人もをし、人もうらめし。(〆)

人もをし、人もうらめし。(〆)

匿名さん  2024-01-05 19:35:07 
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御相手様決定済み

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  • No.21 by 日向 静蘭  2024-01-08 08:56:13 

…そう、そうよね。貴方の言う通りだわ。

(人間の記憶力は長くない、その言葉には同意を示すように深く頷き、視線を再度地面へと落としたまま力なく言った。せいぜい人々の記憶に残るものと言えばたかが知れているし、自分のような人間はほとんど記憶に残ることも無いだろう。その事実を飲み込んでしまった今、喜べばいいのか、寂しさに泣けばいいのか、自分が招いた事なのになんとも複雑な気持ちになる。
それでも、もう一度あの教壇に立ちたいかと言われれば勿論そんなことは無いし、実際の表情は無に等しいまま。

ふと、何も言わずに本殿へ入っていく相手の後ろ姿を眺めていると、少しばかり待ってみるがなかなか戻ってこない。そこら辺に腰でも下ろしておこうかと思考を始めた時、戻ってきた彼が着物と布を差し出してきたので、一先ず腰を下ろすのはやめた。濡れている自分の事を気遣ってくれたのだろうかと察すると「…ありがとう。」と礼を述べ、促されるがまま奥の方へと歩みを進めて着替え始める。
濡れた衣服を脱いで身体を拭くだけでも大分冷えは治まり、借りた着物に袖を通すと、その肌触りに少しばかり目を開く。
数分が経ち、着物へ着替え終えて姿を現すと、黒髪も相まってスーツ姿よりもマシなのではないかと思う。)

……この着物、とっても上質ね。年季が入っているようだけど、綺麗に保管されていたのが分かるわ。

  • No.22 by イナリ  2024-01-08 14:00:06 

(彼女を待っている間、腰を下ろして書を読んでいたものの内容は全く入って来なかった。冷静に考えてみれば何故人間の女子なんて受け入れてしまったのか。それも出逢ってすぐの素性も分からぬ人間を。そんなことを考えていると足音がし、彼女が戻ってきたことが分かった。
その姿を双眸に捉えた時、イナリの身体は金縛りに遭ったように動けなくなった。イナリにはよく分からない現代的な衣装を着用しているときには何とも思わなかった黒髪が、表情が乏しいものの大人びた顔付きが、着物と良く似合う。美しい。直感的にそう思った。イナリは人間をそのように思ったことなどなかった。だから書を落とす音で我に返るまで、その場に立ち尽くしていた)

あぁ……江戸の時代に人間が我に献上してきたのだ。女物の小袖なぞ我は着れぬ。捨てるのさえ億劫だった故に放っておいただけじゃ。
……それより女子よ。お主の名はなんと言う?

(書を拾い懐にしまいながら言う。とりあえず努めて冷静に振る舞おうと目を合わせずに。暫くは自分の元に置いておくのだから彼女の素性を知っておかなければ。そう自分に言い聞かせながら、少しだけ興味が出てきた彼女に名前を訊ねる)

  • No.23 by 日向 静蘭  2024-01-08 14:32:12 

(立ち尽くし突然書物を落とした相手の姿に、どうかしたのだろうかと少しばかり首を傾げるが、江戸時代、と聞いてすぐさま思考が切り替わる。
江戸時代から、いや、もしかしたらそれ以前からこの社にいるのであろう彼は、やはりこの神社の主であり、人ならざる者。そう改めて考えても、不思議と恐怖はなく、着物に施された細かな刺繍を手でなぞりながら、一体彼は幾つなのだろうか、なんて不躾な疑問を抱く。まぁ、そんなことを考えられる程度には、いつもの様に冷静な自分に落ち着いたようだ。
そして、彼から名を聞かれて初めて、自分がまだ名乗っていない事に気が付き、一瞬目を伏せてから、再度目の前の彼へと向き直り名を名乗る。)

……日向、静蘭。“日”に“向”かって“静”かに咲く“蘭”の花、と書きます。私には不釣り合いな名だし、好きに呼んで頂戴。

(可憐で、華やかで、慎ましい、そんな響きを含んだこの名は正直あまり好きではなかった。静けさを感じられる雰囲気は合っているかもしれないけれど、自分にあるのは涼し気な静寂ではなく、陰に潜む湿気を帯びた薄暗いものだ。名前負けしているとはよく言われたものだし、それはそうだと自分でも感じている。
「歳は25です。」とついでに年齢も付け足しておくと、ゆっくりと膝を折って正座の態勢で腰を下ろした。)

  • No.24 by イナリ  2024-01-08 20:02:48 

ヒナタ、セイラ。ほう……意外と幼いのだな。確かにお主は静かではあろうが、日向ではないのう

(この女子には月光が似合う。日向が似合わないのならより似合うものを探せば良い。そんなことが頭を過ったが、代わりに揶揄うようなことを言う。気を悪くされるかと思ったが本人が自身の名を気に入らないようなので問題ないだろう。顔も雰囲気も大人びているのでもう少し齢があると思っていたが、25と聞いて意外そうに目を少し開ける。尤も長い時を生きているイナリからすれば、人間の年齢などいくつであっても幼いも同然なのだが)

では我も名乗ってやろう。我はこの神社の主にして五百年以上の時を生きる九尾の狐じゃ! 名は……もう忘れたが人間共は我を「イナリ」と呼ぶ。本来、我を名で呼ぶことは不敬なのじゃが、ヒナタセイラ。お主には特別に許可してやる

(堂々と声を張り上げて誇り高く自己紹介をする。彼女を指差しながら不敬の何たるかを講釈し、恩着せがましく名前で呼ぶことの許しを与えると鼻を鳴らす。実の所イナリはこの自己紹介が好きだった。これをすると人々はイナリに畏敬の念を抱き平伏するからだ。尤も信仰廃れた現代では専ら通用しないのだが。それでも久方ぶりに人間と会い、テンションが上がっていたのか、イナリは無意識に尻尾をゆらゆらと左右に動かしながら上記を述べていた)

  • No.25 by 日向 静蘭  2024-01-08 20:41:37 

……そうでしょう?

(日向ではない、とはっきり言われると、言われ慣れているだけあって小さく笑いながら短く返す。無論、全く傷付いていない訳では無いが、小さな傷など今更なんの影響も感じられない。
ゆっくりと目前にいる彼の姿を捉えていると、突然声を張り上げて自己紹介をするものだから、少しばかり呆気に取られたように口を開く。
自分とは真逆で、自信ありげに自己紹介するその様はなんだか楽しそうというか嬉しそうで…、内容をよく聞いていれば彼の凄さは勿論伝わってくるのだが、しっぽをゆらゆらと揺らすその姿は、まるではしゃぐ子どものようだと思考する。
だが、実際は─)

……イナリ様、やはり随分とお年を召してるのね。

(自己紹介を聞いての第一声がそれだったので、これは流石に失礼すぎると両手で口を塞いだ。一体幾つなのだろうかと先程も気になったばっかりに思わず口をついて出たことで、決して悪気があった訳では無い。
1つ咳払いをして気を取り直せば、「ごめんなさい」ととりあえず謝っておく。)

  • No.26 by イナリ  2024-01-08 22:49:25 

(相手の小さく笑った時どこか切なさを感じた。本人としては何とも思っていないと勝手に思っていたが、全く傷付いていない訳では無いのだろう。人間の機嫌を伺うことなどイナリはしないが、一応は取り繕おうかと掛ける言葉を探していた時だった。
またしてもイナリの耳が聞き捨てならない言葉を拾った。
やはり随分とお年を召してるのね─
「やはり」は予測した通りになる様を表す副詞。「随分と」は程度が著しいことを表す副詞。「お年を召してる」は高齢者のことを指している。つまり彼女はイナリを著しく高齢化した妖怪であると推察していたという訳だ。そんな言葉の解読を行っている間、彼女は謝罪の言葉を口にしていた。だがイナリにはその言葉は届かなかった。すぅと息を吸い込むと、まるで風船から一気に空気を抜いた時のような勢いで言葉を発し出す)

バカを申すなっ! わ、我はなぁ人間の年齢に置き換えると十分若いのじゃっ! よ、良いかぁ?妖は齢を重ねる毎に妖力が増すのじゃ!あの玉藻前様だって800年以上生きておったのだから! あ、かと言って我が弱い存在である訳では無いからのう?! 勘違いをするでないぞ?!

(先程まで上機嫌に振られていた尻尾は毛が逆立ち、ぴんと立っていた耳はペタリと伏せプルプルと震えている。自分で墓穴を掘っては慌てて訂正し、目をキョロキョロと泳がせながらも取り繕おうとするイナリに「神社の主にして五百年以上の時を生きる九尾の狐」の威厳はなかった。早くも彼女を傷付けた因果が巡ってきたという訳だ)

  • No.27 by 日向 静蘭  2024-01-08 23:34:06 

(謝罪の後はバツが悪そうに床を睨んでいたが、相手の反応が気になってちらりと視線を上げた。すると、先程とは一変して耳を畳み震えている様を見て、これはやってしまった、と息を飲んだ。だが、その刹那、意地っ張りな子どもが必死に弁解をするように言葉がジタバタと駆け足で横切って行くものだから、最初こそまたも呆気に取られていたものの、思わず口角が緩み始め、口元を覆っていた手が片手から両手へ、そしてついには誤魔化しきれないほどその声が大きくなっていった。)

…フ、フフ……あは、あははッ。は、ご、ごめんなさい。
だって、江戸時代って、さっき言ってたから、つい…フフッ。
凄いと思ってるのよ?…フフ、本当よ?

(これもまた不敬に当たるに決まっているが、何故だか込み上げてくる其れを抑えることはできず、何時ぶりか分からぬほど、此方は此方で子どものようにお腹を抱えて笑っていた。
これにも決して悪気があった訳ではなく、ただ純粋にツボに入った、というやつらしい。
500年、というと、人間だと幾つ?自分と同じぐらいなのかしら?そんなことを言いたいのに、コロコロと転がり出る笑いが未だ止まらず、暫くしてやっとの事収まったかと思えば、肩が上がりなんだか疲れ切っていた。
久しく感じなかったこの疲労感に自分自身が困惑しつつも、息を整えながらまたやってしまった、と心の中で自己嫌悪する。)

……、お恥ずかしいところを見せてしまったわ。というよりも、本当に先程から失礼ばかり…。あの、申し訳ないと思っているのは、本当なのよ…?

  • No.28 by イナリ  2024-01-09 01:30:06 

(尚も弁解──と言うには些か苦しいが──を続けようとすると彼女の異変に気付いた。それはまるで子供のような笑い方だった。表情の変化が乏しい人間だと思っていたから大きな声で笑う彼女に目を丸くする。この女子は斯様な表情もするのか──彼女の今までのとは反転した様子を見ていると、先程まで乱れていた感情が徐々に落ち着きを取り戻してきた。冷めた、という訳では無い。興味関心が彼女に移った為に自分の体裁が小さな問題であると判断したからだった。そこでふと疑問に思う。自分はここまで人間に興味があっただろうか。イナリは人間が好き。それは自分でも認めている。しかし未だかつて自分のことが小さく感じられる程興味を惹かれる人間に出逢ったことがあっただろうか。忘れているだけかもしれないが、こんなことは初めてだった)

いや……良い。お主は我の想像以上に無礼な人間であるが…我は心が広い故、水に流してやる。
……じゃから、すぐに謝るでない。お主のような弱者の無礼は、我のような強者が許してやるのが道理じゃからな。

(悪戯を咎められた子供のような表情で告げるも、耳や尻尾は元に戻っており冷静さは取り戻していた。それとなく申し訳なさを主張する彼女に注意をする。悪気がないのなんかハナから分かっていた。勝手に体裁の悪さを感じた我のせいだ。お主が謝ることは無い──そう直截的に言えば良いのに、いちいち尊大な物言いをするのがイナリの悪癖だった)

  • No.29 by イナリ  2024-01-10 18:31:17 

(/上げておきます!)

  • No.30 by 日向 静蘭  2024-01-10 20:36:30 


…その寛大なお心に感謝しなければね。

( 上がっていた息もやっとの事落ち着き、再度静かに深呼吸を行えばゆっくりと姿勢を正してちらりと相手へ視線を向ける。想像以上に無礼だと言われると、違いない、と小さく息を漏らしながら自分自身に呆れるように微笑んだ。しかし、その続きを聞いていると、一見憐れんでいるようにも聞こえるが、遠回しに気を遣ってくれているのか…彼の優しさが滲んでいる気がして、静かに上記を述べた。
彼のような妖と自分のようなちっぽけな人間では、確かに器の大きさも全然違うような気がして、彼の言葉の選び方もさほど気にはならなかった。人間の方がよっぽど腹が黒くて、言葉の真意が伝わりにくく、ややこしい。それに比べれば、彼の言葉は何故か自然と身に入ってくる。)

ねぇ…イナリ様は、本当に人間の願いを叶えられるの?

(突然思いついたかのように問いを投げかけるが、此方も決して嫌味や疑念などではなく、純粋に、神社のお参りが意味を成しているのかどうかが気になったらしい。
尚も瞳を相手へ向けたまま、微かに首を傾げて返答を待つ。)




(/上げていただきありがとうございます!
平日はお待たせすることも多いかと思いますが、すみません;)

  • No.31 by イナリ  2024-01-10 22:36:32 

…あぁ、概ねは叶えてやれるとも。但し我は妖であって神ではない。万物を思うままにはできぬ。天候に関すること、天命を変えることなどは不可能じゃ

(願いを叶えられるか、なんてイナリにとっては愚問中の愚問がぶつけられると、鼻で笑いながら出来ないことも併せて伝える。イナリは人間が欲深い生き物であることを知っている。超人的な力を持った妖であるイナリでさえ毎日のように油揚げを欲し、ゆくゆくは世界中にある油揚げ──イナリは外国文化に疎いから油揚げが世界規模で存在していると思い込んでいる──を自分一人だけのものにしたいなどと強欲な願いを持っているのだから、どうしてイナリよりも下位の人間が自分の欲に不忠でいられようか。五百年以上人間と共に生きてきたイナリは嫌という程欲深い人間に振り回されてきた)

そう言えば何かお主も願っていたな。シボウだの落ちるだの。叶えてやるかどうかは我の気分次第だが、聞くだけ聞いてやろう。
日向静蘭よ。お主は我に何を望む?

(欲深い人間に振り回されてきたから、イナリは人間の願いを成就させるのが苦手だった。現代ではイナリに願いを届ける者などいなかったから、振り回されることもなかった。だが一応それでも久方ぶりの参拝であるし、何よりイナリに複雑な感情を抱かせる不可思議な特性を持った人間であるからと、彼女に問い掛ける)

(/ 了解しました!。一応、部屋が40番以降になった際には上げておきます!)

  • No.32 by 日向 静蘭  2024-01-10 23:10:12 

(人間の願いを概ね叶えられると言った彼は確かに神では無くとも、此方からは想像もつかないほど高貴な力を持っているのは確かなようで。しかし、その話を聞いても尚、表情を変えることはなく、先程無邪気に笑っていたのは幻覚ではないだろうかと思えるほどだ。
──強大な力には多少憧れこそあれど、人間たちの身勝手な願いを叶えようとすれば、それこそ想像もつかないほど難儀なものだろう。丁度そんな事を考えていると、次いで自分自身の願いを聞かれ視線を逸らす。雨の中、やけくそに願った願い事も聞かれていたようだったが、そのことに関しては後程きちんと説明することにして……今、自分が本当に願うものは、何だろうか。)

───“愛”が、ほしい。
……、きっと、私には1番、無縁なものだから。

(少しの沈黙の後、囁くように出たのはこの言葉で。だが、言い終わると毎度のように呆れた笑いもついでに溢れる。
想い人がほしい、想い人と両思いになりたい、そんな在り来りな愛の要求ではなく、ただ、純粋に、ほんの少しでいいから、優しく抱きしめて欲しい。
こんな願い、他者からすれば小さな要求だし、それならば前者のように想い人について願った方が叶え甲斐もあるだろう。
それでも、建前だらけの自分にとって心から望みたいものといえばこれしか無かった。)

  • No.33 by イナリ  2024-01-11 18:14:25 

(愛が欲しい──その願いに二、三回目を瞬きをゆっくりとする。御多分に洩れず、やれ「億万長者になりたい」だのやれ「あの人間を不幸にしろ」だの強請られると思っていたので、すっかり驚いてしまった。想い人と結ばれたい。運命の人と出会いたい。そう願う人間はいても、愛そのものを願った人間はそういない。彼女は性愛ではなく、愛情が欲しいのだろうか。暫時その場で思案していたイナリは、腕を広げると彼女をその中で包み込む)

……。

(これで良いか。お主と釣り合う者を与えてやろうか。そんな言葉が出掛かったが、ぐっと飲み込む。実の所イナリは愛というものがよく分からなかった。五百年も生きていれば、妻もできたし情事もした。だがそれは愛ではなかった。相手に乞われたから。イナリがイナリの意志で誰かを想い、存分に愛したことはなかった。ぎゅうと身体を抱きしめたはいいものの、イナリはすぐにでも離れたかった。彼女に触れてから違和を感じていた。まるで身体の奥に火が灯っており、じわじわと焼かれている感覚。それでも、一度初めてしまったら彼女が満足するまで続けなければならない。加減を間違えないように優しく抱きながら、自身の身体の違和感とも対峙しなければならない。そんな中でイナリはじっと彼女からの言葉を待った)

  • No.34 by 日向 静蘭  2024-01-11 20:48:14 


………。

(“愛”なんていう抽象的で曖昧な願いなど、きっと彼も困惑するし叶えようが無いはずだし、また「気にしないで」と簡単に流すつもりだった。それなのに、ぼんやりと彼の動きを目で追っていると、落ち着くような草木の香りを感じ、いつの間にかその腕の中に包まれていた。
直ぐには状況が理解出来ずそのまま固まっていたが、段々と伝わってくる相手の体温と鼓動の音に、つられるようにして鼓動も体温も上昇していくような感覚になる。
出会ったばかりの自分に愛情なんてきっとある訳ではないし、彼にあるのは同情心や責務感なのだろうと分かりきっているはずなのに、それでも、今1番欲しい温もりをくれるものだから…。またも不敬な事をしてしまうな、なんて考えるが、その手はゆっくり相手の背に控えめに添えられていて、思わず彼の肩に縋るように顔を埋めた。)

…イナリ様は、大変ね。
こんな、願いも…叶えなければいけないなんて。

( ゆっくりゆっくりと言葉を発するが、その声は段々と震えを含ませ、その目からは静かに涙が流れる。自分の願いを運良く叶えて貰えただけなのに、早く離れなければいけないのに、その温もりがあまりにも暖かくて嬉しくて、離れたくなくて…また、そんな事を思う自分が浅はかで情けなくて、涙が溢れてくる。
最後に少しだけぎゅと力を入れて抱き返すと、直ぐに相手を解放し、「…ありがとう」と涙を拭いながら優しく微笑みを向けた。)

  • No.35 by イナリ  2024-01-11 23:14:02 

……!

(ようやく聞こえてきた彼女の言葉に返答をしようとするが、様子がおかしいことに気付いた。声が震え、彼女は泣いていた。イナリは涙が嫌いだった。人間は何かにつけてすぐに泣く。泣いていても始まらないのに。全く鬱陶しかった。だが彼女の涙は少し訳が違う。何故かはイナリにも分からないが、彼女の涙を見ているとイナリまでも苦しくなってくる。泣くな。我の体調がおかしくなる。そう言いたかったが、口が言うことを聞かない。この人間は先程からイナリを苦しめるが、本当にただの人間だろうか。まさか超自然的な力を持った存在では無いのか。なんて疑念を抱いてしまう)

……我には愛の何たるかは分からん。我は誰かを愛したことがない。故にお主の願いを真に叶えられたかも分からん。

(微笑みを向けられると、暫時逡巡した後に正直に打ち明ける。彼女の涙と微笑みは紛れもなく真実なのに、自分だけが隠し事をしているのは気分が良くない。何だか気まずくなって、そそくさと本殿の中に入っていく。彼女も後から入ってくるだろうからと無意識に閉めなかった。本来本殿の中に人間を招くのは良くないが、社の主が気にしていない以上は問題ないだろう)

  • No.36 by 日向 静蘭  2024-01-12 17:25:02 


…気にしないで。そもそも、私自身、愛される人間ではないもの。誰かの温かさに触れられただけでも充分冥土の土産に──…、って、こんなことを言ってはまた貴方に怒られるわね。

( 身体を離した後、言葉を残してそそくさと本殿へ入ってしまった相手の背を見送ると、少し遅れて立ち上がりながら返答の言葉を。もともと叶うわけが無いと割り切って願ったものだったし、抱きしめて貰っただけでも叶ったと等しい。
そして、外で出会った時に“死”を仄めかす発言をした際『不愉快だ』とはっきり言われたことを思い出すと、片手で口を抑えながら失言を反省したような素振りを見せる。
そして、自分も入って良いということだろうか、と開いたままの戸に手を掛けると、なんとなく気まずそうに去っていった彼が気になって、追いかけるように数歩中へと入っていく。
辺りを一頻り見渡すと、今度はそこで膝を折り腰を下ろして。まるで独言を呟くように自身の思う“愛”について少しばかり語り始めた。)

私は、人が好きだった。…他人を愛したかったし、他人の力になりたかった。だから、こんな私でも大勢の役に立てるような職に就きたくて、努力したの。でも、此方が幾ら誠心誠意尽くしても、努力しても、返ってくるのは憎悪や罵倒ばかり。
…女は愛嬌、なんてよく言ったものだわ。本当にその通りだもの。人から愛されるのは、もっと可愛くて、明るくて、愛嬌のある者よ。それでも、だからって、本当の自分を隠してまで無理に笑いたくなんてないじゃない。

  • No.37 by イナリ  2024-01-12 21:35:51 

(またもや彼女の口から死を連想させる言葉が聞こえると、ぎろりと目を剥こうとしたがすぐに訂正が入ったため不問にする。本殿の奥には本来本尊が安置される場所が空白となっている。元々は本尊が安置してあったのだが、激昂したイナリが自身の手で破壊してしまった。傍らの蝋燭に火を付け、元々本尊が安置してあった繧繝縁の上にどっしりと座ると、彼女の語りに耳を傾ける)

……己を偽らなかっただけ、人間にしては賢明じゃの。己が誠を尽くしても仇で返す者は古来より居る。そういう者には必ず罰が下る。

(だから気にするな、とは言わなかった。気にするなと言われて気にしないような人間なら、このような場所まで来ていなかっただろう。ただ一つ異を唱えたかったのは、自分が人から愛されない者であると断じていること。お主を愛する人間だって居るだろう──そう伝えようとしたが、五百年以上生きてきても、イナリにその類の言葉を忌憚なく伝えられる術は身に付いていなかった)

  • No.38 by 日向 静蘭  2024-01-14 10:16:20 


…私、正直なところだけは取り柄なの。
まぁ、おかげで疎まれたのだけど。

( 返ってきた返答にそれだけ言うと小さく肩を竦む。自身の感情などに関してはあまり表に出すことは無いが、思ったことは割と率直に口に出してしまうため、そこが長所でもあり短所であると自分自身でも分かっていた。変なところで意地を張り意見を言うものだから、同じ職場の人とは良い人間関係は築けなかったし、生徒からは陰気臭い教師と思われ馬鹿にされていた。要は自業自得でもあるのだ。
彼の言う通り、天罰が下ればいいのに、と思ってあの雨の中願い事もしたが、…それでも、未来ある生徒たちに罰を与えるのは正直気が引けた。子どもたちにあんな態度を取らせたのも、紛れもなく自分の所為だと思うから。
そう考えながら、暫く下げていた視線をちらりと上げて相手を見る。繧繝縁の上に座る相手をじっと見ると、本尊が無いことに気が付きはするが、そこに触れて良いものかどうか少しばかり考える。加えて、社の中なんて細かく知る由もなかったのだが、とても静かで物寂しいところだとは思う。
視線を彼から傍で揺れる蝋燭の炎に移しながら、既に不敬な事を散々したのだから、と妖に対して気を遣うことはやめたらしく、その持ち前の正直さで質問を。)

………愛は分からない、と言うけれど、“寂しさ”はなかったの?イナリ様は、500年以上もずっと、ここに居たのでしょう?

  • No.39 by イナリ  2024-01-14 12:30:54 

…我は妖ぞ。そのような感情を抱く訳なかろう? 昔は人間がひっきりなしに訪れて退屈はせんかった。今は訪れる人間はおらぬが、おかげで書を読む時間ができて退屈はせん。

(彼女の長所が正直さならば、イナリは嘘つきなのが短所だ。正直なことが原因で疎まれるのなら、自分は嘘をついて疎まれるだろうか。今イナリが語ったことに真実は一つもない。妖にも感情はある。寂しさだって何度覚えたことか。愛こそなかったが妻が病死した時も、赤子の頃から知っていた男が天寿を全うした時も、イナリを崇拝していた武士が討死した時も、イナリの心には広く、それでいて深い傷が付いた。人間は弱い。弱いからすぐにいなくなる。折角イナリの傷に瘡蓋が出来て治癒できそうだったのに、また傷を付ける。弱いのに争い、すぐに命を散らす人間に嫌気がさして、一切の交流を絶とうとしてもイナリの傷は癒されなかった。そんなことを彼女の前で打ち明けられる訳もないので、わざとらしく懐から出した書物をひらひらと扇ぎながら鼻を鳴らす。尊大な性格故に弱味を見せることを殊更に嫌がるのが、イナリの悪癖の一つだった)

  • No.40 by 日向 静蘭  2024-01-14 14:02:14 


…そう。貴方、意地っ張りなのね。それは私と一緒だわ。

(そんな本、とっくの昔に読み終わっているでしょう、一体何度読み返したの、喉元まででかかった言葉を何とか飲み込み、代わりに別の言葉を口にした。妖だろうと、それほどまでの年月を生きて寂しさを感じないなんてあるのだろうか。妖だろうと人間だろうと同じ生き物には変わりなく、きっと、生きた年月の分だけ様々な経験をしたに違いはない。だからこそ、彼の寂しさや辛さ、その心に染み付いた感情は計り知れない。
自分の事となると、その気持ちに蓋をしてしまうことは自分もよくあるし、その事に関しては‘一緒’だと小さく笑ってみせる?こんな人間と一緒にされたくは無いだろうが、そう思ったのだから仕方がない。
ふと、何やら思い出したのかゆっくりと立ち上がり、一度本殿から出て、置き去りにしていた鞄を持って戻ってくる。
膝をついて鞄の中を漁ると丸めた書類を取り出し、その手をまた鞄の中へ。小さなポーチを1つ出すと、その中から飴玉を2つ取り出した。包みを剥がして1つを自分の口の中へ放ると、彼の元へと歩み寄ってもう1つを差し出した。)

あげるわ。いちご味よ。

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