人もをし、人もうらめし。(〆)

人もをし、人もうらめし。(〆)

匿名さん  2024-01-05 19:35:07 
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御相手様決定済み

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  • No.41 by イナリ  2024-01-14 17:00:15 

…我はお主とは違う。一緒にするでない。不敬じゃ

(イナリが張った虚勢はいとも簡単に見破られてしまった。ただ不思議と激しい嫌悪感はなく、掛けられた言葉も抉られるような鋭利さは伴っていなかった。それでも多少の不快感は抱いたため──一緒にされたことではなく、主に意地っ張りだと言われたことに対してだが──眉間に皺を寄せながら答える。思えば彼女とイナリは何処か不思議な存在だ。正直な彼女に嘘つきなイナリ。愛されたことがない彼女に愛したことがないイナリ。そうやって全て対になっているかと思えば、このような共通点が出てくる。そんなことを考えていると彼女が急に本殿から出て行った。そしてすぐに鞄を取りに戻ってきた。鞄の中からまた小さな鞄を取り出し、何かを口にした。服毒か──なんて腰を浮かし掛けたが、直後にいちご味だと告げられてはそれが飴玉だったことが分かる)

…飴玉か。我は童では無いが…まぁ良い。

(差し出された飴玉を受け取ると興味深そうに観察し口中へ放り込む。二、三回舌で転がしてみる。口中にいちごの味が広がり優しく甘い香りがする。「美味い…!」と無意識に呟くと、目を輝かせると同時に耳がピンと立った。昭和の時代に人間が置いていったドロップ以来の甘味。現代の飴はこんなにも甘いのかと感嘆する。気が付けばイナリはまるで犬のように九つの尻尾を振りながら口中の飴の味を楽しんでいた)

  • No.42 by 日向 静蘭  2024-01-14 17:36:30 


気に入ったなら残りもあげるわ。あと幾つか入っている筈だから。

(此方からの返答に眉間へ皺を寄せたかと思えば、飴玉1つで目を輝かせる様子に小さく笑みを洩らす。呟かれた言葉と振られる尻尾を見た限りどうやらお気に召して貰えたようで、再度飴玉の入っているポーチを拾うと今度はそれを差し出す。疲れた時や考え事をする時によく食べていた様で、中にはあと5つほど飴玉が残っていた。捧げ物とするには物足りないが、彼も甘味を食べるのは久しぶりなようだし、少なからず無礼を働いてきたお詫びのつもりらしい。
ポーチを差し出した後は傍の壁沿いへ移動し、壁に凭れかかってその長い髪を手梳いた。その最中、癖なのか、口の中で転がす飴を無意識に噛み砕いていた。それと同時に微量な痛さと鉄の味が口の中に広がり、この状況が夢では無いことを改めて実感させる。舌先からじわりと滲む生暖かな感覚に身震いしながら、砕けた飴を飲み込み肩の力を抜くと、なんだか一気に疲れた出てきたような気がして、ゆっくりと瞼を閉じながら呟く。)

……イナリ様、私、少しうたた寝しても良いかしら。なんだか眠くなってきたわ。

  • No.43 by イナリ  2024-01-14 19:23:58 

真か?! お主は気前が良いの! では残りは我が貰うぞ!

(ポーチを受け取ると中をちらと見て、飴玉が5つもあることを確認するとぴくぴくと耳を動かす。チロチロと舌で飴を転がしながらふと彼女が飴玉を噛み砕く音に気が付く。こんなにも甘い飴玉を噛み砕いてしまうとは贅沢の極み──そう思ったが折角残り5つもあるのだからと彼女に倣って飴玉を噛み砕いてみる。ガリガリと心地よい音を立てて飴玉は砕け散ったが、あの優しく甘い香りは一瞬で無くなってしまった。こんな食べ方のどこが良いのじゃ──イナリは彼女が好んでそういう食べ方をしているのだと思い込んでいた。仕方がないからポーチからもう一つ飴玉を出して口に放り込む。やはり舌で転がすのが一番だと気付いた)

眠るのか? …少し待て。

(彼女が眠りたいと言うと立ち上がり隅に畳まれていた布団を引っ張り出して、彼女の目の前に広げる。今朝までイナリが使っていた布団だ。年季は入ってはいるが清潔に──特に換毛期は──しているため問題は無いだろうとイナリは判断した。壁に凭れ掛かってはうたた寝も心地良くないだろう。飴玉を5つも与えてくれた彼女への最低限の返礼だった。布団を広げると彼女の返答も聞かずに、飴の入ったポーチを大事そうに抱えながら繧繝縁の上に座り、飴をチロチロと舐める)

  • No.44 by 日向 静蘭  2024-01-14 20:10:51 

(ポーチを受け取って嬉しそうに耳を動かす相手を見ると、いつかあの耳や尻尾に触れてみたいわ、なんて願望を抱きつつ、喜ぶ姿にクスりと笑って。口元に手を当てて小さく欠伸を漏らすと、飴を噛み砕く音が聞こえたので、その時に初めて自分が無意識に噛んでいたことに気付く。
自分を模倣して飴を噛んだとするとなんだか申し訳ないな、なんて考えつつ、そのまま目を閉じてしまおうかと頭を壁へ擦り寄せた時、部屋の隅に置かれていた布団をわざわざ引いてくれたのを見て、ぱちぱちと2回ほど瞬きを行った。社に客人用の布団があるとは考えにくいし、これはきっと彼自身の布団だろうと思考を巡らせ少しばかり躊躇したが、折角用意してくれたのだし、と布団へ手をかけて。)

……ありがとう。少し借りるわね。

(早々に繧繝縁へ戻っていく彼の背に礼を述べながらゆっくりと横になる。ごろりと横を向いて口元まですっぽり布団に包まると、草木の──先程と同じ落ち着く香りに包み込まれ、あっという間にうとうとと瞼が重くなっていく。
今の状況への喜びと、不安と、…様々な感情に自分でも気付かぬ間に疲れていたようで、数分も経たないうちに小さな寝息を洩らし、すっかり寝落ちていた。 )

  • No.45 by イナリ  2024-01-14 22:11:52 

……

(一頻り飴を楽しむと残りの2つは残しておく。別に何か特別な理由がある訳でもないが、ただ何となくこんなに美味な飴玉を一人で楽しんでしまうのは勿体ないように思われた。チラと彼女の方を見遣ると、既に眠りに就いていた。黙って寝ていれば存外良い女子では無いか──一瞬そんなことを思ったがぶるぶると首を横に振り、邪な考えを振り払う。ふと鞄の傍に置かれていた丸めた書類が目に留まった。彼女が訴えと共に潰した書類だった。ポーチを取り出す時に置いてからしまい忘れたのか。木箱の中にポーチを仕舞うついでに書類を拾う。破かないように手で丁寧に広げてから、そこに書かれた文字を読む。正直言っていわゆる旧字体しか馴染みがないイナリにとっては、新字体の複雑怪奇な現代機械で作られた文書などは読み辛くて仕方がなかったが、好奇心が先行し何とか解読を試みる。どうやらそれは人間一人一人の記録と、授業の構成表らしかった。それを読んでいくと、彼女が学問を教える者であること、彼女は高等学校で学問を教えている。そしてここに書かれている者は彼女の誠意を仇で返した者達ということが分かった。なぜ生徒たちの名を見て不愉快になっているかは当のイナリにも分かりかねた。書類を丁寧に折って懐に仕舞うと、腹立たしい気持ちを抑える為に随筆でも作って心を落ち着かせようとする。和紙と筆、台を用意し彼女が目覚めるまで筆を走らせる)

  • No.46 by 日向 静蘭  2024-01-14 22:46:02 


──ッ、……。

( 寝落ちてどれくらいの時間が経っただろうか。ふと生徒たちや同僚に名を呼ばれた気がして、冷や汗と共に飛び起きた。上半身を起こして目の前に広がる馴染みのない景色に一瞬困惑するが、直ぐに思い出しては乱れた息を整えようと深呼吸をする。もう、仕事へは行かなくていいんだ、と思い返すとため息を1つ吐き出して。それにしても、何だか身体が熱い気がするのは、悪い夢でも見ていたからだろうか。
汗で張り付いた髪を払っていると、ふと、何やら執筆しているらしい相手の姿を発見して、少しばかりふらつきながらもゆっくりと立ち上がってその傍へと歩み寄る。)

……何をしているの?

(手元を覗き見ようとしながら小さく訊ねると、ふと、視線の先に自分の鞄が見え、近くに置いていた書類が無くなっているのに気が付く。鞄に戻した記憶も無く、ポーチを取り出したあと無意識に何処かへやったのだろうか、なんて考えながら僅かに首を傾げて。)

  • No.47 by イナリ  2024-01-15 00:27:16 

ん…? ああ、ようやく起きたか

(視界の隅で飛び起きた彼女を捉えると視線をそこへ移し、鼻で笑いながら深呼吸をしている彼女に声を掛ける。悪い夢でも見たのか彼女は少し衰弱しているようだった。睡眠は強者にも弱者にも与えられた癒しだ。休息になるはずの睡眠を逆に衰弱させるものへと変化させたのは、あの生徒たちが原因だろうか。そう思うとようやく静まり掛けていた火がまた付いてきそうになる)

随筆じゃ。人間ごときには到底理解できぬ我の高尚な考えをしたためたものじゃ。人間に披露してやれば、清少納言も吉田兼好も鴨長明も霞む程の名作となろうぞ…ふはは!

(得意そうに笑ったが内容は油揚げに関しての自身の欲望が半分。もう半分は先程堪能した飴玉に関する欲望という主に食に関することばかりだった。しかし古き良き草書体を肉眼で解読できる人間はもう数少ない筈なので、イナリが高尚だと言えば高尚なものに見えるのだ。ふと、彼女の職業のことが気になった。あの紙を読んだだけでは全貌は分からなかった。暫くは自分の元に置いておくのだから彼女の素性を知っておかなければ。二回目の言い訳を心の中でして、ただ直截的に聞くのも憚られるので遠回しに尋ねてみる)

…お主、いつもあのように起きておるのか? 労働はそんなに苦痛か?

  • No.48 by 日向 静蘭  2024-01-15 19:43:26 

(得意げに笑う相手を見て手元にある和紙に視線を落とすと、何やら沢山の文字が書かれており、自分は随分と寝ていたんだなと感じる。いくら高校教師といえど、草書体は専門外らしい読めはしないが、自信満々な彼の様子から察するに立派なことが書いてあるのだろうかと憶測する。
そして、彼から投げかけられた問いにはゆっくりと首を振りながら「いつもって訳では無いわ」と口を開く。)

…ただ、今日は初めて仕事を休んだから、罪悪感でもあったのかしら…悪い夢を見ただけよ。
…私は高校で教師をして大勢の子ども達と向き合ってきたけど、最初は、仕事が好きだったわ。子ども達の将来に携われる仕事だし、色んな人達と関われるから。

(他人のことに興味があったし誰かの役に立つ職業に憧れ教師を目指した。大学卒業後から約3年間勤め、受け持ったクラスだけでも100人ほどの生徒とは関わった事だろう。生徒に慕われ、やりがいのある仕事ができると思っていたが。現実はそう甘くはなかった。若さとこの性格故にベテランの先生からは嫌われ、生徒たちからの尊厳を得ることも無く。真面目にやればやるほど、生徒や同僚からも距離を置かれ、自分の首を締める結果となった。
─ふらりと一瞬視界が歪み眉間に小さく皺を寄せながら、ちらりと自身の鞄へ視線を移すと、尚も止まらぬ汗を拭い、あの紙切れを必死に書いていた自分を思い返しながら言葉を続ける。)

……今年は、3年生の担任をしていたの。大学の受験とか、就職とか…あの子達にとって大きなことだから、私も一人一人の評価を怠らなかった。
でも、「なんでこんなことしてるんだろう」「なんであんな子達の為に」って一度思ってしまったら…、なんだか全てに疲れてしまって。

  • No.49 by イナリ  2024-01-15 20:25:39 

…ああ。成程。"シボウに落ちる"とは望みの進路に進めなくなってしまえ、という意味じゃったか。

(彼女の最初の願いの意味に得心がいくと大きく首を縦に振る。イナリの好きな類の願いでは無いが彼女がそう願ってしまうのも無理もない。人間は弱いから仕方がない。願うだけなら、命を尊重しているのならば咎める必要は無い。それよりも気掛かりなのは彼女の体調だった。先程から収まらない汗といい、眉間の皺といい、彼女の身体に異変が起きているのは確かだ。筆を置いて彼女の方に向き直る)

労働によって心身を削るは愚か者のすることじゃ。そういう意味ではお主は特大の愚か者。今日はもう休め。如何なる時代も不養生で人間は簡単に没する故な。

(イナリの脳裏にはこれまで出会い、そして死んでいった人間達の記憶が悉に浮かんでいた。彼女のことは何とも思っていないが──勝手にイナリはそう思い込むことにした──自分の手元に居る人間が身体を壊して死んだとしたら、些かイナリの寝覚めが悪くなる。イナリは超人的な力を持ってはいるが、病を完治させることはできない。もっと上級な妖に成りたいと願ったことは何度もあったが、どうやら今の立場がイナリの天命らしく願いが叶うことはなかった。彼女には安静に過ごして貰わなければ。イナリは目の前で人間に死なれるのが何よりも嫌いだから)

  • No.50 by 日向 静蘭  2024-01-15 20:56:48 


…そういう事。まぁ、私のせいであの子達の将来が滅茶苦茶になってしまっても後味悪いし、本気ではないわ。

─…確かに、私は愚か者よ。人間って単純だから、あるかも分からない少しの見返りのために頑張ってしまうものなの。

(何やら納得したように首を縦に振る相手には、少しばかり気恥しそうに笑い、あの願いは本気ではなかったと誤魔化しておく。全て引っ括め、自分が最も落胆したのはあの子達や同僚にではなく、他でもない自分自身だったから。
そして、筆を置いた彼の瞳と視線を合わせれば、愚かだと言われた言葉には納得して肩を竦める。先程からどうも調子が可笑しいと思っていたが、どうやら熱があるらしい。あの雨に打たれ、仕事から解放された気の緩みと、現実離れした状況への疲弊に少しばかり休憩を挟んだことで、今まで張っていた糸がプツリと切れてしまったようだ。これまで体調なんて崩さずに─というよりも、気付かないふりをして耐えてきた─為に自分でも自覚がなかった。これが、不調というものだったか。
一頻り話終えると、休め、の言葉に「そうさせてもらうわ」と呟くように返答する。先程起きたばかりだし、どこか散策できる場所でも無いものかと思っていたのだが、今回ばかりはその言葉に甘える事にしたらしい。
再度身体を布団の中へと滑り込ませていたが、ふと、甘えるついでに思い出したことがあったようで、ダメ元で尋ねてみる。)

…イナリ様。愚かな人間から1つお願いごとがあるのだけど。
その耳か尻尾、触らせて貰えないかしら?

  • No.51 by イナリ  2024-01-15 22:08:43 

(少しの見返りのために頑張ってしまうもの。聞き覚えのある言葉に眉をぴくりと動かす。確かイナリを崇拝していたとある武士が同じようなことを言っていた。その時は度重なる戦を経験して感覚が麻痺したのかと思ったが、平和な世で同じようなことを聞くと、その言葉は人間特有のものなのかと推察する。弱者は常に非合理だ。だから小さい、それも得られるかどうか分からない見返りを求める。かと言ってイナリが常に合理的な生き方をしているかと問われれば否なのだが。布団に潜り込む彼女を目で追うと、念の為に薬など作らねばと思い小さくため息を吐く。緊張の糸が解けたからか風邪など引きおって。確か社務所に薬研があったな、と立ち上がった時だった。彼女から今日一番の爆弾発言を受け取る)

……な、何を馬鹿なことを申しておるかっ! さ、さっさと眠らんか! そういうのをな「せくしゃるはらすめんと」と言うのじゃぞ!

(やや顔を赤くしながら即座に反応すると、逃げるように本殿から出て行く。九尾の狐にとって恥辱以外の何者でもない。最近の人間は風紀が乱れているのだろうか。どたどたと足音を立てながら社務所に向かう。外の雨は小雨になっていたがイナリの心は大雨のように荒れていた)

  • No.52 by 日向 静蘭  2024-01-15 22:54:21 

(此方からの発言を受け、顔を赤くしながらどたどたと本殿から出ていってしまう彼の後ろ姿をぼんやりと見つめると、ふふ、と口元に手を添えて笑った。耳や尻尾は動物にとってとても過敏で繊細な所だと知ってはいたが、やはり触れるのは駄目だったらしい。)

……セクシャル ハラスメントなんて、一体何処で覚えたのかしら。

(そんなことを呟いてまた小さくクスクスと笑うと、柔らかそうな毛並みに触れて見たかったのになぁ、なんて内心残念そうにする。またごろりと横を向いて寝る体勢になると、行く場を失った手で布団の端をぎゅうと握り、ゆっくりと目を閉じた。
こうして横になるとしんどさはマシになるが、この静かな時間は様々な雑念が脳内を駆け巡るのであまり好きではなかった。熱に侵されているからといって特別悲観的になる訳でもないが、自分が社会に出て何の役に立てたのだろうか、なんて下らない事ばかりが頭に浮かぶ。
それに、彼は私を封じたと言っていたけれど、本当に此処から出さないつもりなのだろうか。今でこそ、目の前にいる彼は自分とああやって会話をして様々な表情を見せてはくれるが、いつか、本当につまらない奴だと見切りられてしまったら。その時は、一体どうしたら良いのだろう。
瞑った瞼の隙間から一筋の粒が落ちてくると、小さく鼻を啜りながらそれを拭い。針を刺されるような痛みを心の奥底に感じながら、またも気付かないふりをして眠りについた。)

  • No.53 by イナリ  2024-01-16 00:12:06 

(荒れた心で社務所に入ると物の多さに目を剥く。神社が建設された当初は社務所にも神主がいて巫女がいた。だが時代と共になり手がいなくなり、ただでさえ神社の周辺の集落は規模が大きくなかったので昭和が訪れた頃には既に神社には人はいなかった。仕方がないからそれ以来、土間の台所周辺を覗いて物置のようになっている。本殿の木箱とは違いガラクタばかりだ。そのガラクタを暫時漁ると、ようやく目当ての薬研が見つかった。薬研を抱えたまま、神社裏の森に入ると手早く薬草を摘んで本殿へと戻ってくる。
戻ってみると彼女は既に眠っていた。何となく気になって寝顔を覗き込む。がどこか苦しそうな顔をしていた。寝苦しいのか。思えば可哀想な人間である。真面目が取り柄なのであろうが、その取り柄で自らの首を絞めているのだから。この弱者をいつまでも手元に置いておくつもりは無い。だがこのまま帰すつもりもない)

…この上位存在たる我が、お主を社会で生きやすいよう改造してやろう。感謝するが良い。脆く弱い日向静蘭よ。

(上から目線で小さく呟くと彼女の頬をつぅーと指でなぞる。やはり発熱があるので熱かったが柔らかさの方が印象に残った。ふっと笑うと少し距離を取って薬研に薬草を入れ、細かく挽き始める。時折眠っている彼女の方を見ながら、食事はどうしようかなんて考え始める。「全く何の道理あって我が人間の世話なんぞ…」などと呟いたイナリの心中には密かに充実感があったが、イナリはまだ自覚していない)

  • No.54 by 日向 静蘭  2024-01-16 18:50:36 

(─思い返せば昔から不器用だった。不器用と云うのも手先の器用さや効率云々の話ではなく、人付き合いや信頼関係の構築に携わる話だ。勉強は人よりできたし、運動もそこそこ、無口な訳でもなく自分なりに普通に過ごしてきたのだが、自分が不器用だと自覚したのは中学に進学したあたりの頃。なんとなく人との距離を感じるようになり、友人だと思っていた人々がコソコソと陰口を言っているのを聞いてしまった。自分の何がいけないのか必死に考えたし、直そうともした。それでも上手くはいかず、自らも距離を置くようになった。男子からは好奇の目でみられ揶揄われるし、女子からは敵視された。
いつからか開き直るようになったが、変なところで意地を張る癖がついてしまい、重要なところでだけあまり素直になれずにいる。“愛”が欲しいと言えたはいいが、本当はどんな“愛”を心から望んでいるのか、それは、決して口には出せないだろう。

再度眠りについて約1時間ほど経っただろうか。自身の熱で目が覚めてしまうが、今度は飛び起きることもせず、静かに瞼を開いた。まだ意識がはっきりとしていないのかぼんやりと天井を見つめながら、彼は何処かにいってしまっただろうか、と小さな声で名を呼んでみる。)

…イナリ、様。

  • No.55 by イナリ  2024-01-16 19:43:24 

……なんだ、起きていたのか。丁度良い。粥を作ってやった。少しだけでも腹に入れろ。

(諸々の準備などを終えて茶碗と箸片手に戻ってくると彼女の顔を覗いて起きていることを確認する。まだ意識がはっきりしていないのだろう。瞳に憂いが感じられなかった。とりあえず何か食べさせなければならない。自力で起きて貰うのも気が引けたので、頭の後ろに手を回すと、そのまま上体を起こさせる。手で背中を支えながら茶碗と箸を彼女の前に差し出す。が、すぐに引っ込める。よく考えてみれば彼女が意識がはっきりとしていない。そんな彼女に渡して万が一零されれば大変だ。布団を汚されれば、洗濯をするとしても新しい布団が必要になる。そのためには人里に降りなけれなならない。イナリは人間は好きだが人里に降りるのは好きではなかった。完全な人間への変化は意外と疲れるものだし、何よりイナリは現代的なものに疎かった。車に驚き信号機に驚き、挙句にはスマホに驚いた。イナリが人里に降りる度に人間たちの社会には常に新しいものが取っかえ引っ変えと供給される。
「ふー…ふー…食えそうなら食え」と箸で粥を掴むと何回か息を吹いて冷まし、彼女の口の前に持っていく)

  • No.56 by 日向 静蘭  2024-01-16 20:28:18 


( ひょいと視界に入ってきた彼の顔に安堵しながらゆっくりと息を吐く。未だ頭はぼんやりとしているが、お粥と聞けば何だかお腹が空いて来たような気がして、手を貸されるがままに上半身を起こし、「ありがとう」と小さく礼を伝える。そういえば、朝から何も食べていないことを思い出すと、差し出された茶碗と箸を受け取ろうとするが、一度引っ込められて首を傾げる。
大人しく待っていると、彼が粥を口の前まで持ってきてくれるものだからその状況に少しばかり困惑しつつも、それを拒む理由も特にないため、彼に甘えて口を開け粥を迎えいれることにした。体調の悪い自分の為に用意してくれたのだと思うと、素朴ながらも優しい味の粥も相まって、胸の奥が温かくなるのを感じる。思えば、学生の頃から両親は忙しい人だったし一人暮らしも長いため、誰かが作ってくれた温かいご飯を食べるのは久しい事だった。
彼は口先ではつれない事ばかり言うが、十分過ぎるぐらい気を遣ってくれているのが分かる。柔らかな粥をゆっくりと飲み込むと、目の前にいる彼の頭に─ちゃんと耳には触れないようにしつつ─ぽんぽん、と触れるとそのまま手を左右に動かして、口元で優しげに弧を描く。)

…とっても美味しいわ。貴方はとても優しいのね。

  • No.57 by イナリ  2024-01-16 21:50:06 

……お、お主は不敬な上に痴れ者じゃな!これは優しさではなく、強者が弱者に与える憐憫じゃ!
(一口食べてくれた相手に安堵したも束の間、彼女の手が自分の頭に載せられたかと思うと、そのまま左右に動かされる。優しげな表情と共に褒められると一瞬だけ顔の変化が解けて。すぐに元に戻すと今日だけで何度したか分からない抗議をする。イナリはこのように褒められたことがなかった。人間たちはイナリを神にも等しい存在だと錯覚し殊更に有難がった。願いが叶えば一様に平伏し、叶えなくても平伏する。気分は良かったが正直窮屈でもあった。それでもそんな扱いが慣れていたので「気にするな」とか「造作もないことよ」とか定型文が用意できた。しかしまるで母親に褒められる子供のように扱われるとどうしたら良いか分からなくなる。ふと左右に動こうとする尻尾に気付くと片手で必死に押さえる。何故動く。斯様な言葉は侮辱以外の何ものでもないぞ! 自分に言い聞かせて何とか尻尾を押さえると「馬鹿なことを申さずにさっさと食わんか!」と再び箸を彼女の口の前に持って行く。
日向静蘭め。覚えておれ。必ずお主にも恥をかかせてやる。子供じみた対抗心をメラメラと燃やしながら、彼女に粥を与え続けた。)

  • No.58 by 日向 静蘭  2024-01-16 22:19:02 

(頭を撫でていると一瞬狐の顔が現れて肩をビクッと跳ねさせる。突然の事で驚いたが、その一瞬でも毛並みに触れることが出来たので少しばかり嬉しそうで。しかし、またも抗議の言葉を聞くと、粥のお陰もあってか段々と思考がしっかりしてきたようで、小さく笑いながら此方からも物申しておく。)

……褒めただけで痴れ者なんて、失礼しちゃうわ。
それに、憐憫の類語には“思いやり”の意もあるでしょう。そんなに照れなくてもいいじゃない。

(肩を竦めながらも『さっさと食わんか』の言葉にしぶしぶ口を開けて粥を食べ進めていく。文句を言いながらも尚のこと食べさせてくれるのはやはり優しさなのだと思うのだが、また怒られるだろうから口にするのは止めておこう、と心に留め、時間をかけて粥を完食した。
─まだ熱っぽさとだるさはある為に布団の上に座ったままだが、大分気は持ち直し、寝起きのような漠然とした意識からは回復したように思う。
ふと、彼の姿をちらりと見やると、そういえば初めて見た時も狐の姿をしていたなぁと思考し、本来は狐の姿なのかと改まる。自分自身も人間故その姿にすっかり慣れてしまっていたが、彼にとっては負担では無いのかと純粋に疑問に思う。)

……イナリ様、その姿は変化してるのよね。ずっと人間の姿をしていて疲れないの?

  • No.59 by イナリ  2024-01-16 23:36:41 

(彼女からの物申しを聞くと眉間に皺を寄せる。そして心の中で『いきなり頭を撫でて照れるななどと無理を申すな』と抗議する。自分は彼女に掛けているのは哀れみであって思いやりではないし、第一彼女のような人間に撫でられれば照れない者などいないだろう──そこまで考えてハッとした。我は何を言ってるのだ──自分の思考にまで入り込んでくるとはどこまで不敬なやつだ、と彼女に八つ当たりする。彼女が粥を完食すると茶碗と箸を下げ、薬を飲ませなくてはと立ち上がる。薬包紙の上に薬研の中の薬を移しながら彼女からの質問に答える)

疲れないと言ったら嘘になる。じゃが完全な変化ではない故、大した労力では無い。
…一番疲れるのはな、既に存在している誰かに化けることじゃ。ほれ、このようにな。

(薬と水の入った湯呑みを彼女に手渡すと、彼女の眼前で自身の顔を彼女の顔に変化させる。変化はイナリの得意中の得意な術だ。通常の人間体のようにオリジナルが存在しない姿に化けるのは簡単だ。自分で自由に作れば良いのだから。だがオリジナルが存在する人間に化けるのは難しい。細部まで再現しなければならないから。だから体力の消耗も激しくなる。
彼女の顔に変身すると憂いを帯びた表情を作って見せながら「あなたにそっくりだと思わない? 日向静蘭さん」と彼女と同じ声で言ってみせる)

  • No.60 by 日向 静蘭  2024-01-17 21:57:09 

(茶碗と箸を下げる相手へ再度礼を述べてから、何やら準備をしている背を眺めつつ彼からの返答を聞いていて。その後差し出されたものはどうやら薬のようで、湯呑みと共に粉を溢さないように受け取る。しかし、彼の言葉をそのまま聞きながら顔を上げると、そこにあったのは自分の顔で、思わず、わ、と小さく声を上げて驚く。だが、自分の顔がこうして目の前にあるのはなんとも不思議で、変化の能力を目の当たりにして心做しか目を輝かせる。)

私って、そういう風に見えているのね。
…それにしても凄いわ、声まで変化できるなんて。

(憂いを帯びたその顔はなんともつまらなさそうで、客観的に見るとこんな感じなのか、と少しばかり恥ずかしく思う。しかし、声までもそっくりに変化できるなんて、労力を使う理由がよく分かる気がする。しかし、先程のような人型ではあまり労力を使わないと言っている所を見るに、“誰か”に化けるのが大変だと言うことだろうか。とにかく、あまり疲れないのなら此方がとやかく言うことではないな、と納得する。
そして受け取っていた薬を口の中に含むと、現代で調合された薬と違って薬草の苦さやエグ味がそのまま味覚に伝わってくるためやや眉間に皺を寄せるが、そのまま湯呑みの水を流し込んでなんとか薬を飲み込んだ。)

……お粥に薬まで、本当にありがとう。手間を掛けてしまってごめんなさいね。これできっと、すぐに良くなるわ。

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