Destiny ─ 始まりの冒険の書 ─ / 非募

──･･･？、はい･･聞こえます。段々と音が大きくなって此方に来ているような？･･････カミュさん！！あれ！！( お互いに怪我も無く安堵していたのも束の間で貴方から問いに耳を傾けると確かに音が聞こえ立ち上がり、その方向へ視線を向ければその正体に恐怖と驚きが交差し咄嗟に服を掴むも身体は固まって )

おいおい、マジかよ…！マユ、走るぞ！…マユ！？( 大きな音と共に奥から転がってくるのは押し潰されたらひとたまりもないような巨大な岩で、目を見開き。辺りを見回すも一本道でやり過ごせるような場所がない為、一先ず逃げる事にし。彼女の手を引いて走ろうとするも、恐怖からか固まってしまっていて。「…ッ！」咄嗟に抱き上げると岩から逃れられる場所まで全力で走り )

( 近付く岩に貴方の声も聞こえない程に身体は震えていて、抱き上げられると我に返り咄嗟に首元に抱き付き。転がって来る岩と進行方向を交互に向きながら自身も何か手はないかと考えていると壁に窪みを見つけ )──･･･カミュさん！あそこの右の壁に避けられる場所があります！

よし…ッ！しっかり捕まってろよマユ…！( 迫り来る大岩に、彼女を抱えて全力で逃げることで精一杯だったが、彼女の誘導のお陰で危機一髪でそちらに滑り込むように逃れられ。岩をやり過ごせば呼吸を整え ) …はぁ…危なかったな。流石にどうなる事かと思ったぜ。大丈夫か、マユ。怖かったろ。( 額に汗をかきつつ、立て続けに危険な目に遭って恐怖だっただろう彼女を気遣えばそっと下ろそうとして )

( 迫り来る岩に心臓の音が早まり貴方の声に腕に力が入り、ぎゅっと目を閉じているとそのまま逃れて。下ろされたが足が浮いているような感覚で震えが止まらず貴方に抱きついたまま )──･･･恐かったです。でも、カミュさんがいてくれたおかげで助かりました。ありがとうございます。重かったですよね、ごめんなさい･･･大丈夫ですか？( 顔を上げ頬に触れては心配そうに見つめて )

全然重くなんかねーし気にすんなって。マユが無事で良かったぜ。( 気にするなとばかりにニッと笑うも、触れてくるその手にドキリとし。恐怖からか未だ足元がおぼつかないらしい彼女を支えつつ、申し訳なさそうに頭を撫で ) ごめんな、オレのワガママで無茶させて。マユが落ち着くまで少し休もうぜ。

私が仕掛けを押したせいで危ないめに合わせてしまって申し訳ないです･･･。( 貴方の笑顔に少し安堵するも眉尻を下げ小さな声で言えば触れていた手を離し )私も一緒に行きたかったのでカミュさんの我儘ではありません！私なら大丈夫です、早くお宝を取ってヴァンの元へ帰りましょう！( 首を振り否定すれば、大丈夫だとばかりに笑顔を見せ危険が無いか目視し後に道を進み )

わかった、行こう。お宝は恐らくこの階にあるはずだ。もう少しだぜ、マユ！( 大丈夫だという彼女の意を尊重し頷いて。盗賊の特技によりお宝の場所を何となく探る事が出来れば胸が弾み、魔物の気配に警戒しながら彼女の前を進んでいき。やがて行き止まりのやや広い場所に出ると部屋の中央にお宝が置かれており )

──･･･はい！頑張ります。カミュさん！あそこに何かあります！普通の木の箱のような感じですが･･･コレがお宝でしょうか？！私！開けたいです！( 敵に警戒しながら貴方の後をついて行き広い部屋へ出れば自身でも分かる怪しい箱のような物があり、近くに寄り眺めたり触れたりすれば初めての宝箱に興味津々となり自ら開けたいと挙手し )

ははっ、いいぜ。マユが開けろよ。──あ、でもちょっと待て。念の為確かめる。( 開けたいと無邪気にはしゃぐ彼女に思わず笑って頷くも、罠かもしれないと止めて。中身を判別する“インパス”の呪文をかけてみると、中身は安全だという青色に輝き ) よし、中身はちゃんとしたお宝みたいだぜ。( どうやら中身はモンスターではないらしく。呪文の判定を信じ、彼女に大丈夫だと合図をし )

こうゆうの初めてなので、わくわくします！( 貴方から許可を貰い瞳を輝かせれば何か唱えている様子に首を傾げ見つめ宝箱が青色に光れば驚き )──･･･今のはちゃんとお宝と言うの確かめてくれたんですか？凄いです･･･この世界は驚く事ばかりです。では･･･開けますね！( 魔法に関しては初めて見るものばかりで、また１つ勉強になったと思い唱えた呪文を忘れないようにと心の中で決めて。宝箱の前に行けば深呼吸をし両手でゆっくりと開くと中から煙が出てあっという間に自身が見えない程に充満し )

な…ッ！？げほっ…大丈夫か、マユ…！(呪文の判定が安全だった為油断していたせいで、突如充満する煙に咳き込みながら彼女に声をかけ。漸く立ち込めていた煙が消え、宝箱の中には確かに売れば大金になるレアなお宝が。しかし煙にまかれている内に肝心の彼女の姿が消えており、焦ったように辺りを見回し呼びかけて)…マユ？おいマユ！マユ…！

──･･･なに、この煙！？カミュさん！？( いざ宝箱を開ければ煙に包まれ驚き少し噎せながら貴方を探していると急な睡魔に襲われ倒れてしまい。自身を呼ぶ声に目を開け辺りを見渡すと木のような物に寄り掛かっている事に気付き何が起きたのか分からず手探りしながら立ち上がり見上げてみると高さ何メートルの巨大な動く者を見付けては恐怖心で身を屈め、しかし確かに"マユ"と呼ぶ声が聞こえ気付いてもらえるように大きな声で )


／

カミュさぁーーん！
どこにいますかーー！？

＼

…マユ…？…っ、確かに今マユの声が聞こえたよな。なぁマユ！無事なのか！？何処にいるんだ！？( 姿は見えないものの微かに聞き慣れた彼女の声か耳に届いた気がして。警戒しつつ辺りを見回し、もう一度彼女の声を拾おうと耳を澄ませて　)

──･･･やっぱりカミュさんの声！！近くにいる事は確かなんだけど･･･どこにいるんだろう？( 自身の名を呼ぶ声は確かに彼の声で、周辺を探すも人らしき人物はおらず。先ほどの煙と言い可笑しな現象が起きてると冷静になればなるほど頭が混乱していき早く見つけなきゃと思い手を振りながら歩き回り )私はここにいます！！手を振ってるんですが見えますかー！？

…マユ？(　注意深く耳を澄ませばやはり小さな小さな彼女の声。その方向を見てみると、宝箱のすぐ近くに小さな小さな彼女が懸命に手を振っており、ぎょっとして　)　…お、おいおい…ま、マジか。(　信じられないが、それは確かに彼女の姿。困惑しつつ、とりあえずまともに声が聞こえる距離まで彼女を近付ける必要があり、彼女の方にそっと掌を差し出すと　)　登ってこれるか、マユ。


　

──･･･カ、カミュさん？！( 左右を確認すれば誰もおらず、影が見え上へ視線を向けると其所には大きな貴方の姿があり目を見開き驚き。状況が飲み込めず混乱していると大きな手が目の前に来れば指先で突き、そのまま掌の上に乗り身ぶり手振りし )･･･あのー！これは一体どう言う状況なんでしょうか！？

何が何だかオレにもさっぱりだぜ。…恐らくはさっきの煙が原因なんだろうが…。なぁ、怪我はしてないか？何処かおかしいとか…( 掌に乗った彼女の声が聞き取りやすいようもう少し近づけると、困ったような表情で首を傾げ。身体が小さくなった以外に異変はないだろうかと心配そうに問い )

私は怪我してません･･･煙？宝箱にトラップが仕掛けられていたと言う事でしょうか？･･･えっ、待って下さい！私が小さくなったんですか！？( 手を大きく振りどこも痛くないとアピールをし、先ほどの煙が原因と聞きよく考えては今の状況に漸く気付き掌にぺたんと座り手を突けば顔を青ざめ。バッと見上げ貴方を見つめれば )カミュさんは何でそんなに冷静なんですかー！！

ああ、そういう事だろうな。洞窟でいろんな罠を経験してきたが、体が小さくなるってのは初めてだぜ。(　一先ず怪我などはないと聞いて胸を撫でおろし。しかし何故そんなに冷静かと突っ込まると、何か誤解させたかと少し慌てたように弁解し　)　待て待て、別に他人事だと思ってるわけじゃないからな。ここでオレまで慌てていたらお前が不安なるだろ。そうだな…まずは教会に行ってみないか？何とかしてくれるかもしれない。