったのに、お互いに惹かれ合い愛してしまった。周りには隠している。共依存の関係にあり、それが幸福。安否は不明。

初回指名キャラクター:透くん
希望エンド:追放エンド。記憶を取り戻し、恋人の元へ戻ることを決意し香撫町を出ていく。

(/>35にて質問した者です!お返事ありがとうございます。趣味を詰め込んだものになりましたが、不備等あればご指摘お願いします。緩くお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いいたします!)


  • No.42 by 來 / ライ  2020-10-18 17:07:02 





             > 月( >39


 まあ、何もしなくても生きていけるしね。でも、一生ここに居なきゃいけないんだと思うとうんざりするよ。( 少しだけ肩を竦めて見せる。おれらは安寧の代わりに自由を捨てた。どちらが幸せかなんておれには分からないけれど、あの時は正常な判断能力なんて失われてしまっていたし、決めたのは全部兄さんだ。冷静に物事を考えられるようになった頃には既に町の中に居て、ここから出ることの出来ない身になっていた。ここは、もしかしたら、おれたちみたいな正常な判断能力を失った人達を食い物にする魔窟なのかもしれない。……まあ、そうだとしても今更どうしようもないし、人間なんてすぐに慣れるものだ。おれが、あの生活を享受したように。ひとまず、彼女の行った受付が偽物ではない──ひいては、色の違う住民証も有効なものであることは確からしい。『優しい人』と聞いて真っ先に浮かんだのは守さんだったけれど、まあ普通に考えれば透か。どちらも手放しに優しいとは言えないけれど、無意味に嘘を教えるようなこともしないだろう。それなら移住理由に違いがあるのかと、『きみは何でこの町に来たの?』と彼女に尋ねる。基本的に、移住理由の詮索はタブーだという暗黙の了解があるが、彼女は来たばかりで知らない可能性の方が高い。それに、言いたくなければ言わなければいいだけの話だ。目の前のストロベリー味より、店の中が気になる様子の彼女に、少しの落胆とともに素直に道を譲る。別におれはお金が欲しかったわけではなく、ちょっと揶揄ってみたかっただけ。店の中で値札を見た時の彼女の反応を見るのもまた一興。彼女の問いには、特に深く考えることもなくさらりと答えて。 )
 食べられるものなら何でも好きだよ。甘いのは特に好きかな。


 ( / 楸さん、まさに研究者!って感じでいいキャラしてますね、絡めるのが楽しみです。不備等ありませんので、〆レスまで月ちゃんで行くのか、次レスから楸さんに変更するのか、お好きな方をお選びください。 )



 

  • No.43 by 幸 / コウ  2020-10-18 17:39:05 





             > 景( >40


 ( 俺の返答に、彼女が悲しそうな顔をする。そんな彼女の顔を、しばらく何も考えずに眺めていたけれど、……そうか。『不幸』というのは悲しいことなのか。あまりにも不幸が身近にあり過ぎて、当たり前に苦しくて、忘れてしまっていた。出会って間もない彼女に、こんな顔をさせてしまう程には悲しいことなのだ。何か言わなければ、と言葉を探すけれど、何を言ってももっと悲しい顔をさせてしまいそうで、口を噤む。そうこうしているうちに、彼女の方が口を開き、自身の名前の由来を話す。日の光。影のような自分。皮肉。まるで自分を否定するような由来に、名前の付け方にも個性が出るものだなと他人事みたいに考えた。そんな発想は突然浮かんでくるものではない。彼女は、きっと記憶を失う前からずっとそんなことを考えていたのだろうと思うと、少し苦しくなる。自分は不幸で居たいなんて言うくせに、他人には幸せで居て欲しいなんて、我ながら変な話だ。彼女と自分は似ている、と思う。だからこそ、こんな時に掛けるべき言葉が慰めなんかではないと分かる。 )
 ……ふ、面白いね。俺好きだよ、そういうの。




 

  • No.44 by 主  2020-10-18 18:04:05 





 > 湊くん本体様

 ( / PFのご提出ありがとうございます! 設定自体には問題ないのですが、世界観にある通り、キャラクターは(ループエンド以外では)『白紙のままの移住届を持って町の前に倒れていた』という設定ですので、白紙の移住届を持っていた理由というのが必要になります。恋人が持っていた移住届が何らかの拍子でポケットに入ってしまっただとか、何でもいいので理由をつけていただけると助かります。主に直接伝えていただければ、PFの再投稿はしなくて大丈夫ですので、何卒よろしくお願いいたします! )



 

  • No.45 by 41匿名  2020-10-18 18:33:06 


>主様(>44)
(/設定漏れ申し訳ありません……!設定にズレが無いよう再度練り直しますので、一度持ち帰らせていただきますね。また白紙の住民票を持っていた理由が決まり次第、お相手願いたいと思います。今回はここで失礼します!ありがとうございました。)

  • No.46 by 主  2020-10-18 20:23:31 




 > 湊くん本体様

 ( / かしこまりました! 細かくてごめんなさい、湊くんと絡める時を心待ちにしておりますね。 )


 

  • No.47 by 月  2020-10-18 21:21:13 



> 來さん

一生、ずっと……そっか。( どんなに快適な場所だとしても、代わり映えのしない風景に同じ日常が永遠と繰り返されるとしたら、いつかは飽きてしまうのかもしれない。誰にも邪魔されることのない安寧の地。幸せを得られるユートピア。誰かに話したら消えてしまいそうな空間が、今はとても心地良いのだ。彼の言葉から感じとれる重さに眉を下げ、ただ頷いた。言葉を重ねることは真っ向から否定することに繋がる気がして、簡単には出来なかった。出られない、つまりは縛りつけられるともとれる。見たところ彼も、その兄も若い。自分とそう変わらない年齢の彼らが一生を此処で過ごすしかないだなんて、きっと苦しい。安定があってもその代わり、冒険なんて言葉とは無縁。変化出来ないのはつまらない。何も言えないのは、自分もこの場所に居場所を求めているからだ。「 何で、なのかな。私もわからない。だから……まずはいる意味を見付けたいかな 」移住する理由云々以前に、どうして飛ばされたのかすら定かではない。思い出せない現状では、上手く答えられる気がしなかった。彼の兄に対して答えたように、ふんわりと曖昧な答えを返す。それが今の自分に出来る精一杯の誠実。嘘で固めた言葉が本当になったら自分を見失う。せめてそれは避けたい。自我さえ持っていれば、記憶もおのずと思い出せる。確信なんて、ないけれど。譲られるままお菓子屋を覗き込んで、そして驚く。値札が彼の言っていたのと異なり、現実と同じくらい安い。何ならそれよりも安いのではなかろうか。「 ちょっ、ええ!?ねえ、さっきぼったくろうとしたでしょ! 」つい大きな声を出してしまってから、目を白黒させる店員に気付いてぺこぺこと頭を下げる。それから目についたメープル味と檸檬味の2つを手に店を出て。不満を表すようにぷくりと頬を膨らませ )
私も同じ。甘いものは生き甲斐だよねえ……だけど、でも騙すのはだめだってば!



( / 悩みますが、取り敢えずこのまま〆までお相手して頂いても宜しいでしょうか。未だにお互い名前すら知らない状態ですし、名乗ることくらいは済ませてから変更したいなと考えております……! )


  • No.48 by 匿名さん  2020-11-01 16:12:50 

支援

  • No.49 by 來 / ライ  2020-11-01 22:58:27 





             > 月( >47


 ( やっぱり、この子、何かがおかしい。自分で望んでここに来たのならば、一生ここから出られないことも、得体の知れない町への恐怖も、全て覚悟の上で来たはず。それなのに、目の前の彼女は、まるでたった今そのことに気が付いたような反応をする。どこか抜けているところはあるようだけれど、話した限りではリスクを考えられないような頭の弱い子ではない。だとすれば、誰かに強制的に入れられたのか、それとも、おれのように正常な判断が出来ない状態なのか──。率直な印象だけで言ってしまえば、どちらも考えにくいように思う。しかし、人なんて見掛けに依らないもの。この町にいると良く分かる。何より、おれが一番そうだ。笑って、笑って、笑って、壊れるまで、笑って。あの日、泣きそうな顔をした兄さんに「逃げよう」と言われるまで、おれは自分が異常だなんて分からなかった。そんなおれの考えを証明するように、彼女の口から語られた移住理由は『分からない』。『分からない』けれど、『保護する必要があった』から、町役場は彼女を住民として認めたのか。自分の中で、何かが繋がったような感覚。とすると、あの色の違う住民証は仮のものというところか。もちろん、こんなのは単なるおれの想像にしか過ぎないけれど、一度辻褄が合うとそれ以外の可能性が考えられなくなってしまう。この子も色々なものを抱えているんだな、と、同情……と言うより、共感に近い感覚を覚える。今しがた駄菓子屋の値札を見て大声を上げている様子も、そう思うと何だか健気に見えてしまって、意地の悪い気持ちがすっと引いていく……ことは、さすがに無かった。悪びれもしない様子で、いつも通りのへらりとした笑みを浮かべる。 )
 おれにとっては、誰かを騙すことも生き甲斐なんだけどなあ。


 ( / お返事が遅くなってしまってごめんなさい……! 通知設定をしていたのですが、調子が悪かったようで、気付くのが遅れてしまいましたという言い訳をさせてください……
 キャラクター変更の件、承知いたしました。このまましばらくは來でお返事させていただきますね。 )



 

  • No.50 by 主  2020-11-01 23:01:11 




 >48

 ( / 支援ありがとうございます。危うく見逃してしまうところでした……  )

 

  • No.51 by 月  2020-11-03 12:27:29 




( / お久し振りで御座います。少々時間を要する為、今週末までにはお返し出来るようにしたいなと考えております。ゆっくり続けていきたいですし、お待ち頂けると幸いです……!背後のみで失礼致しました。 )


  • No.52 by 主  2020-11-03 18:11:45 




 > 月ちゃん本体様

 ( / お久しぶりです、ご迷惑をおかけいたしました……。わざわざご連絡をありがとうございます。こちらもゆっくり続けていけたら良いなあと考えておりますので、無理のないペースでご返信いただけると幸いです。お待ちしておりますね。 )



  • No.53 by 月  2020-11-06 20:34:33 



> 來さん

騙すの、楽しい?
( 飴を片手にはたと気付いてぴたりと停止。ゆるゆるとした笑顔を浮かべる彼は信用ならなくて、それでも、だからといって疑う気にもならなかった。単純といえばそれまで。確かに頭は弱いけれど、善悪くらいはわかるはずで。つい口をついた言葉は飾らない言葉。それでいて、傷付けるかもしれない言葉。きっとこの人は疲れきって、大変な思いをしてきたのだろう。誰よりも泣きたいはずなのに、我慢しているような。直感だけれど、そんな風に感じた。離れてはいけない。此処で退いては蜂蜜色の彼に何も言えない。「私は月っていうの。あなたは?」ゆったりとした口調で、唐突に問い掛ける。お兄さんについても知らないのに、彼に対して踏み込むのはいかがなものか。一瞬そう考えたものの、手掛かりを掴むきっかけになるかもしれないと思い直したのだ。もし兄弟仲があまり宜しくなかったとしたら、仲を取り持つことをさせてほしい、なんてお人好しだとわかっているのに。それでも止められないのだから仕方ない。飴を手提げに仕舞うと、近くの金木犀の匂いに心を躍らせる。「良い匂い。これだけで幸せかも」本音の中に潜ませるは、少しでも自分が安全だと示したい思い。くるりと回転するとスカートがふわりと揺れる。柔らかな笑みを浮かべて、再び言葉を重ねた )ねえ。あなたはこの町のどこが好き?良かったら案内してよ。


  • No.54 by 來 / ライ  2020-11-08 00:10:16 





             > 月( >53


 ……楽しいとか、楽しくないとか、そういうことじゃない。そうじゃなくて、ただ…… ( 彼女の言葉に、ぴたりと動きが止まる。張り付いていた笑みは剥がれ、いつだってよく回る口も、今は何も言えずにいた。やっと吐き出した言葉は、自分でも驚くほど頼りなくて、『ただ』に続く言葉を探すように視線が地面を彷徨う。──「そうしないといけなかったから」。ぽつり、と、気付けばほぼ無意識にその一言が漏れていた。そこで初めて、自分でも知らなかった自分の気持ちを悟る。そうだ、騙さなければいけなかった。周りのことも、兄さんのことも、あの人のことも。笑っていなければいけなかった。それがどうしてなのかは、もう忘れてしまったけれど。努めて明るく、あるいは諭すように、名前を問う彼女の声に視線を上げる。おれは、その声に短く「……來」とだけ答えた。今は、自分の気持ちを整理することに精一杯で、他のことは何も考えられなかった。今なら何を聞かれても素直に答えてしまいそうだ、という危機感を覚えながら、それでも心の中は凪いだように静かだ。重ねて問い掛けられた質問にも、余計な思案をすることなく、頭に浮かんだ風景をそのまま口に出す。 )
 丘の上。……少し遠いけど、行ってみる?



 

  • No.55 by 月  2020-11-10 09:07:42 




> 來さん

……うん。そっか……頑張ったんだね。 ( 途中で止まった言葉に、確かにこの人はあの蜂蜜色の彼と兄弟なのだと思い知る。同じように悲しそうな目をしている二人を救うことができたなら。忘れた夢も、過去でさえも、どうでもよくなる気がした。大変だね、お疲れ様、だなんて軽い言葉は口に出せない。陳腐な言葉ひとつでは片付けられないくらい、きっとずっと辛くて重い。一言労うような、それでいて他人事のような言葉を口にする。共感性の強さから、知らず知らずのうちに表情が悲しげなものに変わっているかもしれなかった。視線を地面に落としてから真っ直ぐ彼を見る。笑い掛けるのは出来なかったけれど、瞳に穏やかさを交えて。「 來さん。來くん……どっちの方が良いのかなあ 」信頼してくれたとは言わないまでも、固い警戒があるわけではないらしい。名前を復唱しながら、淀んだ雰囲気を明るくするように少しだけふざけた調子で言葉を紡いだ。お気に入りの場所を伝えてくれたことに安堵し、つい笑みが溢れる。良かった、なんておかしいかもしれないけれど。何とかやっていけそうだと思い始めている。こくこくと頷くと、距離は詰めないまでも明らかな肯定の意を示して )
うん、行ってみたい。案内、してくれる?


  • No.56 by 來 / ライ  2020-11-11 20:28:56 





             > 月( >55


 ……なんてね。冗談。びっくりした? ( 湿気を含んだような重苦しい空気に、はっと我にかえる。まだぐるぐると何か考えそうになる思考を無理やり断ち切って、普段と変わらぬ様子でからりと笑った。真面目な話は苦手だ。嘘だけでいい。頑張れてなんかいない、何一つ変えられやしなかったおれを、見つけられてしまうくらいなら。丁度良く軽い調子で呼び方を尋ねてきた彼女に、「堅苦しいのは苦手だから來でいいよ。特別にキャンディーひとつで」と同じく冗談混じりに軽い調子で返す。これで、同情なのか、同調なのか、どこか気遣うような彼女の視線が、おれの心ではないところに向いてくれればいいけれど。おれにあんな表情を向ける相手、兄さん一人だけでもうたくさんだ。丘の上までの彼女の案内役になったおれは、近くのバス停から彼女と共にバスに乗り込んだ。道中、おれのことをあれこれと聞かれるのも厄介なので、車窓から見える住人たちを指差して、あることないことをつらつらと喋る。……まあ、今話した内容は、ほとんどが本当だけれど。 )
 あの子は自分がいると両親が離婚できないからってここに来た子で、あのお爺さんは過去に人を殺してる。それから、あの人は鏡の中の自分しか愛せない。



 

  • No.57 by 月  2020-11-13 18:20:31 




> 來

うん、びっくりしちゃった。上手だねー、偉い偉い。 ( 彼にとって守りたいものがこの平穏だとしたら。重たい空気を弾き飛ばして、調子を合わせるのが正解だろう。今つっこんでもはぐらかされてしまうだけ。心の奥の思い出は、その時がきたら聞くことにすれば良いのだ。ふざけた調子で賛辞を贈ると、髪を撫でようと手を伸ばした。もし嫌がられなかったのなら、そのまま手はその青紫に触れるだろう。「 じゃあ、來。キャンディは……そっちの方がいっぱい持ってるね 」緩く手で彼の持つキャンディの入った袋を指し示す。中身のないふんわりした会話が何だか楽しい。彼もそう思ってくれたら良いのに、なんてただの我が儘か。ともかく、お気に入りの場所に案内して貰えることになって安堵した。名前すら教えて貰えなかった蜂蜜色の彼に伝えて、その名前だけでも聞いておかなければ。あなたの弟は大丈夫だよ、って。二人の肩の荷が下りれば。その手伝いができたらどんなに良いだろう。窓の外に広がる景色はどれも目新しく映り、相槌を打ちながら話を聞いて、ひとつの仮説が浮上した。自分も目の前の彼も。そして町の人たちも。皆何らかの事情を抱えているのだ。きっと、だから凸凹で。完璧じゃないから、逆に生きやすいのだ。刺激しないように、失礼に当たらないように。言葉を選んで、精一杯の感想をぽつりと )
皆色々あるんだねえ……凄いな。何かを乗り越えてきたんだ。


  • No.58 by 來 / ライ  2020-11-14 22:34:16 





             > 月( >57


 なんか馬鹿にしてない? ( もっとこう、怒ったり驚いたり、そんな反応を期待していたのだけれど、彼女は『びっくりしちゃった』と言いながら全くそんな様子は見せない。それが深くまでは立ち入らない彼女なりの優しさだと分かるから、ここは厚意に甘えさせてもらうことにする。子ども扱いするような言動にむすっと唇を尖らせて、大袈裟に拗ねたような表情。内心では、あまり触れられたくない話題が終わることにほっとしていた。しかし、そのせいで、こちらに伸びてくる手に気付くのが遅れる。おれを殴るあの人の顔がフラッシュバックして、骨髄反射で構えるように固く目を瞑った。直後、体の中を伝うのは、衝撃と鈍い痛み──ではなく、手のひらの柔らかい感触。恐る恐る目を開けると、目の前にはオリーブベージュの髪。そうだ、あの人は……母さんは、ここには居ないんだ。彼女に気付かれないように、そっと息を吐き出す。はっきりと自覚してしまった。おれは今でも、あの頃に囚われている。丘に向かうバスの中、彼女は一度も遮ることなくおれの話を聞いていた。驚くでも怯えるでもなく相槌を打っていたのが意外だったけれど、それよりももっと意外だったのがその後だ。彼女はこの町の住人達を『凄い』と、そう言った。どんなに言葉を選んでも、おれなら絶対にそんな言葉は出ない。何せ、住人達の秘密を知った時、真っ先に考えたことは『出来るだけ関わらないようにしよう』だ。彼女の感性とはほぼ対極にあると言っていい。 )
 月って面白いね。こんな話聞いて引いたりしないんだ?



 

  • No.59 by 月  2020-11-15 18:02:45 




> 來

ええ、してないよ。シンプルにこう……凄いなって。上手く言えないけど、來は凄いね。
( 子ども扱いしている自覚はなく、それでもそんな話し方になるのは夢が関係しているから。そのことには気付かないまま、へにゃりと緩い笑みを見せる。重く苦しいのは嫌いだ。平和が一番良い。仲良くなりたいからといって、深く踏み込んでいくのには時期尚早すぎる。ゆっくり、ゆっくりと進んでいけたらそれで問題ない。柔らかい髪を撫でて、それとなく反応を窺う。彼の震えるような感覚。過去に怖いことがあったのだろうか。何となく察してしまうも、さすがに口には出さないでおく。事情があるのだろうことは兄の様子で既にわかっていたのだから。自分にできることは束の間の休息と優しさを与えることだけ。良い子良い子、ともう一度撫でてからそっと離れて。「 引くというか……怖いなって、思わないわけじゃないよ。でも、だからって何もない人なんていないじゃない? 」関わりたくない、早く人気のないところに行きたい。そんな風に思う人もいるのだろうが、自分は違う。危ない好奇心といったらアウトかもしれないけれど、その相手と関わることで得られるものがあるかもしれないから。自分にないものを持った人は皆素敵に見える。無い物ねだり、結局はただそれだけなのかもしれない。窓枠に指を添えて風景を見詰めた後、何でもないことのように呟いて )
風が気持ち良い。來のお気に入りの場所も素敵なところなんだろうなあ。


  • No.60 by 來 / ライ  2020-11-18 03:20:40 





             > 月( >59


 ……本当に上手く言えてないね。( 『凄い』を繰り返す彼女に、揶揄うような、呆れたような口調で言いつつ、歪めていた表情を軟化させる。何が凄いのかはさっぱり分からないけれど、まあ気分は悪くないかな。彼女と居るのは、比較的気が楽だ。それは、恐らく彼女の裏表のない性格から来るもので、言葉の意図は分からなくても、その奥の想いは信じられる……気がした。これでもし全てが嘘だったのなら、彼女が一枚上手だったという話で、おれの完敗だ。あたたかい手が、そっと髪を撫でる。初対面の相手の、初めて触れる手。そのはずなのに、どこか懐かしい感じがした。「……かあさん」、唇をほとんど動かさずに、口の中で呟く。頭を過ったのは幼い頃の記憶。あたたかい手、優しい笑顔。──取り戻せなかった。優しい母さんも、おれの愛しい家族も。『お前のせいだ』、殴られる度に言われた言葉が、脳内で何度もリフレインする。……そうだ、おれのせいだ。おれが、上手く笑えなかったから。彼女の手がおれの頭から離れる。その手を掴む勇気はおれにはもう残っていなくて、ただ、また、いつも通りの笑顔を貼り付けるだけだった。バスの中、どこまでも伸びやかな彼女の言葉に、「ふうん」と相槌を一つだけ返す。言っていることは分かるけれど、感覚的には分からないから簡単に頷けもしなかった……と言うより、この町に来るような人物が、防衛本能よりも先に他人を慮るというのが単純に事実として受け止められなかった。本当にどうしてこんなところへ、という彼女への疑問は深まる一方だ。ふいに、外の景色を眺めていた彼女が独り言のように零す。おれも、彼女に倣って同じ調子で返す。 )
 何もないところだから、あんまり期待されても困るけど。



 

  • No.61 by 月  2020-11-21 22:55:25 



> 來

上手く言うのって難しくない?私の語彙が少ないだけかもしれないけど……
( 彼のことを決めつけるのは勿論のこと、適当な推論をするべきではないと感じていた。うーん、と悩んで顎へと当てた手を何度か角度を変えて動かしつつ、結局は大したことのない平凡な結論へと落ち着いた。それでも彼が本気で嫌そうにしていないからまあ良いか、と楽観主義で。想いに少しだけでも触れることができたなら、何がが変わるかもしれない。記憶を思い出す手掛かり、なんてそんなものはいらないけれど。単純に楽しく過ごすことができればそれで良い、なんて緩すぎて笑われてしまうだろうか。家族を求める小さい声はどうにも頼りなくて、心もとなくて。だからといって、まだ踏み込むわけにはいかなくて。何もかもわかっていたら、距離が縮まっていたのなら、すべて丸めて抱きとめてあげられたのに。あえて何も言わずにそっと目を伏せるだけに止める。気付かないとでも言うように、無言のまま。何も言わない優しさ、と言えるほど上手くはできていないけれど。バスは揺れ、目的地に向けてただ走る。乗客のいない静かな空間が心地良かった。自分たちの他には誰もいない。運転手を覗けば、二人ぼっち。彼の方へと身体を向けて、期待100%とは言わないまでも緩い期待が滲む視線を投げ掛ける。受け入れてくれたという事実だけでも充分すぎるものだけれど。緩い笑みを浮かべて言葉を重ねる。何が待っていようと、その殆どを前向きに捉えられるような、そんな気がした )
でも、お気に入りなんでしょう?何もなくたって、きっと來が落ち着けるような何かがあるんだよ……それが何かはわからないけど。


  • No.62 by 匿名さん  2020-12-24 21:35:41 

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