三丁目のミケネコさん 2025-12-29 21:12:59 |
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─────貴方は、感情移入しやすいことを、共感することを"悪"だと思っているのですか?
(「そう…。」と小さく相槌を打ちながら、貴方の話に静かに耳を傾ける。今に始まったことではない、その自分を軽視する態度もだが、〝情けない〟という言葉、心咎め、後ろめたさを抱えている確固たる証拠。年月が過ぎても傷跡は焼き付くように残り、反芻しては苦しみ、過去に縛り付けられているのだろうか。慧眼はそれを決して逃がさなかった。これからの貴方の医者としての生活のためにも、自己肯定感を上げ、その考え方を根本から和らげる必要があると考えた。指導医として、貴方を大切に思う一人の人間として、成すべきことを成そうと思う。……ゆっくり、じっくり、色々なことを沢山教えてあげたいのが本音ではあるけれど、自分にはあまり時間が残されていないし、そうでなかったとしても善は急げ、早いに越したことはないのだろう。訪れた静寂、貴方の瞳を見据えるとそれを破り、一つ一つ紐解くように、ゆっくりと言葉を紡ぎ始めて。)
……僕達医者は、体を治すことが出来ても、直接的に患者の心の傷を治すことはできません。だからこそ、貴方のそれには価値がある。今まできっと、辛いことを沢山経験してきたからこそ、他人の痛みもわかるんでしょう。その優しさと強さはきっと、不安を抱える患者さんの心にも寄り添うことができます。人間という生物は、考え方や境遇が違えど、嬉しかったこと、悲しかったこと、面白かったこと、痛みすらも全て…誰かに共感してもらえると、安心や満足感を得られる生物です。この作用の効果がもたらすものは、世間という広い目で見ると良くも悪くも、五分五分なのかもしれませんが、、此処では肝要で、根幹を成すものでもあると僕は思います。
(「勿論、この広い世界には千差万別の人々がいますから、全員とは言えませんが、、少なくとも、今貴方の目の前にも、そういう人間がいるんですよ。」と少しだけ穏やかな微笑を零して、綺麗な言葉だけで無く現実を付け加える。自分の幼い頃の担当医も貴方のような人だった。手探り、曖昧、僕の言いたいことは伝わっているだろうかと、不安にもなる。貴方は素敵な人なのだから、もっと自信を持って欲しい。自分のことを否定しないであげて欲しい。幼い頃からの憧れの人の言葉なら、貴方に届くのだろうか。小さく息を吐くと、仕事モードとして常に纏っている緊張感を薄れさせる。親しい関係の年下、子どもの患者と接する時、プライベートではデフォルトの穏やかで優しい声、要は素に切り替えて。)
……雄政くん。僕はね、素敵だと思うよ。君のその___どうしようもないくらい優しいところ。
だから、否定しないであげて欲しいんだ。…ね?
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