匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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…そう。貴方、意地っ張りなのね。それは私と一緒だわ。
(そんな本、とっくの昔に読み終わっているでしょう、一体何度読み返したの、喉元まででかかった言葉を何とか飲み込み、代わりに別の言葉を口にした。妖だろうと、それほどまでの年月を生きて寂しさを感じないなんてあるのだろうか。妖だろうと人間だろうと同じ生き物には変わりなく、きっと、生きた年月の分だけ様々な経験をしたに違いはない。だからこそ、彼の寂しさや辛さ、その心に染み付いた感情は計り知れない。
自分の事となると、その気持ちに蓋をしてしまうことは自分もよくあるし、その事に関しては‘一緒’だと小さく笑ってみせる?こんな人間と一緒にされたくは無いだろうが、そう思ったのだから仕方がない。
ふと、何やら思い出したのかゆっくりと立ち上がり、一度本殿から出て、置き去りにしていた鞄を持って戻ってくる。
膝をついて鞄の中を漁ると丸めた書類を取り出し、その手をまた鞄の中へ。小さなポーチを1つ出すと、その中から飴玉を2つ取り出した。包みを剥がして1つを自分の口の中へ放ると、彼の元へと歩み寄ってもう1つを差し出した。)
あげるわ。いちご味よ。
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