白膠木簓 2019-10-03 21:10:21 ID:c50696174 |
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アホ言うなこんアホッ、お蔭さんで調子良いわどうもおおきに!てか顔芸しとる顔がブッサイク言うとんねん、お前の素の顔がイケメンなんは誰かに言われんでも昔からよう知っとるわボ.ケぇ! おーおー、わかったわきっちり覚えとくさかい安心せぇ(喚く彼につられて大きくなる声、鋭い突っ込みかと思いきやその口から放たれるのはただの惚気。続けて愛零した相手にぐっ、と怯んでは咄嗟に対抗)お、俺だって負けてへんで!お前の出とる番組にラジオに雑誌にその他諸々全部目ぇに焼き付けとる!
っ……え、今聴くん?…ま、待って、いきなりはあかんて…!(拳が近付けばきゅ、と目を瞑る。軽く額に当てられたそれを再び目蓋開いて目で追えば、さらりスマホを繰るのが見えた。早い方がいい、というのはまさか――軽快に流れ始めた音楽はそのまさか、止める暇なんて端からなかった。穏やかな歌い始めから一層くしゃりと歪む顔、唇噛み締め背を丸める。引き摺り出される暗い思い出。歌詞を読めば読むほど頭を過ぎる悲しい思い出。……そこでふと、日が射した気がした。包み込まれる拳、肩に触れる腕、その体温。撫でる手の感触、ふわり舞う彼の匂いにやわこい声。甘く胸広がるその言葉に先程まで堪えられた涙がぽたり、静かに落ちた。途端、堰を切って次から次へと溢れ出す。自分でもわかってはいたのだ。昔の思い出が辛いこと悲しいことばかりじゃないことを。それでも、彼への負い目引け目に囚われて楽しい思い出に昇華することはなかなか出来なかった。…勿論後悔なんてしていない。ピンとなった簓はそれはもう非の打ち所がないほど面白くて。解散を選んだのは間違いじゃなかった。それでも、あの時何も言わずに別れてくれた彼の胸中は、当時なら兎も角として今は痛い程によくわかる。…ごめんなぁ、簓。ひくりしゃくりあげ、鼻声で紡ぐ言葉。ごめん。もう一度。強く握ったままの拳をゆっくりと開いていく。そうしてそっと彼の手に絡める。嗚咽を零し、声を上げて泣くのは子供の時分以来だった。身体を傾け彼に寄り掛かり、そしてようやく大好きな音楽に耳を傾けることが出来た。涙を零しながらぼんやりと、ではあるが)…お前とおったらおもろいわ。……うん、次聴く時も一緒な。俺の隣だってずっとお前だけや。お前以外何もいらんわ。……なぁ簓。一個、俺のワガママ聞いてや。…今度な、指輪買いに行きたい。お揃いの。お前みたいにきらきらしとるやつ。
はい、おそまつさんでした。…ほんま、人に甘えんの上手なやっちゃ……(何だかんだと絆されて甘い対応をしてしまう自分に対して零す溜め息一つ分。彼に呆れて笑いが溢れる。空になった容器やその蓋やらをビニール袋にゴミとしてまとめ、相手の幸せそうな表情何処か嬉しそうに眺め)
また親父ギャグか……もう突っ込まんで。って、いや、待って、そんな傷付けるつもりはなかってん…。え、ほんまに辛いんか?(この反応は本当にあかんやつか?…無駄に演技力あるもんやからわからん、どないしよ。おろ、と彷徨わせた手。眉八の字にしたまま不安げにそっと彼の背撫で)
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