白む空に燻る紫煙 ---〆

白む空に燻る紫煙 ---〆

刑事A  2022-01-18 14:27:13 
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  • No.3923 by ベル・ミラー  2023-09-25 23:11:59 





( 美味な果物をお腹一杯食べ、大好きな人の隣で暖かい温もりの中眠りに落ちたその意識は疲れも相まってか普段以上に深い所へと落ちており。隣の相手の呼吸が上擦り咳き込んだ事にも布団の擦れにも気が付かぬまま小さく規則正しい寝息をたて続け。__ふ、と意識の深い所で己の名前を呼ぶ声が聞こえた気がして僅かに瞼が微動した。だがその声は今回意識を浮上させる事は無く、その役割を担ったのは音では無く服を握り締められた事による物理的なそれ。揺蕩う意識の中、静かに両の瞼を持ち上げ、一度ゆっくりと瞬きをし、そうして気が付いた。己が眠る直前まで静かな寝息をたてていた相手は矢張りそのまま朝を迎える事は出来なかったのだと。「…大丈夫だよ…大丈夫。怖い夢を見たんだね。」掴まれている服はそのままに身体を起こせば、枕に額を押し付け懸命に呼吸を繰り返す相手の浅く上下する背中を優しく摩り、耳元に唇を近付け近い位置で以て至極穏やかに、きちんと戻って来れるように“大丈夫”を繰り返して )




  • No.3924 by アルバート・エバンズ  2023-09-29 03:50:17 

 






( 悪夢に苛まれ過去の記憶がフラッシュバックするような状況ではなかったものの、呼吸がしづらく苦しくて仕方が無かった。浅く早いペースで背中を上下させながら「…っ、…背中を摩っていてくれ、…」と、泣き出しそうに微かに震えた声で懇願する。正常な呼吸が出来ない状態ではこのまま息が止まってしまうのではないかという恐怖心やいつ楽になれるか分からない心細さも同時に湧き上がる。浅い呼吸の合間に「_____苦しい、」と言葉を漏らすと、どうしようもなく湧き上がる心細さのままに相手の服を握りしめ、浅く早くなっている呼吸を懸命に押さえつけるような呼吸を繰り返して。 )






 

  • No.3925 by ベル・ミラー  2023-09-29 13:49:17 





( ワイシャツが汗で張り付き、項にも薄らと汗を滲ませ懸命に呼吸をする相手は酷く苦しげで此方も見ているだけで呼吸が浅くなる様な錯覚を覚える。そんな中で悲痛な声で落とされた懇願の言葉には勿論だとばかりに数度大きく頷き。「大丈夫、エバンズさんが落ち着くまでずっとこうしてるから…っ。」心がきゅ、と締め付けられる様な、視界が滲む様な痛みに囚われぬ様気持ちを奮い立たせつつ何度も背中を摩り続け。それでもなかなか狂い始めた呼吸が正常な音を取り戻さなければ、次は己の服を握り締める相手の手の甲に一度手を重ね、それから両脇に腕を入れ半ば強引に相手の身体を起こし。此方に凭れ掛からせる様な体勢で胸元に顔を埋めさせる形で抱き竦めては「…ゆっくり、大きく呼吸して。…直ぐに苦しくなくなるからね。」己の上下する胸の動きが確りと相手に伝わる様に、それを呼吸の糸口に出来る様に、大きく深呼吸を繰り返しながら、安心させるように至極柔らかな声色で以て声を掛けつつ背中を摩り、時折汗による不快感を逃がす為にワイシャツの背の部分を掴みパタパタと空気を送って )




  • No.3926 by アルバート・エバンズ  2023-09-30 07:39:13 

 







( 不意に身体が持ち上がるような感覚と共に上体を引き起こされれば、そのまま相手の身体に凭れ掛かるような体勢になる。相手の胸元に顔を埋め背中を摩られながら、相手の呼吸に合わせるようにして息を吸い込もうとするのだが自然と上擦ってしまい直ぐにペースを合わせる事が出来なかった。「…っは、ぁ、…」額を相手の胸元に押し当て喘ぐような呼吸を繰り返しながら、一向に楽になれない焦りと恐怖心から涙が浮かぶ。薄く開いた唇から泣き言こそ紡がないものの、顔を俯かせたまま涙は相手の膝へと落ちて。酸欠の症状か、指先は冷えて僅かに震えが起き始めると相手の服を握り締め、もう一度誘導されるように意識的な呼吸を繰り返して。 )








 

  • No.3927 by ベル・ミラー  2023-09-30 09:16:05 





( __脳に酸素が回らず震える身体を抑える事が出来ない事も、懸命に息を吸い込むのだが喉の奥で張り付き空回りする苦しさも、それによって引き起こされる焦燥と恐怖も、あの日──地下室から助け出された後の病院内──で経験した。たった一度経験しただけでもう二度と味わいたくないと思うそれに相手はほぼ毎日の様に襲われ、今もこうして蝕まれている。ふいに膝の上に冷たい感覚を覚え、それが相手の溢した涙だと脳が理解するや否や、密着する身体から、落ちた涙から、まるで苦しさが流れ込んで来たかのように再び視界は涙の膜でぐにゃりと歪み。吐き出した息が震えた事で奥歯を噛み締めては、懸命に元に戻ろうと呼吸を繰り返す相手の頭に額を擦り寄せ、唇を落とし、「…っ、そう__上手、上手です。…ゆっくりで大丈夫。」それはまるで子供に言い聞かせる様な声色だったかもしれない。相手が一秒でも早く楽になれるようにと背を摩り、言葉を繰り返し、ありったけの慈愛と温もりで以て抱き締め続けよう )




  • No.3928 by アルバート・エバンズ  2023-10-01 19:48:15 

 






( 普段であれば1人で苦しみに耐えながら、ただひたすらに時が経つのを待ち意識を失うようにして眠りに就く時を待ち望む夜だっただろう。しかしこうして側に寄り添い背を摩ってくれるだけで、それが救いの光のように思える。相手が背中を摩るテンポに合わせてゆっくりと呼吸を合わせれば、暫くは上擦っていたそれも少しずつ深くゆっくりとしたものに変わりはじめて。ようやく呼吸が楽になり、身体の震えが治まった頃には辺りは薄らと青みを帯び始めていた。僅かに身じろいで相手の服を握りしめていた手を離しその背中へと腕を回すと、感謝を示すように一度相手の背を緩く摩った。身体は疲れ切っていたがもう大丈夫だと、言葉にする代わりに相手の後頭部に軽く手を添え妹にかつてしたように髪を軽く撫でてやり。 )







 

  • No.3929 by ベル・ミラー  2023-10-01 20:36:04 





( 何時の間にか闇に染まっていた部屋の中は薄らと青みを帯び始め、相手の姿も確りと瞳に焼き付ける事が出来る様になっていた。苦しげに上擦っていた呼吸は徐々に静かで落ち着きのあるものに変わり密着している身体に相手の震えが届かなくなった頃、ふいに背中を緩く摩られ、続いて優しい温もりが髪を撫でるとそれだけで浮かんでいた涙が頬を滑った。嗚呼、今日は何だか何時も以上に涙腺が緩い__なんて何処か客観的な考えが一瞬脳裏を走る。だが当たり前と言えば当たり前なのかもしれない。誰より幸せになって欲しくて、誰より愛おしい相手が漸く今日の痛く苦しい闇の中から抜け出す事が出来たのだから。「…まだもう少し眠れるよ。」何故だが止まらぬ涙をそのままに緩く笑みを浮かべては、相手にも横になる事を促す様にしてベッドへと身を横たえ、沢山の溢れ出す感情のままに相手の胸元に額を押し付けるように身体を寄せ静かに息を吐き出して )




  • No.3930 by アルバート・エバンズ  2023-10-07 12:44:00 

 






( 重たい疲労感を引き摺ったまま身体をベッドに横たえると相手と顔を合わせる形となり、視線が絡む。気怠さを滲ませた褪せたブルーの瞳が相手と重なり、涙を湛えて煌めく其の瞳は雨の後の若葉のようにも思えてハッとする。「……泣いてるのか、」と小さく声を発して。数時間後には捜査に出なければならないと言うのに、今の状態では点滴を打って貰わなければまともな仕事さえ出来そうにない。医師があと何日点滴での応急的な処置を許してくれるかは分からないが、体調面の不安と同時に解決が遅れている事件を一刻も早く解決に導かなければという焦りも当然生まれる訳で。此方の胸元に額を押し付けるようにしている相手の髪を緩く撫でてやりながら小さな溜息と共に目を閉じて。 )







 

  • No.3931 by ベル・ミラー  2023-10-07 17:14:07 





( 落ちて来た声は喉が懸命に呼吸を繰り返した名残りか僅かに掠れており、けれども髪を撫でる手付きは変わらず優しいもの。「__エバンズさんが大好きだからね。…落ち着いて良かった。」“泣いているのか”に対するYES、NOでは無い返事ながら悲しみによる涙ではないのだと暗に含ませては静かに繰り返される相手の心音を直ぐ傍で聞きながら何時しか眠りに落ち。__目が覚めたのはそれから数時間後の事。涙を流した事による若干の瞼の重さは感じたものの、事件がまだ解決していない以上何時までも眠り続けている訳にもいかず静かにベッドを降りると、何処となくぼんやりとする頭をシャキッとさせる為に朝のコーヒーを貰おうとキッチンに向かい。お湯を沸かしながら考えるのは勿論事件の事と、相手の体調の事。今日もまた病院で点滴を打って貰う必要があるのでは、けれど医師は何処までそれを許してくれるか、何もかもが思うように進まない事にお湯が沸いた事を示す音に重なる小さな溜め息が漏れて )




  • No.3932 by アルバート・エバンズ  2023-10-07 19:31:05 

 







( 眠っている間に再び悪夢に魘される事は無かったものの、昨晩酷い発作を起こした事が影響しているのだろう。目を覚ました時には昨日以上に身体の重さを感じる事となり、起き上がる事が億劫だった。しかし今日はエミの行方を追い捜査を進める必要があり当然休んでいる訳にはいかない。身体を起こし、ベッド脇のサイドテーブルから薬を取り出すと普段の倍量を手にキッチンへと向かい。既に起きていた相手に「…おはよう、」とひと言告げるとグラスに水道水を注ぎ薬を流し込んで。 )







 

  • No.3933 by ベル・ミラー  2023-10-07 21:00:35 





( 簡単に飲める様にと常備されていたスティックの中の粉をお湯に溶かすだけで出来上がるコーヒーを作り上げ、マグカップから立ち昇る湯気と香りに幾許は表情を緩めた所で起きて来た相手から朝の挨拶を受ければ「おはようございます。」と返しつつ相手の分のマグカップも用意すると同時に何となしに向けた視線の先、普段より数の多い薬が目に止まれば「…!、ちょっ、」と、止めようとするも既に遅し。薬は相手の喉を通り胃に落ちたであろう後で。「次は堂々としすぎ。」じっとりとした視線と共に隠れて薬を飲んでいた時とはうって変わりの行動に態とらしい溜め息を吐き出してから、けれどももう飲んでしまった後なのだから吐き出せと言う事も出来ずに、今回だけはグダグダ言うのを堪えては相手の分のコーヒーを手渡して )




  • No.3934 by アルバート・エバンズ  2023-10-08 03:52:30 

 







( 相手は普段と違う薬の量に目敏く気付いたようだったが、相手が声を上げた時には薬を飲み込んだ後。何か可笑しい事をしたかとばかりに悪びれる様子も無く一度相手に視線を向けると「…隠すなと言ってただろ、」とひと言告げて。明け方の名残りか肌は少し普段より血色が悪いだろうか。相手が差し出したマグカップを受け取ると、中には淹れたてのコーヒー。ソファに腰を下ろして中身を煽ると、息を吐き出して。 )







 

  • No.3935 by ベル・ミラー  2023-10-08 09:38:53 





隠すなとは言ったけど、見逃せない事を堂々としろとは言ってません。
( 全く悪びれた様子無く開き直る相手にキッと睨む様な視線を送れば、普段は基本的に使う事のない敬語でピシャリと言い切り。けれど薬に関する文句は此処まで。自分の為に淹れたコーヒーを持ち相手の隣に腰を下ろしては中の黒を胃に落としつつ一瞥し。明け方の苦しみは治まったとは言えその嫌な名残りはどうしても消える事は無く、少なからず相手を蝕んで居るのはその窶れた顔と仄かに青白い顔色を見ればわかる。「……病院に行くなら今度は駐車場で待ってるから、落ち着いてから一緒にエミを探そう。」静かに視線をマグカップの黒い水面に移動しなおし、点滴の処置を相手が望むならばその後無理に休めと言わず共に捜査続行をする方向に進めると )




  • No.3936 by アルバート・エバンズ  2023-10-09 02:04:14 

 







( 相手の返答は正論で、其れに反応を示す事をしないままコーヒーを啜った。昨日以上に体調が思わしく無い事は実感していて、外に出て捜査をするなら点滴の処置をしてもらう必要があるだろう。毎回同じ対応は出来ないと言った医師が2日連続の訪問にどんな顔をするかは分からないが、仕事にならないのなら頼むより他は無い。「…タクシーで大丈夫だ、先に捜査を進めてくれ。」と言ったのは、こんな事に連日相手を付き合わせるのは気が引けたから。その後コーヒーを飲み干して立ち上がり、一度寝室に戻るとワイシャツに袖を通してネクタイを締める。着替えを済ませてジャケットに袖を通しつつリビングに戻って。 )







 

  • No.3937 by ベル・ミラー  2023-10-09 20:35:16 





( 病院嫌いの相手だが、点滴を打ちに行くという事に関しては昨日から然程嫌悪感がある雰囲気では無く“行ったフリ”をする事は考えられない。となれば此処は相手の言う通り少しでも捜査にあたる時間を多くして一秒でも早くエミの行方を、それに繋がる情報を、そうして事件解決をするのが今己がやるべき最優先事項であろう。「…わかった。じゃあ私は先に行くね。」医者がどんな判断をするかはわからないが彼は信頼のできる医者、これ以上あれこれと言う事はせずにササッと準備だけを済ませると、共に出勤出来る関係でも無い為に一度家に戻り。__署に着いたのはそれから約40分後の事。胸下より長くある髪を後ろで一つに括りエミと近しい間柄の人達にあたるべく、先ずは再びロレインに話を聞く事とし、病院に向かうであろう相手への一抹の不安を抱えたまま署を後にして )




  • No.3938 by アルバート・エバンズ  2023-10-10 02:45:02 

 







( 先に捜査を相手に任せ、タクシーを拾って1人病院へと向かう。今回の事件、被害者の家族である2人が怪しい事は分かりきっているのだ。言い逃れの出来ない決定的な証拠を見つけて事件を解決に導く事が一刻も早く求められる。その為にはあと数日でも捜査に支障がない程度の体調を保たなければならない。例えそれが根本の解決にはならない付け焼き刃だったとしても、此方としてはなんの問題も無いのだ。---病院に着いて受付を済ませると然程待つ事はなく診察室へと呼ばれ、入室するや否や医師と視線が絡み。医師が何かを言おうと口を開くよりも前に「_____どうしても休めない重要な案件だ。」と先に言い訳を紡いでおく。「…いつもの薬だけじゃ持たない。その場しのぎになる事は承知の上だ。」暗に処置をしてもらわなければならない程度には体調が思わしくない事、それが根本の治療にならない事は理解している旨を告げ、先に断られる可能性のある理由を潰した上で処置を求めて。 )








 

  • No.3939 by ベル・ミラー  2023-10-10 11:13:36 





( __1日もあける事無く訪れた此方の姿を見たロレインは、もう何も話す事は無いし思い出した事も無いと首を横に振った。けれども今日の目的はそれでは無いのだ。「娘さんの行方を探す為に必要な情報が欲しいんです。例えば親しい友人やお付き合いしていた人は居ませんか?」彼女が案内してくれたソファに浅く腰掛けエミの交友関係について尋ねると、少し考える素振りを見せた後にロレインは静かに口を開き。『…彼氏が居たかどうかはわかりませんが、“バーバラ”という子は娘の親友です。家にも何度も遊びに来た事があるし、とても良い子ですよ。』新たな女性の名前があがった事で少しの光が射し込んだ気がする中、お礼を告げてロレインの部屋を後にしバーバラに話を聞く事を第一優先として。__一方エバンズが向かった病院では相手の姿を見たアダムス医師が若干苦い顔を見せていた。何かを言う前に案の定仕事の話を持ち出し、それを理由に1日もあける事無く点滴の処置を求めて来る相手に絡ませていた視線をモニター画面に移し、それから少しして再び目前に座る相手を見据えその瞳に真剣な色を宿しては『……“どうしても休めない重要な案件”はこの先後何度出て来るんですか。』と、やや皮肉と相手の言葉を借りた揶揄を。それを患者に言えるのはアダムスが相手とある意味では親しいからなのだが、『…今回の事件が解決する迄は貴方の望む処置をします。けれど、事件が起きる度にそう何度も点滴が出来る訳では無い事は忘れないで下さい。…それと、これももう何度も言っていますが近い内にでも休職する事を真剣に考えて…今のままの生活を続けていては本当に命の危険があります。警察で在り続ける事を望むなら簡単に死ぬ訳にはいかないでしょう?』今日ばかりは少しだけ語尾を強めた口調で諭すように言葉にしつつ、前回行った数十分掛かる点滴では無く静脈に流す早い段階で効果を発揮する点滴を選び、看護師が準備したそれらをデスクに、腕を出すように促して )




  • No.3940 by アルバート・エバンズ  2023-10-12 10:15:11 

 







( 自分が使った言葉を引用する形で皮肉を返して来た相手に対して「…レイクウッドの管轄内で難解な事件が起きない事を願うばかりだ。」と、たいして悪びれる様子もなく他人事のように返事をして。アダムス医師は点滴での応急的な処置はあくまで今回の事件捜査が終わるまでだと強く釘を刺した上で”休職“という言葉を紡いだ。それは彼の口から此れまでにも幾度と聞かされてきた単語で、思わず表情に辟易とした色が浮かぶ。命の危険だなんて、大袈裟な事を言うものだと思いつつ「____つい数ヶ月前に怪我で休職したばかりだ。それに、俺が抱えている問題は捜査とは関係ない。忠告は有難く受け取るが、休職した所で何が変わるとも思えない。」あくまで淡々と、休職する事に対して意味を見出せずにいる事も含めて言葉を紡いで。ワイシャツの袖を捲り腕を差し出せば、注射器から静脈に薬が流し込まれる。其れを眺めながら「…此の所フラッシュバックの症状が酷い。どうにかならないか、」と徐に尋ねて。 )






 

  • No.3941 by ベル・ミラー  2023-10-12 14:54:30 





アダムス医師


( 此方の皮肉にまともに取り合わない、全く以て悪びれた様子の無い返事を少しの躊躇いも無く返して来た相手に隠す事の無い大きな溜息を吐き出す。患者を前に溜息なんて医師としては如何なものかと思われるかもしれないが、この状況ではそうもなるだろう。されどこれ以上互いに皮肉を送りあっても売り言葉に買い言葉状態が続くだけだと思えば、そこに関して更なる言葉を返す事無く袖の捲られた細めの腕に消毒をし静かに針の先端を皮膚に貫通させ静脈に安定剤を流してゆき。注射器内の薬が相手の身体に回り気持ち的にも体調的にも落ち着きを取り戻すまで然程時間は掛からないだろう、その中で案の定“休職”に対して聞く耳持たぬの態度を貫かれれば『本来ならば警察を辞めて環境を変えるべきだ、とまで言いたいんですよ。警察で在り続けるならば嫌でも遺体を見て、あの時と同じ様な事件に携わる事にもなる。それは貴方自身が大丈夫だと思っていても少なからず心にも身体にも影響を及ぼすんです。関係無くはない。』軽く首を左右に振り、あくまで“休職”は医者である此方の最低譲れる所なのだと強調しつつ針を抜き、そこに保護パットを貼ってから視線を合わせ静かに口を開き。『…薬を強くすれば直ぐに抑える事は出来るかもしれませんが、それは根本的な解決では無いし私はその方法が貴方にとってベストだとは思いません。…あの事件を忘れろ、乗り越えろ、と言うのは簡単ですが、当事者にとってはとてつもなく難しい事である事も理解しています。』一言一言をゆっくりと紡ぎながら、“エバンズさん”と相手の名前を挟み再び口を開き『…時間は掛かるかもしれない、直ぐには難しくともほんの数分…数秒でも良いんです、“未来を考える時間”を増やして下さい。私はフラッシュバックの一番の解決方法はそれだと思っています。』相手には酷かもしれぬ言葉を真っ直ぐに伝える。あの時の事件で妹が、大勢の人質が亡くなったのは自分のせいだと今尚思い続けている相手が自分だけ幸せな未来を、などと考えられない事は昔からわかっている事 )




  • No.3942 by アルバート・エバンズ  2023-10-14 18:25:12 

 







( 環境を変えるべき、此の仕事から離れて心身を安定させる事が第一だという話はこの十数年幾度となく聴かされてきた言葉だ。それが出来ないならせめて体調が優れない時だけは休職を、というのが医師の言い分なのは勿論理解は出来るのだが。聞き飽きたとばかりに眉間に皺を寄せ返事をする事こそなかったものの、注射針を抜かれ処置をされながら聞かされた言葉に沈黙する。過去を振り返ってばかりいるのではなく、未来に目を向けろと。過去の記憶と罪悪感に雁字搦めになって一歩も進めずに居るのにと思うのだが、思えばレイクウッドに来てから_____ミラーと行動を共にするようになってから、少しばかり辺りを見回せるようになっているように思えた。ひたすら過去に捕らわれていた1年前より、少しばかり“今”に目を向けることが出来るようになっているように。時に相手の手を借りて、暗闇の中から今に引き戻して貰う事もある。未来を見る事は未だ出来なくても、少しばかり昔よりは前を向けているように思うのだ。ワイシャツの袖口を留めながら服を整えると「……今を見失わないようにするのが先決だな、」とひと言答えて。医者は彼にしては素直な返答だと思ったかもしれない。「助かった。」と告げるとそのまま診察室を後にして。---数十分で体調は回復し、問題なく動けるようになった。その足で、バーバラに会うため大学で彼女を探しているミラーと合流すべく大学へと向かい。 )








 

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