大倶利伽羅 2018-03-29 19:10:42 |
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――あ…廣光、あそこ猫のぬいぐるみ。
(彼と共に出店を見ていれば、ふと目に入ったのは可愛らしい猫のぬいぐるみ。そこは輪投げの景品のようで小さい子供が楽し気にやっているのが見え。彼の裾をくいくい引いて其方へと指を指し伝えて)
(/お返事遅くなってしまいすみません…!)
―…、
(歩きながら出店を眺めていると不意に引っ張られてそちらを見ると何とも可愛らしい猫のぬいぐるみが目に入り思わずじっと見つめてしまい)
(/いえいえ、お気になさらず!)
っふ…行ってみるか?
(釘付けになる程あの猫のぬいぐるみを見つめる彼に思わず笑ってしまうと口元で抑えつつあの出店へと目をやりつつ相手に問い)
…あれは子供向けではないのか
(確かにあの猫のぬいぐるみは一目惚れに近いようなものであり欲しいとも思ったがその屋台の周りはどう見ても子供ばかりいて、大の大人が近寄り難い雰囲気であり躊躇うようにそう言って)
まあ…そうかもしれないが偶にはいいんじゃないか?今日くらい子供に戻っても
(屋台の方を見ると輪投げを楽しんで騒ぐ子供たちに躊躇うのは無理はないもののあの子達の様に子供に戻るのはいいのではないかと彼に言ってみて。「…そら、行くぞ廣光。」ぐい、と彼の手を引いて例の屋台へ向かっていけば、子供たちの母親が此方を見られており。一番目立つ容姿なこともあるわけで此方へと視線が降り注がれるとなんだか居たたまれず彼の後ろへ隠れてしまい)
…なんであんたが隠れるんだ
(躊躇っているとぐいっと手を引かれ引っ張られる形で歩み出して。彼の言うように、こんな事が出来るのも今日のような日にしか出来ないのもあり納得し。しかし屋台の前へとやってくるとその周りにいた母親達が気になるようにこちらを見てきていてはその視線に耐えきれなくなったのか彼が自身の後ろに隠れては苦笑を浮かべて。そうしていると屋台の店員から声を掛けられ促されるままにお金を渡してはそれを引き換えに投げ輪を渡され)
(母親たちの視線が未だに痛いもののそこはなんとか我慢しそろり彼の背から出ていくと、ちらり彼の手元を見れば投げられるのは三回までのようで。その目的の猫のぬいぐるみは左端を狙わなければいけない様子。大丈夫だろうかと彼を見やり)
(こちらもあんまり見続けられていると嫌でも視線を感じてしまうも気にしないことにして手に持った投げ輪をひとつ左端の猫に向かって投げて。しかし上手くいかないのかそれも虚しく外れてしまい眉を寄せて。二回目を投げるも外れてしまえばこの手のものは苦手なのか小さくため息をついて彼の方を見ては「…国広、あとは任せた」と最後になってしまった投げ輪を渡して)
っえ…お、俺…?!
(店員から声援を受けつつその最後になった輪をおずおずと受け取りその前に立ち目的である猫のぬいぐるみを見詰め。軽くそい、と左端にある猫へ向けて投げてみると…丁度猫の耳に引っかかり形で取れて。店員からおめでとう、との言葉を貰い猫を受け取り「…!取れた」と嬉し気にそう彼に伝え)
流石だな
(最後の一投はどうやら猫のぬいぐるみに引っかかりめでたく取れたようで。景品である猫のぬいぐるみを受け取り嬉しそうな表情でこちらに報告してくる彼につられるように微笑んでは彼の頭を軽く撫でてやり)
ん、そら…あんたのだ。
(まさかとれるとは思わなかったがこうも欲しかった物が取れると嬉しいもので、嬉し気に撫でを受けては両手で持っていた猫のぬいぐるみを彼に渡そうと。)
えっ、いやそれは…あんたが取ったものだろう?
(彼の両手に持たれていた猫のぬいぐるみを渡そうとしてくるのを見てはこの景品は彼が取ったのだから彼のものだろうとやんわりと断ろうとして)
?あんた欲しかったんだろ?
(何故か遠慮をする相手に首を傾げると景品が欲しかったのは彼であって自身は彼の為に取っただけであってぐい、と彼の方へ景品を渡して)
…それはそうだが…、
(断る自身とは真逆にぐいぐいとこちらへ猫のぬいぐるみを渡されるとそのまま流される様に受け取り「…ありがとう」と小さく礼を述べるとぎゅ、とぬいぐるみを抱き締めて)
あんたの欲しい物が取れてよかった。
(嬉し気にそのぬいぐるみを抱きしめる彼を小さく笑って見守りつつ今度は何処へいこうかと、キョロキョロ辺りを見渡し悩んでいて)
(ぬいぐるみを片手にその場を後にし再び歩き出しては彼と同じように辺りを見回していて。ふと視線に入ったのは金魚すくいの屋台、彼の浴衣の袖を軽く引けば「国広、金魚すくいしないか」と誘ってみて)
?金魚すくい…?
(ふと、袖を引かれる感覚に其方へ顔をやれば彼の言葉を復唱しその屋台へ視線をやり。なんだか楽しそうだと思い小さく頷くとその屋台へと出向き。水槽を覗くと色とりどりで大きさも違う金魚が気持ちよさそうに泳いでいる姿に興味津々に見つめていると、店員から促されお金を払いポイと器を持ってはいざ、小さい方の金魚を掬おうとするもすぐさま破れて)
(屋台の前へとやってきて水槽を覗けばそこには様々な色の金魚が泳いでおりそれを見つめていると、互いに店員からポイと器を受け取りまずは彼がやるのを隣で見ていて。しかし彼はこういうのが苦手なのか運が悪いのか、すぐに敗れてしまえば次は自身の番だと目当ての金魚を狙い慎重に掬えば破れることはなく器へと移して。2匹の金魚を掬えばこれ以上は要らないと告げ袋へと金魚を移してもらえば立ち上がり「そら、受け取れよ」と彼へと渡して)
えっ…俺に?
(隣で興味深い金魚を掬う彼の姿を見守っていれば、自身の時とは違い慎重かつ丁寧に金魚を掬う彼の姿に小声で”凄い‥”なんて呟いては見入っており。まだまだ破れていないのに二匹だけで止めるのを勿体ないと思いつつもその場から立ち上がり彼に声を掛けようとしたところで突然金魚の入った袋を渡されてしまい。訳が分からなぬまま渋々受け取るものの「…なんで俺に」と首を傾げ袋に入った金魚を眺め次に彼を見てはそう問いかけ)
(どうして、と不思議そうにしながらも受け取る彼を見ては特に理由はないは無いが、敢えて言うのならばと袋の中を泳ぐ金魚を指させば白に尾鰭が金ともう片方は黒に紅の尾鰭を持つそれらを見て「俺たちに似ていると思ってな。それにあんたの部屋は物が少なくて殺風景だ、少しは色があってもいいんじゃないか」と言える立場でもないような部屋に住む自身の事など棚に上げてそう言って)
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