匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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ヒナタ、セイラ。ほう……意外と幼いのだな。確かにお主は静かではあろうが、日向ではないのう
(この女子には月光が似合う。日向が似合わないのならより似合うものを探せば良い。そんなことが頭を過ったが、代わりに揶揄うようなことを言う。気を悪くされるかと思ったが本人が自身の名を気に入らないようなので問題ないだろう。顔も雰囲気も大人びているのでもう少し齢があると思っていたが、25と聞いて意外そうに目を少し開ける。尤も長い時を生きているイナリからすれば、人間の年齢などいくつであっても幼いも同然なのだが)
では我も名乗ってやろう。我はこの神社の主にして五百年以上の時を生きる九尾の狐じゃ! 名は……もう忘れたが人間共は我を「イナリ」と呼ぶ。本来、我を名で呼ぶことは不敬なのじゃが、ヒナタセイラ。お主には特別に許可してやる
(堂々と声を張り上げて誇り高く自己紹介をする。彼女を指差しながら不敬の何たるかを講釈し、恩着せがましく名前で呼ぶことの許しを与えると鼻を鳴らす。実の所イナリはこの自己紹介が好きだった。これをすると人々はイナリに畏敬の念を抱き平伏するからだ。尤も信仰廃れた現代では専ら通用しないのだが。それでも久方ぶりに人間と会い、テンションが上がっていたのか、イナリは無意識に尻尾をゆらゆらと左右に動かしながら上記を述べていた)
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