ありったけの砂糖を貴方に　/　〆

…好きだなぁ、本当に。 ( 相手はぴたりとくっついて離れず、素肌に相手が触れていて前なら緊張していたかもしれないが、今では相手は自分の恋人であるからかむしろ腕の中にいるのが安心できて。 上から見える相手の寝顔はきっと特別なもので、見れば見るほど愛おしさが増していき、誰にも見せたくない、と思うと無意識に相手を包み込むように抱きしめ。 相手の呼吸音を聞いているとだんだんとまた瞼が重くなっていき、目を閉じてはうたた寝を。 部屋に響くスマホのアラームの音が遠くに聞こえるが、まだこの微睡みの中にいたい、と眉を寄せて。 )

三好、起きろ。… んで、早くこの状態どうにかしろ。（　 普段とは違うアラーム音に、朝が弱い自分でも直ぐに目が覚め。開いた視界に広がるのは、見慣れた家の真っ白な天井ではなく、真っ平らなパジャマ生地。それが相手の胸元ということを理解するのは早く。目が覚めた途端に相手との密着度の高さに恥ずかしくなり、それに比例して顔は朱に染まり。恥ずかしくて直ぐに離れようとしたが、相手の方が身体が大きい分力も強いのか、簡単に離れなれなく。気持ちよさそうに寝ている相手を起こすのは申し訳ないが、頬を優しく叩きながら上記を、目線を逸らしつつ述べ。　 ）

んん〜…？、 あともう少しー …。 ( もぞもぞと胸元で動きを感じ、眉をひそめ、それを落ち着かせようと余計に抱きついて。 すりすりと髪にすり寄っては起き上がる気配もなし。 頬を叩かれるとやっと目を開ける気になったようで、薄っすら目を開けると、当たり前だが相手の姿が。 やはりそれが嬉しいのか表情は綻び、こちらと目線を合わせてくれない相手の頬を撫でると、額に口付けを。 「 はぁー… もう起きなきゃいけないんすね ー… 」 とがっくりと体の力を抜いて。 もう少しいいか、とでも言いたげに相手を見つめてみると。 )

ったく … 、あと少しだけな。（　 寝ぼけた相手により密着度は高まり、このままでは煩い鼓動が相手に伝わってしまいそうで。やっと目を開けてくれたと思ったら、額に柔らかな感覚が。何と言うか、正直に言ってしまえば幸せだが、まだまだ素直ではない自分にとっては朝からカロリーが高く。一日の始まりから疲れてしまいそうで、今すぐにでも起きて離れてほしいのに、相手に甘すぎる自分は溜息混じりに上記を。こんな事を言ってしまうあたり、どうやら自分でも満更でもないと思っているようで。照れてしまった顔を見られないように、未だ相手の胸元に額をくっつけて。 　 ）

へへ、 幸せ ー…。 ( 相手の口から許可がおりると、待ってましたと言わんばかりに抱きついてはすりすりと頬ずりして。 前日寝不足だったせいかあまり頭がはっきりして来ず、ふわふわした気分のまま好きな人を抱きしめているこの状況が幸せすぎて、腑抜けた声で上記を。 平日のため仕事があるのだが、目の前の幸福に気を取られ時間を気にしないまますりすりと体を寄せて。 髪や額、頬など至る所に唇を寄せ、ちゅ、と音を立てながら口付けをし。 しばらくして寝ぼけ半分にスマホを手に取ると、時間を見てやっと目が冴える。 「 先輩！、いつのまにかもうそろそろ出なきゃ間に合わない時間です！、 」 がば、っと起き上がると相手に時間を告げ、慌ててベッドを降りて。 )

だから起きろって言っただろ、遅刻したら帰りにアイス奢れよな …！（　 お構いなく身体を密着させ、好き勝手に口付けされれば、さすがに調子に乗らせ過ぎただろうかと自分の言動を改め。この恥ずかしい状況を乗り越えるには、無駄な抵抗はせずに満足するまで触らせ、じっとしるのが一番だと思い。耐えているのに必死すぎて時間まで考えてなく。先程までの腑抜けた声は何処へ、急に起き上がっては忙しく時刻を知らせてきたので流石に吃驚し。相手に続いて慌てて起き上がると、上記を吐き捨て。自分は取り敢えず先に着替えることにし、パジャマから昨日着ていたスーツに着替え。元から髪に癖は全くないので、髪は手で軽く整える程度で済み。 　 ）

すみません …！ アイスでもなんでも奢りますよ ！、 ( 幸せなゆったりとした時間だったのに一気に現実に引き戻され頭は覚醒。 慌てて洗面所に走ればところどこある寝癖を見ると顔を歪めるが、これぐらいなら大丈夫だろうと顔を洗い髪はある程度整えまたリビングへ。 パジャマからスーツへと着替える途中、相手の様子を見ながら、 「 先輩あとどれくらいいけそうですか ？、 ほんとすみません…！、 」 とあくせくして。 服を着ながらもやはりぴょこんと出ている寝癖は気になってしまうが構ってはいられないと目を逸らし。ネクタイ手持ち、あとは鞄を持ってスマホを持って朝食はあとで、なんて頭の中はぐるぐる回り。 )

なんでもって言ったな ？ 後でその言葉後悔するなよ。 （　 なんでもいいのなら、今日はアイスを沢山買ってもらおうと。遅刻しそうで朝からてんやわんやだが、アイスのためなら、なんて朝だからなのか暢気な考えが浮かび。相手がリビングに戻ってきたのと入れ違いに洗面所に向かい。顔を洗ったりと諸々の身支度を整え。戻ってくる最中にネクタイを締め、鞄の中にスマートフォンを入れたり荷物の準備をしつつ 「 俺はいつでも大丈夫。お前はいいから落ち着け 」と相手の質問に答え。車の鍵をポケットに入れると、忙しい相手に代わって相手の鞄とスマートフォンを持ってやり。朝食は会社に着いてから近くのコンビニで買って … と考えたり、相手とは対照的にこういう時は冷静で。 　 ）

何でもですよ何でも …！、 ( 部屋を右往左往してはせわしなく支度をしていて、いつも支度には時間をかけているからか余計に慌てていて。しかし一緒に寝ていたのに相手はほとんどいつも通りの格好で、ぎょっと目を丸くし。 決まらない髪を気にしながらも相手が鞄を持って待っていてくれているのが目に入り、慌て家の鍵を持てば腕時計を確認し、 「 急げば間に合います …！、 鞄ありがとうございます、 」 と声をかけ。 靴を半端に履けば先に扉をあけ、外でちゃんと履き直そうと。 )

よし、意地でも間に合わせる。靴は車の中でも履けるから、今はとにかく行くぞ。（　 普段から必要最低限の身支度しか済ませなくて短時間で準備が済むので、普段と変わらない様子で手早く準備を済ませ。遅刻は嫌だし、相手と二人仲良く遅刻なんて恥ずかしいのでもっと嫌で。相手が靴を履き終わると鞄を渡し、しっかりと施錠したのを確認するとダッシュで階段を降りて駐車場へ。自分の車に乗り込めば直ぐにシートベルトを着用し、相手が着用したかも確認せずに車を走らせ始め。 　 ）

あ、 ありがとうございます、 ( 靴を履きかけていると相手は早々に家を出てしまい、慌てて鍵を閉めると走って後を追いかけ。 相手の後を追い、車に乗り込み扉を閉めた途端車が動き出したため座る位置がずれる。 「 わ、…ってか、ナチュラルに車乗せてもらってすみません。 」 駐車場から出たところで座り直しシートベルトをつけると、手にしていたネクタイを結びながら横にいる相手にちらりと視線をやり、自然と乗り込んでしまったことに一言を。相手の横顔はいつも通り平然としていて、遅刻しそうだというのに整っていてなんだか若干悔しい気分に。 少しいじけた顔をしながらネクタイを結び、次いで髪の寝癖が気になるのか上から抑えてみるもひょこりと出てくる寝癖にため息を。 )

いや、家泊まらせてもらったお礼。… って、お前すげぇ寝癖。（　相手から家に来てほしいと言われたが、パジャマまで貸してもらったので、車に乗せたのはその御礼だと律儀に。車が走り出してからは真っ直ぐに前だけを見ていたが、信号待ちになってから相手の方にチラリと目線を向け。すると、可愛らしく存在を示すように寝癖が出ていて。その寝癖を見て、思わずクスッと笑いが零れ。朝だからなのか些細なことでも面白く感じてしまい、じわりじわりと笑いが込み上げてきて、初めて相手の前で我慢せずに笑い。少しして我に戻ると、恥ずかしそうに咳払いをして元のツンと冷たい表情に戻り。すると会社が見えてきたので、駐車場に車を停め「 … ん、案外余裕で間に合ったな 」と。 　 ）


（　 /　夏バテ気味なのか体調が優れなく、お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。徐々に回復してきましたので、明日からは今まで通り来れると思います。ご迷惑をおかけしました。こちら本体は返信不要で大丈夫です！ これからも宜しくお願い致します。 　 ）

ありがとうございます。 …俺もっと檜山さんが笑ってるところ、見たいっす。 ( 自分から来てほしいと言ったにも関わらずこうしてお礼として送ってくれるなんて律儀で相手らしいなと感じ。 寝癖を気にしていると、相手の視線がこちらに向き、そして珍しくも笑みを浮かべていて。 初めて自然に笑った相手の笑顔を見ると、心の奥がきゅんと締め付けられ、もっと見たいという衝動に駆られ呟くように上記を。 すぐに表情が戻ってしまうが、それでも相手は自分にだんだん気を許してくれているのだと思うと嬉しくて表情が緩み。 家から会社までは近いのですぐに着いてしまい、余韻に浸る間もなく車を降りなければならなくて。 車から出たら相手と自分は先輩と後輩に戻らなければならないと思うとなんだか寂しくて、 とんとんと相手の肩を叩けば、 「 檜山さん、 またうち来てください。 土日でも、なんならいつでも。 」 と車を出るまでなら恋人同士でもいいだろうと自己判断をすると相手の頬に軽く口付けをして。 )

… 俺の笑ってるところ ？ それはお前次第だな。（　 人前で表情を全面に出すのが苦手で尚且つシャイな自分がここまで人前で自然に笑ったのは久しぶりだし何よりも珍しく。それくらい相手に好意と信頼を感じてきているのだと実感し。毎度の如く可愛らしい返事はできなく、ツンとした態度のまま相手次第だと。直ぐに会社に着いたので、家が近くて羨ましいと暢気に考えたり。同時に、もう会社に着いてしまったのかとなごりおしさもあり、きっとそれは自分の気の所為だと言い聞かせ。車から降りようとすると、肩を叩かれたので ん？、と軽く振り向き。柔らかな感覚が頬にし、突然のことだったので驚いた様子で。偶にはデレた言葉でも言ってやろうかと思い、ふっと笑い 「 … お前もいつでも俺んち来いよ 」と。それだけ伝えると直ぐに前を向き。真っ赤に染まった顔を見られないために、まっすぐに前だけを見て車から降り。相手も降りると鍵をし、普段と変わらずに先輩として足早に会社の中へと消え。 　 ）

じゃあたくさん笑わせられるように頑張りますね。 檜山さんが自然に笑ってくれるように。 ( 寝癖を見て笑っていたのは不可抗力というか、自分の思っていたタイミングではなかったがそれは逆に不意打ちで心を奪われていて。 そのおかげかもっと相手を笑わせたい、と思うようになり頭の中はデートでどこに行くかなどでいっぱいに。そうして考えている間はとても楽しくて、それは表情に出ていて。 「 …！、そんなこと言われたら、俺いくらでも行きますよ！、 」 相手の口からデレが出て驚きとうれしさを隠せず表情はぶわっと明るくなり。 いつでも、なんて言われたら本当に毎日でも行くつもりでいて。 車を出、後輩として相手の背中を追い会社へと入り。 晴れて恋人同士になりモヤモヤが晴れたからか一層仕事に励み。公にできない関係だからこそ出来るだけ触れられる時間が欲しく、たまに相手に後輩として話しかけたときは周りに見えないようにするりと何気なく相手の指先に触れたりして過ごし。 昼休み、昼食も取り終わり1人給湯室で相手へメッセージを送り。 ‘ 今週末土日空いてますか？、 もし空いてれば、その時間俺にください。 先輩が好きなことを色々知りたいです。 あ、泊まりに行くんで、そのつもりで！、 ’ と相手の家を訪れる気満々で。外出でも家の中でも、何より今回の目的は相手の好きなことを知ることなので、週末いっぱいかけて相手の好きなことをして一緒に過ごしたいと考えていて。相手の好きなことを知れば相手を笑顔にできることも沢山考えられるのではないかと。 )

調子乗って毎日来たら、お前出禁にするから。（　 また少し甘やかし過ぎただろうか。いつでもなんて言ったのは自分だが、先程の言葉が後になって妙に恥ずかしく感じて、可愛げのない上記を述べ。ギリギリ遅刻は回避。安堵したのも束の間、取引先が締切日を早めて欲しいと言われたらしく、二日三日ほどで済ませる書類を一日で終わらせないといけなくなったらしく。その面倒臭い仕事を、仲のいい同僚と共に二人だけで仕上げることになり。仕事中の相棒である眼鏡をかけて同僚と文句を言いながら仕事を進め。時折相手が後輩として来れば、そのくせに最後には指先に触れてきたりなどしてきて。その度に腹を痛くない程度に軽く殴り。昼休みになっても半分も終わらなく、休憩にスマートフォンを開くとメッセージが。‘ お疲れ。了解。 ’ とだけのシンプルで淡白なメッセージを。歯ブラシが一本しかないから、もう一本買っておこう。相手用に大きめのパジャマを買っておこうか。箸や食器もいるよな … と、先程のメッセージを送った本人とは思えないほど相手が泊まりに来る準備を一人で考えたり。なんだか自分が相手が来ることを楽しみにしているみたいで恥ずかしく、一人咳払いをすると再びパソコンに戻り。漸く無茶振りな仕事を半分まで終わらせ、遅めの昼食を取るために冷房がよく効いた会議室へと向かい。朝食を買う序に買ったパンを食べ終わると、少し休憩してからデスクに戻る。まだ半分しか終わってなく、今日は定時には帰れなさそうと溜め息をついてからエナジードリンクと目薬をお供に仕事に励み。 　 ）

いつでもって言ったのは檜山さんじゃないっすか …！、 ( 今日にでも明日にでもお邪魔しようかなんて考えていたが出禁なんて言葉を聞いてがっくりと項垂れ。 どうにも相手の飴と鞭というか一瞬の温度差にはまだ慣れておらずにいて。 手に触れただけなのに仕返しが重いと文句ありげに態とらしくお腹をさすりながらデスクに戻り。 相変わらず素っ気ない返事ではあるが、了承してくれたということは良いということだろうし、週末が余計に楽しみになってきて。 何やら相手がいつもにまして黙々と仕事に打ち込んでいて、周りの同僚に聞けばどうやら今日で終わらせなければならない仕事らしく、2人でやっているらしいという話を昼食から帰ってきてから聞くと、自然とその2人の方を見てしまう。 自分がその立場だったらいいのに、なんて不満に思えば子供のように少し不貞腐れた表情を。 とはいえ自分には自分の仕事があるから手伝えるほどではないが、定時には終わってしまいそうなので、長引くようなら何か差し入れでも買ってこようかと切り替え。 定時が近付きだんだんと人が帰り始める中ずっと作業をしている2人を見て、自分の仕事を一旦途中で止め、コンビニへ。 相手にチョコレートと冷たい紅茶を買い、途中給湯室へ寄り2人分のコーヒーを淹れると相手のデスクの近くへ。 まず相手の同僚の方に軽く挨拶をしてコーヒーを渡し、続けて相手へと近付くと周りにはわからないようにそっとチョコレートと紅茶、コーヒーを置き、付箋に ‘ 俺に手伝えることあったら言ってください。 もっとチョコが欲しいとかでもいいですよ（笑） お礼はキス一回ずつでいいですよ！、 ’ と書いて相手の手元に置いて。 相手のデスクから離れすぐ近くの自分のデスクに戻れば残り少ない自分の仕事を終わらせようと。 )

（　 終わりが見えない仕事にイライラしていると、相手が近付いてきて。また後輩として来てはそっと自分に触れて帰るのかと思って呆れていたが、意外にも用があったのは同僚らしく。片手にコーヒー、もう片方にはコンビニの袋を持った相手が今度は自分の方に。渡されたコンビニ袋を覗いてみると、中には大好きなチョコレートと紅茶。会社で自分が甘いものが好きということが広まるのは避けたいので、そっと渡してくれる気遣いは助かり。付箋を置いていったので手に取って見てみると、なんとも相手らしいメッセージが。変わらない様子の相手のメッセージに肩の力は抜け、リラックスして仕事を再開できそうで。相手のデスクの方に目線を向け、目が合うと口パクで さんきゅ、と伝えて再び目線をパソコンに戻し。コーヒーを飲んで目を覚まし、時折チョコレートを食べて癒され。同僚と励まし合ってラストスパートだと気合を入れ合い。パソコンと睨めっこを続けること数時間、定時はとっくに過ぎた頃にようやく全てを終わらせ。 眼鏡を取ってぐーっと伸びをすれば、同僚もハイタッチを。久しぶりに辛い仕事だったが、この達成感が堪らなく。さすがに無茶な仕事を頼んだと上司も申し訳なさがあったのか、明日の出勤時間は昼間からでいいと言われ。既にこんな時間なので相手も帰ってしまっただろうと思い、鞄を手にすると真っ直ぐに会社を出て駐車場へと向かい。 　 ）

( デスクに戻り相手と視線が交われば、にっと笑っては満足そうに。自分に課せられた仕事も終わり、差し入れもしてしまったしついに会社に残る理由を見つけるのは難しくなって。 用もないのに仕事場にいても意味がないのでとりあえずは帰る支度をして、デスクをはなれる。 帰路につこうとしても、昨日の今日で恋人になったばかりだからか一緒にいられない時間がもどかしいのか、やっと振り向いてくれた相手に触れたい、と思う気持ちが強くなって。 駅に向かっていた足先を駐車場へ向ければ、駐車場の入り口の壁に寄りかかり、空を見つめながら来るだろう相手を待って。 この数日あったことを思い出しては、相手は同性愛者ではないのに、こんなに短い時間で振り向いてくれたり、一緒に寝てくれたりと夢のようで。 押しに弱い相手にハイと言わせた感が否めないが、せっかく手に入れたものを易々と手放す気はなく、そこは誰にも譲らない強い意思があり。 自販機で買ったコーヒーを飲みながら、次は今週末は何をすることになるんだろうかと楽しみにしながら相手を待ち。 )

…… 三好 ？ （　仕事が終わった時、少し離れたデスクから大きな見えない尻尾を振って お疲れ様です と声をかけてくれる相手を期待していた自分がいて。しかし既に定時が過ぎてから時間はかなり経つし、夜も遅いので期待はしてなく。それに、待っていてほしいなんて言っていないし、恥ずかしくて言えないし。帰りにコンビニに寄って、自分へのご褒美にスイーツでも買って帰ろうかなんて考えながら駐車場へ。自分の定位置となっている、駐車場の入口をすぐ曲がった角へと向かうために入口を歩けば、人影を感じてビクッと肩を揺らし。ふと見てみると、居るはずもない相手の姿が。まさか自分のことを待っていてくれたのではないか、と都合が良すぎる考えが浮かび。だが、そうではなかった場合恥ずかしいので、そこには触れずに、なんで居るのか分からないといった様子を装い。 　 ）