匿名 2017-06-17 03:18:11 |
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ありがと、兄さん。おかげで退屈しない時間になりそうだよ。時間があったらさ、またここに来てみてよ。とっても楽しい光景が見れるかも
(まるで玩具を目の前にした子どものように無邪気に笑うロイに奴隷達が戦々恐々とするなか、ロイは踵を返したハーシュの背中をちらりとみやり、その背中にむけてニヤリと口を歪ませ)
さてと、じゃあこれから僕が設定した特別ルールの説明をするね。さっき兄さんは食事と睡眠以外はこれを動かし続けるって言ったけどさ、僕は優しいから一時間に一回は20分間休憩の時間をあげる。でもさぁ、ずっと動かし続けないと電力が賄えないでしょ?だからね、一時間に一回投票タイムをもうける。君達六人には『誰が一番不真面目だったか』を投票してもらう、多数決で選ばれた一人は残念ながら休憩はなし、20分間この重い重いポールを一人で回して貰うよ。他の人は晴れて休憩タイムだ!ポールを回すなんて単純作業だからねぇ、どんな小さなミスもすぐに投票対象になっちゃうね。躓くとかポールから手を離すとか、くしゃみするのとかもダメになっちゃうかも。あ、あと同じ人が連続で休憩なし対象にはならないからね。さ、ルールは理解できた?それじゃあ……始めよう
(ルールをさらさらと語った後、にこりと人懐っこい笑みと共にポンとひとつ手を叩いて。そうしてやれば奴隷達は自分が貧乏くじを引くわけにはいかないと大慌てでポールをそれぞれ手にし、それらを押し始めて。同時に他人のどんな小さなミスも見逃さないように血眼になって互いを監視し始めて)
…お前は此処に残ってロイと奴隷を監視しろ
(傍らに控えている使用人の耳元に唇を寄せ扉前で小さく告げると執事が視線で頷き、ハーシュはそのまま予備動力室を去り)
「…」
(使用人はロイの邪魔にならないよう扉前に直立して視線も合わせず空気のように気配を消し、ロイの始めた遊びに耳を傾け。ゲームと称するものでも奴隷達の心を掌握し意のままに操作する手腕に感服するが表情には出さずに、ハーシュに言われた通りにただ見守る姿勢で佇み)
(去ろうとするハーシュを目で追っていれば使用人に耳打ちする姿がみえ、何を言ったかは分からないがその距離の近さにグッと奥歯を噛んで)
さてと、これで奴隷達はお互い監視するようになったし、あとは……
(奴隷達はロイの思惑通り互いを牽制しながら必死に働いていて満足げに笑み。しかしその表情をふと消し振り返ると使用人に大股で歩みより喉仏を掴むように手を首にかけて)
君にさぁちょっとお願いがあるんだよね。ねぇ、君使用人でしょ?それならさ、兄さんからもうちょっと離れなよ。やっと僕が兄さんの隣に立とうって時にさ、ちらちらされると邪魔なんだよね。使用人の君が兄さんの傍にいるなんて、ほんと図々しいよね
(徐々に手の力を込めていくと使用人は息苦しそうに口をパクパクと動かし、全ての言葉をいい終えると床に引き倒すようにして使用人を叩きつけ)
ハーシュ兄さんは船長、スタズ兄さんは副船長でいつも二人は傍にいる。僕も早く……あそこに
(奴隷達の方を向き直りながら低いうなり声のような声色で呟くと手にもつ鞭を強く握って)
っ…
(ロイの矛先がこちらに向いたのを悟るとどうすべきか戸惑うように見つめているがロイの表情に圧倒され圧迫された喉を押さえ咳き込んで床に膝をつき使用人の身である自分が分不相応の役割を与えられている事には恐縮しかなく「申し訳、ございません」と掠れた伝わりづらい声色で謝罪し。ロイが仕事に飽き始めた頃合にハーシュが他の船員を交代要員として寄越すとロイと交代し、役目を終えた自分も予備動力室を出てハーシュへ報告に向かい)〆
(/そうですね、一旦区切りましょう!)
(使用人に理不尽な怒りをぶつけたあと、最初こそは互いをにらみ会う奴隷達を楽しげに眺めていたがそれも時間が立てばマンネリ化してきて椅子にだらしなく座りながらぼんやりと小窓をみるようになり。そのうち交代の船員がくれば『あとはよろしく』と自分が告げたルールを教えぬままその場をさり、しかし奴隷達はいまだ小さなミスを犯さずそして見つけ出すために必死に体を動かしていて)
〆
(/この次のことですがハーシュ様は何かご希望の展開などあったりしますか??)
夕暮れ/甲板
(安定した天候での航海中、特にやることもなく船尾楼への階段に腰掛けつまらなさそうに海を眺めていたロイのもとに海図を手にしたヴァイオレットが近づいてきて)
『失礼しますロイ様。船長がどこにおられるかご存知ですか?少々お話したいことがあるのですが……』
ハーシュ兄さん?さぁ、どこいるんだろ?船長室に引きこもってるんじゃないの?あいつと一緒に
(ヴァイオレットの問いにロイは答えることがてきずいつも通り自分の部屋にいるのではと答えるも、あの使用人がまた横に控えているのかと考えれば目が少々鋭くなり。ヴァイオレットはロイの不機嫌の理由が分からず、だがろくな理由ではないだろうと呆れのため息とともに甲板を見渡してみて)
(/おはようございます。では海賊らしいシーンをテーマに始めさせていただきます!)
夕暮れ/大浴場→
(浴場は船員や使用人も使用するためシャワー場所は多めに設置され洗い場が広い造りになっており、バスタブは一つだけでハーシュが仰向けになって悠に足を伸ばせる円形で、大人数で一斉に入るというよりも兄弟が個別で羽根を伸ばせる造りになっており、そこに肩を出して浸かっているといつもの使用人が一礼して入ってきて『ハーシュ様、ヴァイオレット様が探しておられます』と跪いて伝え)
今行く
(湯船から上がると使用人がタオルを差し出し受け取って脱衣場に出、鏡に向かうと髪を乾かし後ろで括り差し出された衣服を纏い身なりを整え最後に帯刀してから浴場を出て)
(/よろしくお願いします!)
『あぁ、船長殿探しておりました。先ほどこの先の航路を確認したのですが、この航路ですと私が手に入れた情報が役立つかと思いまして』
(浴場から出てきたハーシュを見つけるとヴァイオレットはロイに一切の興味をなくし優雅な足取りでハーシュへ近づき胸に手をあて一礼してから声をかけて。ロイは嬉々としてハーシュに歩み寄るヴァイオレットと相変わらず傍に控える使用人とに怒りの気を含んだ息を吐き出し、だがヴァイオレットが何を伝えるのか気になり二人の近くに寄ってきて)
夕暮れ/甲板
(甲板に出ると強い潮風が鼻を擽り陽の隠れ掛けた水平線は橙に海面を染め、近付いてきたヴァイオレットを見遣り)
航路がどうした?
(ヴァイオレットの傍にロイも居たがそちらには目をくれず無いものとしてヴァイオレットに尋ね)
『先日滞在していた町の酒場に行った際にマグナリア家の船がもうすぐ着港するという話を聞きまして。なんでも隣国の鉱山で採掘した金を持ちかえる船らしく、当然その船には金塊が乗っています。さらに今回は"特上品"なるものが積んでいると。そしてその船はおそらく今夜の日が落ちた時間帯にこの船と接近します。……狙う価値は十分にあるかと』
(こちらに目もくれないハーシュに不機嫌そうな顔を浮かべるロイをよそにヴァイオレットは海図を広げてこのまま進めば金塊を積む船と接触することを報告し)
貴族の私船か…”金塊”に”特上品”…それは捨て置けんな。日の落ちる頃合となるとそろそろだ
(広げられた海図に目を落とすと現在位置と標的側の航路を確認しヴァイオレットの言葉に頷いて、片手を掲げるとよく通る声で甲板で寛ぐ船員達に通達し)
――戦闘準備。船員は各自、武器を持て!
(『…兄貴、斬り合いか』甲板の縁で欠伸を噛み殺し海を見ていたスタズが水を得た魚のような顔で立ち上がり)
夜戦になる、お前が指揮を取れ。
(『了解』スタズは頷き夜戦に備え地下へと居りていき)
~夕暮れ→夜/甲板~
(ヴァイオレットは自分の得た情報が有益なものであったことを喜びにこりと爽やかな笑みを浮かべたあと『それでは私はいつも通りに』と舞踏会用の仮面をつけ、マストを登っていき)
スタズ兄さんってほんと戦闘好きだよね。僕もやりあうのは好きだけどさ、夜戦だと相手の苦しそうな顔が見えないから惜しいんだよね。
(戦闘準備の合図のあともロイはハーシュの隣に立ったままで、両腰に短剣があるのを確認するだけでそれ以上のことはしようとせず。日は暮れていき闇が海を覆うなか水平線の上にひとつの船が見え。豪華な装飾が施されたその船はいかにも貴族が自分の権威を見せようと飾り立てたもので。一方でロイ達が乗る船は息を潜めるように灯りを落としていき、自分達の素性を知られないようにして)
さて、そろそろ時間かな
夜/甲板→
家を出てから、あいつも随分変わった
(貴族の時分病弱だった幼いスタズの面影は今はなく、逞しくなったという意味で微笑み)
人の苦しそうな顔が見たいのか?お前も大概だな
(自分の事を棚に上げ薄い唇を釣り上げ、日が暮れ闇が周囲を覆う頃にはスタズも急襲の準備を終え部下を従え甲板で身を潜めるように待機し、豪華な私船が近付いてくると灯りを落とした船員にモールス符号による救助信号を送らせ、商船が助けを求める体を作り私船へと近付いていき)
……船に飛び移れる距離になったら一気に行く。
(ロイと共に物陰に隠れ鍔広のハットを目深に被り直すと腰に巻いた紫の布を首元に巻き付け鼻元まで上げて顔半分を隠し)
夜/甲板→マグナリア家の船 甲板
(次男のことを語るハーシュに海に出てからハーシュ自身は変わったか、そして何より自分が相手にはどう写っているのかを尋ねようとするもタイミングを逃してしまい。『大概だ』という言葉には「感情が揺さぶられてる人間って最高」とだけ返して)
……ねえ兄さん。どっちが先に特上品ってやつを見付けるか勝負しようよ
(救難信号に気づいた私船はまっすぐとこちらに向かってきていて、交戦まで残り少ない時間にも関わらずロイは口元に紅のスカーフを巻いて顔を隠しながら軽い調子でゲームを持ちかけて。その返事を聞く前に2隻は飛び移れる距離へと近づきロイは短剣を引き抜き両手に構えると敵船へと走りはじめて)
夜 /マグナリア家の船 甲板
遊びじゃねぇんだぞ、生意気小僧
(数名の船員を引き連れロイとほぼ同時刻に飛び出したスタズがにやりと笑って兄の代わりに釘を刺し)
死にたくなけりゃ金目のものを差し出して大人しくしてろ!
(声を張り上げ夜空に向かって照明弾を放つと数秒の間光が敵船に降り注ぎ、敵船の用心棒が数名、剣を構えて応戦の体制でいるのが見て取れ。一人が先陣を切ったロイに向かい剣を振り下ろそうとしていて)
そんな笑顔で言われても説得力ないよ、スタズ兄さん
(飛んできた言葉はスタズからのもので、ちらりと相手を見ればその顔は自分と同じように楽しげでいてこの状況を楽しんでいるのが分かり、気持ちの同調がさらにロイの気持ちを高ぶらせ、船の縁を蹴ると宙に体を投げ出して敵船の甲板に降り立ち)
僕は大人しくなくても大歓迎だよ
(振り下ろされた剣を受けるのではなく、短剣の切っ先を下方に向けて逸らすようにして攻撃を受け流すと、同時にもう片方の短剣で用心棒の首をついてやれば、そこから血が吹き出し用心棒は倒れ。ロイを狙った用心棒に続き後続が雪崩れ込み甲板に次々と降りてくるスタズをはじめとした船員に斬りかかってきて)
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