鶴と藤の部屋(非募集)

はは…長谷部に悪い事をしたなぁ…
（　昨日と同様に部屋へ運ばれ自身の代わりに水を取りに向かう姿を一瞥するも、頭痛と気分の悪さが一向に良くなる気がせず。身体の怠さから戻ってくる間だけでも少し楽な体勢を取るため、布団へ横になれば天井を見つめ申し訳無さげに眉下げぽつりと呟いて　）

（　しばらくして水とコップを載せた盆と水桶にタオルを持ってくると部屋へと戻ってきて。怠そうにしている姿を見ては側に座ると｢大丈夫か、鶴丸。起きれるか？｣と問い掛け　）

…ん、大丈夫だ。ひとりで起きれる
（　部屋で横になりながら待っていると不意に襖が開く音が耳に届き、目で追いつつ自身の側に座って問われた言葉に対し一度身体をゆっくりと自力で起き上がらせ　）

ほら、水だ。あとは気分が良くなるかは分からんが…
（　起き上がった後に盆に載せていた水の入れたコップを手渡して。その後に水桶にタオルを浸しては気分転換にはいいのではないだろうかと思って持ってきたようでそう言って　）

すまん、ありがとうな。
（　コップを受け取ると礼を述べた後に起床時は喉がカラカラに渇いているのもあって一杯の水をごくごくと一気に飲み干し。空になったコップを持ったままその言葉で水桶に浸しているタオルを見た後で其方へ視線戻せば「その気持ちだけで十分さ」と笑み零して　）

気にするな、俺もそんなに知識はない。出来る事をやった迄だ。
（　二日酔いは頭痛がして吐き気もし倦怠感に襲われることもあると以前薬研に聞いたことがあり。しかし対処法までの知識が自身にはなかった為出来る事をしただけだと柔く笑みを浮かべてはそう言って。｢…とりあえず今日は安静にしたほうがいいだろう。俺は何か二日酔いに良いものがないか探してみる｣と続けて　）

ああ、頼む。流石に身体も怠い上に気分が悪いと動く気にもならん。ちゃんと安静にしているさ。
（　空のコップを手渡しで返すと現在の座った状態は頭や身体が重く辛い姿勢の様で、再度緩慢な動作で横になれば彼の顔を見上げる形で視線合わせ。この体調の悪さでは何かをやる気も起きないので、今はただ少しでも気分が良くなる様に無理はしないと素直に忠告を聞き入れ　）

（　自身の忠告を素直に聞き入れ横になるのを見ればやはり怠いのだろうと思い。水桶に浸しておいたタオルを絞れば前髪を分けてやりその額にのせて｢それで少しは頭痛が治まればいいが…｣と告げ。それから一度鶴丸の為にも部屋を出て厨へと向かい　）

（　部屋を出て行った姿を流し目で確認すると頭の痛みで額は多少熱いものの、濡れたタオルを乗せた事で冷たいが気持ちよく。起きていてもしんどいだけで、このまま少し眠れば頭痛も治り大分楽になるだろうと思い目を閉じて　）

…なるほど、こういうものがいいのか
（　厨へ向かい物色していると、恐らく歌仙か燭台切辺りが書いたのであろうメモが出てきて。これくらいならば自身にも作れるかもしれないと思えば腕まくりをして早速調理に入っていき。やはり食事当番などしたこともない為戸惑いつつも何とか梅粥を作ることが出来れば満足そうにして。それを盆にのせると厨を出て鶴丸の部屋へと向かい　）

（　目を瞑り寝る体勢に入ったが頭痛の所為で、すぐに寝付ける事など出来ずに暫しその状態のまま居て。ふぁあ、と大きな欠伸を洩らし段々と眠くなればここに長谷部が戻って来る前に寝ており　）

―入るぞ。…寝てるのか
（　部屋へと入る前に一度断りを入れたものの返事はなく、そっと襖を開ければ眠っているのか静かな寝息を立てていて。特に辛そうにしている気配はなく安堵すれば一度床に盆を置き側へと座れば既に温くなっていたタオルをもう一度水に浸し額へと載せて　）

（　部屋へと長谷部が入ってきたことも知らずにすやすやと眠っていて、先程と同様に新たに水で濡らしたタオルを額へ載せる動作でも起きる気配はなく。暫しの間、この状況が続いてただ時間だけが流れていき。どれほど刻が経っただろう、先程まで眠っていた目を薄らと開け「んん…、長谷部…？」と側に居る彼の存在に気付き　）

…んっ？、やっと目が覚めたか。気分はどうだ？
（　鶴丸の穏やかな寝顔を見ていると自然とこちらも眠くなってきていたのかうつらうつらとしていると目を覚ましたのだろう、鶴丸の声が耳に届いてはハッとして。少しは気分は良くなっただろうかと思えば問い掛けて　）

少し眠ったら先程よりは大分ましになったぞ。…だがなぁ、その代わりに背中が痛い。
（　徐々に視界が鮮明になり長谷部の姿もくっきりと見えて身体の具合を問われると、一眠りしたからか特に気分は悪くなく先程より体調も落ち着いている為に良くなったと告げ。暫く眠っていた事もあって背中と腰が痛くなると起き上がり苦笑して　）

そうか、それは良かった。ふっ、それは仕方が無いな。
（　気分はだいぶ良くなったようで安堵してホッとした表情になり。しかしその代わりか背中と腰が痛いと訴えられると苦笑を浮かべて上記を述べ。それから鶴丸のためにと作った梅粥をちらりと見ては｢腹は減ってないか、二日酔いにいいらしい｣と続け　）

ああ、腹ぺこだ。…それはきみが作ってくれたのかい？
（　空腹か否かの質問に起床時はあまりの気分の悪さに正直それどころの話では無かったが、頭の痛みも引いて楽になり朝から何一つ腹に入れていない。気分も良くなった事で余計に空腹を感じて腹が減ったと訴え、ふと彼の横にある梅粥を見てから視線移せば気になり問い　）

ああ、料理など初めてだから口に合うかわからんが…
（　作って間違えは無かったようで、自信が作ったのかと尋ねられるとそう答えて。真面目な性格もあるため分量などはしっかりと測り味に問題はないだろうが何せ初めての料理のため心配らしくそう言って差し出して　）

それじゃあ、頂くぜ。
（　既に梅粥の入った茶碗を両手で受け取ると初めて誰かに食べてもらう料理にどこか不安そうな表情の彼を他所に、上記の言葉を合図にスプーンで粥を掬えばそのまま口へ運んで。もぐもぐと咀嚼しつつ飲み込むと「美味い！梅粥の味加減が丁度良くて食べやすいな」と味の感想を伝えては残さず最後まで平らげてみせ　）

！本当か、それなら良かった
（　早速梅粥を食べ始め、美味いと感想を述べられるとパッと顔を輝かせまるで誉でももらったかのように嬉しそうにして。そのまま全て平らげ終えるのを見ては｢作ってよかった｣と笑み浮かべて　）