三丁目のミケネコさん 2025-12-29 21:12:59 |
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(看護師や医者達に一先ずは歓迎された様でホッとしていると、1人の看護師が自分の方に向かって歩いてきて。研修初日から何か言われるのかと一瞬ドキッ、と心臓が跳ねるが、どうやら自分についての指摘等では無い様で。“医者としての腕は本物で完璧なんだけど…”?何だろう、その不穏な言い回しは…と思っていると後ろから声をかけられて思わず“ひゃ、”なんて声と共に肩が跳ねる。だが張り詰めたものを感じているのは自分だけでは無い様で、先程とは打って変わってシン、と静まり返ってしまったステーション内へ視線を彷徨わせる事となってしまう。一先ず何か、と『おはよう、ございます』と挨拶をしつつふと目が合ったその瞬間、爆速で記憶がフラッシュバックした。その、かつて見たものとは少し違うがこちらへ笑いかける笑顔。もしかして今目の前にいる人は幼少期に自分の憧れていたお医者さん本人では無いのだろうか?しかし決めつけて確認してもし間違っていたら、この先の長い研修期間を乗り越えられない位のダメージを負ってしまう事になる。…ここは一先ず我慢だ。そう自分に言い聞かせるとひとつ呼吸を置き、微妙な空気感を跳ね除ける様に元気よく下記を言って)
蜂鳥先生、ですね!心臓血管外科なんて、格好良い科で腕前完璧なんて尊敬します。…研修医の俺が言うのも何ですけど。改めてよろしくお願いします!
(/こちら恐らく年内最後のロルになりますかね。年始挟んでバタバタになってしまうかと思いますがひとつひとつ丁寧にお返事していきたいと思いますので、よろしくお願いします!)
(先程までは肩に力が入り、とても緊張している様子だったのに、打って変わって若さを感じる元気のいい爽やかな声を浴びせられると圧倒され、驚いた様子で僅かに目を瞠って。それは、彼だけでなくステーションの空気も丸ごと呑み込んだ。同様に驚いている者、微笑ましそうに見ている者もいれば、ビクビク震える者、面白そうな顔をする者もいて。他がどう思っているかは分からないが、第一印象としては〝優しそうで可愛らしい子〟そういう子は嫌いじゃないし、世間一般の評価は高いうえ、患者や先輩受けも良いだろう。ただ、────自分との相性は正直最悪。これは個人の主観でもあるが、優しい子は傷つきやすいしそれを発散することを不得意とする子が多いように思う。悲しくないといえば嘘になるけれど、"僕の悪口なら遠慮なく言ってくれてもいいのに"と考えていて。故に自分の言葉でこの先、この子を深く傷付けてしまうようなことがあったらこの子は立ち直れるのだろうか、僕を踏み台にしてくれるのだろうかと少々不安…/かといい、任されたからには手は抜けない性分だった。褪せた黒目を少し細め、複雑な感情が入り組んだなんとも名状しがたい表情を一瞬だけ見せた後、褒めてもらったことへの返事として、にこりと笑みを浮かべながらも謙遜を見せ、下記を尋ねてみて。)
いえいえ、そんな、、僕はただ、心臓が好きなだけですから。
─────叶さんは、どうして医者になろうと?
/あけましておめでとうございます!始まったばかりではありますが、こちらこそ、今年もよろしくお願い致します> <
心臓が好き…素敵な理由だと思います。僕は…子どもの頃にとても優しくして貰って、そのお医者さんにずっと憧れていたんです。…蜂鳥先生に少し似ているんですけど
(相手から話された理由は、自分からすると少し不思議な理由で。“心臓が好き”とは一体どういう事だろうか…と一瞬思考を巡らせて眉間に皺が寄るも、すぐさまそれを元に戻してはまたにっこりと笑いかけて上記を述べる。幼少期からずっと“トロい”だの、“ダサい”だのと虐められてきた自分にとって、極力いじめっ子から暴力や精神的な攻撃を受けない方法として自身の身体に叩き込んできたのがご機嫌取りだった。自分の中の負の感情や嫌悪感等相手の気を悪くする様なものを全て良い感情に置き換えて、それのみを自分から発信する様にする。そうすれば相手は多少虫の居所が悪くてもこちらに向くものは最低限で済むからだ。自分のそういった感情を飲み込む事で自分が苦しくなっても、外部から受ける傷がその何倍も痛いので我慢出来た。あの人、素敵なお医者さんに会って自分の中の考え方が変わった今でも、十数年生きてきた中で染みついたその習慣は簡単に拭える物では無かったし、きっとこれからもそれは覆る事は無いと確信している。そうして少しの間があって、朝礼が終わった看護師や医師がそれぞれの持ち場に動き出しステーション内がまた騒がしくなり始めた。笑顔を貼り付けていても身体は正直でドクドクと心臓が跳ねているが、何かしないと始まらないので下記を言って)
えっと…蜂鳥先生!俺は最初は外科って聞いたんですけど…もう行っても大丈夫ですか?
(/明けましておめでとう御座います!こちらこそ、これからもよろしくお願い致します)
──────僕に似てるのかい、?
(「へぇ、そう……。」と静かに貴方の話に耳を傾けていたのだが、意外なワードについツッコミをいれ、更には少し敬語が崩れてしまった。記憶力は良い方だと思う。特に、自分が担当した大切な患者のことなら何百、何千、何万と数がいて流石に数えられはしないものの、誰一人だって完全に忘れるということは無く、頭の片隅にはちゃんと残っている。顎に指先を添えては考える仕草を作り、一つ、また一つと紐解いていくように過去の記憶を辿ってみて。)
っと…んん"、失礼。勿論です。では行きましょうか。
(───────思い出した。忘れるはずなんて無い。なぜ最初に気づかなかったんだろう。あれは約13年前のこと。貴方と出会ったのは、自分がまだ研修医だった頃だろうか。事故が原因で運ばれてきた、自分の感情を押し56しているようにも見える、その歳に見合わない苦しみと悲しみを抱えているかのような、ボロボロな少年。生憎、自分は医療一筋だったもので、その頃の中学生の少年が好きなものなんて分からなかったし、効果があったのかもイマイチだったものの、自分なりに精一杯手を尽くしたと思う。次の年の初詣でにて参拝でも、「あの子のこれからが、輝かしいものでありますように。」と祈ったことを、今でも鮮明に覚えている。まるで、映画にでもありそうなドラマチックな展開に、流石に驚きが隠し切れない。色々と感慨深いものがあるが、一番は、「 生きてくれていて良かった 」。勿論、体だけでなく心もという意味で。そして、貴方が話してくれたその事実一つで、自分の人生の全てが報われたような気もした。怒涛の展開で存在感が薄れているが、ずっと覚えていてくれたのもとても嬉しい。親戚の叔父さん気分を現在体感中、今すぐにでも、「…っ~~!!久しぶり、雄政くん。元気にしてたの?こんなに成長して…!」といきたいところ/が、そうもいかない。とても重要なことなので自分に言い聞かせる為にももう一度、残念ながらそうはいかない。貴方からの言葉にハッとすると、咳払いで濁しつつ、感情を飲み込みながら、それでも何処かご機嫌なのが少し垣間見える様子で、るんるんと歩き始めて。)
俺はそのお医者さんのお陰で、今もこうして生きてるんですよ。優しくしてくれた事、元気付けてくれた事、今でもちゃんと憶えています。っだって、…ねぇ…
(こうして話していると、やはり声もあのお医者さんそっくりだ。けれど、改めて見るとあの時の優しい面影は今は薄れてしまった様にも見える。まぁ医療現場というものはーー他の仕事こそ楽しいことばかりだとは限らないがーー辛い事や痛みが伴う対応の方が多いのは事実だろうから、自分と会っていない期間に色々と会ったのだろうな…とそこは妙に納得してしまって。それよりも長年の苦労の中で自分に染みついた思考で今は自分がどうして憧れだけでここまで来られたのかを話す方が2人にとっては良いだろうと考えては、上記を話し途中まで言いかけて咄嗟に口をつぐむ。自分はあの頃から変われた筈なのに、もうあの暗い過去からはオサラバした筈なのに、新しい生活へとあの日々が影を落とそうとする度に思考が止まってしまう。こんなんじゃダメだ、やっと憧れの人と同じ舞台に立てたのだからこれから頑張らなくては…と無理矢理顔を上げると先程の堅苦しい雰囲気から一変、相手の顔が少し嬉しそうに見えた。もしかして相手も、全て表には出さないが自分との再会を喜んでくれている?…なんてそこまでは決めつけ過ぎかと思わず吹き出してしまい、少しだけ心が軽くなった。そうして深く息を吸い込み、気持ちを落ち着けていると廊下ですれ違った他の医者から『叶先生、だね。今から新患の診察だから一緒に来る?色々聞けるからきっと勉強になるよ』と声をかけられ)
…あ、えっと蜂鳥先生…一緒に行ってきても良いですか?
(/すみません背後医療知識がそこまで無くて、これまでのロルも少し前に観た研修医のドラマの内容を思い出したりネットで調べたりしながら回しているのですが、違和感とか有りましたら何なりと指摘して下さい!)
…後で報告するように。
(似てると指摘されたものの、その先生の正体が自分だということは、まだ貴方にバレていないと考えていて。なぜなら、約13年も経った上に、喋り方から何まで変えているから。どう接すれば良いのか、余計に分からなくなってしまった。平常心、平常心…通常運転、そう自分に何度も繰り返し唱える。今日は外科の研修だと聞いたので、折角なら案内しようと思ったのだが────…こうなると、自分の出番は無いに等しい。容赦しないというのは確かにそうなのだが、方針として強制するつもりは無く、本人の意思を尊重することに重きを置く。塞ぎ込んでいたあの少年が、手厳しそうな年上を前に、自分の意思を素直に伝える姿に自然と口角を緩め、温かな眼差しで見据えては、去り際に一言。あの頃と何一つ変わっていない、優しさを帯びた言葉を貴方に。)
…研修、頑張ってね。いってらっしゃい。
/(こちらこそ…!同じ状況なので安心してください!一部心臓系の知識以外は元々全然無いので、違和感あったらすいません> < 遠慮なく指摘してもらえると…!)
解りました。終わったらまた探しに行きますね
(色々と不安な事も多いこの研修で、この人が同じ職場にいるのは大分心強いな…と考えつつ上記を言い。先程声をかけて来た医者と一緒に貴方に一礼してからその場を去ろうとすると、ふとかけられた暖かい言葉。…やっぱり、この人は自分がずっと大好きだったあのお医者さんに違いない。ぎゅん、と心拍数が上昇していくのが解ると、同時に顔が熱くなっていくのも感じて。さっさと確認してこの気持ちを楽にしてしまいたい思いもあるが、それはまたもう少しじっくり時間を置いてからにしようかなという思いも少なからずある訳で。一先ずこの場を別れて診察室に一緒に入らなければと『はい、頑張ります!』と返事をしては医者と一緒に歩き出し。その後は診察室で色々な話を聞いて、『痛いよね…』『頑張ろうね』と話している内にどれもに感情移入してしまい、再び貴方と会う頃には目に見えてペショ…と、しぼんでしまっている事だろう)
はちどり、先生…一旦戻りました…
(/解りました!お互い確かめながら、余りにも難しい事は程々で行きましょう!蹴り可です、)
おかえりなさい。
……………?、、
(貴方が自分の元から離れた後、何もしていないなんてことは勿論なく色々していたのだが、その一つとして書類を作成をしたこともあり、現在は眼鏡を着用していて。自分の名前が耳に入ってくると其方を向き、双眸に捉える。そこには予想外の貴方の様子…/──────何かあったのだろうか?と、思わず眉を顰めたがすぐさまそれを元に戻して、不思議そうに少しだけ、目をぱちくりとさせる。最初は戸惑ってしまったものの、数秒すると十分に情報が頭の中で処理されてきて。覇気のない声、悲しみを湛える瞳、、どうやらへこんでいる様子。"この子、凄い分かりやすいな…"と、あの頃とは違いもう貴方は立派な大人なのに、それがなんだかとても幼く可愛らしく見えて、思わず口角が緩んでしまいそうになるのをグッと抑える。患者や医者問わず、人が大勢いる此処で話すのもどうかと思い、一先ずは場所を変えようと考えたようで、「ついてきて。」とだけ伝えては、貴方の性格的に大丈夫だと考え、返事を聞くこと無しに歩き出し、誘導。トントンと靴音が響き、辺りが静寂に包まれてくると、ピタリと足を止めて下記を尋ね。)
……それで、一体どうしたんですか。初めての研修の感想は?
(貴方のいるステーションに戻って来て数分、どうやらこちらの様子を察したらしい貴方に誘導されると素直に着いて行き。そんなに目に見えて落ち込んでいたのだろうか…とショックを受ける反面、また貴方の優しさに触れられる事をとても嬉しく思っていて。トボトボと少し歩いていくと段々人の気配が少なくなっていき、ざわざわと先程まで落ち着かなかった呼吸や頭の中の感情も少しずつ落ち着いていくのが自分でも解った。そうして貴方がぴたりと足を止めると、それに倣う様に自分も貴方のほんの少し後ろで足を止めた。それから問い掛けられた言葉は、こちらを気遣うものでもあり、何だか医者としての能力を見極められる様な品定めをされているかの様な雰囲気を感じさせるものでもあり。だがここで理由を偽った所で、もし別な場所や危険な場面で何かに影響が出れば困るのは自分だけでは無い。それがチーム医療…即ち集団の1人として働く事なのだから…と考えては白衣の胸元をぎゅっと握り締める。また過去を思い出す引き金を引かない様、慎重に言葉を選びながら下記を貴方に伝えて)
…なんか俺凄く、人の負の感情っていうのかな、そういうの受け取り易いみたいなんです…共感し易いのかな…子どもの時とか学校で演習とかやっている時は何とも無かったし、実習もやるべき事をやるだけだって必死で気付かなくて、今日初日でようやく自覚したというか…情けない話なんですけど….色々な痛みとかの話聞いてる内にどうしても悲しくなってきちゃって…
─────貴方は、感情移入しやすいことを、共感することを"悪"だと思っているのですか?
(「そう…。」と小さく相槌を打ちながら、貴方の話に静かに耳を傾ける。今に始まったことではない、その自分を軽視する態度もだが、〝情けない〟という言葉、心咎め、後ろめたさを抱えている確固たる証拠。年月が過ぎても傷跡は焼き付くように残り、反芻しては苦しみ、過去に縛り付けられているのだろうか。慧眼はそれを決して逃がさなかった。これからの貴方の医者としての生活のためにも、自己肯定感を上げ、その考え方を根本から和らげる必要があると考えた。指導医として、貴方を大切に思う一人の人間として、成すべきことを成そうと思う。……ゆっくり、じっくり、色々なことを沢山教えてあげたいのが本音ではあるけれど、自分にはあまり時間が残されていないし、そうでなかったとしても善は急げ、早いに越したことはないのだろう。訪れた静寂、貴方の瞳を見据えるとそれを破り、一つ一つ紐解くように、ゆっくりと言葉を紡ぎ始めて。)
……僕達医者は、体を治すことが出来ても、直接的に患者の心の傷を治すことはできません。だからこそ、貴方のそれには価値がある。今まできっと、辛いことを沢山経験してきたからこそ、他人の痛みもわかるんでしょう。その優しさと強さはきっと、不安を抱える患者さんの心にも寄り添うことができます。人間という生物は、考え方や境遇が違えど、嬉しかったこと、悲しかったこと、面白かったこと、痛みすらも全て…誰かに共感してもらえると、安心や満足感を得られる生物です。この作用の効果がもたらすものは、世間という広い目で見ると良くも悪くも、五分五分なのかもしれませんが、、此処では肝要で、根幹を成すものでもあると僕は思います。
(「勿論、この広い世界には千差万別の人々がいますから、全員とは言えませんが、、少なくとも、今貴方の目の前にも、そういう人間がいるんですよ。」と少しだけ穏やかな微笑を零して、綺麗な言葉だけで無く現実を付け加える。自分の幼い頃の担当医も貴方のような人だった。手探り、曖昧、僕の言いたいことは伝わっているだろうかと、不安にもなる。貴方は素敵な人なのだから、もっと自信を持って欲しい。自分のことを否定しないであげて欲しい。幼い頃からの憧れの人の言葉なら、貴方に届くのだろうか。小さく息を吐くと、仕事モードとして常に纏っている緊張感を薄れさせる。親しい関係の年下、子どもの患者と接する時、プライベートではデフォルトの穏やかで優しい声、要は素に切り替えて。)
……雄政くん。僕はね、素敵だと思うよ。君のその___どうしようもないくらい優しいところ。
だから、否定しないであげて欲しいんだ。…ね?
そ、れは…
(悪。その言葉を聞いた瞬間、自分の胸がぎゅっと締め付けられるのが解った。勿論医療従事者を志す者として、怪我や病気を治す傍らメンタルのケアが重要視されるのは当然知っている。だが、相手の気持ちに寄り添う事が必ずしも良い方向へ向かうとは限らないという考えも自分のこれまでの経験上湧いてくるもので。完全にその可能性を否定出来ないのなら、今ここで自分が何か言うべきでは無いとその先を紡ぐことは無く貴方が話しているのを黙って聞いていて。すると貴方から続けられた話は、自分を否定するでも無く何かを強制させるでも無く、ひとつひとつ壊れてしまわない様に優しくほぐされていく様な素敵な言葉選びで、思わず自分の頬を一筋の涙が伝う。それに気付くと咄嗟に貴方から顔を逸らし、素早く拭うとまた貴方の方へ向き直った。すると続けられた貴方の言葉は、それまでとはまた少し違う柔らかく自分を包み込んでくれる様な言葉で自然と笑みが溢れる。あの頃とは少し変わってしまったけれど、やっぱりこの人は自分のかつての憧れであり、目標だ。自分の憧れのこの人の笑顔を自分が絶対に崩してはいけないし、そういう事が起きない様に自分はもっと強くならなくてはいけないな…と考えては元気を取り戻した様子で下記を言い頭を下げて)
…そうですね。色々な痛みや悲しみを受けてもそれを包み込んで大事にしてあげられるぐらい、俺も強くならないと!話聞いて頂いて、ありがとうございます
……君って子は本当に、、
(困ったように眉を八の字にするが、貴方を見据える眼差しは微笑んでいるようにも見える、親が子どもに向けるような温もりに満ち溢れたもの。「別に、無理はしなくていいですからね。泣きたい時は、気が済むまで泣いたらいい。」とも話して。)
初日なら及第点か、、いいでしょう。今は少し忙しくてね…何か聞きたいことがあるなら、○時から○時辺りを目安に、また僕のところに来てください。それと─────…(/以下省略)
……はい、僕からの話はこれで終わりです。
貴方にもこんな所で長々話している暇はないでしょう。午後に支障がでないよう、昼食は取るように。
(今伝えておく必要のあることを全て簡潔にまとめて伝えた。別に、貴方といる時間が苦な訳では無い。表情がコロコロ変わる貴方、子どもの頃よりも成長した箇所を度々披露してくれる貴方、むしろ実に愉快で楽しいし、なんだか胸がポカポカする。では何故か、理由を簡潔に言うと、自分といる時間で貴方を縛りたくないだけ。研修医同士でご飯を食べたりして、仲を深めて欲しいと思うからで。)
午後からの研修も頑張ってくださいね。
……いってらっしゃい。
(もしや呆れられてしまったのだろうか眉を下げるのを見ていると、ちくり、と胸が痛くなった。しかしすぐさま続けられた言葉でまた心が軽くなり、上下に揺さぶられる気持ちに振り回されて返事の代わりに力無く『ふへ』なんて情けない笑いが出た。だがその後の必要事項は、いじめっ子時代に培われたメモ能力で素早くポーチからメモ帳とボールペンを取り出せばサラサラと説明された事を一言一句逃さないように大切に書き記していって。それが終わると一旦手ぶらに戻り、改めて貴方の顔を見つめる。メガネはいつもかけているのだろうか、朝にステーションで会った時はかけてなかったような…にしてもかっこいいな…なんて少し意識がそちらへ傾けば無意識に顔がニヤけて、『へへ、』とか『っふ、』とかいう言葉になり切らない音が自分の口から漏れ出ていって。可笑しな奴だと思われたら距離を取られてしまうやも知れないとなんとか通常運転に戻すと、続けられた言葉には大きく頷いて返事を返し)
はい、午後も頑張りまっす!先生も疲れの出ないよう、言われた時間にまた話しましょう!
(言ってしまってから、ただ貴方と話す時間を作りたいだけで仕事熱心じゃ無いとか思われたりするだろうかと一瞬思ったが、貴方がそんな風に相手を品定めする様な人では無いだろうという確信が何故かあるので、言ってしまった事は取り消さず。続けて空気を誤魔化す為に手でも握ってしまおうかと思ったが、いよいよ止まらなくなりそうなので今はやめておく。お昼ご飯は弁当を用意してきているので、ロッカーに取りに行って研修医仲間と食べようと『また後で』とぺこりと頭を下げてその場を後にしつつ、一度振り返ると貴方と目を合わせ小さく数回手を振り)
?………、、
(貴方が見えなくなるまでは見届けようと無言で見守っていたのだが、一度此方に振り返って貴方から自分に向けて手を振られると、目をぱちくりとさせ少し戸惑いながらも、小さく手を振り返してみて。)
(─────…数時間後。辺りは薄暗く、夜の帳が落ち始める頃。貴方と話す時間を設けるために出来るだけ先に業務を終わらせ、時間を作った。友人のように特に会話が弾む訳でも無いんだろうが、此方からするとちょっぴりワクワク…。なぜなら、あの頃よりも遥かに成長した貴方を見ているだけで心が満たされる、満足できてしまうからだ。仕事時、普段は4んだ魚、濁った水面のような瞳をしているのに、今は何処か無邪気で楽しげな色が溶け込んでいる。昔は患者や同僚、区別すること無く素の自分で、医者としての腕も申し分無し、おまけに容姿も優れていて非の打ち所が無い聖人君子のような存在。しかし、突然、能力が急上達、一抜けして、容姿は変わらないものの、性格がまるで変わってしまったというのが現在の蜂鳥という人物。この病院の触れてはいけないとされる七つの禁忌の一つ。周りから見たら不気味な光景。ステーションにて、時計を見ると約束の時間。さて、貴方は遅刻せずに来てくれるんだろうかと当の本人は自分の様子が普段と少し変わっているだなんて気にもしていないので、気楽に軽食に食塩無添加のナッツを食べながら待っていて。)
(去り際、貴方から手を振り返されると歩きながらサイレントで小さくガッツポーズをして。昼食を食べた後は外科のフロアにて処置の手伝いをしたり、リハビリ室でサポートをしたりしていて。約束の時間が近付くと、真面目に仕事をこなしながらもワクワクする気持ちが隠し切れなくなっていって。相手も同じだと良いな…なんて思いつつ、先程聞いた話を思い出しつつ残りの仕事を片付けると廊下を歩いてステーションまで戻り。その間行き交う患者や医者、看護師にぶつからない様にメモにまとめた事を見返しつつ歩いていて。あれも聞きたい、これも聞きたい…なんて考えていると、2人きりの時間を独り占めしたくて仕方なくなってしまい。だが初日からぐいぐい行ったら、きっと昔とは変わってしまったであろう貴方が着いていけなくなって自分から離れてしまうかも知れないので、ここはじっくりゆっくり世間話でもしながら距離を詰めていくに限るな…とあれこれ考えているとステーションに辿り着き)
蜂鳥先生ー?
(ひょこ、と顔を覗かせて時計を見ると約束の時間ぴったり。見回すと何処か少し上機嫌にも見える貴方の姿が目に止まり。これはまた、心に留めておきたい貴方の一面が増えるかもな…と内心ニヤニヤしながら歩いて近付いていき)
約束通り、○時ピッタリ───…いい子だね。んん"…失礼、上出来ですね。
(既に手に取っていたナッツを口の中に放り込んでしまっては、咀嚼した後にチラリと横目で時計を見て時間を確認すると、丁度ピッタリで「 うん… 」と小さく声を漏らして、それから、貴方の方へ目を向け上記を言い。やはり、貴方を前にすると、昔の感覚がどうしても抜けきれず、まるで子どもと話す時のように話してしまう自分がいるらしい。不覚にも気の緩みがあったようで、意図的では無くうっかり敬語が外れてしまった。まだ一応仕事中なのに…としょんぼり。プライベートまでこんな堅苦しい訳では勿論無いし、昔、あることを理由に一度始めてしまったことで後に引けなくなっているだけではあるものの、貴方にだけ仕事でも素で喋るなんて、周りからしてもあまりいい目で見られるとは思わない。そんな機会が訪れることも無いのかもしれないが、プライベートで貴方とお話出来る機会があるなら、是非してみたいなとも実は夢見ている自分がいて。)
……初日お疲れ様でした。何か僕に聞いておきたいことはありますか?今日は特に大きなオペも無く、僕も後は退勤するだけですから。時間はあまりお気になさらず、好きに聞いてください。
("それくらい調べろよ"というタイプでは無く、自分が教えた方が効率が良いと聞かれたことなら、一つ一つ丁寧に答えるだろう。)
(/聞きたいことは此方が答えた設定で進めてもらって大丈夫です!(蹴り可) )
やっと2人きり…え、いい子って言いました今?
(貴方に段々と近付いていくと自分の歳には不似合いな言葉が聞かれた気がして思わず聞き返してしまい。だがそういう扱いというのもこの歳の差ならまぁ仕方ない事なのかも知れないと、然程嫌な感じはしなかったので『へへ、まぁそんな事は良いんですけど』と言いつつ自分のデスクはまだ無いので、ステーション内のフリースペースの様になっているソファへ一緒に座ろうと伝えて。貴方が座るまでにいそいそとポケットからメモ帳を取り出しては仕事の合間で殴り書きだがかろうじて読めるその字を追っていき。そうして貴方から労いの言葉がかけられると、またもや『ふへ』、『ふふ』と嬉しさの隠し切れない音が口から溢れて。そうか、これからどちらかが切り上げるまでずっと2人の時間なんだ…と思うと嬉しさで中々頭が回らなくなってくる。だがそこは曲がりなりにも医者の端くれとして、これではいけないと自分を奮い立たせると、時間の許す限り色々な今日ぶち当たった疑問を貴方にぶつけていって。そのどれもに本当に丁寧に答えてくれる貴方の言葉を相槌を打ちながらメモ帳に書き残す。そうして貴方の説明が終わると、こちらもメモの手を止めて膝に手を置いて改めて貴方の顔をじっと見つめ)
改めて初日から色々とありがとうございます。色々と至らない点も多いかと思いますが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします!
(言い切るとぺこりと座ったままお辞儀をして。ぱっ、と顔を上げると、改めて自分達以外に誰もステーションにいない事を注意深く確認し、この日1日中頭の片隅で考えていたある事を実行しようと思い立ち、ひとつ大きく深呼吸をしてから下記を伝え、自分は貴方に背中を向けてある箇所を示し、言い切るとドキドキしながら貴方の反応を待っていて)
…嫌だったら断って大丈夫なんですけど、もし良かったらあの時の傷まだ残ってるんで、触って貰っても良いですか?もしかしたら、その感触であの時のお医者さんと蜂鳥先生が同じ人かどうか判るかも知れないな、って…い、嫌だったら全然大丈夫です!確かめる方法は他に幾らでもあるんで!
……はい。まずは焦らず、着実に進めていきましょうね。僕も精一杯、サポートしますから。
(自分の言ったことに相槌を打ちながらも器用にメモを一生懸命残す姿、"健気でいい子だな"と、思わず口角を緩めてしまいそうになるのを抑えながらも、丁寧に一つ一つ、砕いて分かりやすく質問に答える。今日一日を通し共通としていえることだが、時折、嬉しさが混じった音が貴方の口から溢れているような、そんな気がする。自分といる時間が、貴方にとって苦痛なものでないということをそれは示唆しているようで胸がじんわり、温もりを帯びていくのを感じた。「精一杯頑張りますので、よろしくお願いします。」という貴方の言葉に対して、上記を返し。打って出たが、果たして、自分は最後まで貴方の指導医でいられるのだろうか。その答えは火を見るより明らかな事で、きっと自分が一番理解している。考えるだけ無駄なこと、知らんぷりして。)
………?、、、構いませんよ。
(突然、貴方は大きく深呼吸をする。何を言い出すのかと思えばどうやらあの時の傷を自分に触って欲しいとのこと。予期せぬ出来事だったようで、流石にこれには動揺を隠しきれず、驚いたように少しだけ目を瞠る。そんなもので、自分だと分かるものなのだろうかと不思議に思いながらも、特に断る理由も無い。寧ろとても興味がある。昔よりも少し逞しい、大きなった貴方の背中が此方に向けられては"ふふっ…"と抑えきれず、子供の成長に胸を踊らせる親のように自然な笑みを零し、すっと目を細めると、まるで、薄氷に割れてしまわぬよう触れるかのように優しく、先程示された貴方の傷をそっと撫でてみて。)
(あれ程決心して自分から言い出したのにも関わらず、いざ貴方に触れられると至極緊張してしまい始めは感覚の違いなんて解らなかった。だがその時間が少しずつ長くなってくると、漸く自分の背中は神経を取り戻し始め。一本一本の指の腹にまで集中させると、何だか懐かしい様な温もりを感じた。昔よりはざらりとした冷たい感覚もあるが、それもかつての面影には到底届かない。あぁ、やっぱりーーこの人は自分がかつて憧れたお医者さんその人だと、ここにきてしっかりと確信が持てた。この2人だけの時間がどれだけ価値のあるものであるかという事を心ゆくまで堪能すると、自分の背中をまた白衣の奥へ隠しては貴方の方を向き直り)
…やっぱり、蜂鳥先生は俺の憧れの人です。こんな事でって思われるかも知れないですけど、今の感覚で確信が持てました。お久しぶりです、先生
(その表情は泣きそうでもあり、嬉しそうでもあり。唯一つ嫌悪感のみを映さない様子でそこにあって、真っ直ぐと貴方を見つめている。今日1日で色々な事があり過ぎて、頭に身体の方がついて行かないのがとてももどかしくて、それを整える為にまたひとつ大きく深呼吸をする。これからずっと同じ職場で仕事を続けられる事が本当に嬉しい、時間が許す限りずっと貴方と一緒にいたい。そんな事を語らずとも伝えようと、深呼吸の後はにっこりと笑って)
…………。そうですか、、
(どうやら、此方の正体に気づいたらしい。触れただけなのに、凄いな…どういう原理なんだろうと感心しながらも、貴方の今にも泣いてしまいそうな、嬉しそうな入り組んだ表情を見ていると、あの頃のように、頭を撫でて、抱きしめてあげたくなる。その後に見せてくれたにっこり笑顔で心が和む。そんな気持ちをなんとか後数分の辛抱だと思い抑えながら上記を返すと、「現在、かつての蜂鳥は此処では不在なんです。」と、にこりと告げる。こんなことを伝えたら困惑、貴方が理解に苦しむのは目に見えているが、病院から出てしまえば、仕事が終われば全て済む話。強行突破してしまおう。)
─────貴方がよろしければこの後、ご一緒に夕食でもいいがですか?
(貴方のような気立ての良い器の大きな人の〝憧れの人〟だなんていう名誉でとっても素敵な響き、僕が貰ってもいいんだろうかと思う反面、嬉しくて、嬉しくて堪らない事実も隠し切れない。一瞬、口角が緩み、顔が綻んでしまった。……結局、此方から誘ってしまったではないか。あくまで自分は貴方にとって憧れの人、憧れとは超えるためにある敬意の一種。大丈夫、と今のご時世にこんなことが脳裏に浮かぶのは老害の典型例なのかもしれないが、あくまで男同士、歳の差はなんと10歳以上。此方はアラフォー、もうすぐ40。年齢にかなり反する容姿で"お兄さん"が許されているものの、お世辞でも年齢を知られたら…いや?いけ、、る。わけない。許されない気する。とにかく、敬意が恋心に変わるなんてある訳ない。決して、歳の差や同性同士の恋愛を否定しているのではなく、これは確率のお話。まさにこの再会は、その確率の次元に到達する程に稀な特異のケースではあるが、、立て続けになんてそんな…ないない、ありえない。それに、今はただ貴方の話が聞きたい。残された僅かな余生に、自分に出来ることなら、何一つだって後悔を残したくない。そんな浅はかで甘い考えが、自分を突き動かしたのだった。)
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