刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 何時の間にか闇に染まっていた部屋の中は薄らと青みを帯び始め、相手の姿も確りと瞳に焼き付ける事が出来る様になっていた。苦しげに上擦っていた呼吸は徐々に静かで落ち着きのあるものに変わり密着している身体に相手の震えが届かなくなった頃、ふいに背中を緩く摩られ、続いて優しい温もりが髪を撫でるとそれだけで浮かんでいた涙が頬を滑った。嗚呼、今日は何だか何時も以上に涙腺が緩い__なんて何処か客観的な考えが一瞬脳裏を走る。だが当たり前と言えば当たり前なのかもしれない。誰より幸せになって欲しくて、誰より愛おしい相手が漸く今日の痛く苦しい闇の中から抜け出す事が出来たのだから。「…まだもう少し眠れるよ。」何故だが止まらぬ涙をそのままに緩く笑みを浮かべては、相手にも横になる事を促す様にしてベッドへと身を横たえ、沢山の溢れ出す感情のままに相手の胸元に額を押し付けるように身体を寄せ静かに息を吐き出して )
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