賢者アークエット 2019-07-16 19:33:40 |
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【 雷火の騎士アレクサンドラ / 第二要塞都市ソルブランカ- 門前 - 】
失、望……っ
( 体力の消耗もあり、体が思うように動かない。遥か上空から響く魔族の声。お母様に失望される。そんな事になったら自分はどう生きていけばいいのか。弱く脆い、母とは異なる、ただの人の身である自分が憎い。涙を流し倒れるしか無い自分が、不甲斐無い。遠くから聞こえた、名高い騎士の最後の言葉。彼程経験を積み重ねた人間でさえ、魔族の前では敵わない。どれだけ己を鍛えれば、母の娘を名乗るのに相応しい力を手に入れられるのだろう。仕事を終え此方に近付いてくる魔族。自分の命もここで終わるのか )
っ……お、母様は……ぐぁっ!
( 母に戦いを教えて貰った事は無い。圧倒的なその背を自分はただ見詰め、憧れていただけの子供に過ぎない。あの時教えを乞うていれば、もっと己に力があれば、結末は変えられたのだろうか。今となっては終わってしまった話。頭部を掴まれ走る痛みに呻き、解放されたかと思えば再びの落下。今度は比較的まだ軽症の右半身を下にし、地面に転がるようにして衝撃を軽減させ受け身を取り。やがて魔が西へと去って行く。「 待、って……行かないで……! 」と右手を伸ばすが声も思いも願いも、何一つ届くはずも無く。視界にはただ青い空が広がるのみで )
( その後地面に右手を着きボロボロの体に力を込め、ゆっくりと立ちあがらせる。西の方角。西の悪魔、ナハトの集団。そこに手掛かりがあるかもしれない。だが今追ったとして何になる。弱いルーンの騎士が手土産も無く向かった所で、敵とみなされるだけ。マリアへの興味も薄い。故に今は怪我を癒し、それから今一度考えよう。マリアを失い、青銅騎士団や守護騎士団団長さえ欠けたこの都市を、再びナハトや魔族が襲い、邂逅の機会が訪れるかもしれない。他の人間達に今回の自分の行いを責められるかもしれないが、それも承知でよろよろとふらつきつつも足を動かし、門を潜った先にある都市へと戻る事を選択し )
【 ルート選択:
∟③一旦第二要塞都市ソルブランカへ帰還 】
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