美月 2019-03-24 16:45:05 |
通報 |
美月)もちろん、連れて行ってやるさ。安心しろ、所有者の神域はちゃんと帰れるようになる。だから、帰れないってことは無いぞ。麗奈に、私の神域、いわば私の全てを見せたいのだ。そこで、いろいろと今日のことを話したい。神域なら、だれにも邪魔されんからな。安心しろ。念のため、替え玉として、式神に私と麗奈に化けてもらう。まぁ、鍵掛と無音の術をかけているから、簡単には気づかない。麗奈は今日も私と一緒に寝ると朝言ったしな。
美月は抱きしめて、背中を撫でた。
美月)どうだ?麗奈、神域に行ってみないか?
美月)素直になるのは良いことだ。偉いぞ。目を閉じてろ。
美月は笑い、そう言った。そして、麗奈を包み込むように、優しく抱きしめた。
しばらくして、
美月)麗奈、目を開けていいぞ。
美月は麗奈に声をかけた。周りには、イチョウと紅葉の木が並んでいる。そして、美月の姿も変わっていた。美月の顔は大人び、体格も大人の体つき、麗奈よりも背が高く、美しい女性へと姿を変えていた。
美月)ようこそ、私の神域へ。
美月)私の神域の気候は一年を通して、秋だ。私は一番秋が好きでな。山を彩る美しさが素晴らしいし、風によって散る、イチョウと紅葉もまた綺麗で好きなんだ。
美月は、散りゆく紅葉とイチョウを手に取ると、息を吹きかけ、髪飾りに変えた。
美月)さっそく敷地内に入ろうか。中も綺麗だぞ。掃除されてるからな。
美月はわざと「掃除されてる」と言った。
美月)それは、よかった。輝さまも秋が一番好きな季節だったんだ。何もかもが美しく見える。いつもそう言っていた。内装も涼しく歩きやすい構造になっている。私の部屋は、一番奥だ。途中、横を何かが横切ると思うが、気にしなくてよいぞ、私の式神、座敷童だ。
美月がそう言うと、すぐさま、麗奈の横を何かが横切った。
美月)すまんな、彼らは驚かす気など全くない。寧ろ、家の掃除に、私の相手、庭の草むしりなど、いわば、本丸の内番のようなことをしてくれているだけだ。神出鬼没なだけで、悪さをしているわけではない。暇なときはさっきみたいに、笑いながら住居を走り周っているのだ。走り周りながら警備をしているんだがな。
美月は苦笑した。
美月)さぁ、ここが私の部屋だ。私の好きなものだけを置いている。
トピック検索 |