2人掛けの玉座 【〆】

____何してる、……次は風呂か？先に言っとくが一緒には入らんぞ。
(洗い場に到着するとスポンジをふん掴んで持ち込んだ食器を洗い始める。パニックになった末に口を突いて出た返事だったが、冷静に考えれば考えるほど先程のやりとりの意味が飲み込めてきて羞恥で顔に熱がこもってくる。ついにあいつが魔王だと振り切れなくなってしまった。未来にいたあのオーマジオウと先程までそばに居た常磐ソウゴはどうしても繋がらなくて、そして今あいつの特別でありたいと願ってしまっている。混乱してぐちゃぐちゃになった頭で叫び出しそうになるのを抑えながらいつもより強い力で食器を洗い終えると大きく深呼吸をする。洗い物のおかげで指先だけは冷たいが体はまだ熱っぽくてそれをなるべく逃がした。冷静に、いつも通りにと心で念じながらいつもの顰めっ面を作ると食卓へと戻る。そこには机に突っ伏す相手がいて、平静を装って声を掛ける。だが先手を撃とうと続けた言葉は焦って早口になってしまって)

…わ。ううん、何でもない。 流石にお風呂は大丈夫だって。俺、時間かかりそうだからゲイツ先に入ってきたら？
（一人になって考えるのは今日の出来事と先程のやり取りばかりで。最初は単に同世代の友達になりたくて仲良くなろうとしていたのに今では一般的な距離感よりもっと近い場所を求めている自分がいる。口から零れた願望もいつもみたいに魔王と馴れ合う気は無いと突き放してくれたら冗談だと笑い飛ばすことも出来たのに彼は顔を赤くて動揺しながらも否定はしなかった。もっとと欲深い自分に振り回されるこの感情の名前は未だ分からないままで。グルグルと一人悩みこんでいれば不意に声を掛けられ慌てて顔を上げ。そこには今まさに悩みの種であった彼が平然に見える顔でいて、動揺表に出そうなのを何とか隠して受け答えして。相手の言葉で風呂の問題があったことに気づくも流石に付き合わせる訳にも行かずに同意示し。手間取って時間がかかりそうと思えば先に入ってくるよう促し）

……そうでないと困る。そうだな、先に入ってくる。そのままで寝るなよ。
(こいつに限ってありえないが風呂も手伝って欲しいと言いだした暁にはどうしようかと思っていた。オムライスを食べさせ合うだけで心身ともにまともではなくなるのに、肌に直接触れるなんてできるわけがない。男同士ならなんてことのないはずの風呂も、今は入れる気はしなかった。相手の言うことに同意すると、余計な一言を置いて風呂場に向かう。体を洗って風呂に浸かる間今日あった出来事が目まぐるしく頭の中を巡る。相手の事を知りたいと願って、側にいて、新たな発見をする度に心が跳ねる。そして誰も近寄らなかった、あるいは近寄らせなかった自分のテリトリーの中にあいつがいてもまったく構わない。むしろ心地が良くて、そばに居ることを望んでいる自分のがいる。誰かと笑っていられることがこんなにも幸福だとは知らなかった。願わくば、ソウゴの未来を変えたい。あのオーマジオウになる未来を変えて、いつまでも隣に居たい。その願いを自分の中に隠すように口元まで深く湯船の中に体を沈みこめて)

:
ちゃんと起きてるよ。行ってらっしゃい。 ーーゲイツ、タオルここ置いとくね。
（いつも通りツッコミ返せば風呂場に向かう相手見送り。監視と称して寝食を共にする事は相手と一緒に過ごす機会が増えて嬉しいことではあるが顔を合わせるだけで意識してしまう今では心臓が持つか若干不安でいて。丁度そのタイミングでツクヨミが帰ってくれば夕食に同席することにして。怪我の状態から始まり今日あったことなど語っていれば自然とゲイツの話題になってドキッと脈が跳ねた。ツクヨミから見た様子でもゲイツと自分の仲が近付いたと称されると何処か擽ったい気持ちになりつつ、未来での彼の姿を知るツクヨミの話を真剣に聞いていて。もしも二人の知る未来、預言者の語る筋書きとは違う道を選んだら胸を張って隣にいてくれる別の未来が来るのかもしれない。そんな事を考えていれば大叔父からタオルを準備し忘れたと声が掛かり、ゲイツの分のバスタオル受け取り。彼が入浴中と聞けば何だか落ち着かない気持ちになるが単に頼まれごとだと言い聞かせて数回ノックした後に脱衣場に入り。薄いすりガラスを隔てて彼のことを意識しないよう思考振り払いつつも平然とした声装い声掛ければわかりやすい位置に頼まれたタオル置いて即座に立ち去ろうとし）

……っ、あぁ。……あいつが、オーマジオにならない未来は……ありえるのか？
(湯船に浸かりながら今目の前にいるソウゴと自分の時代にいたオーマジオウについて考えを巡らせる。終わらぬ思考の袋小路に迷い込んでいるとノックの音が聞こえ、次いで思考のど真ん中にいる人間の声が聞こえると胸が強く鼓動を打った。声だけを聞いてもこの有様、まともな思考など出来なくなってしまう。それでもあいつの隣にいるのは楽しくて、そしてあの顔をいつまでも眺めていたい。その願いと未来の時代の仲間たちの願い、両方叶えるためにはあいつをオーマジオウにしない他ない。あいつはあいつ自身の意志と関係なく間違いなくオーマジオウへの道を歩んでいる。その運命を覆すことができるのか、その可能性を探るように口から思考が溢れていた。考えても仕方がないと湯船から引き上げると風呂を出る。相手が置いていったタオルを手に取ると体を拭いていつもの寝巻き姿になった。濡れた髪をバスタオルで拭きつつ、どこにいるやも分からない相手に「あがったぞ」と声をかけてみて)

はーい。じゃあ俺が入ってこよっかな。心配だからって覗きに来なくていいからね
（相手の声が聞こえれば必要な物を持って二階から降りてきて、次は自分が入ると宣言し。何処か心配性な彼なら様子を見に来るかもしれないと前持って告げておけば風呂場に向かい。未来の技術力はやっぱり凄いようで変に動かさなければもう包帯を解いても大丈夫らしい。片腕しか使えないのは思ったより不便でいつもより時間を掛けて髪と身体洗って湯船に入り。やっと一人で落ち着くような環境になればほっと一息をつく。今日は色んな事があり過ぎた。色んなとこを一緒に回ると何処も1人の時よりも輝いて見えて、友達がいたらもっと早くにこんな体験が出来たのかもしれない。ゲイツ一緒にいると楽しくて好きだ。だけどその好きが友達としてなのかそれとも別のものなのか判断するには圧倒的に経験が足りなくて、初めてばかりの感情に振り回されている。色んな事を考えていれば結構な時間が経っていて今日あったことを思い出してドキドキしてるのか風呂の暑さに逆上せているのか分からなくなってきて）

誰がお前の心配なんか……＿＿＿＿＿＿＿っ?！おい何時まで入ってる、何かあったのかっ？！
(なんとなく覗くなと釘を刺されているような気がしたが、そんな余裕などあるはずもない。子供じゃあるまいし風呂で何かあることも無いだろう。一旦自室に戻りバスタオルで髪を乾かす。先日あいつに髪を乾かして貰ったのは気持ちが良かったなとぼんやり思い出す。あんな触れ合いも今日のようなやり取りも思い返せば恥ずかしいが心は満たされるものばかりだ。もっとあいつとあんなふうな時間を過ごしたい。今こうやってひとり相手の事を考えているだけで少しもの寂しくなるくらいには、あいつの隣を望んでいる自分がいた。考えを巡らせるうちに髪も乾かし終わってふと時計をみる。そこそこの時間がたったはずだが、風呂から誰かが出てきた気配はない。片腕を使えないとはいえ時間がかかりすぎではないだろうか。片腕が使えないことでなにか不具合でもあったか、まさか滑って転んだのか、とあらぬ心配が膨らみ、とりあえず様子見をと階下に降りる。覗くなと釘を刺されている以上忍び足で風呂場の前へ移動すると中の様子を探るため聞き耳を立てた。しかし風呂場からは何も聞こえない。人が動作する音がないのだ。まさか本当に滑って転んでいるのか、それとも別の要因が……暫く悶々と考えを巡らせたが答えはでず、結局心配は膨らんでいてもたっても居られなくなり、勢いよく風呂場のドアを開けて叫び)

うわっ!? ゲイツか、ビックリしたぁ…。っ…どうしたの？
（纏まらない思考と感情に悩んでいれば時間なんてあっという間で。レジスタンスの経験もある彼の忍び足など気づく訳もなく呑気に湯船浸かっている中で突然勢い良くドアが開き叫び声が降ってくればびくと大きく肩跳ねて情けない声あげれば警戒するように其方に視線を向け。その主が彼であることを確認すればとりあえず敵や侵入者では無さそうで安堵の息を吐き緊張解いて。だがずっと考えていた彼の登場と直ぐに入浴中なの思い出せば出来るだけ湯船に沈んで身を隠し、熱で上気した顔だけ出して。突然のことで動転していれば用件問いかけて）

っ、あ、いや……お前があまりにも長風呂だから滑って転んだのかと思ってな……、逆上せるなよ！
(風呂場に飛び込んでみるがなんてことは無い、相手は湯船に浸かっている状態だった。湯船の中で動いていなかったから物音がしていなかったと理解する。驚いた表情を前に自分がかなり先走った思考をしていたことを思い知り、咄嗟に言い訳が思い浮かばず暫く口をパクパクと動かしていた。隠れるように湯船に浸かって恥じらう姿にドクリと心を射抜かれるのが分かる。上気した頬が妙に色っぽくて邪な感情が浮かびあがる。それを頭を物理的に振って振り払うと素早く背中を向けた。またドクドクと心臓が暴れ出す、こんな所にいるのは良くない。捨て台詞の一言を吐けばふろ場を出ていこうとし)

あれ、もうそんな時間経ってたんだ…。 …あ、ゲイツ！ その今から直ぐ上がるからさ、今日は俺の髪吹いて欲しい、んだけど…
（相手の言葉に大分長い間風呂に入っていることに気付き、悩み事をして気づかなかったと呟き零し。同時にそれを心配して凄い勢いで駆けつけた相手の気遣いや優しさ感じれば嬉しさ感じて。だが礼や言葉をかける前に背中を向けられ、そのまま去ってしまいそうな彼を咄嗟に呼び止め。風呂が終われば各自自由行動で自室で過ごすことになるが、今日はまだ一緒にいたいという気持ちが強い。必死に回した頭が考え出したのは昨日自分が彼にしてあげた事で、お願いする様に口にしつつもこうやって素直に甘えるのは慣れてなくて言葉尻が弱くなり）

髪を……あぁ、構わん。片腕じゃ乾かしにくいだろうしな。お前の部屋で待ってるぞ。
(視界から相手の姿が外れて幾分か落ち着いたところで声をかけられ動きを止める。聞いてみれば先程自分が思い出していた光景を、今度はやって欲しいというお願いだ。昨日して貰った分相手に返したいとも思っていたし、責任を取ると言ったのなら世話をするのは当然。それになにより、寝るまでの時間の間まだ相手と一緒に居られることに喜びとそしてどこか安堵もあった。振り返らぬままその場で肯定の返事をすると、そのまま脱衣場を出て相手の部屋へと向かい、昨日と同じ位置であるベッドに腰掛け到着を待っていて)

分かった、直ぐに向かうから。 ーー 上がったよ。さっきはありがと。
（返答が多少不安だったものの相手が快く引き受けてくれると怪我という狡い手を使った自覚は少しだけあるものの自然と口元緩み。相手が脱衣場を出たのを確認すれば約束通り直ぐに湯船から上がりパジャマに着替えて。手指がしわしわになって若干逆上せるくらい入っていた事に自分の事ながら呆れてしまうが、少しは自分の中で整理程では無いが感情を纏めることは出来たと思う。いつもならしっかりと乾かす髪も今日は相手に任せてしまおうと濡れたまま脱衣場を出ればこのまま階段を上がり。自室の部屋のドアを開けてベッドに座る相手に来たことを報告すればさっき言えなかった礼を伝えつつも部屋の中に入り）

……、あぁ。別に礼を言われることはしてない。俺が勝手に勘違いしただけだ。……ん、バスタオルかせ。
(待っていると言ったもののそこは相手の部屋。ただでさえ居候の身で他人の家に入り込んでいるがそれに加えて今居るのは今日怪我をさせたことから特別な関係でもいいと言ってしまった所まで様々なことがあった人物。どことなく落ち着かずにベッドな身を固まらせて時間を過ごしてきたがやがて部屋の外に気配がしてその緊張を解く。来るのは分かっていたのに部屋に到着した相手を見るとこれかまだ近い距離で隣に居ていいのだと緊張と嬉しさが入り交じる。それを表に出さぬようなるべくいつも通り平坦な言い方を心がけ、髪を拭くためのバスタオルを受け取ろうと手を差出して)

考え事してたら長くなっちゃった。 じゃあ、お願いします
（ここまで来る間確認した時計では想像以上の時間が経っていて、相手が心配するのも仕方ないと苦笑い零して。自分から言い出した事ではあるがまた2人きりでいるのは多少緊張する。だがそれ以上にそばに居たいという気持ちが強く、それを許容してくれる相手との空間を酷く気に入っていた。促されるまま肩に掛けていたバスタオルを手渡して、相手の前に背中を向ける形で床に腰を下ろし。つい硬い口調になってしまいながらもお願いして）

あぁ、痛かったら言え。……今は俺の方が背が高いのに、なぜ未来では逆転してるんだ。
(どこか堅苦しい口調にこちらも連動して動きを固くさせつつバスタオルを受け取る。タオルを持ち帰ると昨日してもらったように優しく頭を拭き始めるも、相手よりかは幾らか豪快に髪を拭いていて。タオル1枚を挟んで触れていると、風呂上がりのせいもあってか暖かい体温が伝わってきてこちらまで心地よい。ベッドに腰かけるこちらに対して向こうが床に座ると今まで見たことの無い視点から観察ができる。自分よりも少し長い髪は毛流れも気にしなくてはならなくて面倒ではないのか、とか耳の形をじっと見てみたりだとか、視界から外れているのをいい事にずっと相手のことを観察してしまう。そのうちふと未来の姿が頭に浮かんだ。老齢になったオーマジオウは遠目でしかみたことがないが屈強で背もそこそこあったように思う。今はこんなに柔和でほわほわしているくせに、なんとなくそれが気に食わなくてつい口にしてしまうと、背丈を止めようとツムジをぐっと押してやり)

はーい。 …痛い痛いってば。へー、未来では俺の方が身長高くなるんだ。十分に寝てるから、とか？
（髪をこうやって拭かれるのは幼少期ぶりかもしれない。優しいながらも何処か豪快な拭き方は当人を表しているようで心地良さと擽ったさ覚えながら大人しく身を委ねて。タオル越しだとしても相手に触れて貰えるのは嬉しくて表情が緩む。きっとまた緩みきった顔と言われそうだから顔が見えなくて良かったとも思い。零された呟きと共にツムジ押さえられるとさほど痛みはないが大袈裟にリアクションをとり、じゃれてみて。彼の言う最低最悪の魔王が未来の自分と信じた訳ではないが背が逆転したと聞けば興味はある。平均的な身長は一応ありコンプレックスという訳でも無いが相手より高くなって上の方から彼を見るのはなんだか楽しそうだ。思わずくすくすと口元に笑み浮かべながらたまに授業中に居眠りしちゃうこととか思い出してそれっぽく理由上げてみて）

……お前は___そんなんだから成績が悪いんだろうがっ！！
(誰かの髪を拭いてやるなんて記憶の限りではやった事がない。寝る前のひと時にこうやって頭を拭いたり、あるいは拭かれたりする時間は至極心地がいい。毎晩こうやって夜のひと時を過ごせれば良いのにと願望が浮かぶ。しかしそれを口にする勇気も決心もついていなくて、優しい力加減で髪を拭いていた。ちょっとした出来心でツムジを押したのに対して反応見せる様子も、心を許してくれているような気がして嬉しい。ついでに悪戯心も芽生える。しかし将来的に背丈が逆転するのが不服と言うのは事実だ、それを寝ているから、なんて寝ぼけた理由で返されると、ピシと青筋が走る。何が寝ているから、だ。授業中監視している合間もスヤスヤと呑気に寝ていたのは十分知っている。おしおきと言わんばかりに相手の視界を奪うようにタオルを被せると上から強めに髪をガシガシと拭き始め)

わっ、だって、数学とか化学とか異世界の言葉にしか見えないじゃん…。催眠音声だよ、あれは。
（大人しく身を預けつつも心地良さに瞼閉じて。怪我をしてしまった事は痛かったし周りに心配と迷惑を掛けた自覚はあるが一方で其れを気遣ってくれる行為の数々は素直に嬉しいし相手との距離が縮んだ気がする。絶対に口には出来ないが怪我したのも悪くはなかったと思っていて。そんな中優しかった拭き方が乱暴になるとビックリした様に声があがり、頭振ってちょっとした抵抗試みて。それにしてもいつ自分の成績が悪いことがバレたんだろうか。興味のある歴史はともかくほかの教科、特に理数系はめっきり苦手で赤点に近い点を取るのもザラだ。それぞれが得意な事を活かす方が良いと考える身としては将来必要となったらその得意な人に頼れば良いのにとも思う。そんな感じで先生の説明が全て催眠術にしか思えないと子供みたいに駄々捏ねるように言い訳して）

何が催眠音声だ。数学は世界共通言語だろ。まったく……お前、卒業できるんだろうな……オーマジオウが留年など笑い話にもならんぞ。
(乱暴に拭くのに驚く声があがると、いい気味だと悪い顔で笑ってからもとの優しい拭き方へ戻す。耳の後ろや耳たぶまで丁寧に拭いてやりつつ、学業への姿勢には深深とため息がでた。魔王の成長要因が授業中の居眠りなど型崩れにもほどがある。ましてや留年などしていたとなれば、そんな奴に未来で負けていたのかと悔やんでも悔やみきれない。しかしふと時系列を考えれば、こいつが卒業か留年がする頃合にオーマの日が来てジオウは魔王になったはずだ。こいつが卒業で喜ぶにしろ留年で項垂れるにしろ、その姿を見てみたいと心に浮かぶ。相手の節目の時でも隣にいたいと、思ってしまう自分がいた。そんな考えなど露知らず、まったく勉強のやる気がみえず駄々をこねる奴の頬を後ろからぶにとまた指で突っついてやった。髪の毛を拭きながら頬を突っつきもみくちゃにしながらも髪の毛はおおかた乾いたようでバスタオルを外し。)

うっ…、多分大丈夫なはず…。いざとなったら誰かに教えて貰うし！ また頬っぺ触るじゃん…、ありがとう。
（痛いところを指摘されると露骨に視線を反らし目を泳がせながら何とか言葉を紡ぐ。前期の成績表と今の授業への理解度を考えれば大丈夫と言い切ることも出来ずに宛もないが誰かに頼んで1から教えて貰おうかと考え口にして。何となくゲイツは勉強ができる方に見え、一瞬頼ってみようとも思ったが今と未来の学習していることは違うから難しそうだ。窘める様に頬をつつく相手の指を指摘するも嫌いではないやり取りにさせるがままにして、時折頬膨らませ押し返したりとじゃれて。拭き終わったのかタオルが髪から離れると心地よかった時間も終わり少し名残惜しい。また相手の機嫌が良い時にでも頼めばやってくれるだろうか。礼をしつつもそろそろ相手の顔が見たいと腰をあげて隣に並ぶようにベッドに座って）