ふたりで、おにごっこ

ははっ、そうですよね。絶対出会いそうにない2人だし……出会うとしたら王子様の方が魔女に呪いをかけられて、お姫様が実験体として探しに来るんですかね。

(御伽噺の問題児、確かにそうだと自分も笑いをこらえながらその後の想像をする。定石ならお姫様が魔女に呪いを受けたりするが自分と似た王子様なら絶対に近づかないだろう。なら自分たちならば王子様の方が呪いを受けお姫様の方が近づいてくる方が正しいのかもしれない。映画や絵本にもなった有名な獣になった王子様と村娘の話のように……。まぁそれも面白いのかもしれない。笑いを抑えながら自分の質問を制す彼にはーい、と頷くと朝の準備をしてこようと彼の腕の中から抜け出してベッドを降りて)

じゃあ準備してきます。そのままリビング行ってますね。

了解、僕も着替え終わったら行くから。

（するりと腕を抜け離れる暖かさに少し寂しさを感じながらも、準備するという彼の背中を見送りクローゼットを開き服を取り出す。黒いパンツに薄いグレーの襟ぐり広めカットソーに着替え、ネイビーのテーラードジャケットをハンガーに掛けておき部屋を出る。向かう先はキッチン、冷蔵庫から下準備したものを取り出し並べフライパンに火を付けて。バターを乗せればじゅわりと溶けてその上に卵液に浸したフランスパンを、その横で一緒にベーコンも焼きながら出した大きめの白い皿の隅にアーチ状でサラダを乗せた。焼けたパンの上に、一緒に焼いていたベーコンを乗せその上にチーズ、粗挽きペッパーをかけ蕩ける頃に皿の中心へと盛り付ければ簡単ではあるが食事系のフレンチトーストが出来上がる。それをテーブルに運びはちみつも用意、さて次は飲み物を…と自身のコーヒーを淹れるタイミングで彼の姿が見えた為良いタイミングだと問いかけた）

かーくん、飲み物は何が良い？大体のものはあるよ。

(部屋に戻ればボストンバックの中から白のカジュアルシャツと袖が5分丈の紺色パーカー、色味の薄いジーパンを取り出して身につける。動物園なので動き回れるようにした方がいいだろうとワンショルダーのバックに財布を詰めて部屋を出ると、扉のドアノブに引っ掛けリビングに向かう。近づくほどいい匂いが漂ってきて、わくわくしながらリビングに入るとテーブルの上に美味しそうなフレンチトーストの乗った皿が置かれており、食べる前から味を想像してしまう。朝からお洒落な食事ができることに嬉しくなっていれば飲み物を聞かれ少し考えてからリクエストをし)

じゃあ緑茶で、温かいのが良いです。
…あと何か用意するものとか、手伝えることあります？

(朝は夏でも冬でも暖かいものが飲みたくて、かと言って彼と同じ珈琲は朝から辛く…結局自分の好きな物をリクエストしてしまった。食事を用意してくれている彼に近づけば、全部彼にやってもらうことが申し訳なく手伝えることはないかと申し出て)

（／ごめんねー！今日一日バタバタしていて返信してないって今思い出した！（はっ）待ってたよね？本当にごめんねっ（頭下げ）明日ってか今日か、は頑張るから待っててね！）

(／おはようございます、大丈夫ですよ。(うんうん／頭なでなで)理仁さんきっとお返事くれるって信じてましたから待ってても苦にはなりませんし、こうやってお返事出来ない時には知らせてくれますし。(嬉しくてにこにこ)
ゆっくり待ってるので無理しないで下さいね。)

緑茶ね、りょーかい。
…ん？そうだね、ナイフとフォークを運んでくれるかな？

（彼からのオーダーに快く了承し、ケトルに水を入れ湯を沸かす。その時、おずおずと申し出てくる彼に、ふと足りないものを思い出しセッティングをお願いしながら、戸棚から急須と茶葉を取り出し用意する頃には湯が沸き上がっておりそのまま急須に湯を注ぐ。立ち昇る茶葉の香りは、コーヒーとはまた違う芳しい香りに気持ち綻ばせつつマグカップに注ぎコーヒーと共にテーブルへと運んで。既に食事ができるようセットされたそこに飲み物を運べば準備完了、お互い席に着くと手を合わせいただきます、と述べた）

これ、食事系のフレンチトーストだけど、味変で少しはちみつかけても美味しいから、良かったら試してみてね。

（言葉かけるなり一先ずコーヒーを口にしてホッと一息つく。やはりこれが無いと落ち着かないと肩の力を抜きながらナイフとフォークを手にしフレンチトーストに刃を入れて）

はーい。わぁ、本当に美味しそう…。

(棚からナイフとフォークを取り出してテーブルに持っていくとまじまじと料理を見てしまう。アーチ状に乗せられたサラダも、ベーコン、チーズ粗挽きペッパーがのるフレンチトーストに目を輝かせわぁ、と声を上げた。本当に器用な人だと考えていれば彼が飲み物を持ってきてくれたので自分も椅子に座る。手を合わせいただきます、と言うと味変で蜂蜜をかけても美味しいのだと言われてはい、と頷いた。返事をして早々にナイフとフォークを手に取ると楽しみにしていたフレンチトーストを切り分けて口に入れる。卵やバターの染みたパンにベーコンやチーズの味が程よく混じって、ペッパーの刺激が飽きさせない。カフェに出てくるような美味しさに自然と笑ってしまいとても幸せな気分になっていた。)

本当に美味しい…理仁さんの過去の恋人さんたちってこんなに美味しいの食べられなくなって損してますね。多少の我儘とか無視しておけば良かったのに……。

(サラダも時々口に入れながら、彼の過去の恋人たちのことを思う。こんな美味しい食事を食べられたら儲けものだろう。彼の逆鱗に触れなければ無害なのだから放っておけば良かったのに…女性って面倒だ。そんな考えを口にしながら料理を食べ進めて)

……え？　作ってないよ？
＿＿と言うか、料理できるって言わなかったし、寧ろポイント稼ぎなのか振舞ってもらってばっかだったし…
ほら、今回は恋人に "好き" という感情を持ってる設定だから。だとしたら自ずと取る行動も変わってくる訳です。……好きな子にはでろでろに甘やかしたいタイプなんだよね、僕。

（はたと、不思議そうな顔で彼からの言葉を受け取り首を傾げる。過去に自身の手料理を振る舞ったのは指折り程、寧ろ普段の行動が行動な為に自炊ができるだなんて思われてない為に今までの子達には何故か料理を貢がれていた気がしなくもないとサラダを咀嚼して。その話を聞き、逆に不思議そうな顔をする彼にふふ、と笑う。改めて今回の実験の設定を説明しながら自身の恋愛観について語れば、その反面好きな子ができた時、絶対に失いたくない独占欲と根底にある尽きない探究心がセーブできない故に離れられてしまいそうな幾許かの恐怖心の自覚をコーヒーと共に飲み込んで。この世に絶対なんて有り得ないと研究者自身身を持って知っているからこそ案外恋愛を粗雑に扱ってしまっているなぁ、とぼんやり考えながら、きっと彼は恋愛に対しても何に対しても誠実なのだろう、ともう一口フォークを進め咀嚼を続けた）

かーくんは、さ……好きと思える人と恋人になれたら、……ふふっ、緊張してそう…！

あー……なるほど。"好き"っていう感情が入ると人は色々と変わるんですね。……理仁さん、尽くしすぎて重いって思われないよう気を付けて下さいね。

(過去の恋人には振舞ってもらってばかりだったと言う彼に不思議に思った。振舞ってもらってばかりだったのならなぜ自分には振舞ったのだろう。彼らしい恋人関係なら自分が振る舞うのだろうし……そう考えていれば実験での彼の設定と持っている恋愛観について話されなるほどと思った。あくまで今の彼は自分に好意を持っていて、その価値観に反って動いている。恋人の傍に寄り添い、触れ、甘い言葉を囁き、恋人の周りのことを行ってまで甘やかし逃げられないようにする。それが彼の恋愛観なのだと理解すれば、これから本当に好きになる人には気をつけて下さいね、と注意をし。フレンチトーストを一つ平らげ、もう1つの方に蜂蜜をかけて味変すると甘じょっぱい味にまた美味い、と述べて。
食べ進めていれば自分の恋愛観について笑いながら告げられ、笑ったことに対して少しむっとなる
。相手の言うとおり恋人には緊張しっぱなしだと思うが、自分自身あまり想像することが出来ない。初恋はしたがそれは幼い日のもの。成長した自分が純粋に誰かを好きになるということが思い描くことが出来ず、少しため息をこぼして自分に対しての考え方を告げた。長年の恋愛経験のなさがこうもこじらせると面倒くさくなるのだと自分自身に呆れ「俺欠陥品だな…」と小さく呟いて)

えっ、そんな笑いますぅ？た、確かに本当に好きになった人には緊張すると思いますけど…あまり想像つかないんですよね。恋愛的に誰かを好きになったことなんて昔のことですし、どうしたら今の自分が誰かを恋愛的に"好き"になるのかも分からないですし……。

あはっ、その "重さ" ごと丸っと愛してくれる天使は現れないかなぁ？……まぁ、…だけど、愛って難しいし複雑だよね。僕も未だ理解できていないよ。

（彼の小さな呟きを拾い上げても聞いていないフリをしつつ、自身にも当て嵌まるワードに苦笑しフォークを置き頬杖をつく。心理学を専門としている筈なのに笑ってしまう、占い師が自分を占えないように、専門分野の自己理解が一番難しい上に愛となれば、いくら調べても結局は経験値とその内容の濃さには敵わない。その点についてはそうも彼と変わらないのかもしれないと溜息混じりに笑い首を傾げながら視線を少し先へと飛ばした。そもそも、根底にある歪んだ部分を曝け出してまで自分に恋愛なんぞできるものなのだろうか？全てを受け止めてくれる奇特な人が現れるのだろうか？それ以前に恋愛に誠実になれる自身がいるのか。想像も予想もつかない事柄に考える事を止め視線を彼に合わせると手を伸ばし緩く頭を撫でた）

だから……そうだね、お互い今回の実験で少しでも "好き" について、何か気付けたり、理解できた事があれば大収穫だし大成功！＿＿って感じかもね。
…まっ、難しく考えないで、とにかく一緒にいる事を楽しもうね！

……そうですね。"好き"の感情、少しでも分かるようになりたいです。

(落ち込む自分を慰めるように頭を撫で、言葉を投げかけてくれる彼が正に先生らしく少し驚いてしまう。大学でいい噂を聞いていなかったし、昨日もあくまで恋人としての接し方しか知らなかったので年上の大人らしい言動に彼のことを見直したような気持ちになった。自分を見てくる相手の視線と優しく頭を撫でて来る手つきに自然と笑顔が浮かび、自分も恋愛的な好きの感情が理解出来ればいいと伝えた。あと2日、短い期間だが彼と接する中で理解出来ればいいと、自分も頑張ろうと思っていて。)

じゃあ早速今日のデート、めいっぱい楽しみますね。どんな動物がいるのか楽しみです。

(そのためにも今日のデートを精一杯楽しむことから始めようと、彼と楽しむことを伝えた。自分が相手に"好き"の感情を持っていたらどう行動するのか、考えながらやってみるのも悪くは無い。やってみたいと思うことを頭の中で浮かべていれば、フレンチトーストもサラダも食べ終わり手を合わせてご馳走様でした、と言うと緑茶を飲んで一息ついて)

そうこなくっちゃ！
今日がどんな一日になるのか、何だか子どもの頃の遠足みたいにワクワクしちゃうなぁ。

（少しばかり曇り空のような表情だった彼が晴れたように笑顔になる様子を見ては納得するように笑い手を引っ込め朝食の残りを胃袋へ片付ける。彼が笑顔になれば、どこか心が穏やかになる、改めて彼を選んで良かった、そう感じつつ同じく手を合わせ挨拶をするとこちらも一息とコーヒーを口に付けて。いくら恋人のように接するとは言え、相性が良くなければこちらが頑張ったところでそう順調に事は進まない、時々に好き勝手やっている自身を受け止めてくれている彼に内心感謝し自然と頬を綻ばせて）

さて……もう少ししたらお出掛け準備しよっか。
あ、食器はかーくんにお願いしちゃおっかなぁー

（時計を見ると8時半を過ぎた頃だった、案外早めに行動できそうだと思いながらきっと申し出るであろう彼に先に態と甘えるように願い出て）

いいですよ。ご飯作ってもらったので代わりに片付けしようとは思っていたので…ちなみに動物園までは電車とかバスですか？それとも歩き？

(彼の甘えた言葉に頷き快く引き受けた。元々朝食を作ってもらっていたのでその代わりに片付けは任せてもらおうと考えていたのでちょうど良かった。それを彼に伝え、運びやすいよう食器を纏めておくと動物園までの行き方を問いかける。公共交通機関を使うのなら少し遠出になるがそれはそれで楽しみな気持ちになる。歩きなら近場で長い時間楽しめるだろうとわくわくさせて)

それ考えたんだけど！どうしようかな、って思って…
車にしようかな、って思ってる。好きに移動できるし、たくさん買い物しても重たくないし……何より、二人っきりになれるでしょ？

（ふふ、と悪戯な笑みを彼に向かって送る。当初は電車やバスも視野に入れていたが、その間明らかに恋人同士のような行動は取れない。その上メリットデメリットを考慮した際、お互いに遠慮無く買い物もでき、自由に動けるものはやはり車であり、二人の空間を他者に邪魔もされない点も強いと考えて。あとは、ただハンドルを握る事が好きな要素はあるが、そこは敢えて伏せて笑みを送り続けた）

バイクで後ろからかーくんに、ぎゅーってしてもらうのも良いなぁって思ったけど、デートには不向きだしねぇ。やっぱり車かな。

車、いいですね。2人きりってのは少し恥ずかしいですけど楽しみです。

(確かに車ならお土産の量もどこかに移動する時の時間も気にせず自由に動くことが出来る。本屋にも行くのだしきっと多めに本を買ってしまうのだろう自分の姿が想像できていた。狭い車内に2人きりになるの少し恥ずかしいし、何をされるのかわかったものでは無いが、流石にやりすぎては事故を起こしてしまうだろうし純粋に楽しむことを決めて。また、自分は免許を持っておらず自宅から大学までやバイト先などは自転車で移動しているため、免許を持っている彼のことが少し羨ましくなった。自転車で移動することに困ってはいないのだが、車を持っていた方が移動楽になるのだろう、と考えていて)

でも理仁さん車運転できるんですね。いいなぁ、俺も免許取ろうかな……。

ふふ、恥ずかしいだなんて、可愛い事言うんだね？

（しっかり自身を恋人として意識してくれている事を遠回しに指摘しつつ満足そうに笑いながら首を傾げて。まるで車内でのハプニングを期待しているようだ、という言葉は確実に叱られそうなので飲み込んだが手を繋ぐくらいはできるだろうと考えつつ席を立つ。キッチンにて片付けをしている彼の元へ歩みを進めて隣に立てば、改めて自身と比較した際の華奢な姿が目に入り思わず自然と背後から抱き締めていた。後付けのように、これも恋人同士のスキンシップだ、と何故か言い訳を考えながら彼との雑談の続きを話し）

免許あると何かと楽だよ。好きにどこでも行動できるのは強いかなぁ……あとは、僕がただ運転が好きなところもあるけど。

だって理仁さんは恋人なんでしょう？なら恥ずかしいって思うじゃないですか。

(朝食に使ったフライパンは手洗いしたが、食器類は軽く汚れを落として食洗機の中へ入れスイッチを入れる。昨日の食器類を棚に戻していれば自分の隣に近づいてきた彼の姿が横目で見えどうしたのかと思った。なにか取りに来たのか、手伝いに来たのか。そう考えていれば後ろから手を回され抱きしめられ「えっ、」と驚く。鳩尾辺りに組まれた手と近くで聞こえる彼の声に頬を染めながら聞いていたが、自分からも、と彼の手に自分の手を重ねると彼の胸に後頭部を擦り寄せて)

な、成程…じゃあ俺も時間見て免許取りましょうかね……。

（不意に重ねられる手、より近くなる体温にふと彼を見ると赤みを帯びる頬が目に入り自然と瞳が細まる。ぞわり、と背中に何かが這い上がりその正体を確認する前に身体は勝手に動き、横から覗き込むように彼を見てそのままゆっくり顔を近付けて。何事かと振り向く彼と至近距離、あと数センチで唇が重なりそうなところで互いの鼻先が触れて弾かれるように肩を揺らし我に返った。＿＿昨日反省したばかりなのに同じ轍を踏むところだった、若干唸り声を上げながら彼の肩口に額を置き、大きく溜息を吐く。どうも調子が狂うのは好きな恋人として触れ合っているせいなのか、それとも彼だからなのか、酷く絡まる感情を紐解く事を後回しにしつつ観念したように言葉並べて）

……正直に言うね。
今キスするところでした、ごめんなさい。でもかーくん可愛すぎない？どういう事？
はーーーっ…

（また近い、と怒られる前にと彼を腕の中から解放し苦笑気味に笑いながら "洗い物ありがとう" と、緩く頭を一撫でしリビングへ戻りテーブルの上にあるスマホを手に取れば自室へ向かい）

お出掛け準備してくるから、かーくんもすぐ出られるようにしておいてね！

えっ、あ、お、俺に言われても……っ？

(へへ、と笑っていれば視界の隅で彼が近づいてきたのが分かった。何かと振り向けば思いのほか彼の顔が近く、細まった彼の目が自分を絡め取り動きを止めさせる。拒絶することは出来たのにじっとこちらを見る視線だけでそれが出来なくなり息を詰めてしまっていた。もう少しで唇が重なろうとする時に鼻先がぶつかって彼の肩が揺れるのと同時に自分の金縛りも溶けて「えっ、」と声が零れる。結局自分に触れたのは唇ではなく額だったが、自分を問い質すような言葉に戸惑いの言葉を返して。責められても自覚は無いので疑問しか浮かばないのだ。少しして彼は落ち着いたのか離れると緩く頭を一撫でしてから用意してくると言って姿を消した。その後ろ姿を眺めつつ、ドキドキと高鳴る心臓を抑えようと服の上から胸を押さえるも逆に先程までのことを意識してしまって止めるのは難しそうだった。
どうにか彼が帰ってくるまでに頬の赤みだけでも取らねばと考えながら、落ち着かせるためにも自分もバックを取りに行き。リビングに戻ると、少しは鼓動が落ち着いてきたのでソファーに座って昨日のように拒絶すれば良かったのにそれが出来なかった自分の変化に疑問を浮かべつつため息を零して)

（自室に入り、ふーっと長めの溜息を吐きながら数度瞬きを繰り返し思考を切り替える。まだ一日が始まるところで躓く訳にはいかない、改めて本日のプランや行動を脳内で纏めながらジャケットを羽織り腕時計や財布などの貴重品を身に付けるとリラックスさせるように首をゆっくりと一周回す。考えればデートだなんて久し振りだと思い返しながら、地図アプリを開きルートや周辺のものを最終チェックするように脳内に刻み込みながら車のキーを取り部屋を出た。その先には既に用意を済ませた彼が立っており、先程の事を気にさせぬよう、あっけらかんと笑いながら謝罪し声を掛け）

あはは、さっきはごめんね！
＿＿よし、準備オッケーだね、出かけよっか？