先輩 2018-03-26 09:24:42 |
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あ、 先輩。 お疲れ様です。 …なんで居るのか、って顔してますね。 先輩を待ってたんですよ、 会いたくて。 ( 駐車場に入ってくる人影はもちろん相手だけではなく、警備員やら他の社員やらで顔をあげても空振りが多く。 だいぶ遅くまでやってるな、と思いながら腕時計を何度も確認したり。 長いなぁ、なんて思いながら呆けていると、聞き覚えのある聞きたかった声が聞こえ、ぱっと顔を向けて嬉しそうに表情緩ませて。 相手の表情を見れば不思議そうな顔をしているので、思わずくすりと笑い、自分がここにいた理由を嘘偽りなく口にして。 「 って言っても、 特に何かしようって思った訳でもなくただ会いたくて来ただけなんですけどね。 」 相手を愛おしげに見る目から一転、あまり何も考えずにいたので苦笑しながら頭をかいて。 )
… ったく、早く行くぞ。俺もう腹減った。 ( 自分が勝手に望んでいた通り、相手は自分のことを待っていてくれたようで。心のどこかで嬉しいと感じている自分自身に対して恥ずかしく感じ。相手の様子を見る限り本当にノープランで待っていたらしく。朝に自分がいつでも家に来ていいと言った時の相手の嬉しそうな表情が頭を過ぎる。きっと相手も夕飯はまだ済ませてないだろう。せっかく待っていてくれたのだし、自分に出来ることと言ったら手料理を振る舞うぐらい。振る舞うと言っても、最近買い物に行っていないので簡易的な料理しか作れそうにない。それでも相手が喜んでくれるならと思い、直接的に家に来てもいいとは言わずに上記だけを。直ぐに車の元へ歩き出せば、少し振り返り 「 俺ん家来たくないってなら別にいいけど 」と。 )
え、 … いいんすか。 ( いきなり相手の家に行くのもどうかと思うし、また自分の家に誘うのも、と考え込んでいると、相手がまるでこれから一緒にどこかへ行くという口ぶりで車の方へ歩き出していて。 首を傾げそのあとを追うと、振り返った相手はどうやら相手の家に招いてくれたらしく、嬉しくて表情が綻んで。 付き合う前であれば疑問形で確認を取っていたが、恋人の家に行きたくないわけがないので行く気は満々の声色で。 「 あ、もし疲れてんなら、俺運転しましょうか?、 」 相手は疲れているようだし、少しでも助けになればと提案して。 )
あー … んじゃ、運転頼んだ。 ( 最近は相手に対して遠慮も少なくなり、相手もまた最近は変な遠慮がなくなってきたと感じ。故に接しやすくなってきて。今までなら自分で運転できると言っていたかもしれないが、正直疲れているし運転ぐらいは相手に甘えて任せてもいいだろうと思い。扉を開いてから助手席に乗り込み、相手に鍵を渡し。自分の家には一度だけ招いたことがあるが、さすがに道は覚えていないだろう。相手ほど家も近くないので、若しかしたら帰りの途中で寝てしまうかもしれないので、カーナビで 『 自宅 』と選択。自分の車の助手席に座る機会なんて少ないので、何となく違和感を感じつつ。 )
はい。 疲れてたら寝ていいですよ。 ( 相手の手からキーを受け取ると、運転席に乗り込んで。相手ほど毎日運転しているわけではないが、安全運転には自信があり、唯一不安だった相手の家への道のりも相手がナビで設定してくれたので安心し、一言ありがとうございますと告げ。 早速車を走らせナビに沿って道を進んで行き。 「 どこか寄りたいところありますか?、 」 前を見ながらまだ走らせたばかりで寝てはいないだろう相手に声をかけると。 )
助かる。家着いたら起こして。 ( 人前で寝るなんて絶対に嫌だったが、すっかり相手の前でも眠れるようになり。ナビもセットしたし、言葉に甘えて眠ろうと思い。車が走り出すとぼーっと窓の外を眺め、余程疲れていたのか直ぐにうとうとし始め。相手の言葉にコンビニの甘い甘いスイーツが頭を過ぎるが、もう少しで寝そうというところだったので、いくら大好きなスイーツとはいっても車から降りるのが億劫に感じてしまい「 んー、大丈夫。ありがとな 」と。それだけ告げると、ゆっくりと瞼を閉じ。 )
了解です。 ( 運転をしながら相手の言葉に頷くと。 相手の眠たげな声を聴くと、この声聴いているのは自分だけかと思うと優越感で満たされていって。 遅い時間ではあるが信号待ちは少し長めで、軽く息をつき。 寝顔を見ようとハンドルに肘をついて相手の顔を覗き込むと、昨日もそうであったがもう自分といても緊張というか、気を張っていないような寝顔で、なんだか見てるこちらが安心して。 疲れているようだし、先程腹が減ったと言っていたから食事でも出してくれるようだが、泊まりは週末にとっておこうと寝顔を見て決め。 車走らせているとじきに相手の家つき、駐車場に車を停める。 そして未だ寝ている相手の寝顔をしばらく見つめ、勿体ないけど、と呟くと相手の肩をゆすり、 「 檜山さん、着きましたよ。 まだ眠たいですか?、 」 と起こしてやり。 )
ん … 、はよ。少しスッキリした。 ( 瞳を閉じればあっという間に夢の世界へ。不規則な揺れがロッキングチェアみたいで心地よく。気持ちよく眠っていると、自分を呼ぶ声と肩を揺する優しい振動が伝わり。薄らと目を開けて一番に視界に入ったのは相手。そういえば代わりに運転をしてもらっていたのだと思い出し。少しだけでも眠ることが出来たのでスッキリし、ぐーっと大きな伸びを一つ。車から降りると車の鍵を受け取り、迷わないように率先して自分の部屋まで向かい。鍵を使って玄関を開け、相手を部屋へと招き。掃除はこまめにしているが片付けはしてなく。前回と同様に、ソファにはネクタイがかかっていたり、机の上にはゲーム、部屋の角には洗濯して畳んでいない選択籠。生活感丸出しなのが申し訳なく「 散らかっててごめん 」と。 )
なら良かった。 ( 相手ほど運転の回数が多い方ではなかったがよく眠れていたようで安心して。車を降り相手にキーを渡すと、相手の後ろをついて歩き。 二度目とはいえ少し緊張しながら、お邪魔しますと呟き部屋の中に入ると。 自分の部屋は親や姉が毎回口煩い為綺麗にしている、というかむしろ物を置かないようにしているので、こういう生活感のある家の方がどこか落ち着ける気がして。 「 いえ、 むしろなんだか落ち着きます。 」 さっきまで残っていた緊張もすっかりなくなり、ソファに腰かけるとふう、と息を吐きリラックスした様子で。 )
落ち着く ? それならよかったけど … 。 ( 自分にとっては見慣れた部屋なので、来るのが2回目ほどの相手がどうしてどこに落ち着くのか自分には理解出来ず、頭には疑問符が浮かび。それでも汚いと言われるよりかはマシだと思い。鞄を置いて、上はカッターシャツだけにし、ネクタイを緩めるとスーツの上からエプロンを着て。今更相手に見られてはダメなものもないので、特に声もかけずにそのままキッチンに立ち。冷蔵庫を覗くと作れる料理には限りがありそう。この少ない食材で何を作ろうか迷った後、取り敢えず玉ねぎやにんじん等の野菜を切り。慣れた手つきで料理を淡々と進め。 )
俺の部屋片付きすぎてるんで、生活感ないんすよ、生活感あった方が落ち着くんです。 まぁ何にしろ檜山さんの部屋だし。 ずっと居たいって思うのは自然かなーと。 ( 会社や外では未だ相手は先輩という立ち位置だしどこか遠慮してしまうところもあるが、2人しかいない空間だと思うと膝に肘をついてどこか安心してリラックスしているような声色で上記を。 ちら、と相手の方を見ると相手はエプロンをしていて、思わず、おお、と感嘆の声を漏らし。 ソファから立ち上がると、料理をしている相手の後ろにつき、 「 何だかこう言うのいいですね。 新婚さんみたいで。 」 と呟いて。相手の慣れた手つきで料理を進めていく姿を見てふふっと笑みを浮かべると。 )
あー … 確かに、お前の部屋って物少なかったよな。明日も会社だし、今日は夕飯食ったら帰れよ。 ( 朝まで相手の家に居たので、必要最低限のものしかなかった相手の部屋が直ぐに思い浮かび。ずっと居たいなんて言っているので、今日みたいな遅刻がないように今日は大人しく帰れと。家に誘ったのは自分なので、車で送るつもりではあり。何が新婚さんだと呆れつつも「 新婚さん、か … 何言ってんだか。」と言葉とは対照的に何処と無く表情は満更でもなさげで。手際よく料理を進めて完成したのは、二人分のオムライス。テーブルまで料理とスプーンとケチャップを持って行き、相手と向かい合うように座る。オムライスといえば、ケチャップで何か書くのが定番だろうと思い。とは言っても “ スキ ”なんて安っぽいメイド喫茶みたいな事を書く気は全くなく。貸せ、と一言告げてから相手のオムライスを自分側に寄せて、普通にケチャップを面白みもなくかけてやり。次いでに自分のオムライスにもかけ 「 … いただきます 」と手を合わせ。 )
そうっすね、余計に広いとたまに寂しくもなったり。 ん、せっかく来たのに勿体ないですけどね。 週末の楽しみに取っておかないと。 ( 物はあってもしまってあるので実際に見える範囲は広々していてたまにどこか寂しく感じていて、それを思い出すと肩を竦める。 せっかくこうして相手の家に来れたはいいが、会社のことを考えると長居するわけにもいかず。 がく、と肩を落としいかにも残念がる様子を見せるが、週末のことを口にすると嬉しそうに表情を変え。 相手が料理している間はずっと相手のうしろに立ちどこか嬉しそうに、幸せそうに笑みを浮かべ。 完成したオムライスをみては、おお、とまた感嘆の声を漏らし、相手について行くと相手の前に座り。 自分のオムライスに何か描いてくれるのか、と相手の行動に期待しつつも普通にかけられたケチャップを見て、 「 そこは、スキとかハートとかやるとこじゃないんですか…。 」 と、むっと眉を寄せて。 相手が手を合わせているのにあわせ自分も手を合わせ食べ始めると、顰めていた眉の力は抜け、美味しそうに食べ進め。 )
泊まりで思い出した。どうせ頻繁にうち来るんだろ ? 歯ブラシとか食器とか足りねぇから、土曜日買い物付き合え。 ( そういえば、と何かを思い出し。相手のこの様子だと来ちゃいました、なんて言って頻繁に来るのだろうと予想でき。だとしたら一人暮らしの男の家には足りないものが多々あり。どうせ週末は一緒に過ごすと約束しているのだから、荷物持ちとして土曜日に買い物に付き合ってもらおうと思い。自分だってここは恋人として何か書いてやろうかと思ったが、書けなかったのは仕方ない。自分からしたら書こうと思っただけでも褒めて欲しいぐらいで。そんな面白みに欠けるオムライスを一口食べれば、我ながら上出来。相手の方を見ると、美味しそうに食べてくれていて、それがとても嬉しく。美味しそうに食べてくれているが、何だかちゃんと美味しいのか不安になり「 ケチャップ一つで文句言うな。… 、あー、うまい? 」と食べている手を止めて自信なさげに聞いて。 )
思い出した、って…、俺との泊まり、考えててくれたんすか?、 案外檜山さんも楽しみにしててくれたりして。 ( 頻繁に相手の家に来るのは否定しないし、できるなら一緒に住みたいぐらいの気持ちはあるが、流石にそれを言ったらまだ早いだのと言われそうでもう少しあたためておこうと思うが、思い出した、と言ってるということは今より前に自分が泊まるということを考えていたということで、楽しみにしてたのは自分だけではないのだと思うと自然と頬が緩んで。 「 ん?、 … 美味しいですよ。そりゃもう、毎日作って欲しいぐらい。 あとは、あーん、とかあればもっと美味しく感じるんですけどねー…、? 」 相手の作ってくれたオムライスはとても美味しくて食べる手は止まっていないし、自分はよく表情にでると言われているからわかりやすいと思ったが、どうやら不安げなので一度飲み込むとちゃんと言葉にし。 ついでに恋人同士ではきっと恒例であろうそれをして欲しいのか肘をついてにまにまと笑みを浮かべ。 )
あーっ、もう煩い !いいから買い物付き合えよ、お前荷物持ちな、パシリ。 ( 相手の言う通り、会社で泊まりについて考えていて。楽しみだということも絶対に言葉にはしないが少なからず思っていたり。図星だったのが悔しくて話を無理やり進め、荷物持ちだけではなくて帰りにコンビニスイーツでも買わせようと思い。「 … そ、ならよかった。ってやめろ、んなニヤニヤするな。食欲失せる 」自分で美味しいかと聞いたくせに、いざ言われると小っ恥ずかしく。だが、やはり言葉にしてもらうと嬉しくて、素直によかったなんて言葉を口にし。今までは一人きりでの食事だったので、自分の手料理を美味しいと言って食べてくれる人が居るのはいいものだと感じ。もはや見慣れた調子の乗る相手。慣れてきた証なのか冷たい言葉を口にし。相手を調子に乗らせる原因でもあるのだが、何だかんだ言いつつも、ぱくりと一口分相手の口に運んでやり。どうやら相手に対して自分はとっても甘いらしく。 )
…否定しないんだ。 いいですよ、 荷物持ちでも何でもします。 あ、恋人同士になって初めてのデート、ですよね。 楽しみだなー。 ( 口調が強いながらも、考えていたことに対しては否定されず、本当に考えていてくれたことが嬉しくてふっと表情を緩め、安心したような、幸せを感じているような表情でいて。 荷物持ちといえど相手と出かける、いわゆるデートなのに変わりはないと思い嬉しいのか顔の周りに花が浮いてるかのように上機嫌な口調で。 「 …とか言いつつ食べさせてくれるところが、好きなんですけどね?、 」 食欲が失せるなんていうからそんな顔していたかと自分の頬に触れながら考えるが、間も無く相手から差し出された一口を口に含んで飲み込むと、自分が言えば何でもしてくれる相手は何だかんだで甘やかしてくれているようで、恋人らしく扱ってくれているのかと思うとへらりと微笑み、そういうところにも惚れているのだと愛おしげに見つめ。 本当に美味しく手が止まらないのか、米粒一つ残さず平らげると手を合わせ、ご馳走さまでした、と満足げに告げ。 )
… うっさい。なんつーか … もう俺の完敗だ。 ( 先程から煩いとは口にするが、本当のことなので相変わらず否定はせず。相手とは対照的に何も反論出来ない悔しそうな表情で。自分が何を言っても相手はポジティブに、幸せに、嬉しそうに捉えてきて。何に勝負しているのかと言われれば特にないが、これ以上言葉が出なくて自分の乾杯だと。どちらかというとネガティヴな自分は、ポジティブな相手が少し羨ましく感じたり。「 俺はこうやって直ぐに三好を甘やかす自分が嫌いだ 」単に自分が押しに弱いのか、それとも相手だから甘やかしてしまうのか。どちらにせよ相手にお願いされたことは文句を言いつつも毎回している自分がいて。なんでこういつもいつも甘やかしてしまうのか、と自分自身に問いかけたくなり。また甘やかしてしまった、と思いつつも相手の笑顔を見ると、そんなことどうでもよく感じてしまい。愛おしげに見てくる相手に対して、ふんと悪態をつき。相手が食べ終わって少ししたら自分も食べ終わり。二人分の皿をキッチンに持って行き、料理と同じく慣れた手つきで皿洗いを始めて。 )
俺知らない間になんか勝ってます ?、 そうだ、買い物以外にも行きたいところとかあれば考えといてくださいね。 俺が運転するし、気兼ねなく連れ回してくれていいですよ。 ( 完敗だなんて言っているがなにか勝負でもしていただろうか、不思議そうに首を傾げ。 悔しそうな表情から見るに返す言葉がなくなったからだろうかと推測すればふふっと笑みを零し。 週末はできれば相手が楽しんでいる姿を見たくて、そろそろ相手も自分に遠慮もしなくなってきた頃だし大丈夫だろうと。 「 いくら檜山さん自身でも、俺の好きな人を目の前で嫌いとは言われたくないんですけど。 」 相手が自分のこと嫌いだ、なんて言っているとむっと眉を寄せ、上記ぶつぶつと呟いて。 次いで、本気じゃないのは分かってるんすけどね、と冗談めかしく表情を緩ませるとからかっただけのようで。 こうも甘やかされるのは慣れておらずどこか擽ったい感覚を覚えるが悪くはなく満足げな表情で。 相手の皿洗いの手伝いをしようと立ち上がるが、キッチンに立つ相手の後ろ姿を見ていると、おもむろに相手の腰に腕を回し、お腹のあたりで手を組み。 「 なんだか、こういうのいいっすね。 」 と呟くと相手に肩に顎を乗せて落ち着いたように息を吐き。 )
お前も行きたい場所あれば考えとけよ。買い物ぐらいなら付き合ってやる。 ( 自分だけ行きたい場所に連れ回すのは申し訳なく感じ、相手も行きたい場所があれば付き合うと。買い物に行こうと考えているショッピングモールの近くに美味しそうなスイーツが食べられる店はないかと調べておこうと思い。普段ヘラヘラしている相手だからこそ、急に眉を寄せてぶつぶつと言われると少しヒヤッとし。かと思えば普段通りの緩んだ表情になっているので、揶揄うなと同じくむっとした顔で返してやり。洗い物をしていると相手が密着してきたので、鼓動は初心すぎる反応を示し。はぁ、と溜息をつき「 俺の肩でリラックスするな 」と。今横を見てしまったら相手と目が合ってしまうだろうから、じっと洗い物に集中し。自分よりも相手の方が背が高いので、擽ったいような少し痛いような。拒んでも受け入れても何かしら相手は言ってくるだろうと思い、上記以外は特に言わずに淡々と洗い物を済ませ。相手に慣れてきた分、良い意味でも悪い意味でもスルーする技が身に付いてきた気がして。集中して洗い物が出来たおかげで直ぐに終わり、悪戯で冷たい手を相手の頬にくっつけてやり「 飯も食ったし、送ってくから帰る準備しろよ 」と。 )
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