へし切長谷部 2017-07-13 04:11:33 |
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ふっ、恋人を助けるのは当然だろ。
( 突き刺した刀を引き抜けば目の前の敵は跡形も無く消え失せ、ふぅと小さく息を吐き出し。すると彼から助けた事への礼を言われ敵がいる中でもニッと笑みを見せると、上記を述べては怪我の具合が気になるもののそんな余裕はなく。敵の方に向き直ると残りもあと僅かで、自身達に迫り来る者の攻撃を躱しつつ次々と斬り殺していき )
ははっ、これは惚れ直してしまうな。
( 自身を助けるのは恋人として当たり前だと笑みを浮かべる彼の表情見てはこちらも微笑み返し。それから互いに背を向け合いこちらへと最後の足掻きのつもりなのか襲い掛かる敵を殺していけば歴史修正主義者に似たそれらは全滅したように見えて。まさかの事態だったのか狼狽える政府の者達へと視線をやれば「どうした?俺達を捕らえるんだろう?」と余裕ぶった笑み浮かべそう言って )
ククッ……いい気味だなぁ。これで俺達を捕らえるとよく言ったもんだ。
( 眼前の敵を殲滅し残りは政府のみとなれば彼の横に並んで同じく役人の方に視線を遣ると、作戦通りに行かなかった事もあってか狼狽える姿が見え。それが何とも面白く嘲笑いながら言葉を紡げば、取り乱しつつある政府の者達が前にも自身達の動きを封じる為に使った呪詛のひとつであるあの札を取り出していて )
さっさと諦めたらいいものを、無駄な犠牲が増えるだけだろう?それとも政府はそのようなことも気にはならんのだろうな。
( これから先何度捕らえようとしようが自身達に何かがない限り結果は同じ。分かっていることなのに未だに足掻くその姿はとても滑稽で。上記述べつつ視線を巡らせると政府の者が何やら怪しい行動をとっており。それに気が付くと同時にそちらへと近寄れば躊躇うことなく呪詛を持っていた手首を斬り落とし「ハハハッ、残念だったなあ?」と嘲笑しつつそう言って )
…なあ、政府よ。そんなに捕らえたけりゃあ、俺を連れて行けよ。──但し、二度と他の奴らには手を出さんと約束できるなら、だが。
( 呪詛の発動を阻止する様に目の前で食い止める彼の姿を見た後、視線を巡らせながら札を手に持っている者はまだ数人居て。使用される前に阻止する事は容易いものの、この場で政府を殺した所で彼方が諦めない以上は同じ事の繰り返し。これから先仲間達が平穏に本丸で生活できるならばと何かを覚悟した顔で刀を鞘に収め、片手で持てば一歩ずつ前へと確実に政府の方に近付きながら耳を疑うような言葉を発して )
なっ…、国永、正気か?!
( さて、こちらが先に政府によって捕らえられるかそれともこちらが殲滅するか。相手方の動きをじっと見据えていると不意に耳に届いた疑いたくなるような言葉。思わずそちらを向いては上記を述べ。彼が冗談で言っていないことはその表情から見て取れる、しかしそんな事を自分が許す訳がない。彼まで居なくなったら生きていく必要などないのだから。「待て、それならば俺が行く。」と彼の代わりになろうと名乗り出ては刀を鞘に戻し )
…悪いな、長谷部。これはもう決めた事なんだ、だから最後まできみ達を守らせてくれ。
( ゆっくりと政府の方へ足を動かすも先程とは打って変わった様な自身の態度を見て流石の政府も驚きを隠せずにいる。まあ、無理もないかと内心思うものの多少距離を空けてピタリと足を止め、まだ返事は貰っていない為にじっと見据え。矢張り彼は自身の言動に黙っておらず、終いには此方の代わりになるのか名乗り出る始末。その言葉に自身としてはもう覚悟を決めた上、辛い事は彼にさせたくない。其方へ視線を遣ればその為に駄目だと首を横に振り )
…約束も守らない癖に何が守るだ、ふざけるな。そんなに政府の元に行きたいなら俺を殺してから行けばいい。
( 自身も知らないうちに彼は何かしらの覚悟を決めてきたようで、こちらの言葉にも首を横に降るばかりに彼を犠牲にしてまで生きていくつもりは無い、それにずっと傍にいるという約束も守ることなく政府に連れられる事を臨むのならば自身を今ここで折ってからいけばいいと自嘲気味に笑いつつそう言って )
…何言ってるんだ、そんな事俺が出来る訳が無いだろ。きみは俺の大事な恋人だ、そんな風に言わないでくれよ…。
( 彼の言葉は尤もで自身の行動は正に約束を破ろうとするも同然な行いで、その様に言われても仕方無い。しかしだからと言って目の前の、それも自身の大切な恋人をこの手で折れる訳が無く。彼の方に行けば決して政府の元に行く事を望んでいるのではない、これも彼らを守るためで悲しげな表情を浮かべ。突然始まった自身達の喧嘩だが、本丸の中から鯰尾と骨喰が駆け付けてきて。『長谷部さん、鶴丸さん。大丈夫ですか?…って、もしかして喧嘩でもしました?』、『俺達も助太刀に来た。』と二振り共に心配で来てくれた様子で )
骨喰に鯰尾…、国永が俺達を守る為に政府に自身を売ろうとしていてな。お前達からも言ってくれないか、俺の言葉ではどうしても…棘が出てしまう。
( こちらへと来た彼をじっと見据えその言葉と表情を見ては、少しばかり感情に任せ過ぎただろうかとバツが悪くなり視線を逸らして。彼も好きで政府の元に行こうとしているわけじゃない、それは分かっているがなんと言えばいいのか分からずにただ沈黙の時間が流れていき。突然それを裂くように本丸から出てきた二振りの姿を見ては言葉選びが不器用な自分の代わりに伝えてくれと告げて )
……、すまん。皆に何も言わず独りで政府の元に行こうとした事は正直悪かったと思ってる。それともう二度とこんな真似はしないと約束する。
( 俯きがちになり三振りの話を黙って聞いていれば、自身の行動に彼らは驚いた声を発して此方へ向き直り。考えを改めさせる為か説得を試みる必死な二振りに言われた事は、何かと独りで物事を解決する節がある為にもう少し自分達を頼って欲しいこと。他にはそれ以外に何か方法はある筈だとも言われて。ここまで言われてしまえば考え直すしかなく、それに何よりずっと傍にいるという彼との約束を守る為にもそんな思考を消し去り。顔を上げて三振りを交互に見つつ、眉下げ申し訳無さそうに上記を告げ )
…分かればいいんだ。二人共、感謝する。
( 口下手な自身に代わって二振りが必死に彼を説得している間、彼らから自身は背を向けて周りを囲む政府の人間が何かして来ないかと見張っており。しばらくして考えを改めたのか彼の口から出た言葉に耳を傾けては、上記を述べ仲裁に入ってくれた2人に礼を述べて。こちらの今までの行動を見ていた政府も、鶴丸の意見が変わったことに驚いた様子でそれを見ては「…と言うことだ、今日は諦めて帰ってくれ。いや、二度と近付かないでくれ。俺達が何をしたって言うんだ」と落ち着いた、だが何処か切に願うような口調でそう言って )
早く此処から立ち去るなら危害を加える様な真似はしない。
( 自身達の大事な話も纏まり政府の方へ向き直ると当然納得がいかないという様な顔をしており、だが今更彼方の意見を聞き入れるつもりなど無く。視線鋭くさせ有無を言わさぬ威圧感のある声色で彼の言葉に付け加える様に紡げば、圧倒されて諦めたのか本丸の敷地内から撤収して行く姿を見据え。完全に気配が消えたのが分かると彼の方を向いては「長谷部、早く手当てをするために手入れ部屋に行くぞ!」と手を引いて本丸の中へと急いで入って行き )
っ…おい、国永?!
( 彼の協力もあり、撤退していく政府の者達を眺めては何とかなったようだとホッと息をついて。当然深手を負った自身の身体からは未だに血が流れており立っているのもやっとの所で先程までの雰囲気とは一転しこちらの手を引かれては体制を崩しそうになり。何とか持ち堪え遅れないようにとついて行き手入れ部屋へと入って緊張も解けたせいかその場に座り込み )
…少し痛いかもしれんが、我慢してくれ。
( 手入れ部屋へと着いた瞬間、その場にストンと座り込む音が耳に届き彼の方に向いて未だに流れ続ける血を止める為救急箱を探し出して。いつもはして貰う側だが今はそんな事を言っている場合ではなく、彼の前に座ればなるべく優しくはするつもりだが何分慣れていないので上記を述べると少し不慣れ感はあるものの消毒や包帯を巻き手当てを施していき )
っ…、死ななきゃ安い。
( 不器用ながらも自身の手当をしてくれる彼の言葉に頷くも、やはり受けた傷は深手ということもあり痛いものは痛いようでビクッと肩揺らし。まるで自身に言い聞かせるかのように苦笑浮かべ。しばらくして、手当てを済ませると「すまない、助かった。」と礼を述べては手当てをしてくれていた彼もいつの間にか薄らと額に汗をかいていたようでそれを拭ってやり )
これで問題は無いと思うが、暫くの間は部屋で安静にしてくれよ。
( 手当てと言っても所詮は応急措置に過ぎず礼を受け取りつつも彼は先の戦闘で深手を負った身、完全に傷が塞がるまでは治療に専念した方が良いだろうと告げて。そう言葉にする前に自身の額の汗を拭ってくれた事に対して今度は此方が礼を述べた後、脅威も去り今更ながら張り詰めていた緊張が解けてはホッと安堵の息が漏れ )
ああ、すまないがそうさせてもらう。迷惑をかけるがよろしく頼む。
( 彼の言うように今は安静にして治療に専念する方が大事だろう。いつ何が起こるか分からない状況下でこうなってしまったのは痛手だが、早く治してからの話だと頷いて。ホッと息をついたのに気付けば「今回も何とかなったが…いつまで続くのだろうな」と政府と自身たちの争いはまだ終わる事は無いのだろうと思いつつそう言って )
さあな…政府が諦めるまでだろう。俺達は別に争いたい訳じゃないんだがなぁ…
( 今回も誰一人欠ける事なく政府を追い払ったものの、彼の言うようにこんな望んでいない争いを政府といつまで続くのかなど全ては彼方次第。自身達はただ静かに暮らしたいだけなのに、こんな事をずっと続けても無意味な上に犠牲者を生むだけで。考え出した所で政府の考えなど分かる筈も無く上記を返しては「まあ、暫くは政府の動きも無いだろう。兎に角今は長谷部に出来る事は早く怪我を治す事だ、その間俺が本丸の見廻りを引き受けよう」とそう続けて )
ああ、ただ静かに暮らしていたいだけだとしても…許されないか。
( 自身達は闇堕ちしているとはいえ、歴史改変するわけでも謀反を起こすわけでもない。それでも存在することを許さない政府は異物である自身達を消すことに必死でいて。いつまで続くか分からない争いが今はただ早くなくなるようにと願うことしか出来ずにいて。自身が治療に専念している間は彼が見廻りの役も引き受けてくれるようで心配ではあるがその腕には信頼もしているため「それでは頼んだ、すまないな」と眉下げ申し訳なさそうにして )
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