主 2020-09-28 23:06:45 |
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> 月( >13 )
……ここは、香撫町。きみは、町の前で倒れてた、らしい。( さっきまで居たはずのもう一人のおれが居なくて、それより前に居たこの子が居る。──ああ、さっきまでおれが見ていたのは、夢か。起きていてもなお、ふわふわとしている頭にじんわりと血が巡り始めるような感覚。よく考えれば、おれが二人もいるわけない。夢の中ならどんな突飛なことも信じ込んでしまうから不思議だ。……あの時も、こんな風に信じ込んでしまえれば良かった。何も詰まっていないみたいな頭の浮遊感に反して、体はいつも通り怠い。寝過ぎは体に悪いからだめだって何かで聞いた。でも、起きていたっておれはだめになってた。おれは、どうすれば良かったんだろう。まだ起きたばかりで混乱している様子のオリーブベージュの髪の子が、置いてけぼりという顔でこちらを見ている。おれは、ぽつりぽつりと透から聞いた話を伝える。何があったのか、なんて不躾なことは聞かない。聞かれたくないことなんて、人には沢山ある。この町にいると、それが余計に分かる。……それにしても、月って、苗字だろうか。名前だろうか。 )
この町の住人以外には何も教えられない。きみのことは特別に保護しただけだから、意識が戻ったなら帰って。……あ、移住希望なら、ここ出て右の、受付ね。
( / りょうかいです。では、ひとまずはこのまま続行ということで! )
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