匿名さん 2017-07-11 21:42:25 |
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別にお前一人ぐらい大したことねえよ、なんならこのまま走ってやろうか?
(心配するように控え目に声をかけてくる相手を一瞥すればこの程度の重さなど屁でもないということをアピールするように相手が落ちない程度に軽く腕を上げ下げしてみて。それからふと相手を少しばかり怖がらせてやろうという悪戯心が芽生えてくれば不敵に笑い砂を勢いよく蹴って走り出して)
いや、だめですっ!そんな事したら…きゃぁあっ!!
(腕を上げ下げしている時に不安定になる時でも自分はびくついて必死に相手にしがみついているのにまさか走られるとは思っていなくて急に走り出せば今まで自分でも聞いたことのない悲鳴が出て泣き出しそうになって)
ちょっ、おまっ…そんなにくっつかれると前が見えねえだろうがああぁ!?
(ちょっとした悪ふざけのつもりだったのだが期待以上に大きく怖がるようなリアクションを見ることが出来て満足したところまでは良かったものの、恐怖に取り乱した相手がとった行動といえば己の頭を抱えるようにしがみつくというもので、悲しい程に凹凸のない身体つきのおかげで余計な意識は殆どせずに済んだが腕によって視界が塞がれたせいで足元の砂に足をとられ、勢いよく転んでしまえば二人して砂浜に転がって)
ガレイさんが悪いんじゃないですかぁああっっ!!へぶっっ!!
(キャーキャーいいながら必死に相手の頭にしがみついて死にたくないと頭の中で願いながら相手がまさか自分の体に哀れみをもってることは知らずにぎゅぅぎゅぅと抱きついていれば視界が揺らいで砂浜に転がれば変な声が出て)
あー…クソ、砂が入った…
(思い切り派手に転んだものの柔らかい砂の上であったため無傷で起き上がり、転んだ拍子に鎧の隙間に入り込んでしまった砂のジャリジャリとした不快感に顔をしかめて。鎧をガチャガチャ揺らし砂を外へ排出しながら自分が倒れた場所から少し離れた位置に投げ出されている相手の元へとのそのそと歩み寄っていき「大丈夫か?」顔をのぞき込むようそう声をかけて)
だ、大丈夫です…
(体中砂まみれで少し気持ちが悪いと思いながら手で顔や体の砂を払い相手がのそのそと歩いてきたので大丈夫だと告げれば自分が相手の頭を掴んでしまったばかりに申し訳ないと思って頭を下げて謝って)
ったく、何やってんだかな…
(砂まみれになって見てくれは酷い有り様であったがケガなどが無さそうなのは不幸中の幸いだろうか、ひとまず安心して傍らにゆっくり腰を下ろすと軽く肩を竦めつつ相手の頭の砂を手のひらで払ってやり、我ながら馬鹿なことをしたものだと可笑しくなってきてしまい、口角を吊り上げ笑いを堪えるように肩を揺らして)
ほんとに、取り乱してすみません
(頭の上にある砂を払ってもらい相手の隣に腰をかければまだ心臓はドキドキしていて、あんな怖い思いはもうきっと二度としないだろうから自分の寿命はすごく縮まったと思っていると相手が笑い出したのでよく考えればおかしなことをしたと思って自分も笑いがこぼれて)
俺の方こそ悪かった、お前があまりにも予想通りの反応するのが可笑しくてついやり過ぎちまった
(隣同士、つかず離れずの位置に座る相手の気配を感じながら寄せては返す波にゆらめく海面をただ無心にぼんやりと見つめていて。本人を目の前にしてというのは照れくさいのか視線はそのまま海の方を向けながら素直に自分の非を認めて謝罪をし、最後にクク…と意地悪な感情を内包したような笑みを相手に向けて二人笑いあって)
はぁ…久しぶりにこんなに笑いました
(まだ笑がこぼれていて笑いすぎで少し溢れた涙を指で拭いながらこんなに笑ったのはもういつだっただろうと考えて、まさかまたこうして笑い合える日が来るとは想像もしていなかったと思い自分も波を見て微笑んで)
お前はさ、そっちの方がずっといいと思うぜ…
(これまで共に旅してきた中で初めて見るのではないかというぐらいの明るい笑顔に、こんな表情も出来るんだなと思うのと同時に家族や故郷を失う前はいつもこんな風に笑っていたのだろうかとガラにもなくそう考えてしまって。頬をポリポリと指先で掻いて視線を青空の方へと動かしつつも視界の隅の方には彼女の笑顔を捉えたままで、ストレートにもっと笑えと言うのは抵抗があるようで頬を僅かに赤らめながらそう遠回しな物言いになってしまって)
…え?
(少し小さい声で聞こえた言葉を聴き逃しはせずに相手の方を振り返り相手を見つめて、少し恥ずかしそうに言ってくれる相手につい笑みがこぼれて「はいっ!」と笑顔で大きく頷けば相手と同じように空を見つめて)
…これはあれだ、お前みたいな奴はいつも呑気にヘラヘラ笑ってるぐらいがちょうどいいっていう意味だからな
(少し遠回しに伝えたつもりが全てを察したような一点の曇りもない笑顔に怯み、やはりらしくないことは言うべきではなかった…と軽く後悔をして。相手の明るい笑顔を見てからずっと自身の内側でくすぶっている言い知れぬ感情を持て余しながら、腕を組みやや乱暴にそう言い捨てて)
わ、私へらへらしてました?
(ヘラヘラ笑ってると言われると驚いた顔をして自分の頬をつまみながらそんなに気の抜けた笑い方をしていただろうか…恥ずかしい…と少し頬を染めて思って、乱暴そうに言う相手を見てクスリと笑い隣に寄り添って)
自覚無しかよ…っていうか一々くっついてくるんじゃねえ、暑苦しい
(如何にも平和ぼけしたような、此方まで気の抜けるような仕草や表情を散々見せておきながらこの期に及んでそれかと呆れ果てたような声を漏らし相手の方へ顔を向け。するとまるで身体を密着させるように距離を詰めていた相手の顔をすぐ目の前に捉え、同時に心臓が高鳴れば慌てて逃げるように横へと身体を逃がして)
えぇ!?そ、そんなに暑苦しいですか!?
(まさかそんなに嫌がられるとは思わず少しショックを受けるもそんなに自分は体温が高いんだろうかと一人で悩んで、よく見れば少し顔が赤くなっている相手にどうしてだろうと首をかしげて)
ただでさえこの鎧は熱が籠もるんだ、その上この天気…熱いに決まってんだろうが
(心外だとでも言いたそうな相手の表情をチラリと一瞥すれば深いため息を一つ吐き出して、日差しを遮るものがない白い砂浜へと容赦なく照りつける太陽、己の身体を覆うガッチリした重鎧、これらを見て察しろと悪態を吐きながらも、己が相変わらず相手の顔を直視出来ないままなのは明らかに別の理由だと自覚していて、自分自身で説明のつかないこの感情に僅かに苛立ちを覚えていて)
そうですよね、その鎧すごく重そうで…暑そうです
(相手がイライラしているのはすぐに察したので自分の言動や行動で怒らせてしまっただろうかと慌てながらどうしてこんなに不機嫌なんだろうと悩んで、確かに相手の服装やこの場所は暑いだろうと思ったので涼しい道を選んでいきましょうと提案して)
わかったならあまりくっつくな…
(どこか申し訳なさそうで困ったような相手の表情を見れば冷静さを取り戻し、一つ息を吐いてひとまず気持ちを落ち着けて。モヤモヤする感情に任せて八つ当たりのような態度をとってしまうなんて我ながら情けないと反省し、重たい腰を上げてそれだけ言えば先立って歩き出して)
は、はいっ!
(くっつくなと言われれば自分でも驚くくらい密着していたことに気づき慌てて離れて、先を歩いていく相手を見ながら自分も後について行くよう荷物を持ってついて行き)
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