人もをし、人もうらめし。(〆)

人もをし、人もうらめし。(〆)

匿名さん  2024-01-05 19:35:07 
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御相手様決定済み

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  • No.154 by イナリ  2024-04-17 18:31:18 

(/上げておきます!)

  • No.155 by 日向 静蘭  2024-04-17 20:01:04 


──あら、お米も炊いてくれたの?

(彼が溜息を零した直後、その背後からひょっこりと顔を見せれば鍋の中身を見て声を掛ける。どうやら、彼が着替えを済ませ考えを馳せている間に、此方も湯から上がって着替えを済ませ戻ってきていたらしい。髪を再度結い直し貰った小袖を身につけているその姿は、充分に温まったらしくほんのりと血色良く頬が赤らんでいた。
そのまま食事の準備に取り掛かろうかと袖が汚れないように折りながら、またちらりと相手へ視線を移す。先程声をかけた時には気づかなかったが、少しの違和感を抱いて着物へ目をやると、風呂まで駆け付けてくれた時の着物とは柄が変わっている事に気が付いた。どれも黒い着物故に大きな違いはないように思えるが、この着物も立派なもので、彼にはよく似合っていた。同時に自分の所為で着物が汚れてしまったことを思い返すと少しばかり申し訳なさそうにして。)

…さっきの着物。本当にごめんなさい。後で綺麗にしておくわ。あと、藤柄もよく似合うのね。

(買い出しでたくさん購入した油揚げの袋を2袋ほど手に取ると、野菜や調味料なんかも取り出して料理の準備を進めていく。)


  • No.156 by イナリ  2024-04-17 21:28:38 

(溜息を零した直後、声を掛けられると少しだけ驚き耳がピクリと動く。いつもならば大層に上から目線で米を炊いてやったなどと言うが、考え事をして米を焦がしたことに気まずさを感じてか、彼女の問いに「ああ」と小さく頷きながら返すだけだった。ちら、と彼女に視線をやると、風呂上がりだからだろうか頬が赤らんでいた。昼間は彼女に怒られてしまったが、やはり彼女は可愛い──イナリは心の中で呟く。女子の容姿を評価するのは不適切な気がしたが、それでもイナリはそう思っているのだから仕方がない。イナリは公では素直じゃない反面、心中では自分の感想には素直な妖だった。公言すると怒られるが、イナリからすれば彼女は可愛いのだ。)

……ん?気にするでない。着物の汚れなぞ術でどうとでもなる。
…知っておるか。藤の花の花言葉は「決して離れない」と言ってな。藤の成長は早く、ツルはあらゆるものに巻き付く。…あまり無防備だと気が付いたら逃げられなくなっておるかもしれんの

(暫く彼女の顔に視線をやっていたが、申し訳なさそうにする彼女に気が付くと首を横に振った。着物が汚れたことなど、これまで何回もあった。その都度、妖術を駆使して新品同然にしてきたから、無問題だ。しかし今回に限っては術で落とすのが憚られる。自分の手で落とすのが道理に合っていて、彼女にやらせるのは気が引けた。
自分の着物の柄を一瞥するとぽつりと呟くように言う。なぜ唐突にこのようなことを言い出したのか、自分でも分からない。ただ、この言葉は彼女を脅かしているようで、イナリが自身にも言い聞かせているような響きを含んでいた。何にも執着するな、と。)

  • No.157 by イナリ  2024-04-20 17:16:38 

(/上げです)

  • No.158 by 日向 静蘭  2024-04-20 18:53:05 


( 着物の汚れに関しては気にするなと言う彼に、申し訳なさは残りつつも他に食い下がることはせずに小さく頷きを返して。続く言葉には、夕食の準備をする手を止めることはなく視線もそのままに、考えているような間を挟んで口だけを動かした。)

──キツく巻かれると息苦しそうね。
でもね、藤の花の美しさを知ってしまったら、私、逃げられなくても平気だと思うの。
…それに植物は、私が傍に居続けても「気持ち悪い」なんて何も言わないから、きっと心地が良いわ。

(藤の花言葉に習った訳では無いが、“決して離れたくない”そう思ったことなら過去に1度だけあった。スマホのホーム画面に映っていたあの海辺を何度も一緒に歩いた思い出がちらりと脳裏に蘇る。複数人の後ろ姿は同じサークルの人達。そこに混ざっていた1人に告白されて、1年ほど付き合った。学生時代から人付き合いが苦手で浮いていた私にそんな縁なんかあるわけないと思っていたし驚いたけど、優しい笑顔を見せてくれる彼に惹かれて行って、私もそれなりに彼が喜んでくれるように努力した。
けれど、付き合って1年が経った時、私と付き合ったのは他のサークル仲間と賭けをして負けた『罰ゲーム』だったと聞かされ、そんな事に1ミリも気付かずに浮かれていた私に、彼は心底嫌悪するような顔でその言葉を吐き捨てて去っていった。
彼の優しさも私の滑稽な姿を引き出すためで、それを裏で笑われて馬鹿にされていたのかと思うと惨めで悔しくて、執着するのは格好悪い事だと学んだ。それと同時に、やはり、自分を本気で好いてくれる人など居ないのだと思った。だけれど、その分羨ましいと言う気持ちも大きくなった。逃げなくても良くて、諦めなくて良くて、自分の中にある愛を受け入れて貰えたらどんなに素敵な事だろうか。
そんなことを考えていると、包丁で野菜を刻みながら呟くようにして質問を投げかけた。)

……ねぇ、イナリ様。貴方は私に、ここに居て欲しいと思う?

  • No.159 by イナリ  2024-04-20 20:21:19 

(イナリには読心術の心得がある訳ではない。人の心ほど曖昧で複雑で恐ろしいものは無い。時には人間自身にも分からないのだから、中級妖怪のイナリには分かるはずも無い。それでもイナリは彼女の言葉を聞いて、誰かに裏切られた過去があるのではと推測した。根拠は薄弱、裏取りもない、全てイナリの主観で考えたことだが、そんな気がした。誰かに裏切られ、それがトラウマになってしまったのでは無いか。だから愛が欲しいと願ったのでは無いか。だとしたら悲しい程に不幸な人間だった。そう考えると、益々彼女を放っておけなくなる。この女子がせめて自分の魅力や利点に気付き、自己を肯定する能力を得るまで、この手に置いておかなくてはならない。そんな使命感にも似た感覚に駆られた。だがイナリは分かっていなかった。使命感とは裏腹に彼女に執着したいという昏い感情が育ち始めているのを。
彼女からの問い掛けに暫時、中空を仰いで思案する。この問い掛けは恐ろしく慎重にならなくてはならない。中途半端なことを言えば、聡い彼女に見抜かれ、信を喪うであろう。しかし本心を吐露しても、それを嫌悪されてしなうやもしれぬ。堂々巡っていく思考に陥る。沈黙が続き、恐らく一分は経つであろうという寸前、どうせ信を喪うのであれば本心を伝えるべきかと決心し、大いなる羞恥心を隠しながら彼女の方に向き直る)

…お主を置いておくか否かを決めるは我次第。その判断基準は、お主が己を好くことができるようになるまでじゃ。己を愛すれば、嫌なことも忘れられる。
それまではここに居ると良い…いや、居て欲し…い……

  • No.160 by 日向 静蘭  2024-04-21 09:39:00 


(流れる沈黙に意地悪な事を言ってしまっただろうかと考える。質問を訂正しようと口を開きかけたが、彼がそれよりほんの少し先に口を開いた。
“己を好くことが出来るようになるまで”その言葉を聞いて、動かしていた手を止めて相手の顔を見る。彼の中でそのような基準があったなんて知らなかったし、彼は、自分に自信がないこんな私を気にかけていてくれたのだろうか。
正直に言うと、自分を愛するなんてどうしていいのか分からないし、それがいつ達成されるかなんて分からない。もしかしたら達成することなくこの命が尽きるかもしれない。
どちらにせよ、達成したならまた厳しい社会の中に放り出されてしまうと思えば、彼は酷く、厳しくて寂しい事を言っていると思う。しかし、それと同時になんとも言えない嬉しさがあった。
いつも尊大な言い方をする彼が、“居てほしい”と此方に願うような言い方をするものだから、思わず2.3度瞬きを繰り返してしまった。言い慣れていないものだから少しばかり歯切れが悪いのもまた愛しいと感じてしまう。)

……ふふ、分かったわ。それまで、ここにいてあげる。イナリ様は私の料理が好きみたいだし。

…私、自分を好きになる努力をするわ。約束よ。

(ふわりと柔らかな笑顔を浮かべると、彼の真似をしているのか少し恩着せがましい言い方をしつつ、料理をしていた手を洗い綺麗な布で水を拭き取ると、“約束”の言葉で右手の小指を差し出した。)

  • No.161 by イナリ  2024-04-21 12:35:21 

嗚呼…約束するが良い。
偽りだったら術で二度と口を聞けなくする

(言葉の途中で羞恥心が顔を覗き、最後で歯切れが悪くなってしまったことを後悔していると、自分の真似をしたような口調で彼女が小指を差し出してきた。一瞬困惑したが、すぐに指切りだと理解すると、彼女の物言いに少し口角を上げながら、自身も小指を差し出し指切りをする。人間と指切りなんて何百年もしていない。最後にしたのはいつだったか、なんて思い出せない。誰かから願いを乞われ、それを実行してやることはあったが、それは約束とは言えない一方的なものだった。対等な立場で互いに約束をしたのは、彼女が初めてかもしれない。
とは言え、イナリに具体的なプランはなかった。何をすれば、どう接してやれば彼女が自分を好きになれるのか。言い出したのはイナリだから、主導する義務がある。このままではイナリの方が二度と口を聞けなくなってしまう。とりあえず褒めれば良いのか? 我ながら浅い考えだとは痛感しているが、彼女を褒めて様子見をしてみることにする)

…お主は…誠に料理が上手いのじゃな。我は古今東西の一級品や珍味なぞはあらかた食ったが…お主の料理の足元にも及ばぬ。何故じゃ?

  • No.162 by 日向 静蘭  2024-04-21 15:45:13 


(口を聞けなくする、という言葉には「それは困るわ」と片手を口元に添えながら小さく笑って。指切りを済ませるとまた自身の手元へと視線を戻して食事作りを再開する。味噌汁に野菜の和え物、そして中を開いた油揚げには細かく切った野菜や魚のほぐし身を入れ、甘辛いタレに染み込ませておく。
ふと、彼に料理のことを褒められると、首を傾げて「知らないわ」と言うように首を横に振った。彼が此方に気を使って褒めてくれていると言うのに、パッとその事に気付けずにとりあえず礼は伝えるが、相変わらず冷めきったような事を言ってしまう。)

そう?ありがとう…。でも、何故と言われても…、貴方の口に合うだけじゃないかしら。高かったり珍しかったら美味しいという訳でもないでしょうし。

(暫くタレに付けていた油揚げに今度は火を通そうと焼き始めるが、そうしている内に、あ、と顔を上げて、今度は「ごめんなさい」と謝罪の言葉を口にした。相手が自分のために言葉を選んでくれていることにやっと気付いたようで、それでいてその心意気を自分が無下にする態度をとった事にも気が付いたらしい。まぁ、それもあくまで約束を守るためであり、イナリの本心にまでは気が付いていないが。)

…もしかして、今の質問じゃなくて、私の料理を褒めようとしてくれていたの?

  • No.163 by イナリ  2024-04-22 18:30:48 

そ、そうか。口に合っているだけか。うん…。それもそうじゃな

(彼女が自分の意図したものとは別の解釈すると、無念そうな表情を懸命に隠しながら小さく何度も頷く。聞き方が悪かったのだと自分に言い聞かせる。彼女はイナリが思っているよりも難しい人間かもしれない。一体どうすれば彼女に気付かせられるのか。当分はこれがイナリの課題だと思っていた矢先、小さく声を上げた彼女の方を何事かという風に見ると、今度は謝罪をされ益々困惑する。怪訝そうに「なんじゃ?」と尋ねると、どうやら自分の意図に気付いたらしかった。自分で質問したはずだが、改めて彼女から意図を晒されると最前より抱いていた羞恥心が一層増す。同時に自己嫌悪に陥る。"お主の料理の方が遥かに美味い"とストレートに言えば良かった。少なくともそれは、イナリの偽らざる本音なのだから)

…難しいものじゃな。
…人を褒めたことが無い故、不慣れなのは許せ。…お主の料理の方が美味いというのは真じゃ。

(皿を用意しながらぽつりと呟く。妖として生を受けてイナリが素直だったのは幼少の時しかない。成長と共に自尊心が膨れ上がり、尊大な物言いを繰り返す中でいつしか"素直"という状態を忘れてしまっていた。妖術だけでなく、こういうコミュニケーション術も学んでおくべきだったと今激しく後悔している)

  • No.164 by 日向 静蘭  2024-04-22 19:01:48 

(彼が用意してくれた皿を受け取り料理をよそう準備をしていると、ぽつりと呟かれた言葉に動きを止めて瞬きを数回繰り返す。小さく笑うと、手に持っていた皿や菜箸を一度置き彼へと向き合い背伸びをして、彼の頭に優しく自身の手を乗せると、まるで小さい子をあやす様に撫でてみて。)

…ふふ、ありがとう。『美味しい』って言ってくれるだけで、こう見えてとても喜んでいるのよ?
私は褒められ慣れていないから、疎いし、上手く反応出来なかったりするけれど、ごめんなさいね。

(上記を述べるとゆっくりと手を離し、食事の準備を終わらせようとまた食器や鍋と向き合うべく身体の向きを戻そうとする。
彼が自分の事を褒めようとしてくれているのは素直に嬉しいし、ましてや人を褒めたことが無いという彼が一生懸命それを行おうとしている姿は愛しいものだ。彼はなんだか申し訳なさそうに言ったけれど、自分だって褒めるのは上手くないし、褒められたからと言って可愛らしい反応ができるわけでもない。
もしかしたら、これまでも素直に褒めてくれていたのに、自分の受け取り方が悪くひねくれた返ししかしていなかったかもしれない。そう思うとなんとなくやるせない気持ちになる。自分も素直に正直に生きているつもりなのだが、この世はどうも正直すぎても生きづらい。)

  • No.165 by イナリ  2024-04-23 18:48:45 

……褒められ慣れていないのに、斯様に不敬なことは出来るのだな。

(彼女の手が頭に乗せられるとビクッとするが、やがて撫でられると耳がぺたりと垂れそうになる。彼女の撫で方は実に心地よく、まるで稚児のようになってしまいたくなる感覚に襲われる。一瞬だけ安心したように目を細めるも、すぐにキリッとした目付きになり、嫌味のように上記を言う。イナリの両親は既に物故しているが、彼女の表情は母親と重なるところがある。先程の彼女の撫で方もそうだが、表情も。だからつい気を抜きそうになる。今にでも幼い頃に回帰してしまいたくなる。だがそれはイナリの沽券に関わるので決して叶わぬ願いだが。
彼女の手が離れていくと少しばかりの寂しさに気づかないフリをしながら、食事の準備に勤しむ彼女の背を見つめる。傍から見れば夫婦か何かだ。実際はそんな単純な関係では表せない程、面妖な関係なのだが。ふと、これを彼女に伝えたらどんな顔をするのか気になった。無表情か照れるのか。思い付いたらやってみたくなるのがイナリの性質だったが、そのまま伝えると顰蹙を買いそうなので、少し言い回しを変えて伝えてみる)

お主はいい母になるやもしれんの。

  • No.166 by イナリ  2024-04-27 18:00:09 

(/上げです)

  • No.167 by 日向 静蘭  2024-04-28 00:37:09 


あら、不敬な事をするのは慣れてるもの。

(嫌味を言う相手対し、肩を竦めて揶揄うような笑みを零すと上記を返す。実際、彼と出会ってから既に何度も不敬なことをしてしまっているし嘘ではない。頭を撫でられるのがそんなに嫌だったのかしら、と思考するが、先程の様子を思い返しても本気で怒っている訳では無い、と思う。
2人分の食事の準備を終え、配膳をしようと盆を両手で持ち上げた時、いい母になる、との言葉を受けて一瞬動きが止まる。料理が作れるからか、はたまた別の理由があるのか、彼がそう言った経緯を詳しくは知らないが、良い意味で言ってくれたことぐらいは分かる。だが、母親との良い思い出があまりない故にいい母親になる自分自身を想像するのは難しかった。)

…いい母親ってどんなものか分からないけれど、でも、まぁ、そうね。なれたら、嬉しいかもしれないわ。

(ただ、想像はできなくても、そうなりたいと感じる。その気持ちをそのまま伝えると、柔らかく口角を上げて少し照れくさそうにして。それでいて「──もし、私に旦那と子供ができたら、ここへお参りにでも来ようかしら。」なんて、それこそ今は想像できないが、有り得るかもしれない未来をただ、何となく口にして。)

  • No.168 by イナリ  2024-04-28 14:02:59 

(意外に素直な反応にぴくりと眉を動かす。別に素直な反応だったから悪い訳では無い。ただ、もっと素っ気ない反応をされるかと思っていた。良き母親が分からない、というのは同感だった。尋ねておいて何だが、イナリ自身も良い母親がどのようなものかよく分かっていなかった。イナリの母親は別に難がある訳ではなかったが、他者の母に興味を示したことがないため、比較してのデータがない。だからイナリの母が誰かと比較して良い母親なのか否かが分からない。さて、彼女の母親はどんな人なのだろう。
そんなことを考えていると彼女の何気ない一言に、用意していた箸を落としかける。一先ずは箸を置いて、その様子を想像してみる。ここを出た彼女が久方ぶりに戻ってきたと思ったら、見知らぬ男と子と歩いてくる。別に彼女はイナリの何でもないのに、些かの嫉妬と心の痛みを覚える。少しばかりの不快感と共に溜息を吐き出すと、取り繕いながら彼女を揶揄う)

その時が来れば、我がもてなしてやろうぞ。
…或いはお主の子だけ隠してしまおうかのう…

  • No.169 by 日向 静蘭  2024-04-28 21:27:05 

(ほんの一瞬、視界の端に見えた彼が動揺したように見えた。単に箸を落としそうになっただけかもしれないし、関係ないかもしれないけれど。もし、ほんの一瞬歪めた顔が私のせいならば、ずるいわ。と胸の中で呟いた。
自分で何となく想像して口走った事であったが、其れは自分自身にとっても違和感しか無くて。出来るならばこの先も隣にてくれるのは彼がいい、なんて、胸の奥で考えてしまった。そんなこと彼自身はきっと望んでいないし、口にするつもりも無いけれど。傍に居てくれるのだって、自分自身を愛せるようになるまでと言っていたはず、なのに…そんな反応をするなんて、ずるい。
思考がぐるぐると回っている時、彼が此方を揶揄うように言葉を返すものだから、つい、真っ直ぐ瞳を見つめて言ってしまう。)

…一度社を出たら。もう、私を連れて行ってはくれないの?

(言い終えて一間して、ハッと視線を逸らすと「なんてね」と惚けるように付け加え、そそくさと逃げるように食器を運んでいく。段々と、無自覚だった気持ちの蓋が少しずつズレていく気がして、なんだかソワソワしてしまう。
期待はしたくない。勝手に期待して裏切られた時、また自分自身に失望してしまうから。そんなことをしたらまた自分を愛せなくなるから。
1度でいいから“愛”がほしい。いつか願った其れは今でも変わらないけれど、彼からの愛は、あの時の抱擁で十分。自分自身を愛せるようにと言ってくれた彼を、これ以上我儘で邪な気持ちを持って困らせたくはない。
大きくズレて中身が溢れてしまわないように必死に気持ちの蓋を押さえ、深く深呼吸をして食事の用意を終わらせる。)

さぁ、冷める前に食べてしまいましょう。

  • No.170 by 日向 静蘭  2024-04-29 17:19:25 

(/上げです)

  • No.171 by イナリ  2024-04-29 17:47:28 

(彼女からの一言に今度こそ動揺を隠せず、「は…?」と声を漏らしてしまった。慌てて咳払いをして、目の前に配膳された食事に目を合わせる。もう私を連れて行ってくれないのか。そんな真っ直ぐな瞳で訊ねられたら、思わず"そんなことは無い"と言ってしまいたくなる。だが言える訳ない。何故ならイナリは彼女を自分自身を愛せるまでという条件の元、ここに置いているのだから。それを破ってしまえばイナリは願いを叶える社の主として失格だ。何より、我が物にしたいという理由で彼女を置いておくのは、あまりに身勝手だ。そこまで考えてようやく分かった。自分はこの女子を我が物にしたい──そう思っているのだ。何百年と生きてきて初めて芽生えた感情だった。つまりそれはイナリがこの女子に恋を──そこまで考えて慌てて思考に蓋をする。莫迦なことを。こういうことは結論ありきで考えてはならないのだ。慎重に考えるべきことなのだ。イナリは大変に臆病者だった。そして単純だった。一度蓋をすると決めたら、容易には開かない。だから彼女が食べようと言うと大きく頷く)

……美味い!

(油揚げに箸を付けると1口大に切って咀嚼する。嚥下すると目を輝かせながら叫ぶように言う。ピコピコと嬉しそうに左右に振る尻尾から見ても分かる通り、先程の思考や動揺はすっかり雲散霧消してしまった)

  • No.172 by 日向 静蘭  2024-04-29 18:23:24 


(早速油揚げを口にし目を輝かせる相手をみて、「それは良かったわ」と小さく微笑んだ。先程までの考えを払拭して箸を取れば、此方も手を合わせてから食事に手をつける。野菜や魚を油揚げで包む料理なんて正直作ったことは無かったのだが、これは確かに我ながら美味しくできたと思う。
片手を口元に添えながら咀嚼を行いそれを飲み込むと、今度はこれまた油揚げの入った味噌汁に口をつけ、温かな味噌の風味にほっと一息をつく。ちらりと目前の相手を見ると、その尻尾が嬉しそうに揺られていて、これまた安心する。)

……1つ気になったのだけれど、妖同士の交流ってやつはあるの?…ほら、社って他にも幾つかあるでしょう?そこにも誰かいるのかしら。

(暫く食事が進んだ頃、ふと、気になったことをそのまま尋ねてみる。この社には彼が居るように、人間に気付かれて居ないだけで他の妖もたくさんいるのだろうか。もし居るのなら、彼らは面識があったりするのだろうか。街にも出れると言うのなら、ふとした時に同種と出会うこともあるのでは…なんて、書物の読みすぎだろうか?)

  • No.173 by イナリ  2024-04-29 21:55:17 

やはりお主の料理は美味じゃ! 我は最早、これ以外は食えぬな

(まるで子供のように夢中で食べると味噌汁を啜りながら大仰に言う。仕草こそ大袈裟だが、言葉は偽らざる本音で。人間の手料理を口にしたことが無い訳では無い。今までが不味すぎたということもない。ただ彼女の料理は、一級品ばかりの豪華絢爛な料理をも凌駕するものがあった。味付けなのか、イナリの味蕾が変化したのかは分からない。ただ彼女の料理はいつもイナリを酷く感動させる)

む…?
ふん…。昔はようおった。社だけでなくどこにでも妖がおった。それが時代の流れと共に多くが没落し、今この辺りでは数える程度しかおらぬ。
…ここより西に荒れ果てた社がある。そこに狸が棲んでおる。無礼千万で礼儀のれの字もなき妖よ。万が一来ても相手にするでないぞ

(味噌汁を啜りながら眉間に深い皺を作る。それはかつてイナリを「変化バカ」と罵って笑い者にした妖だった。イナリと同じ時を生きている妖で、向こうはイナリが好き──揶揄いの対象として──だが、イナリは大の苦手だった。折角の食事で悪友の存在を回想すると、ゾワッと尻尾と耳が逆立つ。悪友の回想を打ち消すように首を振ると、味噌汁を一気に飲み下す)

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