三丁目のミケネコさん 2025-12-29 21:12:59 |
|
通報 |
──────僕に似てるのかい、?
(「へぇ、そう……。」と静かに貴方の話に耳を傾けていたのだが、意外なワードについツッコミをいれ、更には少し敬語が崩れてしまった。記憶力は良い方だと思う。特に、自分が担当した大切な患者のことなら何百、何千、何万と数がいて流石に数えられはしないものの、誰一人だって完全に忘れるということは無く、頭の片隅にはちゃんと残っている。顎に指先を添えては考える仕草を作り、一つ、また一つと紐解いていくように過去の記憶を辿ってみて。)
っと…んん"、失礼。勿論です。では行きましょうか。
(───────思い出した。忘れるはずなんて無い。なぜ最初に気づかなかったんだろう。あれは約13年前のこと。貴方と出会ったのは、自分がまだ研修医だった頃だろうか。事故が原因で運ばれてきた、自分の感情を押し56しているようにも見える、その歳に見合わない苦しみと悲しみを抱えているかのような、ボロボロな少年。生憎、自分は医療一筋だったもので、その頃の中学生の少年が好きなものなんて分からなかったし、効果があったのかもイマイチだったものの、自分なりに精一杯手を尽くしたと思う。次の年の初詣でにて参拝でも、「あの子のこれからが、輝かしいものでありますように。」と祈ったことを、今でも鮮明に覚えている。まるで、映画にでもありそうなドラマチックな展開に、流石に驚きが隠し切れない。色々と感慨深いものがあるが、一番は、「 生きてくれていて良かった 」。勿論、体だけでなく心もという意味で。そして、貴方が話してくれたその事実一つで、自分の人生の全てが報われたような気もした。怒涛の展開で存在感が薄れているが、ずっと覚えていてくれたのもとても嬉しい。親戚の叔父さん気分を現在体感中、今すぐにでも、「…っ~~!!久しぶり、雄政くん。元気にしてたの?こんなに成長して…!」といきたいところ/が、そうもいかない。とても重要なことなので自分に言い聞かせる為にももう一度、残念ながらそうはいかない。貴方からの言葉にハッとすると、咳払いで濁しつつ、感情を飲み込みながら、それでも何処かご機嫌なのが少し垣間見える様子で、るんるんと歩き始めて。)
| トピック検索 |