美月 2019-03-24 16:45:05 |
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美月)麗奈も風車が好きと聞いていたからな。準備するよう頼んで出来たら呼べと言っておいたのだ。
美月は麗奈の姿を見ながら言った。
美月)麗奈、其方をここに連れてきたのは私の来てほしい思いもあったが、もう一つの意味もあったのだ。
美月)私はよく、夜に神域に行くんだ。麗奈と今日あったことを式神たちに話している。
美月は、近くによって、抱き着いてくる式神を撫でながら、言った。
美月)そしたら、式神が麗奈に会いたい会いたいと言ってきて、だから、連れてこようと思ったのだ。おかげでこの子たちの笑い顔や声がいつもよりも楽しそうに聞こえる。よっぽど、其方に会いたかったのだろう。
美月は一番小さい女子の式神を抱き上げた。
式神は、撫でられて幸せそうする。そして、そでから風車の形で綺麗に色付けされたクッキーを出してきた。
美月)食べてほしいようだな。どれ一つ。
美月は、青の風車を食べた。
美月)うむ、よくできている。さすが、私の座敷童たちだ。
美月は笑った。座敷童は、赤色の風車を麗奈の前に差し出した。
美月)口を開けてほしいようだな。その子は恥ずかしがり屋でな。初対面の子には、こうやって、菓子を渡したりして、打ち解けるのだ。
よく見ると、微かに緊張しているのか、頬が赤い。座敷童にも性格があるようだ。
座敷童の顔がぱぁっと輝く。そして、満面の笑顔を見せた。
美月)とても、喜んでるな。其方が作ったのだろう。
恥かしがり屋の座敷童は
座敷童)ちょっとだけ...手伝ってもらった...
恥かしがりながらもぽしょぽしょ話した。
美月)この間と違って、だいぶ話せるようになったか。もうすぐで普通になるか?
美月は頭を撫でる。
美月)楽しそうで何よりだ。せっかく来たのだから、もう少しここにいよう。見ての通り、この子たちも初めて会う其方にまだ帰って欲しくないようだ。
よく見ると、座敷童は麗奈にべったり抱き着いている。
美月)麗奈だって、まだこの神域を楽しみたいだろう?安心しろ、麗奈が帰りたいと言うのなら、いつでも帰れる。帰りたいと思ったならな。
美月はくすっと笑った。
座敷童たちは撫でられて気持ちよさそうにしている。小さい座敷童は麗奈の膝に乗ったり膝枕にして眠る子もいる。
美月は、厨から、キルシュを持ってきた。
美月)麗奈、キルシュを持ってきた。アルコールも入れるが、安心しろ。体に支障は出ん。
美月は、お酒と、苺とはちみつを混ぜたジュースを入れた。最後にサクランボを入れ、麗奈に渡した。
美月)一分後に飲むといい。とてもうまいぞ。この子たちもよく飲んでる。作り方も教えているから、冷蔵庫にいつも常備されている。
美月もそういって、自分の分も用意した。
美月)体に支障は出んと言っただろう。それに、昨日、のり巻きをした後、飲んだだろう。
美月は、にっこり笑った。座敷童たちも笑っている。
座敷童)乾杯、乾杯。
座敷童)したい、したい。
座敷童)麗奈と乾杯したい。
美月)と言ってるが、どうする?
美月)ではしようか。
美月はグラスを持ち、麗奈に今度こそ渡した。
座敷童)わーい、麗奈と乾杯。
座敷童)出来る、出来る。
座敷童)か、乾杯。
美月)其方も麗奈に抱き着いてきたら、どうだ?一番、会いたいと言っていたではないか。
美月は、恥ずかしがり屋の座敷童を抱き上げると、麗奈に言った。
美月)麗奈、すまぬがこの恥ずかしがり屋を暫く抱きしめてくれんか?この子が一番最初に会いたいと言ってきて、連れてくると言ったときには一番喜んでいたのだ。要するに、麗奈に一番会いたがっていた子だ。なのに、いざとなると、恥ずかしがる子だからな。この子の恥ずかしがりを治せるのは麗奈、其方だけだ。この子を治してくれんか?
恥かしがり屋の座敷童は、抱きしめられて、幸せそうだ。
座敷童)麗奈、すっごくいい匂い。
座敷童は、麗奈を抱きしめ返した。
座敷童)ふわふわで、柔らかくて、気持ちいい。
美月)すっかり、お気に入りだな。そろそろ飲んでもいいぞ、麗奈。
座敷童)乾杯しよう、麗奈。
美月)私の作るキルシュには落ち着く作用がある。だから、昼間、小狐が用意しようとしてくれたのだろう。そして、分量を教えてもらい、作ってくれたのだ麗奈だったな。
美月の瞳が優しく笑う。
座敷童)麗奈、好き。大好き。
座敷童)私もー
座敷童)僕もだー
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