《ヒプマイ》せんせえ、お呼び出し！《オオサカ》

んﾞ、…くくっ、あはっ、やめぇ！何が可愛い方やこんブッサイク！……はぁ、お前がアホかますからつい突っ込んでしもたわ（顔芸に耐え切れず再び笑ってしまう。彼の額にぐりり、食指突き付け。近付けられた顔これ以上は寄せるまいと抵抗し）
……簓、そん曲は、…そのチョイスは、些か狡いように思うんですけど（知っているフレーズ耳に入れば途端ぴくりと肩震わせ、迷子の如く瞳彷徨わせてはそれ以降の言葉を無くす。ただ何か言いたげに口を開閉させるばかりで声は出せず）
しゃあないなぁ……っていうのは嘘で、…わかっとるよ。美味しいもんは共有な？　てかそんなはよ食べんでもゼリーは逃げへんよ、ゆっくり食べ（態とらしく咳で誤魔化すのも仕方が無いとさらり流しつつプリン開封、変わらぬ美味しさに頬緩ませながら）え、賢い言うたやん、褒めた褒めた、notディス。……可愛いこと言うなや、そないに言われるといっぱい一緒に居りたくなる。狡いわ（後ろ髪わしゃり撫で、）

なんや寝れんくてなぁ…動画見とったら余計に目ぇ覚めてもうて……。…あ？簓、今口滑らしたな？…こんドアホっ、ニャンニャンちゃう言うとるやろが！！（ハリセン、スパーンッ／）
大丈夫やて。休めてるよ。ついさっきもうとうとしてもうて、気が付いたらこんな時間や…（ふふ、）ワガママはこれからもいっぱい言うてな。もちろんそこに遠慮なんかは要らんよ。そんワガママ聞くかどうかは俺の判断やし、ほんまにダメな時はダメって言えるさかい。…で、俺も続けたかったから丁度ええわ、気遣いありがとう（頭ぽんぽん、）

　

イッ、…ひひ、ふはッ、あーおもろ！盧笙はようわかっとると思うけど、俺の芸風は巧みな話術と発想力や。顔芸なんてレア中のレアやでぇ、脳裏によう焼き付けとき！（額に押し付けられた食指に暫し抵抗した後自分も小さく吹き出し、彼の反応が余程嬉しいのか眉下げて屈託のない笑顔でけらけらと笑う。にぃ、と口角上げて自身のこめかみとんとん、と示して）
？、…ええ歌やろ。これフルで聴いたことある？俺スマホに入れとんのやけど、一日一回は聴いてまうんよなぁ。盧笙も今度聴いてみ（彼の声にふと顔上げて表情を見つめる。彷徨う視線にどうした、なんて不躾な事は聞かずヘラリと笑み浮かべながらつらり言葉繋げて、自身のスマホに視線落としてはひらりとそれ振って見せ）
ん~…いや、最近こうゆう優しいの食ってへんかったから、がっついてもうた……躑躅森さん、お味の方はどうでっか？（優しく咎められればハッと、今度は優しくゆっくりゼリー掬って口へ。眉寄せぎゅっと両手で拳作り、うまい！と美味しさ噛み締め。そのまま握った拳相手側に傾けリポート求めてみて、）notディス？それ、ほんまでぃすか？なははっ！そこは思慮深いって言うてやぁ（んふふ、）

水臭いなぁ、起こしてや。！、ァイターーッ！！…んはっ、またようわからんとこからハリセン出しおって！何個あんねんソレぇ！（目バッテンにしてリアクション、からの突っ込み。キャッキャ／）
それは寝過ぎやな（スパッ、／）……せやな、何でも言えるんが相方やもんな。ありがとお、ほんなら遠慮なく甘えさせてもらうわ。よろしゅう（ひひ、／蹴り推奨）

レアはレアでもなんや嬉しないな（ズバッ／）あぁ、もう嫌でも焼き付いたわ、何ならお前の顔見る度に思い出し笑いする自信あるで？（くつくつ、未だに笑いが止まらない。向けられた眩しい笑顔にまた違う意味で笑みを浮かべてはくいっと片眉上げ、肩を竦めて言葉紡ぎ）
ある。…聴いたことあるよ。有名やん、何回何十回何百回てめっちゃ聴いたわ。その度に俺 お前のこと頭に浮かんで、そんで…（半ば食い気味に紡ぐ言葉、静かながらも強い語調。何とか上げた視界は彼の緩く弧を描く口元までしか映さない。目は見れない。語尾が震えたことに相手は気付くだろうか。…なんて愚問か、こんな泣きそうな声、絶対気付かれるわ）
文句無しに美味しいわ、流石プリン。滑らかな舌触りにとろぉっと濃厚で優しい甘み…そのほわぁっとした幸せな味をきゅって締めるカラメルは甘いながらもほろ苦い大人の味…こんな素晴らしいモン生み出してくれた人に感謝やな。五体投地で感謝するわ（マイクに見立てられ向けられた拳に思わず本気で食レポ。擬音が多いのは関西人の特徴か。幸せ浸るようににこにこしつつ、最後の一口という所までくればそっとスプーン下ろし。すす、お裾分けにとプリン差し出して）…うっわ……しょーもな。簓、今のはおもろないからやめとき（真顔／）はー…普段これやのに舞台でようあんなおもろい喋り出来るな…わけわからんわ……（むむ、）

　

ガーン！なんで嬉しないねん！ごっつ可愛かったやろーが！簓クンのあないに、可愛らしい変顔芸見れんの盧笙だけやぞ！？…ええわ、また不意打ちでやったるから覚えとけ（迫真のショックを受けた顔。ぐわっと詰め寄るが、未だに笑い噛み殺しているのを見ては嬉しそうに肩竦め予告してひひっと肩揺らして）
ッ、……なぁなぁ！俺さ、曲ん中でもあそこのフレーズ好っきゃねん、あれ、パスタ作ったお前ーてとこ！盧笙が休みの日ぃにボーッとしながら素麺茹でとって、歯ぁなくても食えるようにした時あったやんなぁアレ思い出すねん…あ？それ違う曲やったっけぇ？（彼の声の変化にすぐさま耳が気付く。どんな顔をしてるか見なくてもわかる、あかん話の振り方間違ったな、と脳味噌をフル回転させて出てきたのはこれまたメジャーな良曲。ずり、と胡座かいたまま距離詰めて強引に肩を抱いて、若い頃の思い出を引っ張り出して軽快に語る。自分でオチを持ち出したところで強引に話をすり替えるのも違う気がしてきた。ハハハと自分で笑った後暫く間を置いてぎゅう、と肩強く抱き直して、その手でわしゃわしゃと整えられた髪を乱して大丈夫だよ、と優しく耳元で囁いてみよう）…アホ、そないな声なるんやったら無理して言わんでええわ。今は別に頭に浮かばんでも、目の前におるしな！

…いや、自分俺より食レポ上手いやんけ。語彙力あるんだかないんだかわからんけど、そんでプリンへの愛が重いわ…なんやこの気持ち…（熱の入った食レポにぽかん、と口を開けてしまった。溢れるプリンへの愛に思わず嫉妬…いやいや、正しくはあがり症さえなければどこの食い倒れロケにも送り出せるところに若干嫉妬。モヤッと生まれた気持ちにぶつくさ溢すが差し出されたプリンに、ん、と視線向ければぐいっと相手に押し返す。変わりにニコリ笑み浮かべあーん、と口開けて）
なんでやねんっ、おもろいやろ！…俺は何でお前がこの面白さをわかってくれへんのか、ほんまわけワカメやわ…（むむ、）

可愛らしい？…はあ、何処が可愛らしいんか俺にはさっぱりわからんけど、俺だけが見れる言われてもなぁ…別にそんな特別は求めてないっちゅうか…。なら次またブッサイクな面見せてきたらどついたるわ、お前こそ覚えとき（冷たい対応、からの二言目にはにんまり口角上げた悪い顔。ハリセンは幾らでも常備している。いつでも来いとばかりに手ひらり振って挑発、）
…アホ、そないにかっこつかんような記憶引っ張り出してきてどないすんねん。はよ忘れ（普段よりシャッキリしない口調、言いながらもふと解散前を思い出した。俺がちょっとでも不安そうやったり悲しそうな顔しとったら直ぐにこうやって明るく振舞って笑かそうとしてくれる。簓は眩しくて強い人や。肩に感じる温もりとは裏腹にどんどん冷えていく手足。ぎゅうう、と拳を握る。指先が白くなるぐらいに強く。またや、こんな湿気た空気にさせてしもて、俺は結局あの頃と変わらんまんまか。ああ情けな。熱くなる目頭、雫溢れ出ないようにと眉根に力が入る。申し訳なくてそっぽ向きかける顔。けれど、それを止めるかのようなタイミングで強まる力と乱される髪。優しい声が耳に入ればハッと顔上げ隣の彼見詰め、空気求める鯉のように再びはくはく口を開閉。一度呼吸止め目を瞑り、それからゆっくり息吐き出せば、そこから溢れる声は震えに加えて掠れが混じる。開く目蓋、緩慢に合わせた視線。小さく零した笑みはきっと出来損ないだろうけど、少しでも気持ちが伝わって欲しかった）あー……はは、…悪い、こんなとこ見せるつもりなかってんけど、やっぱりダメやった。……な、次その曲聴く時、一緒に居ててくれへん？　一人で聴くと悲してちゃんと最後まで聴かれへんくて。だから、頼む。もうこの曲聴いて泣くんはおしまいにしたいんや。…な、簓、お願い。

このプリンの素晴らしさを語っただけや、重ない。プリン好きなら当たり前やろ（瞳きら、と輝かせて返す言葉。差し出したそれ突き返されてはきょとりと瞳丸くし、それでも相手が口開くのを見てはああそういうことかと納得いき。カップの中のプリン欠片たりとも残さぬようにと掻き集め、カラメルまでしっかり掬いあげれば はいあーん、と口に入れてやり）
もうええわ……誰が聞いてもおもろない言うよ、そろそろちゃんと現実を見ぃ。お前は舞台から降りると残念になる。これは事実や、厳しく言ってるわけやなくてほんまのことなんや…（肩竦めはふり、）

　

なんや盧笙本調子やんけ…！うぐッ、ブッサイクブッサイク喧しいねん！アホ！こっちゃあイケてる芸人ランキング上位入っとんのやぞ！…カッチーン！俺がお前の言うたことやったこと、忘れるわけないやろ！俺がちゃーんと覚えてるって言うたこと覚えとけよ！（ひくり片眉上げてテンポの良い掛け合いににんまり。ぎゃあぎゃあ喚いて対抗するものの、大事なお前の一挙一動一言一句忘れるものか、と語気を強め相方への愛をポロリ。ひらり揺れる手に人差し指ビシッと突き付け）
俺を甘く見とったなぁ？隠し事出来ると思うなよ、…何を寝惚けたこと言っとんのや…曲なんかあってもなくても、ずっと一緒に居るよ。あの頃のトラウマごとどついたろ！って言うたもんな。……ん、ほんなら早い方がええわ。多分これ、泣いて聴く曲ちゃうやろ？歌ってる人もビックリやで（ふふ、と肩揺らして小さく笑って空いた手でこつん、と額を軽く握った拳で小突いてやる。彼の中の自分の存在があまりにも大きい、誇らしいような照れ臭いような、複雑な気持ちのまま歯を見せて笑って戯けてみる。揺れる声と無理に笑ったせいで下手くそに浮かべられた笑みに、昔、お前は太陽みたいなやっちゃな、と言われたのを思い出した。俺かて一人で燦燦としてるんちゃうぞ、お前が横に居るからこうやって笑って居れんのや…そんな事は恥ずかしさに負けて口に出来きないものの、力の入った彼の手を握る事は出来た。今は、確かに自分の隣に盧笙が居る。スマホ操作して問答無用で件の曲を流した。もう一度握った手を強く、しっかりと包み込んで、もう絶対離さへんからな、とそこから伝わるように。泣いてもええ、泣いたらええ。でももうそれは俺の隣でな、一人で泣くんはもうやめにしよ、嬉しいのもしんどいのも今度こそ同じ舞台に立って一緒に乗り越えていきたい。髪乱した手でぽんぽんと頭を撫でて再び、俺ようこんな甘い声出んなぁ…と自分で呆れつつ再び優しく言葉を紡ぐ）…これ聴いたら、今度は、今度からは二人で笑って聴く曲にしよ。過去があっての今やんか。…目指す道が同じとこやなくても、俺の隣は何があってもずーっと盧笙だけや。

んむっ……ん、ん~！んまい、やっぱええなぁ甘いもんは…。盧笙先生のあーん付き、って言うんがまたええ味出してはりますわぁ…ごちそうさまー！ほな、ゼリー再開ーっ（望み通りあーんをしてもらえたのと、ゼリーとは違う優しい美味しさのプリンとに、小さくガッツポーズ。でへへ、と口元緩めては空になったプリンの容器に向き直り両手合わせ丁寧にご挨拶し、再びゼリーへ）
ッぐぬぬ…そこまで言われると流石にキッツイわ…胸痛いで…。つらすぎて、ツララが刺さってるんか思うわ…（しゅん、と悲しげに肩落として背を向け。そのままパタリ床に倒れ込んで胸元ぎゅう、と握り呻きながら…チラッ…）

アホ言うなこんアホッ、お蔭さんで調子良いわどうもおおきに！てか顔芸しとる顔がブッサイク言うとんねん、お前の素の顔がイケメンなんは誰かに言われんでも昔からよう知っとるわボ.ケぇ！　おーおー、わかったわきっちり覚えとくさかい安心せぇ（喚く彼につられて大きくなる声、鋭い突っ込みかと思いきやその口から放たれるのはただの惚気。続けて愛零した相手にぐっ、と怯んでは咄嗟に対抗）お、俺だって負けてへんで！お前の出とる番組にラジオに雑誌にその他諸々全部目ぇに焼き付けとる！
っ……え、今聴くん？…ま、待って、いきなりはあかんて…！（拳が近付けばきゅ、と目を瞑る。軽く額に当てられたそれを再び目蓋開いて目で追えば、さらりスマホを繰るのが見えた。早い方がいい、というのはまさか――軽快に流れ始めた音楽はそのまさか、止める暇なんて端からなかった。穏やかな歌い始めから一層くしゃりと歪む顔、唇噛み締め背を丸める。引き摺り出される暗い思い出。歌詞を読めば読むほど頭を過ぎる悲しい思い出。……そこでふと、日が射した気がした。包み込まれる拳、肩に触れる腕、その体温。撫でる手の感触、ふわり舞う彼の匂いにやわこい声。甘く胸広がるその言葉に先程まで堪えられた涙がぽたり、静かに落ちた。途端、堰を切って次から次へと溢れ出す。自分でもわかってはいたのだ。昔の思い出が辛いこと悲しいことばかりじゃないことを。それでも、彼への負い目引け目に囚われて楽しい思い出に昇華することはなかなか出来なかった。…勿論後悔なんてしていない。ピンとなった簓はそれはもう非の打ち所がないほど面白くて。解散を選んだのは間違いじゃなかった。それでも、あの時何も言わずに別れてくれた彼の胸中は、当時なら兎も角として今は痛い程によくわかる。…ごめんなぁ、簓。ひくりしゃくりあげ、鼻声で紡ぐ言葉。ごめん。もう一度。強く握ったままの拳をゆっくりと開いていく。そうしてそっと彼の手に絡める。嗚咽を零し、声を上げて泣くのは子供の時分以来だった。身体を傾け彼に寄り掛かり、そしてようやく大好きな音楽に耳を傾けることが出来た。涙を零しながらぼんやりと、ではあるが）…お前とおったらおもろいわ。……うん、次聴く時も一緒な。俺の隣だってずっとお前だけや。お前以外何もいらんわ。……なぁ簓。一個、俺のワガママ聞いてや。…今度な、指輪買いに行きたい。お揃いの。お前みたいにきらきらしとるやつ。

はい、おそまつさんでした。…ほんま、人に甘えんの上手なやっちゃ……（何だかんだと絆されて甘い対応をしてしまう自分に対して零す溜め息一つ分。彼に呆れて笑いが溢れる。空になった容器やその蓋やらをビニール袋にゴミとしてまとめ、相手の幸せそうな表情何処か嬉しそうに眺め）
また親父ギャグか……もう突っ込まんで。って、いや、待って、そんな傷付けるつもりはなかってん…。え、ほんまに辛いんか？（この反応は本当にあかんやつか？…無駄に演技力あるもんやからわからん、どないしよ。おろ、と彷徨わせた手。眉八の字にしたまま不安げにそっと彼の背撫で）

　

はッ！？ちょ、…やめろ！それは勝手に見とけ！本人に言うたらアカン！焼き付けとんのか…ええ心掛けやな、ってちゃう！やめろ！恥ずかしいわおおきに！何処もかしこも追ってくれてるやんけ、ありがとおな！！次の火曜21時のバラエティも出とるからよろしゅう！（さぁて此処まで詰めたらどうせ赤面して終わりやろ…と、高を括った自分を盧笙お手製のハリセンでどつき回したろか。ぶわわ、と喜びプラス気恥ずかしさに染め上げる頬。負けられへん！あかん！めっちゃ嬉しい！と、口喧嘩の勢いで飛ばすお礼と番宣、）
……っ、もう、なぁ…盧笙ちゃんと聴いて？泣けるのやないやろ、明るい歌やん。…あーもう、そんな…やめぇや……移ってまうやん（笑って引っ張って、この話は終わり。別に悲しい話じゃあらへんもん、二人とも納得して潔く綺麗に終わったはず。それでも曲に合わせて、メロディと、彼の上げる嗚咽と声に当時の胸を締め付けて息も出来なくなるようなつらい瞬間‘だった’記憶が戻ってくる。つん…、と鼻梁が鈍く痛んで熱が集まる頃には直ぐに涙が追い付いてしまって、ぱたぱたと強く握り合った手に落ちた。今では間違ってなかったかもしれないが、自分の判断が間違ってるか否かなんてわからなかった。ごめんなんて言わんといて、こっちの台詞や。ちゃんと守ってやれんでごめん、一度離れてしまったのには自分の不甲斐なさもある。自分を都合よく正当化して無理にでも前だけ向いてきた。その分彼とは対照的に、この曲を泣いて聴くのは初めてだ。でも悲しいからじゃない、遠回りしたけどきちんと帰るべき場所にちゃんと帰って来れた。嬉しい、お前と帰って来れて嬉しい。ぽろぽろと気持ち良く溢れていく涙をぐい、と手の甲で拭ったが止まらず、困り果てて眉を八の字にしてヘヘッと掠れた鼻声で笑う。“つらい時は側にいよう　俺がぶっ飛ばしてやるよ”そんな小気味良いフレーズを聴きながら握り返された手、しっかりとまた握り返し。髪撫でながらきゅっと頭ごと自分の方へ引き寄せ、頭を寄せて寄り添いながら涙声でふは、と小さく笑う。もう四捨五入で30代の男が二人、何この状況？何これ幸せ過ぎやんな？おもろない？、やっと混じり気なく通いあった気持ち、困ったように笑って泣きながら指輪の話前も聞いたなぁと思い馳せつつ）当たり前や、お前が一人で聴きたい言うても横居るからな。うん、指輪な。行こ、明日にでも行く？いつでもええよ、…あんな、それはちゃうわ。指輪だって、一つポツンとあってもきらきらせぇへんやろ。光があって、やっときらきらすんねん。…わかる？盧笙。絶対、一緒に行くぞ。三日三晩泊まりがけで悩み抜いて買おか。

甘え上手？これが効くの盧笙だけやぞ、甘えられ上手の間違いちゃう？……ハイ、ごちそうさまでしたぁ！盧笙おおきに、今度マクドでも奢るわ（ゴミを纏める様子眺めて相変わらずしっかりしたやっちゃなぁ、と感心。食べ終えたゼリーの空すすっと控えめに差し出しつつ再び手合わせ満足げにニコリ、）
……だーっはっはっは！ドアホォ！相変わらず騙され易いやっちゃなー！こんなんで俺がへこたれると思ったか！（がば、と彼の方顔向け背中撫でる手ガシィッ！引き寄せむぎゅう、抱き締め捕らえれば高らかに笑って）

…もうなんやここまできたらどんだけ本気か伝えんと気ぃ済まんわ、俺はやめへんからな！お前のファン第一号なら追って当然やろどういたしまして！そのバラエティも録画予約済み！ちゃんと隅から隅まで眺め回すから覚悟しときぃ！（机バァン、／半ば怒鳴ってはいるが全力で楽しんでいる様子。その証拠と言うべきか閉じた唇は弧を描いている。散々叫んだ後は途端にファンらしく頬上気させつつも瞳きらり光らせそわそわと）…あっ、あと感想はちゃんとファンレター送りますんで届いたら読んだってください…。
…――……ささら、（繋いだ手に降り落つ雫は自身が零したものじゃない。かぱりと中途半端にひらいた口からほろり零れるは彼の名を呼ぶ何処か舌足らずな声。隣を見遣る。泣いた彼を見るのはほぼほぼ初めてと言っていいと思う。いつもどんな時だって笑っていたから、こいつはきっと涙なんてものは流さないんだと今この瞬間まで心の何処かで思い込んでいた。そんなアホなこと絶対ないのにな。簓の泣く姿があまりに綺麗で、見惚れる代わりに俺のバカみたいにボロボロんなった涙腺は少しだけ落ち着いた。簓様々やな、なんて口にして茶化せるほどにまでは回復していないけれど、少なくとも心で思う程度には。…ああ、ほら、泣いてる癖にまた笑った。こいつは笑わんと生きていけん人種やな、なんて内心一人で突っ込んで思わず溢れた笑顔。握った手に込められる力、こつりと頭同士が触れ合えばくすくすと今度こそ笑いが口から零れる。相手につられて、と言うよりもタイミングを読んだかのように同時に。そうして頭の片隅で思う。…あれ、なんや、泣く以外も存外出来とるやん。‘今度は笑って聴く’。そう約束した通り、直感だけれど何となく、本当に次からは大丈夫な気がする。…簓がおると強くなれるんやな、俺。二人揃って泣きながら笑う、そんな情けなくも幸せな今にまた笑えた）一緒に買いに行くんは勿論嬉しいけど……こんドアホ、どんだけ悩むつもりや。三日三晩は店側に迷惑やろ。それ、俺ら二人揃ってすみませんー言うて謝らなあかんやつやん。……でも、ありがとう、簓。

え、そんなことないやろ。……え？そんなことないよな？（こいつの甘えに負けんやつが本当にこの世に居るんか？いやまさかそんなことは、と頭の中？マークいっぱい撒き散らし。それでも差し出された空容器は受け取りビニール袋へぽい。満足気な表情に笑み零しながら遠慮も躊躇も無く奢って欲しいものリスト淡々と口頭で挙げ）あ、ほんま？俺な、てりやきとダブルチーズとフィレオフィッシュは絶対食べたいわ。あとポテトにサラダにシェイク…。
ッ！……ちょ、こ、此処で騙すんはナシやろ…！？　折角ちょお言い過ぎたかな思て心配してやったんに、俺の心労を返せアホ！（引き寄せられては半ば倒れ込む形に。ぐわ、噛み付くように言葉連ねるも直ぐ様離れることはせず）

　

録画予約してあんの！？ちょ、めっちゃちゃんとチェックしてはるやん！おおきに…や！やめぇ！もうええわ！も、やだ、圧が強い…！ヒィ！俺の負け……て、ズコーッ（圧に押されビクビクと彼の声に反応して竦めた肩跳ねさせつつ楽しげにリアクションを取る。机叩く音と一緒に自身の肩抱いて情けない悲鳴上げて降参しかけたものの、彼のテンションの急カーブに口で放つ効果音と共にズッコケジェスチャー、）なぁにそれ…怖…、ファンの二面性が怖い…！…でもしおらしゅうてめちゃ可愛いやんなぁ…？おうおう、ありがとお、住所んとこ部屋番号ちゃんと書いといてな？こんな可愛いファン食うたらなあかんわ、顔も好みやし（にこやかに手を振ってファンサービス、からのするり腰を抱いて真顔でポツリ／）
……うん、うん、店に…謝ってな。一緒に、お前が居らんと嫌や……どこへも行かんで、お願い。……もう…置いて行かんで…ろしょお（盧笙が笑った、良かった。一緒に笑いたいのに安心したら今度は何故か自分の肩が小刻みに震え出した、今まで誰にも言えなかった我慢していた感情が、欲が溢れ出てしまう。緊張の糸を張り詰め直すべく、ぐず、と小さく鼻をすすってギリギリと歯を食いしばって顔を上げるのに震えが止まらない。次から次へと大粒の温かい滴が溢れて頬を伝い握った手を濡らし、頭を寄せたせいで彼の肩を濡らし染みを作った。直ぐ横の大切な彼の体温を感じながら、俺は盧笙が居らんと泣けへんのやな…と思う。彼が居るから弱い部分も出せる、とことん甘えて縋ることもできる、その相方は彼でなければ…盧笙じゃないといけない。しんどかった、嬉しい、幸せ、好き、ありがとう、色んな感情が一緒くたになっていて、流石の俺も捌ききれんわ…聖徳太子ちゃうねんぞ、と心の中で突っ込みながら、あー口に出したい、絶対おもんなって言って笑ってくれるのに、と余計な事を考える余裕が出てきた。感情の割合を測ってみると幸せが90%くらい、残りの10%は今思い付いた聖徳太子ネタを言いたい。子どもみたいに掠れた涙声で彼への欲を吐露した後、聖徳太子のお陰で出来た余裕を味方につけて涙の合間に、ふへぇ、と気の抜けた笑みを零し肩抱いた腕に再びぎゅう、と力を込める）それはこっちの台詞や、…おおきに、盧笙。ありがとお、ありがとおな。

…うん、お前に言うても無駄やったわ。俺に甘過ぎんねんな（ふは、）いやちょお、待て待て待て。ちょっとは遠慮せぇ！なんでバーガー３つやねん！欲張りさんか！今時のYouTuberみたいな、‘高校教師がただマクドの全メニューを食べるだけ’とかやるつもりか！…ええわ、それは乗った。じゃあもうサービスや、今言うたやつ×３ずつ全部買うたるわ（彼の頭からはみ出た？マーク一つ手に取って説明しようとしたが、量の多さに放棄、ポイッ。淡々と挙げられるリストにフェードインでストップ掛けて透かさず突っ込み、間髪入れずにボ.ケ繰り出して）シェイクは俺も飲みたいから×６やな…。
騙される方が悪いんですー！おー、ええぞ？俺の溢れんばかりの愛情で返したるわ！ほれ、唇貸せや！（二人して床へ倒れ込みながら器用に両脚を胴へ、両腕を首に巻き付けその体勢は宛ら蝉やコアラ。がっちり引っ付いてはニヒヒ下品に笑ってちゅちゅちゅ、と唇寄せて）


おはよおさーん、先寝てもうた（欠伸くあ、）
盧笙また夜更かししてへんやろな…。

おはようさん、というかもうこんにちはやな（ふは、）…あー……まあ、その、なんや…すまん、ちょっとばかし夜更かしして書類整理しとった。言うてそんな長い時間起きてへんよ、うん（目逸らし、）

今出先やさかい長いのは返せんけど、雑談やったら出来るからな（こくり、）

　

俺もさ、いっぺん5時に目ぇ覚めてんけど…返事考えとったら寝てたわ（たはは、）いや謝るような事やないけどさ、ちゃんと休めてんならええねん。え、ちょっと、あれ盧笙みたいに口煩く言うたりせんから目ぇ逸らさんといてよ（?つん、）

俺もちょうど今出たとこでな。盧笙の邪魔ならん程度に付き合わさせてーな（にひ、）

ぶは、まだ寝惚けとんのやろか。
？んとこ、‘頬’やわ。別に‘？’でも意味通じんワケでもないけど、一応報告！よろしゅう（手ひらり、）

いや、流石に5時は早いな？そりゃ二度寝して正解やわ（ふ、）…アホ、俺みたいに口煩くて何やねん。俺だって好きであれこれ言ってるんちゃうぞ、全部簓のためを思ってやな…（ぶつぶつ、／つつかれてはちらり、）

おー、そうか。こちらこそ、返事は簓の手隙の時でええからな。緩々話そ（くふ、）

　

3時から4時くらいまで…返信ポチポチ打っとって、そんでうとうとーって寝落ちして、5時。やな…久々にご近所さんとこ配達してる新聞屋さん見てもうたもんなぁ（はは、）んっふふ、知ってるわ、わかってますよぉーて。愛やもんな…ア、イ（にへら、／語尾にハート付けて横へぴとり）

おう、おおきに、そっちもな。緩々行こか、緩々…ゆるゆるってなんや響きがかわええなぁ（ふは、）

…いやいや、俺に夜更かし指摘する前にお前の方こそしっかり寝てほしいわこんアホ（むむ、）ぐっ……やめぇ！あ、愛…（小声）とかそ、そんな…お、俺の何を知ってるっちゅうんや！（ぎゃん、噛み付くように言葉漏らしじとり見詰め／※違うとは言わない）

はぁ…ただいま。緩々行こ思たけど存外返信する暇がなかったわ…（眉下げ肩落とし）まだ書類整理残ってるもんで、今日はこのまま雑談だけさせてな。

　

お前の事なら…何でも知ってんで…、‘愛’方やもんな。（キリッ、）えぇ？ちゃうの？愛やなったらなんなのよ！躾とか言いよったらシバくでぇ…（ぎゅっと引っ付いてぎゃん、／詰め寄りつつニヤリ、手わきわき…）　

かまへんで、お疲れさん。おかえり、盧笙（背中ぽふり、）ん、横で大人しゅうしとるわ。返事、無理せんでええからな（温かい淹れ立てコーヒーすすっ。自分もマグカップ持って横へ／※中はが◯飲みメロンソーダ、）

上手いこと言うたみたいな顔すな（額ぺしり、）そうや、よう分かっとるなぁ自分。家に迎え入れてはや数週間、可愛いペットにもそろそろ躾が必要やからな…（うんうん、／宥めるように顎撫でぇ…）

簓こそお疲れさん（背中に感じる体温に頬緩め、）ええ子、ありがとおな。…お前の相手すんのに無理とかそんなんする必要ないわ、寧ろ楽しみにしてる。元気も出るしな（コーヒー受け取り一口、至福の溜め息ひとつ）

　

あだッ！上手かったやろ今のはぁ（ぶう、）はや数週間…やないねん、染み染みすな！んなっ…ペットちゃう言うとんのに…！怒ったぞ、おんどれ…ええ度胸しとるやんけぇ、歯ぁ食いしばれよ…！（かっちーん、ニコニコと黒笑／わきわきした手彼の脇下へずぼっ、こちょこちょ開始）

……ほんま、ナチュラルに子ども扱いすんなぁ。ま、盧笙にええ子やなーって褒められるの好きやからええけど…（マグカップ口に付けずずず、）…ふふ、それ俺も一緒や（ひひ、）

ひっ！？――あ、っはははは！ ン、ぅ…ふふっ、簓待てッ、こんアホぉ！ ちょお、おねが、ぁ……待ってって、言うとるやんかぁ…！（ひいひいと笑いに喘ぎながらかの魔の手から逃れようと背中弓形に反らし彼の手ばしばし叩き、／擽られ耐性ゼロ）

うん、好きやろなぁ思て、ついな。…あんまりやったら怒る？（くふ、）なら良かった。平日はお前と話すん楽しみに頑張ってるよ。仕事は嫌いちゃうけど、お前の傍が一番気ぃ楽で…（さらさらペン走らせつつ、ぽつり）