ありったけの砂糖を貴方に　/　〆

…あー、 ( 腰の痛みを感じ目を覚ますと、ソファで寝てしまったかと大きく伸びを。体が大きい為ソファで寝ると手足がはみ出て痺れやすく、恐る恐る床に足をつくとぴりっと痺れがあり体を震えさせて。 せっかく起きたし気分もいいので、テレビをつけて顔を洗ったり寝癖を直すために髪を濡らしたりしていると、テレビの方からスイーツ特集の声が。コーヒーを淹れながら横目で見ていると、いかにも甘そうなケーキがずらりと並んでいて、店の名前が聞こえれば、それは確か最寄りの駅前にあるやつではないか。改めてネットで調べると、喫茶店も付いていてゆったり過ごせそうだし、今開店している時間。今度相手を連れて行こうと思い、ならリサーチが必要だと思い立てば支度を始め。お洒落には気を使う方で、普段はシンプルな格好を好み、あまり柄物を身につけない主義で、基本的にはその場の雰囲気に合わせた服装を選んでいる。カフェに行くならカジュアルでいいだろうと、襟付きのシャツに細みのパンツを合わせ、髪型は少し遊んで仕事に行く時とは少し違うアレンジをし、暇潰しにとタブレット型端末を手に、財布とスマホと、と軽装で準備を終わらせる。家を出て歩きながら、相手からの返事はまだか、と見てみるも、既読のみついて終わっている。これはもしや本当に怒っているのでは、なんて不安に眉を寄せながらも、月曜にあったらクッキーでもあげたら鎮まるだろうか、なんて悶々として。 )

（　 車を走らせている途中はお気に入りのラジオを流し。家とは逆方向で滅多に通らない道にはまだ見ぬ美味しそうなケーキ屋が幾つかあり。このままドライブでも楽しいんじゃないかと思うが、目的を果たす為に車を走らせる。暫くすると駅が見えてきて、昨日の記憶を頼りに店を探す。両サイドの店を注意しながら見ていると、落ち着いた雰囲気で、外にはカフェテラスもあり。駐車場に車を止めて看板を見てみると、喫茶店も兼ねているようで。当たりの店だ、と期待して車を降りると、店内に入る一人の男性が。こういった店に男性が一人で来るのは滅多に見ないからか直ぐに目に留まり。自分と同じく所謂スイーツ男子なのかと勝手に仲間意識を感じたりしながら店内に入ると、店のお菓子を注文して食べられるとのことだったので喫茶に並ぼうと喫茶店側に行こうとし。数人並んでいたので一番後に並ぶと、数人先には先程の男性が。案外直ぐに自分の番まで回ってきて席に案内されると、席に座り。店内を見渡していると隣の机には、面倒臭いので一番今日会いたくなかった後輩の姿があり「 … はっ、三好？！んでお前がここに居るんだよ ！ 」とかなり吃驚した様子で。あまりに偶然すぎて本当にあの後輩なのかと確認するが、確かに見間違えではなく。普段着だし髪型も少し違うので後姿では相手だと判断出来なく、分かっていたら時間をずらしたのに、と心のなかで溜息を。　 ）

( 徒歩でものの数分で駅前に着くと、休日だからか人通りも多く、店内は混んでいるか心配だったが、案外すんなり案内されて。一人でこういうところに来ることは滅多にないが、友人と来ることも多々あったし雰囲気も今の自分の過ごしたい時間に合っていたので気兼ねなく入ることができ。こういう雰囲気なら先輩も気軽にこれるんじゃないか、ケーキも美味しそうだったし、種類も豊富だったのできにいるんじゃないか、なんて頭の中は相手の事ばかり。二人席のソファ側に腰を掛ければ、早速何を頼もうかとメニューを開いて。一見メニューを見ても甘さの加減は文字だけでは伝わらない為、眉を寄せて。あとで店員にでも聞くか、と頬杖をつきながら眺めていると、突然隣から自分を呼ぶ声が。 「 え、先輩 ！？、 な、んで、…えー、まじすか。 …いや、先輩こそ、俺がこの店のこと話したの昨日ですよね ？、 」 考えすぎて幻聴まで、いやそんなになるほどは、と思考が巡るも視線を横にずらせば一瞬で解決され、声の主を見れば、この店に来た理由その人。 こちらも驚きを隠せず声をあげるが、店内というのに気付くと肩をすぼめる。せっかく相手より先の来てやる、なんて意気込んでいたのにこれじゃあ計画台無しだ、と肩を落としばつが悪そうに視線を逸らすが、すぐに相手に話題を振って自分からは逸らそうと。 )

お前がこの店教えてくれたから、特に予定もないし来ただけ。それより、俺が聞いてるのは何でお前が居るのかって話。（　 お洒落な雰囲気に合わず、吃驚して思わず大きな声を出してしまったので周りに軽く頭を下げ。上記を言いながら案内された席に座る。自分がこの店に来た理由を説明しつつ、運んでもらった水をぐいっと飲み。自分はスイーツが好きなので教えてもらったまだ行ったことのない店に来たという理由があるが、なぜ相手が一人で来たのかがさっぱり分からず。こんな洒落た女性向きの店に一人で何となくで立ち寄るとも思えないので、この後友達と合流する ？ 彼女と待ち合わせしている？諸々が推測され。しかし、相手は自分に告白してきたので彼女と待ち合わせ…ではなさそうなので、やはり友達と待ち合わせかと思い。相手とは違う机ながらも向かい合うかたちで、机に頬杖をつきながら相手の方をギロりと睨みながら見て。　 ）

あー …、 なるほど、それはそれで嬉しいっすけど …。 –––…だーもう、 … 今度先輩に案内するつもりだったんですよ、 来たことなさそうだったから。 ( 自分に質問が戻ってくれば、どう言い訳するか、と考えるも何も思いつかず避けられない状況で、机に肘をついては両手で顔を覆う。計画が台無しになるだの、格好が全くつかないだの、色んな事が頭をめぐり、机に突っ伏すようなかたちになって。もうばらしてしまえ、どうせ言い逃れはできない、と開き直れば、恥ずかしさで顔はあげられないが、腕の間から相手の方をちらりと見遣り、ぼそぼそとなぜここに来たのか伝えて。 後から、友達と待ち合わせしてるだのなんだの言って適当に呼び出せるやつ呼び出しておけば良かった、と後悔に後悔が重なる。注文を取りに来た店員に顔を上げると、ケーキは決めていなかった、と気付きとりあえずコーヒーのみを頼んで。 )

……ったく、なら今日俺に会わなかったことにするか ？ それなら今から俺は帰るけど。（　 自分に案内をするために来たなんて言われたら、文句を言うにも言えなく。正直、後輩からそこまで慕ってもらうと嬉しい気持ちも内心あったりなかったり。恋愛感情として下心ありきで、という相手の感情には都合よく気が付かなかったことにし。腕の間から向けられる相手の目線と目が合えば、はぁ、と溜息を一つ。ここまで露骨にガッカリされると申し訳なく感じてきて。それなら今から自分は家に帰り、今日ここで会わなかったことにすればいいんじゃないかと提案し。来る途中に美味しそうな店は沢山あったし、自分はそれでも構わなく。そうならそうと早く行動したいので、椅子から立ち上がると、どうするんだと答えを焦らすように相手をじっと見て。今から一緒にケーキを食べればいい、なんて優しい考えが今更ながら浮かんだが、自分から言うのはキャラに合わないので敢えて黙り。　 ）

ッいやいや、それはしたくないです …！、 …その、俺やっぱりケーキどれがいいかわかんないんで、一緒に選んでもらっていいですか ？、 ( 会わなかったことにすると提案されれば、それは嫌だと即答。せっかく休みの日でも会えたのに、それじゃあ勿体ないし、相手だってわざわざここまで来たのに自分のせいで何もせず帰ってもらうなんて申し訳なくて、まぁ前者の思いの方が強いが、椅子から立ち上がってしまった相手を引き止めようと半分ほど腰を上げ上記を。自分に気を使っているのか、それとも本当に自分と一緒に居たくないのか、それは知る由もないが、どうあれ自分が相手と一緒に居たいという思いはブレないし、相手がノンケだと分かっていても、好きな人と一緒に居たいと思うぐらいタダだろうとまぁポジティブで居て。 )

＿＿＿＿＿＿ はぁ … で、甘さ控えめか甘ったるいの、どれが食べたいんだよ。（　 即答され、更には身を乗り出してまで止められると大人しく座り。流石の自分でも、きっと一緒に居たいと思ってくれて引き止めたんだということぐらい分かる。それだったらもっとまともな言い訳や引き止め方があっただろうと、相手の不器用さが垣間見え。自分もここのケーキが食べたいので帰る理由がなく、暫くの沈黙の後、溜息をついて相手の机にお邪魔して向かいの席に座る。結局は年下のお願いに弱いのだ。メニュー表をパラパラと見ると、洒落た雰囲気に合うお洒落な名前のケーキやドリンクの名前が並んでいて。甘さ控えめなのか、甘ったるいのが食べたいかでお勧めするのも変わってくるので、何が食べたいんだと問いかけ。　 ）

…！、 そうですね、甘さ控えめな感じだと食べやすいです。 先輩はやっぱり甘ーいのですか？ …タルト？、プリン…？、 …んー、難しい単語すぎてどれが何か分かんないっす、 ( 下心で言ってしまったのが相手に伝わっただろうか。もう少し言い方があったのではと沈黙の間頭の中を色んな感情考えが巡るが、ため息とともに相手が自分の前に座ると、どうやら自分と一緒に居てくれるということに気が付くと嬉しそうに表情を明るくして。相手がメニューを見始めると、自分の手元にあるものも開いて見ながら、嬉しいのか口数が多くなって。ケーキのあるページを開いて見てみるが、何やら難しい言葉が。ショートケーキ、なんたらタルト、なんたらプリン…ぐらいはわかるがお洒落な言葉が並び過ぎてよく分からず首を傾げ、眉をひそめ。 )

まあ、俺はシンプルに苺のショートケーキ辺りで。… なら、このクレームブリュレとか。ある程度有名だし、名前も聞いたことあるだろ ？ 酒で味付けされたやつもあって、それなら甘さも控えめだし。（　 一瞬にして相手の顔が明るくなったので、分かり易い下心は見なかったことにしてやろうと。メニューを一通り見ると、スイーツに詳しいというわけではなさそうなので、聞いたことある名前だったりした方が親しみ易いんじゃないかと考え。自分は一先ず店の様子を伺うために王道でショートケーキを頼むことに。相手にはクレームブリュレの中でも酒が使われていて、比較的甘さ控えめにしてあるものをお勧めし。普段は口下手だし言葉も荒いが、スイーツのことになると口調は少しだけ柔らかくなり、自分にしては饒舌になり。　 ）

クリームブリュレ…、パリパリしたプリンっすか …？、 先輩が勧めてくれるんならそれにします。 ( クリームブリュレ。どこかで聞いたことあるような、無いような…と眉を顰め、SNSで女子が食べているのを見たことあるような、と記憶を辿りに辿って。お酒が入っていると甘さが控えめになるということは知らなかったので、うんうんと頷いて。甘いものの話だからか相手の口数が多くなってきて、むしろ勉強になりそうだと頷きながら相槌を。すぐ近くを通った店員に声をかけ、まず相手に注文を取ってくれと促して、相手が終われば初めて頼む為首を傾げながらクリームブリュレとやらを頼んで。頼み終わるとメニューを閉じ、席についてすぐに出されていた水に口を付けながら、「 ショートケーキってテッパンですよね。いつも初めはそれ頼むんすか ？、 」と問いかけて。 スイーツ好きなら難しい読みのケーキとか頼むんじゃないか、という偏見があったり。 )

んー … 確かに、パリパリしたプリンって説明が一番分かり易いかもな。取り敢えず実際に食べてみろ。（　 クレームブリュレと名前を出すよりパリパリしたプリン、と説明した方が眉を顰めている相手にとって分かり易かったみたいで。実際に食べてもらった方が言葉で説明するより早いと思い、敢えて自分から味の詳しい説明は避け。頷きながら相槌を打ってくれるので、話しやすくて、ついつい作り方等も勢いで話してしまいそうになったり。相手が店員を呼んでくれたので、自分はショートケーキを注文。カタコトの注文の仕方に、思わず笑ってしまいそうになるのを抑え。頼み終えてからは、他にどんなスイーツがあるのかメニューを見たりして、相手から話しかけられればメニューを閉じて 「 その店の甘さ加減とかが分かるから、初めて行く店は絶対に一番定番で基準となるショートケーキ 」と、自分なりの拘りを話し。　 ）

食べたことないと思うんすけど、プリンなのにパリパリしてるんすか ？、 不思議なスイーツもあるもんですね …、 ( 名前とものと見たことある写真とがどうにも一致せず、柔らかいプリンが茶色で固くて…なんて思い浮かべるも、どうにも食感が想像出来ず目を閉じて眉を顰める。 気になって仕方がないので、早く来てくれないかとそわそわ。頼んでもメニューを見続ける相手はやはり相当スイーツが好きで、通なんだなと感心。 「 へー、通ですね。 ショートケーキとか大人になってから全然食べてないっすよ …、 甘いものなら毎日食ってても飽きないんですか ？、 」 かつて自分が年端もいかない時期は好んで甘いケーキを食べていたが、いつから食べなくなったのか、それさえも思い出せず苦笑い。 相手の甘いものを食べる頻度はどの程度なのだろうか気になり、問いかけて。 )

言葉だけ聞くと不思議だよな。食べたら言葉の意味が分かると思うから、楽しみにしとけ。（　 確かに最初聞いた時は全く想像出来なかったことを思い出し。初めて食べる相手の反応を見るのが楽しみで。「 通じゃねぇよ、単にスイーツが好きなだけ。まあ、大人になってからケーキ食べる回数自体が減った人が多いよな。… 別に三食全部が甘いものでも俺は全然いい 」通と言われるほど立派に甘い物を語れるほどでもなく、単に自分はスイーツが好きなだけだと。きっと大人になってから大体の男性は甘いものを食べる回数は減っているだろう。相手が思い出せないのも仕方ないと思っていて。今まで考えたことなかった問いかけに、少し考える。朝昼晩と三食が全て甘いものでも大丈夫、むしろそっちの方がいいぐらいだと。そんな話をしているとショートケーキとクレームブリュレが運ばれてきて、机に乗っただけで周りはキラキラとしてしまうような輝きを放っているように見え。　 ）

はい、楽しみで…、って来ましたね。 …おおお、なんか焦げてますけど見たことあります ！、 … うわ、本当にパリパリっすね …！、 ( 言われた通りわくわくして期待して待っていると、じきにケーキが運ばれて来て。自分の側に置かれた小さな器の中には茶色く程よく表面が焦げたものが。やはり写真では見たことあったな、と確信して頷くも、食べたことがないので物珍しそうに見て。 さっそくいただきますと言った後にスプーンを入れてみれば、爽快なパリパリとした音が。なんだかパリパリが楽しくてスプーンの先で小刻みにパリパリしてみたり。見た目を楽しんだなら次は味だと一口。 相手の言った通り程よい甘さで食べやすく、美味しいですね、と微笑んで。 「 いいですね、好きなことあるって。 俺は全然食べなくなったせいか大量摂取は難しいですけど …、 … 流石に1日三食は、糖尿病なりますよ、 」 通ではないとはいうが、相当好きじゃなかったらここまではないだろうと感心して。 三食甘いもの、なんて想像したら流石にそれは自分には厳しく、それは甘いもの好きじゃないと入れない領域だ、と笑みを浮かべて。 )

お前、良いリアクションするじゃねぇか。… ん、こっちのショートケーキも美味い。ここの店は当たりだな。（　 相手の反応が気になり、パリパリとした表面を楽しそうにつつくところから一口食べるまでを見守り。まるで初めて見るものに興奮している小学生みたいで、表情も豊かだし言葉も素直な感想が多いのて見ていて面白く。相手の口に合ったんだと分かると嬉しく感じ。続いて自分のショートケーキを一口。他の店よりも甘さは少し控えめで、程よい甘さが食べやすい。相手の反応を見る限り美味しいらしいので、ショートケーキも美味しいし当たりの店だと何処と無く嬉しそうに。酔っている時とは違い、一口一口を味わうようにゆっくりと丁寧に食べ進め。「 健康診断、毎回血糖値が高いって医者から言われんだよ。一日三食甘いものは所詮夢の話 」今までに何回、血糖値が高くて糖尿病になってしまう、と医者から脅されてきたか。一日三食は夢の中の話でしかなく。血糖値が高いだの糖尿病になるだと合われるのはスイーツ好きの宿命かと思っていて。　 ）

そうですか ？、 やった、俺も嬉しいです。 あ、俺のパリパリプリン一口いります ？、 ( リアクションが良いと言われれば全く意識していなかったからか顔をあげきょとんとし動きを止める。果たして相手の反応はどうなのだろうかと相手がケーキを口に含んでいるのを見ていると、好反応で。自分が何気なく目に入り勧めた店だが、こうやって足を運んでくれて美味しいと言ってくれるのは中々嬉しいものでへらりと笑う。 男には、というか自分には小さめの器だったためか、このまま食べ進めていくとすぐに無くなってしまいそうで。 その前にと閃けば一口分をスプーンにとり、相手に差し出せば首を傾げて。 「 ですよね。 まぁ気をつけろって言われても、好きなものならやめらんないですよね 。 」 医者からも言われているとなれば相当なんだろうなと。が、好きなものを食べるなと言われて食べない、なんて我慢は自分にはできるわけなく、もし自分が言われたことを想像すると苦い顔をして首を横に振る。 )

見てて面白いっていうか、… 何でもない。パリパリプリンって、ブリュレな。… ありがと。（　 表情に分かり易く出ていたり、声色でも感情が直ぐに分かる相手は子どもっぽい、と言おうとしたが拗ねそうなので言うのを止め。パリパリプリンという呼び方には一応訂正を入れつつ、相手のスイーツを貰うのは悪いと思って断ろうと。が、向けられたスプーンの誘惑に負け。ありがとう、とお礼を言うとスプーンを受け取り一口。控えめの甘さがくどすぎず美味しくて、思わず食べた後に小さな声で … 美味い、と呟き。自分ばかり貰ってしまっては悪い気がして、スプーンを返す次いでに、一口分のショートケーキを取ったフォークを相手に差し出し。「 それなんだよな、我慢出来ねぇんだよ。お前こそ、食べ過ぎたりしないのか ？ 」相手の言葉に共感して軽く頷き。食べることが好きと言っていたので、相手こそ食べ過ぎたりしないのかと。太っている訳では無いので、それなりに気を付けているのかと気になり。物は違ってもお互いに食べることが好きなので、何か気を付けていることがあれば参考にしようと思いつつ。　 ）

いやいや、なんか言おうとしましたよね、気になりますんで言ってください。 ぶる、ブリュレって言いにくいっすよ 。 ( 何でもない、と言われてしまえば多分続く言葉があったんだろう、自分に関してのことだろうから、気になってしまい続けてほしいと。言える気がしない言葉だったが訂正されてしまえばうまく言えず一度噛みながらも言い直して、難しい、といったように眉をひそめて。 クリームブリュレを一口食べた相手の口から美味しい、と聞ければ、なんだか可愛い、と思ってしまい。スプーンが返ってくればまた食べ続けようとすれば、予想だにしなかった相手からの一口。相手は甘いものが好きだから、それを他人と分けようとは思わないだろうと思っていたため少し驚くも、お礼を一言言いながら相手の手に少し手を添えて、少し身を前に傾ければ一口をもらって。あまり甘すぎず食べやすく、美味しいですと笑みを浮かべる。 「 これ言うと返される言葉は予想できますけど、俺見た目的に太らない体質なんです。 でも流石に体重くなるんで、筋トレしたり、週末はよくフットサルとか誘われるんで、人より動いている方だと思います。 」 言いにくそうに口を開くと、今まで同じことを言えば同じような答えが返ってくることはわかっていたので恐る恐る告げる。学生時代につけた筋肉もそれなりに保ってはいたいので、週末はほぼ友人と運動することが多く、相手にどう思われるかだろうかと思うが、気休めではあるが付け加えて。 )

… 見てて面白いっていうか、表情豊かだし分かり易いから子どもっぽい。久しぶりに食べるショートケーキも美味いだろ。（　 言うか迷った末、先程 言いかけた子どもっぽいということを話す。これを言ったらどんな反応をするんだろうと少しだけ楽しみに思ったり。確かにブリュレ、と言い難いので相手の言い分には納得。噛んでしまう相手に思わず笑いそうになって。本当に相手は見ていて飽きなく。ショートケーキを食べると美味しいと言ってくれたので、自分が作った訳ではないが嬉しくて。美味しそうに食べる人を見るのが好きなので、今度自分が作ったスイーツも食べてもらおうかと考え。自分の好きなものが褒められるのは嬉しくて、機嫌が良さげに上記を言い。「 前も言ったけど、太りやすくて直ぐに見た目で分かるんだよ … だから、お前が羨ましい。身体もちゃんと動かして偉いじゃんかよ。お前さ、意外と真面目な所あるよな 」シンプルに、羨ましいの一言しか出てこなく。自分は太りやすい故にジムに行ったりしているが、見た目的に太りにくい体質なのにしっかりと身体を動かしていることは感心し。普段はヘラヘラとしているが、部屋が綺麗だったり、近所の人に挨拶をしていたり、真面目な面もあるのだな … と思い。思ったことをそのまま何となく伝える。　 ）