ありったけの砂糖を貴方に　/　〆

子供 …、 俺そんなにガキっぽいですかね ー…。 美味しいです。先輩のお陰で俺も甘いものハマっちゃいそうですよ。 ( 子供っぽい、と言われてしまえば顔をしゅんとさせ、もう二十歳過ぎている大人であるのに言われてしまうと少し落ち込んだように。表情や態度が子供っぽいと言われるとどうしようもなく、どうしたものかと眉をうーんと寄せて。久々に食べると懐かしさも感じるが、最近甘いものを食べる時は相手と一緒に居るからか、余計に美味しく感じるし、相手と一緒に居られるなら食べて居たい、とさえも思っていて。ただ、そう思っているは片思いしている自分だけではないのかと少し不安も募りつつ。 「 意外と、ですか ？、 まぁそれもよく言われますけど …、 真面目な方が好きですか ？、 」 意外と真面目、というのもよく言われ、褒め言葉として受け取っていたが、言われる相手が相手なので、子供っぽい印象と真面目な印象を与えているがどちらの方が相手の好みなのか気になり、首を傾げれば問いかけて。どっちにしろ自分で意識して真面目でいるわけでも子供っぽくいるわけでもないが、相手の好みを知るチャンスかと思って。 )

それがお前の個性だって俺は褒めてやってんだよ。昨日のフルーツタルトも今日のショートケーキも美味しいって言ってもらえて嬉しい … って、俺が作ったわけじゃねぇんだけどな。（　 子供っぽい、というのは表情が豊かなのが羨ましいという意味もあり。表情豊かで人から好かれそうな性格で、人懐っこくて … 自分が持っていないものを相手は全部持っている。そんな個性が羨ましくて。メッセージでフルーツタルトも美味しいと言っていたし、スイーツ仲間が増えるのは素直に嬉しく。そういえば、二日ほど経って相手はまだ自分のことを諦めていないのだろうか … 告白のことを思い出したら何となく気まずく感じるので、相手がこの話題を振ってくるまでは自分から迂闊な質問は避けようと思い。「 真面目な方でも子供っぽい方でも、別に俺はどっちでも。どっちか選んだら、お前キャラ作るだろ 」もし自分が真面目な方と答えたら、きっと相手は真面目を意識して自分と接するだろうし、それはそれで面倒くさく。キャラを作って接されるのは嫌なので、遠回しにそのままで居ればいいという意味で。　 ）

子供っぽいのが個性ってなかなかですけど、先輩から褒められるのは嬉しいです。 先輩は自分でスイーツ作ったりするんですか ？、 もし作るんだったら、今度味見役していいですか？、 ( 滅多に褒めなさそうな相手が自分のことを見てくれて、ここまで褒めてくれているとなるとやっぱり顔は緩んで来てしまいへらりと嬉しそうに笑って。 相手自身が作ったものではないが、と言うが、言い振り的に相手はもしかして作ったりするのだろうか。もし作るんであれば食べてみたい、とまだ相手から返事は来てないものの乗り気。 「 たしかに、先輩にどっちか好きな方言われたら頑張って作りますね …、 …先輩って、俺に興味なさそうなのに何だかんだ見てくれてますね。 」 相手が選んでしまったら、自分はきっと相手の好みになりたいがためにそちらを意識し過ぎてしまう。そういう風に自分がなるというのはわかって居たが、それが相手の口から聞けるとは思っていなかったため、もしかして案外見ているのは自分から一方通行なのではないかも、なんて淡い期待を寄せて。 )

一応俺も作ったりするけど … はぁ、ったく今度な。不味くても文句言うなよ（　 自分が少し褒めただけなのに顔を緩める相手を見れば、相変わらず変わっていると思い。自分から褒められて嬉しいものなのかと不思議で。作ったりする、と返事をする前に食い気味に味見役を立候補されたので、断るにと断れず。仕方ないといった感じで溜息をつくと、今度作ってくると約束を。頻繁に作るわけではないので、味は堂々と自信を持てなく、ハードルは下げておいて。「 … 勘違いすんな。俺はお前を一人の後輩として見てるだけだ 」確かにキスをしてから嫌でも相手の行動が気になるようになった。が、それは飽く迄一人の後輩として見ているだけ。きっと相手に対して甘いような感情はない、と自分では思っていて。押しに弱いが、押されるまでの壁は自分でも高いと自覚している。頑張って相手が押せば話は別かもしれないが、淡い期待をしているだけ後が虚しくなるだけだろうと、勘違いすんなの一言を相手に送り。　 ）

約束ですよ ？、 何言ってるんですか、俺にとっては、先輩の手作りがもらえるってのに大部分意味があるんです。 ( 予想通り相手はやはり作るようで、断りきれない性格もここまで来てしまうのかと思うが、自分に作ってくれるのであれば何も気にすることはなく、期待をするなと言われてもしないわけがないが、あまりプレッシャーをかけすぎるのも良くないので気にしないでくれとの意味も込めて上記を。 「 俺も最初は、先輩のことは職場の先輩としか思ってませんでした。 それから好きになったのは割と早いですけど、今はただの後輩でも、いつか俺を好きになってもらえるまで、頑張りますから。 」 勘違い、と言われれば、どうやら相手はやはり少しでも告白のことだったり口付けだったりと気にしてくれているんだろうか。 もっと意識してもらうために時間がかかるとは思って居たが、もっと押してみようか、と机に肘をついて自分の両手を握ると、いつものへらへらした顔とはまた違う真剣味を帯びた表情で言って。 )

ん、約束。何か食べたいのないのかよ、お前のリクエストしたやつ作るから。（　 今まで自分が作ったスイーツを人に食べてもらったことがないので、いい機会だと思い。何を作ろうか迷うが、せっかく作るなら何か相手が喜んでくれるものが作りたいと思い、リクエストを聞いてみて。作ったことあるものなら安心できるし、作ったことないものなら新たなチャレンジになるので、どっちにしても前向きに捉え。「 … あっそ、頑張れ 」不思議なもので、一度告白されたり口付けをしてしまうと良い意味でも悪い意味でも意識してしまう。そんな相手から両手を握られ、見たことない真剣な顔で惚れさせる宣言をされれば目線を逸らし。断れない性格で更に流されやすいので、自分自身に気を付けろと言い聞かせ。真っ直ぐに真剣な眼差しを向けられ、両手を握られてしまったら何を発して何をすればいいか分からなく、未だ目線は逸らしたままに咄嗟に思いついた上記を呟き。　 ）

うーん …、チーズケーキ、とか難しいですか ？、 ( リクエストとなると、自分は有名なものしか知らず、スイーツなど普段から食べているわけではないのでぱっとは思い付かず、少し考え込むと一番最初に出てきたものを口にして。自分はスイーツを作りはしないのでどれくらい大変なのか見当もつかないが、難しいと言われれば他にも案を出そうと他のスイーツも思い浮かべて。 「 へへ、頑張っていいんですね。頑張ります。 」 手を握る力を緩め、完全に否定されたわけではないんだなと安心すると表情の緊張を緩めて。少し前のめりになっていた姿勢を普段の姿勢に戻せば、残っている冷めかけたコーヒーに口をつけると、だいぶ時間が経ったことに気付く。 腕時計を見れば昼時も少し過ぎ、これから特に何も用事がないのでどうしようか、なんて視線を逸らし考えていると、はたと思いつけば相手に視線を戻す。 「 …先輩の手作り、今日食べたいって言ったら作れます ？、 」 拒否されても構わないが、言ってみるだけ言ってみようと。 )

チーズケーキぐらいなら、難しい方じゃないし任せろ。（　 何度か作ったことがあるので、安定した美味しい味になる自信があり。先程までの何処か不安げな様子から、一気に自信に溢れた様子に。せっかく初めて他の人に自分の作ったスイーツを食べてもらうのだから、とびきり美味しいチーズケーキを作ろうと、言葉には出さないが内心張り切り。頑張れの一言を言っただけで、先程までの真面目な表情から、いつも通りの緩い表情に戻っていて。緩く握られた手を離すと、照れ隠しでふいっとぶっきらぼうに対応し。相手と居ると色々と調子が狂ってしまい。相手が時計を見たのにつられて自分も時計を見てみる。この後は特に予定がないが、長居するわけにもいかないしので店を出ようかと思っていると相手から話しかけられ「 … ん、まぁ、作ろうと思えば作れるけど」と。それほどスイーツが早く食べたいのだろうか、なんて考えつつ返事を。作る工程で冷やしたりするので一旦家に帰ってもらって、後から自分が届けに行こうか、それともいっそのこと自分の家に来てもらって時間を潰してもらうか。どうしようかと悩み始め。　 ）

本当ですか ？、 よかった、楽しみにしてます。 ( 相手の表情が不安げなものから自信があるような表情に変わったので、良い提案だったかと内心安堵。任せろとの言葉にやはり自信ありげなようなので、期待を膨らませる。 顔を逸らされてしまえば、逆効果かなと思いつつ苦笑して。 「 まじですか、材料とかは ？、 買い出しとかあるなら手伝います。 時間かかりますか？、 なら俺どっかで時間潰しますけど、 」 けど、と終わっているが作れるという言葉を聞き逃さず嬉しそうに表情を明るくすると、口早に言って。もしなにか必要なものがあれば手伝うし、むしろ一緒にいけるなら行きたい思いが強く、良い機会だと。 なんだか一緒に飲んだり家に泊めたり偶然ここで会ったりと随分自分に都合のいいことばかりでいいのかとは多少は思うが、どうにも相手と居られるのが嬉しくて上機嫌に。 )

なら、材料の次いでに他の食材も買いたいし、手伝い頼んだ。冷ます時間もあるから、時間はある程度はかかるって感じだな。（　 機嫌良さげで早口気味に質問を投げかけられたので、突然のことで少し驚く。チーズケーキの材料が都合よく冷蔵庫にあるわけではないので買い出しが必要。手伝ってくれるのなら、自炊のための食材も買い込みたく、お言葉に甘えて手伝ってもらおうと。美味しいチーズケーキを食べてもらいたいので妥協はしたくなく、しっかりと時間は取りたくて。駅から近いし、それなりに自分の家の近くでも時間を潰せる場所もあるだろうと思い。上記を話しながら立ち上がり、先輩として後輩である相手の分の会計も済ませ。店を出ると、買い物に付き合ってもらうために自分の車の方へ向かい、鍵を開けると乗るように促し。　 ）

はい、勿論です。 いくらでも待てますから 。 ( 手伝いを頼まれると快諾しては上下に首を振って。時間はかかると言われるが相手を待つ時間だって良いとさえ思えそうで、いくらでも待てると確信があればくすりと笑って。相手の後に続いて立ち上がれば、払おうと思って居たところ先に会計をされてしまうとその後ろ姿を見ながら自分がと思っていたのに、と不満げな表情をするも、相手が会計を終わらせれば顔を上げて礼を一つ。店を出て相手の後ろをついて行くと、相手はどうやら車で来ていたそうで、鍵が開くと助手席に乗り込んで。背が高いためいつも座席を調節しなくてはならず、少し調節してからシートベルトを締めて。相手の運転をしているのをこんな間近で見られるとは思わなかったし、まさかそれが私服の時だとは思わず、なんだかわくわくして、運転よろしくお願いします、の一言も声が弾んでいる。 )

ん、ありがと。買い物は本当に助かる。（　買い物に行くのが面倒臭いので毎回一週間分を纏め買いしていて。故に一人だと重くて大変なので、相手が手伝ってくれるのは本当に助かり。素直に嬉しそうな反応を示し。先輩として後輩に奢るのは当たり前だと思っていて、その為躊躇うことなく代金を支払う。しっかりと礼をしてくれる辺りはやはり相手の真面目さが見え。相手が乗り込むと自分もシートベルトを締める。かけてもらった言葉に、… ん、とだけ返事を。隣に居るのにラジオを聞いているのは相手に申し訳なく感じ、いつも流しているラジオを切ってから車を走らせ。真っ直ぐに前だけを見て安全運転をし。暫く車を走らせると自分の家に戻る途中の道にある普段よく行くスーパーの駐車場へ。入口付近に停めると車から降り、相手も降りると鍵を。カートを持ってくるとカゴを乗せ、青果コーナーから足を運び。　 ）

ケーキ奢ってもらっちゃったので、そのお礼、ですね。 ( 他のものも買うと言っていたが、それほど多いのだろうか、それなら先程奢ってもらったお返しができると思うとやる気にも満ちて。車に乗っている間少しの間流れたラジオはいつも聴いているものだったのだろうか、しかしこちらに気を使ってくれたのだろう止めてしまう。なら代わりに話をしようかと、仕事場の友人が面白い行動をしていただとか、先週末友人とフットボールしていたら同い年の友人がぎっくり腰になっただとか、他愛もない話をして。するとすぐにスーパーへ着いたようなので、相手の後ろについて行く。 「 俺が押しますよ。 先輩についていきますんで。 」 カートに手を掛けながら声をかけると、相手の横をカートを押しながら相手の歩みに合わせて歩いて。 )

んじゃ、カートは頼んだ。ありがとな。（　逆に気を使わせてしまったのか、車内では相手が色々な話をしてくれ。そのおかげでスーパーに着くのは体感的に早く感じ。相手からの声掛けにカートを渡すと青果コーナーを一周してから気になったものを選び。沢山買うとは言ったが、一人暮らしなのでカゴに入れていく野菜は半分にカットされているものばかりで。その後にはハンバーグに挑戦してみようと思っていたので挽肉や、チョコレートのお菓子、ハイボールやビール等の缶のお酒、朝食に食べる用のパンやコーヒー、チーズケーキの材料諸々をカゴの中へ。カゴがいっぱいになってくると、レジへと向かって会計を。レジ袋に買った物を入れると、缶のお酒が入った重い方を持って、お菓子やパンなどの軽めの物が入った方の袋を相手に持ってもらうようにお願いして渡し。店から出ると車の後部座席に買った荷物を置き。運転席へと移動すると相手が乗ってくるのを待ち　 ）

… 随分買い込むんですねー、 量すげぇ、 ( 相手はまとめて買い込む派なんだろうか、次々と入れられていく食品やら酒類やらを目で追いながら、ぼそりと呟いて。一つ一つは一人暮らし用のサイズだが、量が多くすぐにカゴはいっぱいになっていて。これぐらいの量だと一週間ぐらいは持つんだろうか。自分はまとめ買いはしない方だし自炊も時々しかしないのでこんな量を自分で買い込んだことがなく物珍しく見ていて。 買い物が終われば、案外自分に渡された荷物は軽く、相手は酒の入った方を持って行ってしまったので交換をと思えばすぐに車についてしまいそれは叶わず。相手が後部座席に荷物を置けばそれにならって置くと、助手席に乗り込んで。 しばらくして相手の自宅につけば運転ありがとうございました、との一言を言ってから車を降りると、重い方の荷物を手に取って。 相手の家は初めて訪れるので相手の後ろをついていこうと。 )

態々スーパー行くの面倒臭いし、毎回一週間分を纏め買いしてんだよ。（　とにかく面倒臭がり屋なので、買い物はまとめて買う派。面倒臭がって何もやらなくなるので、自炊だけは必ずするようにしていて。その為、食料品も多く。一人暮らしの男が買う量ではないので、量が多いと珍しそうに見る相手の気持ちも分かり。家の近くのスーパーなので自宅に着くのは早く、駐車場の決まった場所に慣れたように駐車し。相手が重い方の荷物を持ってくれたので自分は軽い方を持ち、自分の住んでいる面白味もないごくごく一般的なマンションへ率先して向かい。二階故にエレベーターではなく階段を使って角部屋である自分の家へと行き、鍵を開けると 「 お前の部屋みたいに片付いてないけど、どうぞ 」と言って相手を通し。机の上には朝に読んだままの新聞が広げられ、テレビの近くには同じく朝のままで放置されたゲーム機、小さめのソファにはスーツのジャケットがかかっていたり。もう少し片付けていればよかったと後悔しつつ、部屋とは対照的に整頓されたキッチンへ買ってきた袋を置き、冷蔵庫などに入れていき。　 ）

自炊するんですね。 俺外食とコンビニの割合が最近多くなっちゃって、冷蔵庫閑散としてます。 ( 食材を買っているところを見ると、かつて自分も自炊に励んでいた時を思い出しては、今となっては面倒くさくて作らなくなってしまい、何もない自分の部屋の冷蔵庫を思い浮かべると苦笑して。相手はよく自炊をするんだろう、ならチーズケーキも期待してしまおうか、なんて思ったり。相手の後ろをついて行けば、階段を登りしばらく歩いていると相手の名字の表札が見え、成り行きではあるが相手の自宅に来てしまった、と少し心が踊るよう。お邪魔します、の一言とともに中に入ればやはり気になるのか少しきょろきょろと部屋を見渡すと、生活感のある部屋で。ゲーム機会が目にとまると、あれは相手のものだろうか、と首を傾げる。 相手が片付けている音がするとそちらの方へ歩み寄れば、 「 なんかお邪魔する感じになっちゃってすみません。 」 相手に自分の持っていた袋から食材やらを取り出せば手渡しながらそう言って。 )

偶には自炊もしろよ … って言っても、面倒臭い気持ちも分かるけどな。（　 自分も少し甘えたらコンビニや外食が多くなってしまうと思うし、自炊が面倒臭い気持ちも分かり。栄養バランスも偏るし自炊しろ、と言ってやりたいが言える立場ではないので引き攣ったような苦笑いを浮かべ。家に人を招くのは久しぶり、というか人を家に呼ぶことがないため、来客用のスリッパ等がないので申し訳なく感じ。部屋を見渡されれば、改めて散らかりが目立つので恥ずかしく。相手は置いといて冷蔵庫にしまっていると、相手もそれを手伝うように来てくれ。相手から渡される食材諸々を入れ終わり 「 いや、別に。俺は今からチーズケーキ作るけど … お前はどうする ？ 」と。作り終わったら連絡するのでどこかに遊びに行ってくるのか、戻ってくるのが面倒臭いようなら何もないが自分の家に居るのか … その二択を問いかける。質問しつつエプロンを取り出して着替え、返答を待ちながら材料やボウル等を出して準備を始め。　 ）

面倒なんですよね ー …、 ごくたまーに親が来て作り置きしてくれるんで、甘えてます。 ( 自炊といってもレパートリーも少なく作られるものも限られ飽きも来ていてやる気が起きずにいて。親も何度か来てくれて作って行ってくれているし、外食にいく相手もたくさんいるので困ることはなかった。相手も気持ちがわかるといい苦笑いを浮かべているところを見ると、面倒と思うんだろう、同意をするように首を縦に数回振って。 「 んー … 、 …先輩が嫌じゃなければ、ここにいてもいいですか ？、 」 これから作ると言って既に準備を始めている相手を見ながら、エプロンを着た相手を見ては、これは作っている姿を見ていたい、と思い先程までは外に出ていようか迷っていたが即決してここに残りたいと思って。残る気は満々なのか買い物の整理が終わるとソファに座り、頬杖をついて相手の作っている後ろ姿を眺める。 )

親に一人暮らしをして自立するなら絶対に自炊しろって言われて … うちの親も作り置きしてくれねぇかな … 。（　 一人暮らしをする条件として出されたのが必ず自炊をすること。大学生の頃から今でもずっと守っているのだから健気だと自分でも思い。親が偶にでも作り置きに来てくれれば楽なのにと相手が羨ましく。態々来てくれるということは一人っ子なのかと気になり、お前って一人っ子 ？、と上記に続けて質問を。「 … 何もねぇけど、好きに暇潰ししていいからな 」自分が返事をする前に相手は既にソファに座っていて。断る理由もないし、自分はチーズケーキを作るだけなので迷惑とも思わないので追い出すような発言はなく。早速チーズケーキを作り始めながら上記を。新聞、ゲーム、映画のDVD、数冊の漫画 … 趣味が合わなければ暇潰し出来るようなものは無いが、適当に好きなように使っていいと。キッチンに置いてあるスイーツのレシピ本を見ながら慣れた手つきでチーズケーキを作りつつ。　 ）