毛利元就(無双) 2020-05-17 06:21:23 |
通報 |
おトキさんは毛利さんからしてみればお母さんのような優しい存在なのですね。そして私に将来を約束された方はいませんよ……──毛利さん?お待たせしてしまってごめんなさい!着付けは終わりましたので、今行きますね!(二人の関係性の深さに感動していると、将来を約束された方という件には首を横に振って。将来を約束どころか彼氏もいない為結婚やそういう方面には疎い方で、障子の向こうから相手の声がすると待たせてしまったと思い込みおトキへ頭を下げては障子を開けて姿を現し)毛利さん、お待たせしてしまってごめんなさい!おトキさんに素敵な着物と袴をお借りしたので、お仕事に気合いが入ります!
いやいや、反対に邪魔をしてしまって悪かったね。2人が楽しそうだったから、つい声を掛けてしまった。いやはや、なんとも空気を読めない男ですまないね(2人の会話を中断させてしまった事へ対して、申し訳なさそうに眉尻を下げるとばつが悪そうに後頭部を掻き。次いで着替え終わった彼女の姿を見れば、先程とは違い落ち着いた色合いの着物を纏った姿に感嘆の言葉を零し)お、なかなか良く似合っているね。うん、とても動き易そうだし、優しい君に似合う良い色だ。選んでくれたおトキに感謝だね。(ついておいで、と手招き一つすれば廊下を歩き始め。後ろからはおトキが「いってらっしゃいませ。」と深く一礼しながら微笑みと共に彼女を送り出し)
いえ、そんな!毛利さんは悪くありませんので気にしないでくださいね?(邪魔をしてしまったと謝る相手へ気にしないで欲しいと身振り手振りで伝え。着物褒められると恥ずかしそうに微笑み、素直に喜ぶと一礼するおトキへ同様に深く一礼『おトキさん行ってきます!』顔を上げてから笑顔で手を振り挨拶した後、相手の隣へ並んで歩み進め)毛利さんには御恩がありますし、女ですが仕事は何でも頑張ります!少しでも毛利さんのお役に立ちたいので。
ははは、そんなに肩肘を張らなくても大丈夫だよ。余り気を張っていると直ぐに疲れてしまうよ?ああ、(やる気に満ち溢れているのか意気込み強く頑張ると言葉にする彼女を眩しそうに瞳を細め見やり、しっかりと閉じられた障子戸の前に立つと)ああ、此処が今日、君に頼みたい事がある部屋だよ。私の私室なんだ。実はおトキ達に部屋を散らかしすぎだと怒られてしまってね。私はそんなに散らかっているとは思わないのだけれど…(その部屋には書物が山のように乱雑に積まれおり、辛うじて人一人が漸く座れるスペースだけが残っている。今にも崩れてしまいそうな書物の山の奥には空の棚が幾つか並んでいる。散らかっているのは本だけではなく、筆やら書きかけの紙もちらほら。心底不思議そうに顎に手をかけながら首を傾げ)そんなに汚いかな?座れる場所があるのだから、大丈夫だと思うのだけれど…
(とある障子戸の前にて止まると仕事内容を訊いて驚き。戸を引いて中に入ると室内の惨状に更に驚かされて。汚いという言葉はしっくりこなく、散らかっているというおトキの言葉の方が納得させられ。兎に角畳の上にはこれでもかと本が散らばっており、意を決して一歩踏み入れると先ずは空いている本棚へ本を並べようと本を拾い上げながら質問し)あの、毛利さん。この部屋は汚いという訳ではないと思います。熱中しすぎてこうなってしまったのですよね?先ずは畳の上に散らばっている本を片付けようと思うのですが、種類別に分けて本棚へしまった方がよろしいでしょうか?(取り敢えず両手で持てる分だけ拾い上げると本棚へと移動し、散らばっている本を全て本棚へ整頓できるか心配になるが仕事は本だけではない為効率良く掃除しようと色々考え始めて)
そうなんだよ!一つを読んでいると、他の本ではどう書かれていたのか気になって開いてしまうし、更にその本ではない物ではどうだったかなと手に取って広げて、では、此方の方では…と、気が付いたら本に埋もれてしまっているんだよ。ははは、困ったねぇ。(さして困った風もなくからからと笑い声あげながら頭に手をやり、改めて室内を見回すと「でも今回は少しやり過ぎたかなぁ」とポツリと言葉を零し。次いで本棚の前で迷っている彼女から問い掛けられれば自らも本の山を掻き分けて棚の前へ移動し、棚と本の山を交互に指さし)そうだね。出来れば歴史書の類いは真ん中の棚にまとめて貰いたいな。この位置なら直ぐに読めるし。他の物は、大体で良いから種類別にまとめて、あちらとあちらの棚に仕舞おう。
毛利さん、お部屋が綺麗になりましたね!まさかこんなに広い部屋だったとは。(会話しながら一時間程で掃除は終了し、綺麗になった室内を見渡すと満足そうに微笑んで。本棚に並んだ本を改めて見ると量の多さに驚き、それだけ相手は真面目で熱心なんだと感じ取り。この世界へ来て二日目、まだまだわからない事だらけであり慣れぬ事が多くて心配もあるが、相手が傍に居てくれるだけで心強さがあり)他にお仕事はありますか?可能な限り頑張りますので!
そうだね、私も自分の部屋がこんなに広いとは思ってなかったよ。これなら、まだまだ本を置いても大丈夫かなぁ。(腰に手を当てながらすっかり広くなった部屋と綺麗に整頓された棚を此方も満足そうにぐるりと見回し、まだ僅かに余裕のある空間を見付けるとポツリと言葉をこぼし。次いで片付けの間、脇に寄せられていた文机を部屋の中央へ運びながら)君の世では、文字を何で記すんだい?此方では、筆と墨を使うのだけど…ああ、その前に君の世界の文字と、此方の文字が同じなのかも分からないよね…ええと、これは読めるかな?(文机の上に置かれた箱の中から数枚の紙を出せば相手の方へ紙面を向け、どうかな?と僅かに首を傾げながら問い掛け。紙面には自身の名や、和歌を書き移したものが記されている。)
(続くように文机まで移動し隣に並ぶと、とある紙を見せらると読めなくはないが達筆すぎて感嘆とさせられて。文字を読み終えては相手の名と和歌を書き記したものだとわかり。現代で文字を書き記す方法は沢山ある為どれから説明するか悩むも先ずは文字を読めるという事を説明し)この文字、私にも読めます。これは毛利さんのお名前と和歌を書き写したものですか? 私が住んでいた世界も筆と墨を使って文字を表す方法はありましたよ。
正解。君は教養のある賢い子だ!この世では、文字を読み書き出来る者はそう多くない。ある程度の位の者は小さい頃から教育を受けるけれどね。それでも、民の多くは読めないし書けない。彼らが生きるのに、文字はそれほど必要ではないからね。でも私は、広く知られて欲しいと思うんだ。書にはたくさんの知恵や生き方、娯楽や教訓が詰まっているからね。(彼女の答えに大きく頷くと今度は硯と筆を文机の上へ並べ。滔々と言葉を紡いでしまうのは自身の悪い癖ではあり、それに気付いているのかいないのか彼女へ語り続け。片付けたばかりの本棚から数冊の書を手に取ると彼女へ差し出し、満面の笑顔で)という訳で、だ。君にはこの書を全部書き写して貰いたい。大丈夫、たかだか50枚程度の書だ。これを数冊ずつ、よろしく頼むよ。ああ、時間は幾ら掛かってもいいからね。暫くは、この作業をお願いしたいんだ。いいかな?
そっか……そういう時代だったわね。私が少しでも力になれるのなら、何でも手伝いますから。五十枚書き写せば良いのですね?わかりました。(学校へ通い学ぶということは当たり前だったのを相手の話で考えさせられて。笑顔が眩しくその笑顔を見ると断りづらいのもあるが、どんな小さな事でも力になりたいのか即答で引き受けると本を受け取り座布団へ座ると文机と向き合って)終わり次第毛利さんに声をかけたいので、何処に居るかだけ教えてください。
ありがとう、とても助かるよ。私もこの部屋で少し仕事をさせて貰おうかなぁ。最初から全て任せてしまうのは、私も気が引けるからねぇ。ええと、確か隣の部屋に昔使っていたものが…(どっこいしょ、と些か年寄りくさい掛け声と共に隣室から一回り小さい文机をもう一つ持ち寄れば、彼女から少し離れた場所に置き。ずるずると部屋の隅に重ねられていた座布団を座ったまま引き寄せながら)君は、あちらの世ではどんな仕事をしていたんだい?
(早速書き写し始め集中していたが、仕事の事を問われては一旦手を止めて少々考えて。改めて考えると今の状況は内容こそ違うが秘書として仕事している時と似ており。社長とこうやって親しく話す事はなかったと考えてはゆっくりと口を開いて説明し)仕事は……今の状況と似ていますね。位の高い人に仕え、お給料をいただいておりました。仕事の管理や時に頼まれれば食事の準備もしたり。毛利さんみたいに親しい方ではなかったので、仕事でもここまで親しく話すようなことはありませんでしたが。
成る程…位の高い者がいて、下に就くものは働きに応じて対価を得る、という所は我々と同じなんだね(彼女の話す内容からは、女性も男性と変わりなく働き報酬を得ており、読み書きといった教育も分け隔てなく受けられるのだと理解でき。女性は政略結婚や子を産むために居る、という此方の考え方とは全く違う。誰もが平等に生きられ可能性がある世界。昨日彼女から見せられた未知の物や技術。それらを思うと自然と深い溜め息が零れ)余りにも違い過ぎて、頭が追い付かなくなってきたよぉ。君もこんな気持ちだったのかな?(おどけた調子で「疲れた~」と語尾長めに言い放つとごろりと上体を畳の上に投げ出し)
……そうですね。私も違いに驚きましたが、毛利さんが優しく接してくれたおかげでこの世界を受け入れることができました。なので毛利さんは私の命の恩人でもあります!(半分以上写し終えた時に畳の上に寝そべる姿を見て微笑みつつ言葉を紡いで。筆を一旦置いて作業を中断させると相手に近付き隣まで移動すると正座して座り、上から見下ろすように眺めて)おトキさんに飲み物と甘い物を頼んで少し休憩にしますか? 疲労を感じながらの作業は効率悪いですし。
ああ、そうだね。幾ら前と同じような作業内容とは言え、君も疲れただろう?部屋も綺麗になったし、写しもこんなに早く出来上がってきている。私の方が感謝しているんだ。(わざわざ手を止め側に腰を下ろし柔らかな表情で問い掛けてくれた彼女へ、釣られたように口元を綻ばせ微笑み返し。次いで見上げた視線の先、彼女の長く艶やかな髪の毛を捕らえれば指先をその毛先へ伸ばし)…うん、報酬は髪紐にしよう。これからも作業するのに、あっても邪魔にはならないだろう?それに、髪を束ねた君の姿も見てみたいなぁ。
毛利さんありがとうございます。そう言ってもらえると励みになってもっと頑張れます。(照れたように微笑みつつ気合いが入ると、相手は無意識だろうが髪を触られると驚き目は見開かれて。髪を触れられるとは思わずどう対応したら良いか迷い、そわそわと少々落ち着きの無い様子になり。掃除や書き写す作業は仕事の内に入らないと思っていたので報酬など全く気にしていなく『髪紐ありがとうございます!ですが、報酬については気にしないでくださいね?』相手を気遣うと髪に触れる相手の手へ腕伸ばし、重ね合わせるように優しく触れて)あの、毛利さん。毛利さんの性格からきっとみんなに分け隔てなく優しいと思いますが、どうしてそんなに優しいのでしょうか?
ははは…私は、優しい人間ではないよ。もし、私が優しいのなら…私はとっくに死んでいたさ。(虚ろな瞳でぼんやりと此処ではない何処か、忘れ去りたい過去や自らが殺めてきた人々、戦場の数々を思い出し、苦し気に眉根を寄せれば自嘲気味に言葉を吐き出し。しかしそれも直ぐに何時もの穏やかさを戻し、何事もなかったかのように触れ合った手を翻すと手の平を彼女のそれと合わせ)朱莉殿の方が優しい人だと私は思うよ。なにせ、あのおトキですら片付けを諦めていたこの部屋を、こんなに綺麗にしてくれたのだからね。いやはや、君は片付け上手な上に、年寄りの仕事も手伝ってくれる優しいお嬢さんだ。そんな朱莉殿にお願いなのだけれど…おトキの所へお茶を受け取りに行ってきてくれないかな?(廊下の奥から微かに聞こえてきた慌ただしい足音に、常ならぬ気配を感じとり。するりと手を離せば、それを気取らせぬ様にのんびりとした所作でゆっくりと上体を起こし)
("そんなことはない"と言おうとしたが表情から誰にでも言いたくない、訊かれたくないことがある為察して何も言わず話終えるまで静かに聴いて。ほめられるとそこまでほめられる程の人間ではない為否定しようとしたが、ここは素直になって『毛利さんだから優しいのかもしれませんよ。それから、毛利さんはまだまだお若いのですから年寄りは似合いません!』手が重ね合わざると指を絡ませながら楽しそうに伝え。言われてから音のことに気付かされては名残惜しくもゆっくりと手を離し、一礼した後部屋を出ておトキが居るであろう部屋へと向かい)──おトキさん!どうかしましたか? 私に手伝える事がありましたら何でも言ってくださいね。
よろしく頼むよ。余り急いでお茶を溢さないようにねぇ。(礼儀正しく一礼した後、部屋から退室していった彼女の気配が廊下の奥へと消えると、1人の若武者が、静かだが何処か切羽詰まったような慌ただしい足取りで此方に向かって来ており。次いで若武者は居室外の渡り廊下に正座すれば深く頭を下げたまま「お、大殿!ご報告でございます!」と矢継ぎ早に言葉を張り上げ報告を始めた。)
(彼女が声を掛ける少し前、部屋の整理に勤しんでいるであろう2人の為にお茶を用意していたおトキであったが、手を滑らせ茶飲みを床に落としてしまい「まぁ…どうしましょう…」表情歪めながら割れてしまった欠片へ膝を床に付けて指を伸ばすも、彼女に声を掛けられれば素早く立ち上がり「ああ、朱莉殿でしたか。いえ、少し指を滑らせてしまい、茶飲みを割ってしまいましたの…」割れた茶飲みを不安気に見下ろし小さく溜め息こぼし)
トピック検索 |