鋼の部屋 〆

何って、怪我人を「はい、そうですか」って帰せる訳ねーだろ。それにアンタを治療した医者から言われてんだよ、絶対安静だってな…あーっと、天才だからなオレ。

（入り口を塞げば当然といえば当然の反応。それでも万全ではない彼女を帰さない為には、これしか思いつかなくさぞ当たり前であるかの様に腕を組み。錬成陣無しの錬成は、見たことのない者からよく突っ込まれる所。今はその話よりも相手から賢者の石について知っている情報があるならば知りたい気持ちが強く、視線を逸らし頰を掻きながら何処と無く鼻高々に上記を。
賢者の石について何か知っている風な言い様に、帰さなくて正解だと確信にも似た感情を抱き。ここは素直に言うべきか、しかしそこまで気の知れた仲ではない為ここはと口を開けば）

望み、ねぇ…確かにオレ達は賢者の石を求めてる。この紋章を知ってんなら、噂くらい聞いたことあるんじゃねーのか？


（／いえいえ。
こちらこそ、長くお付き合い頂けると嬉しいです。
改めてよろしくお願いします。 〆 ）

..........天才だからと、できるものでは有りません。それは、、
––名乗ってもいない人間の噂など聞くはずもありません。あなたのような子供が探す代物ではないでしょう。

( 医師からの指示で絶対安静なのだと聞くと、暫し扉を見つめた後に渋々といった様子でベッドへと戻り。荷物を横に置きベッドに腰を掛けると、錬成陣無しでの錬金術について自分の知り得る事を述べようとしたが、その口に出すのも憚られるような、あまりに酷な内容に顔を顰め言葉を詰まらせてしまい。代わりに出てきた言葉は、「此方が錬金術師ならば”なおさら”行かせられない」と述べた目の前の少年が賢者の石を求めている自分を知っているか？というものの回答で、淡々と知るはずないと告げ。何せ自分は旅に出てから何度かこういっために合い、ろくに人間を信用せず、話も聞かずただそこにある図書館や遺跡に立ち寄り情報を集めていたのだから他人の噂など知る由もない。しかも名乗りもしない相手の噂など、聞いていたとしても思い出せるものではないだろうと足を組み可愛げなくフンと鼻を鳴らしては遠回しに悪態をつき )

俺達と言うことは、1人で探しているわけでは無いようですね....。しかし今すぐに止めるべきでは？生半可な気持ちで追えるようなものでは有りませんから....

…アンタの頭に浮かんだ答えが正解、禁忌を犯した故のモノだ。
あ''あ⁈誰が子供だッ！俺は国家錬金術師だ、このヤロー！
…エドワード・エルリック、それが俺の名前だ。

（彼女の様子から何を理由に手合わせ錬成が出来るようになるのか知っているのだろう。というよりも錬金術師、または志している者ならば知り得る知識。誤魔化しても仕方ないと少し間を置き口を開けば、完結ではあるが正直に述べて。然し乍ら次に聞こえた単語に途端に不機嫌になり、子供であるものの子供扱いされる事を嫌い、更にはツンとした相手の態度にイラっとしてはムキになって腰のベルトに付けている国家錬金術師の証明、銀時計を手に取り前へと突き出し見せ。とは言え名乗らなかった此方にも落ち度はあり、銀時計をすぐにポケットへしまうと名を名乗り。また「生半可」なんて単語を聞いては静かな怒りを覚え、ふるふると身体が震え怒りを爆発させるが如く強い口調で）

…生半可じゃねーよ、危険が伴う事も承知の上だ。これまで幾度となく危険な目にも遭って来た。知り合って短いアンタに…何も知らねーくせに知った風な口聞くな！

なっ、そんな大きな声出します⁈ ムキになるなんて、子供です!!! ....知ったような口って、私も探しているのですから...知った口でもいいでしょう!!! 貴方方が何を錬成したか知りませんが、命に代えても作りたい物だったのはわかってます!!!!その為に賢者の石を探しているなら何も言ったりしません!!

( 自分の言葉に不機嫌になりしまいには怒鳴りつけてきた相手に、ビクッと身体を硬くして。口をへの字にして眉を下げプルプルとした後、何かが爆発したようで勢いよく立ち上がると屁理屈のような言葉を相手に負けじと大きな声で述べ。怒鳴りつけられた経験などあまり無いために混乱して、興奮したあまり会話にならないような言葉であったが、言い返せたことに満足したようで肩で息をしながら生理的な涙を拭うとベッドに座り込み。自分が怒鳴る前に見せられた銀時計はよく知ったもので、自分も父の形見としてそれを持っている事を思い出し。国家錬金術師で、自分と同じ年頃、そしてエドワード•エルリックという名前でいくら疎い彼女でも、目の前の少年が何者か気づいたようで、思わず固まって。自分はそんな相手になんて言葉を言ってしまったのだと真っ白になり、謝罪しなければと思うが素直に謝るなんて出来ずにどうしたものかと下を向いて )

エドワード•エルリック....。最年少で国家錬金術師になり、鋼の称号を受けた....少年ですね。
––.....助けてくださり、ありがとうございました。大きな声を出してすみません。

っ‼だから子供じゃねっ・・・！

（否定した直後にまた子ども扱いされ更なる怒りを覚え、反論をと否定の言葉と共に貴女を見るも涙を拭う姿に言葉を詰まらせ。泣かれると弱い所は昔からあり、少しばかり言い過ぎたとそれ以上強い言葉を言うのはやめ。然し苛立ちが無くなる訳も無く、相手に向けるでもなく己の前髪をくしゃりと掴めばガシガシと掻きながら苛立ちを吐き出すような溜息を吐き。なりふり構わず怒りを露にする所が子供なのだと、どこかの大佐や弟からも指摘を受ける訳で。性格上素直に謝ることなど、此れまでろくにして来たことがないためどうしたものかと悩んでいた矢先聞こえてきた謝罪の言葉と感謝の言葉。完全に出遅れた様なモヤモヤしたものが胸もあたりにある様な錯覚を覚えるも、しどろもどろながらも何か言わねばと口を開けば）

いや、俺も・・・その何つうか————言い過ぎた、悪ぃ。

それで、私はどのぐらい絶対安静なんですか？出来れば早くここを発って.....石を探さなければなりません。
エドワード、貴方は石について何を知っているのですか？

( 密室の中謝罪をしなければ状況を悪くするばかりと判断すると、小声でしおらしく謝り。すると少年はむしゃくしゃした様子であったものの謝罪を受け入れて落ち着きを取り戻した様に見えて。最年少で国家錬金術師になった男が目の前にいるという実感はわかないものの、相手が天才だということは頭では分かっており、ちらりと改めて視線をやると唾を飲み込み。病に臥す母の為にも一刻も早く賢者の石を探さねばならないが、絶対安静と閉じ込められている事を思い出し。しかし丁度賢者の石の事を知っていそうな人間が1人––目の前にいることに気がつき顔を上げて、自分は相手に話すつもりはないが相手から何か聞けないかと口を開き )


( / メリークリスマスでーす！ なかなか話を進められずすみません。もう少しスムーズに、エドワード本体様が進めやすい様ロルを工夫しますので、今後もよろしくお願いします！ 蹴り可 )

取り敢えず明日までだそうだ。
…残念だが教えられる程の情報は持ってない。これまでそれらしい情報を得て出向いてはいるが、どれもデマや紛い物ばかり…けど、こっから北にある街にそれらしい情報があると聞いてる。それが真実か分からねーけど、俺は行くつもりだ。

（任務で出向いた先で賢者の石が関係しているかもしれない事案も沢山あったが、偽物やら個人的な恨みよりも国家に対する恨みを晴らすためと仕組まれた罠だったりもした訳で。然し今回、賢者の石に関する噂が北の街にあると情報を得て任務終了後に向かうつもりで。彼女がどんな理由で求めているかは知らないが、これも何かの縁だろうと情報を提供して）


（／メリークリスマス！
いえいえ、こちらこそ拙いロルで申し訳なく…！この後の展開でモブを少し出そうかなと考えております。絡んでいる中で、やり辛さなど感じられましたら遠慮なく仰って下さいませ！ 〆）

じゃあ、明日まではここで大人しくしていますから.....貴方は自分の居場所へ戻って大丈夫ですよ。

( 国家錬金術師ということは、おそらく賢者の石の情報はその権限により誰よりも持っているだろうと期待したものの、返事は芳しくなく思わず渋い顔をして。なんの情報もないし、このままこの密室に2人きりでいたって、自分の言動や態度が相手を刺激するだけだと、短い時間の中の出来事を回想すると、今日は帰るように促して。
命を助けられたが、出会ってすぐの少年に、なぜ賢者の石を探すのか、賢者の石について知っている事を話す気にはなれずにそれっきり口を噤んでしまい。ただどうしても「北へ行く」という言葉が頭を離れずにいて、本当に北に賢者の石があるのならば、自分もすぐに向かいたいと内心炎を燃やして。しかし手負いだ、北はかなり荒くれ者が多い、何より寒いため1人で北へ向かうことは困難だと頭では理解しており。その歯痒さに拳を握りしめて、そうして迷惑を掛けることをわかった上で、絞り出すような小さな声で「私も連れて行って欲しい。」と告げ、断られるような気配を感じ取っては下唇を噛み締めて )


( / モブさん！遂にですね...! もし此方にも出来ることがありましたら、何なりとお申し付け下さいね！ )

ああ、そうさせて貰う。
一緒にって…分かった。

（素直に今夜はこれで帰ろう。そう決めて踵を返し帰ろうとした矢先、僅かにだが聞き取れる小さな声を耳にして驚いた表情、というよりもそう来るかもと大凡の予想はしていた様で困惑顔で貴女を見て。然し駄目といった所でもしかすると一人で行く、なんて言うかもしれない。治安の悪い土地故にそれだけは何としても阻止しなければと、渋々ではあるが了承し。その前に遂行しなければならない仕事もある為、それが終わるまでは此処で待機して貰うしか無い。更には一緒に行くとして幾つかの条件を提示し）

–––但し、条件がある。単独行動はしない事、北に着いたら俺たちの指示に従う事。これが出来ない場合は連れていけない。

（／分かりました、その時はよろしくお願いします！）

––えっ....? つっ連れて行ってくれるんですか⁈
ありがとうございます。お役に立てるよう頑張ります...‼︎

( 予想だにしなかった返答に勢いよく顔を上げ、目を見開き息を飲み込み。ワンテンポ遅れて、返答を思わず聞き返して。提示された条件も自分に不都合なものは全く無いもので、国家錬金術師に良いイメージの無かったナタリーとしては何か裏があるのではと疑いを持ってしまい。見ず知らずの自分を助け、賢者の石の手掛かりまで一緒に探すという心優しい少年を素直に信頼することができぬ己を恥じるような気持ちと、人間そんなお人好しがいるものかという猜疑心とで揺らめき。しかし北へ一緒に行ってもらえるのならば、賢者の石に一歩近づく––つまり母の命を救う手立てに近づく為に躊躇している間はなく、二つ返事でついて行くと告げ )

お、おう…明日の正午に迎えに来ｒ⁉︎

（連れて行った所で相手も自分たちも賢者の石を求めている訳で。どんな理由があろうと弟の為に譲る気は無いが、一時協定とでも言うべきか行くくらいならばと少々押され気味に返事し。早速明日の約束をと迎えに来ると時間を言おうとした矢先、自分の背後–––つまりは塞いでいたドアが何者かの手により爆破され、轟音と共に部屋中に煙が充満し咄嗟に口を塞げばドアを睨みつけ警戒して。
高々と奇妙な笑い声を上げ、そこに立っていたのは右頬に槍2本とカンムリワシを逆さに模した刺青を入れ紫の軍服を着た体格の良い男。嘗て雷撃の錬金術師の二つ名で呼ばれ、軍人や民間人問わず虐殺し現在指名手配中の男であり任務として追っていた男の姿に額から汗がツーっと伝いながらもニヤリと笑みを浮かべて）

探す手間が省けたぜ…。


男『あん？なーんだよ、国家の狗が来てるっつうから来てみればガキじゃねーか…おい、嘘付いてんじゃねーよ、藪医者ァ‼︎』（煙が少し晴れ病室内を見れば軍人らしき姿が見当たらず、呆れたかと思えば怯え横にいた治療した医者の頭を片手で掴みブチ切れた様子で床に叩きつけて）

なっ....!?
...どうやらお仲間では無いようですね。お医者様も此方の味方では無かったわけですが...あまりにも気の毒です。

( ものすごい爆音とともに煙に巻かれケホッと咽せて、砂埃で霞む目を擦り。状況を整理するまもなく聞こえてきたのは、物騒な言葉を吐き出す男の声。視覚情報から、この状況を作り出した本人であり、男は大柄であるもののエドワード少年によって錬成されたドアを力だけで壊せる様には見えず、それらの事からこの目の前に現れた人物が錬金術師であるという答えにすぐに行きつき。そうして聴覚情報から目の前の少年が狙われていること、医師が裏切ったこと、そして国家錬金術師である少年が男を追っていた事がわかると、全てが繋がったようで。冷静な思考力を生かし、まず自分に男の意識が向かぬうちにこの場をなんとかすべきと判断して。素早く靴に足を通すと、バンと床を踏み込み。靴の裏に書いておいた錬成陣がたまたま物を分解させるのに使えるもので、床がミシミシと音を立てて無くなってゆき。病室の窓を見るからにここは二階であったし、下に落ちて逃げれば良いとどうやら判断したようで。床が徐々に無くなって行く過程で、その穴が子供だけが通れるサイズになると額に汗を流す少年の襟首を掴んで「逃げましょう！」と此処では狭いし、一般人である医師や何も知らぬ医療従事者•患者を巻き込むからと取り敢えず建物の外へ逃げるよう促し )

ぐッ⁉︎く、ぐるじぃ…！

（此処で捕まえる事さえ出来れば、明日の目的地にも早い段階で行ける。戦う気でいたのだが、床の錬成反応と突如襟を掴まれ下に落ちると共に首が締まり苦しげに声を出し。下の階は診察室ではあったものの、先程の男の騒動もあり医者は居らず看護師だけが数名居て。突然の出来事に唖然とした看護師に、申し訳無さそうに苦笑いを浮かべ立ち上がればその場を後にし外へ。）


男『⁉︎…やるじゃねーの、少しは楽しめそうだ』（まさか貴女が錬金術を使う者とは知らず、突然の出来事に驚いた隙に逃げられるも不敵な笑みを浮かべて。ゲーム感覚なのか破壊して直ぐに追わず、まるで鬼ごっこのように騒ぐ事なく暫し待ち）

アイツは誰です!? 今から共に行動するのですから、説明があってもいいと思うのですが...!!

( ブーツの底に描いた錬成陣がかなり小さなものであった為に穴を開けるのには時間が掛かったがなんとか下の階へと避難して。冷静な判断を一瞬でしたものの子供の頭では整理しきれぬほど色々な事が起こった為に、下の階へ降りる際は無我夢中で少年の事を一瞬忘れており。苦しそうなうめき声で自分が無理やりエドワードの襟首を引っ掴んで飛び込んだことを思い出し、慌てて手を離すも謝罪はなく。ただ少しばかりバツ悪そうにした後に相手と同じように看護師に頭を下げて建物から出て行き。
下のフロアに飛び降りた際に再び身体に負荷が掛かったようで、右足を庇いながら態勢を立て直し。１つ咳払いをしたのちに、明日から共に行動するにも関わらずこんなのが序盤から有るなんて先行き不安すぎると漏らし。取り敢えず戦闘は避けられないだろうという事は理解しているようで、協力するからと前置きしたのちに敵がいない間に情報を聞き出そうとして )

元国家錬金術師、雷撃の錬金術師って呼ばれてる。イシュヴァール殲滅戦にも参加してたらしいが、今じゃ罪を犯して追われる身だ。

（巻き込んでしまった以上話さない訳にはいかないと口を開けば、先日渡された資料から得た情報を次から次へと話し始めて。数え切れない程の人を手に掛け、それだけに留まらず国家施設の破壊行為など様々な悪事を働いている極悪人なのだと告げ。街中で騒げば被害拡大は避けられない、兎に角市街地から離れなければと相手が足を痛めたとはつゆ知らず夜の道を走り。情報を伝えたものの、絶対安静が必要な相手を安全な場所へ避難させなければと何処かないか探して）

.......イシュヴァール殲滅戦、
––それで、何か策はないのですか!?

( イシュヴァール殲滅戦という単語だけで身体に稲妻が走った様な感覚がして、思わず走っていた足が止まりかけて。あの日幼くして見送った父の背中が過ぎると思わず息が漏れてひゅっと喉が変な音を鳴らし、思わず喉を抑え立ち止まるも目の前を走る少年に悟られぬ様下を向きまた走り出し。生まれつき悪い右足とさらに痛めた左足に鞭を打って変なフォームで走り、息を切らせながら、自分はそんな長距離走る様な体力はないのだと口にはせず、ただ苦悶の表情を浮かべて相手の背中を追い。そうして距離を詰めてから、この後その戦争経験まである傭兵に子供2人でどう立ち向かうのかと期待値0という声色で横を走る少年に訊ねて )

あっ、嘘....! もう追ってきて...!?!?

雷撃なんて言っちゃいるが、雷を錬成するなんざ聞いた事ねぇ。何かしら絡繰が…大丈夫かよ？

（対策があるならばとっくにやっている。そんな思いから焦りもある中思考を巡らせ、雷を錬成するなど錬金術の法則を無視している。人の中に走る電気、つまり静電気を利用したものなのか。考えれば考える程分からなくなり、ふと隣を見れば形の崩れた姿勢で走る貴女。もしや逃げる際に足でも痛めたのではと足を止め気にかけ。
「もう来やが…‼︎おいおい嘘だろ、聞いてねぇぞ！」後方から殺気、更には前方から蛇とライオンの巨大な合成獣が姿を現し鋭い牙と赤い目を光らせ獲物を狙うが如く唸り声を上げており）

男『可愛いだろ？俺が作った合成獣だ、血の気が多いのが玉に瑕だが作り手ににちまうんだから仕方ねーよなァ。』（弄んでいるのかゆっくりとした足取りで近づいて来れば、自分が作ったのだと自慢げに話し。錬成陣も書かれていない黒い革手袋を両手に嵌め、片手を前に出せば赤い錬成反応と共に雷撃を放ち）

大丈夫です...!! 目の前の事に集中して下さい!––キメラまで...!?

( やはり子供の、しかも手負では追いつかれるのも時間の問題であった様で、後方確認をした時にはすでに100メートルも離れていない場所に男がいて。意を決して足を止めて振り返り、自分を気にかける様子を見せた隣の少年を一喝すると、何か策はないかと目の前の男から目を話す事なく考えを巡らせ。電気を通さぬものはかなり多いが、何が1番良いのかを考えていると、退路にはキメラがおり既に逃げるという事はできぬという焦りからか中々案が浮かばず。
ゆったりとした歩調で近づいてきた前の男から赤い錬成反応が見られ、その赤い閃光に何か思う事があったの目を見開き「あの赤い錬成反応....まさか...、」雷の正体にいきついたようで、顔を真っ青にし。容赦なく雷撃が自分たちの方へ飛んできて、立ち止まっている場合ではないと自分を奮い立たせて。頭を働かせるも何かを錬成する暇はないと、とにかく一撃避ける為背後にいる少年にタックルを決めて自分ごと右へ跳ぼうとして )

男『すばしっこいねぇ、お嬢ちゃん。
仕留め損ねちまったわ…次は外さねぇけどなァ。』（手応えが感じられず、攻撃直後視線をずらせば素早く反応した事に2、3回の拍手を送り残念そうな口ぶりで。）


っ‼︎…悪い、助かった–––間違いねぇ、あの野郎持ってやがるな＂賢者の石＂を！

（相手の機転のお陰で直撃を免れ右に避けられ感謝の意を伝え。それも束の間、静かに立ち上がったかと思えば手合わせ錬成を行い、右腕の機械鎧を先の尖った刃物に錬成し戦う構えを取り。
「ナタリー、この先の角を曲がって真っ直ぐ行くと突き当たりに宿がある。そこに俺の弟アルフォンスが居る筈だ。俺が時間を稼ぐからそこに逃げろ、良いな？」手負いの相手に戦わせる訳にはいかない。そうでなくても戦闘経験の長い犯罪者と合成獣の相手をしながら、彼女を守り戦うことなど不可能に近い。そんな考えから男に聞こえないよう小さな声で耳打ちすれば、相手の可否を聞きもしないでダンッと地面を強く蹴り男の方へと向かっていき）

エドワード！ 私、自慢じゃないけど足はかなり遅い方なの!!!! だから.....しっかり持ちこたえて下さい!

( すんでのところで雷撃を避けられた事にホッとしながらも、このままではまずいという事は理解している様子で苦しい表情をして。続けざまに聞かれた<賢者の石>という言葉は、先ほど自分が行きついた答えと合致するもので、正直違っていればよかったのだがと下唇を噛み。このままだと2人とも危うい、そんな中で貴方から掛けられた言葉は正解の様な気がしてすぐに頷き。自分は手負いで、しかも大した錬金術も使えない、そんな自分をこのお人好しの少年が庇わない筈もなく、自分がこの場にいればそれこそ足を引っ張るのは目に見えて。しかも弟という存在があるなら、2人で戦闘した方がおそらく勝機はあると確信して。煌めくブロンドをたなびかせて男の方へ向かって行ったその背に何もできぬ歯がゆさを感じると、少しでも力になろうと足を再び踏み込み、キメラの足に枷を錬成してやり。キメラが動けなくなった隙に走り出し。その背に頑張れなんて言える筈もなく、ただ時間が掛かると大きな声で伝えて、宿へ向かい。

出来る限りの全速力でなりふり構わずに指定された宿屋へ駆け込むと、力任せにドアを開け。ドアの開く音に思わず目を見開く宿主が何か言いたげに口を開こうとした瞬間、それを遮る様にスッと手を上げ。待ってくれというポーズをした後に、息を整えると「アルフォンス•エルリックはどこ!?」と身を乗り出して尋ね。しかし宿主は個人情報だから、などと言い言い渋るものだから遂には「アルフォンスはどこ!? エドワードが大変なんです!!!」と宿中に聞こえるのではないかという大きな声を張り上げてみせ )